デッドエンド・ウェディング

うてな

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33 ローズクォーツ:繊細

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リョウキは白原家に到着した。リョウキは少し緊張した様子でおり、身だしなみを整える。

(美夜さん…。あの男と別れたから落ち込んでないかな…?俺が元気づけられないか…?緊張するな、どうやって接すれば…。)

リョウキは考えた様子でいると、そこに進也と広也が学校から帰ってきた。進也は目を丸くし、広也は威嚇する。

「なんだテメェ!」

広也の声でリョウキは全ての思考が吹っ飛んでしまい、それから言った。

「美夜さんに会いに来たんだよ。」

「お断りだ」

敵意むき出しの広也はリョウキを睨むと、進也は笑顔で言う。

「いいっすよ!」

「ハァ!?」

広也は進也に言うと、進也は家の扉を開けながら言った。

「いいじゃないっすか!美夜ー!リョウキが来てるっすよ~!」

それを聞いた広也は溜息。進也は恋路に疎い為か、リョウキに関しても美夜の友達くらいにしか思っていないのだろう。広也はリョウキを睨み、念押しするように言った。

「美夜に変な事したら許さん」

そう言って広也は家へ戻っていった。リョウキは広也に向かってアッカンベーをしながらも呟く。

「変な事なんてしねーよ。」

すると、美夜がやってくるのでリョウキはビシッとした。美夜は不安そうな表情で言う。

「リョウキ…くん?」

リョウキは思わず照れてしまう。

「あっ…美夜さん!こんばんわ。」

「こんばんわ…」

美夜は元気がない様子だった。それもその筈…。

(本郷さんの弟であるリョウキくん…。疑うに越した事はないわね…あまり関わってはいけないわ。)

美夜は完全にリョウキを疑っていた。ヒナツの本性を知ってしまったからこそ、美夜は慎重になっていた。姉弟だから仕方がないのだろうが、リョウキの純粋な好意が少し可哀想に思える。
リョウキはそれを見て、美夜に聞く。

「…やっぱり、あの男と別れたのがそんなに残念か?」

事実は全然違う。すると美夜は驚いたのか、リョウキに言った。

「なんで知ってるの!?」

いきなり大きな声を出したので、リョウキは驚いたのか少しだけ間を空けてしまう。

「さっき、あの男からお茶に誘われたんだ。その時、クルミとかいう地雷臭のする女も一緒にいた。」

それに美夜は目を剥いて呆然とすると、リョウキは続けた。

「三人でお茶してよ、そん時に聞いたんだ。」

しかし美夜は、クルミの事が気になる様子。美夜はリョウキに詰め寄って言った。

「綺瑠さんは!?今どこ?クルミさんといるの!?」

「ああ、あの男が風邪で倒れて。俺はこの家に直行すべきだって言ったんだが、あのクルミって女が自分の家へ連れてってよ。」

それを聞き、美夜は家を飛び出した。リョウキはそれを見逃さず、美夜の腕を掴む。

「離して!」

美夜が言うと、リョウキは言った。

「美夜さん!まだあの男の事を諦める気にならないのか!」

「リョウキくんには関係ないわ…!」

美夜が言うと、リョウキは思わず俯く。リョウキは考えていた。

(美夜さんが姉貴の家にいた時も、こんな風に拒まれたな。美夜さんは、本当に一途なんだな…。)

そしてリョウキは言った。

「それほど、あの男が好きなんだな。」

答えるまでもない美夜は、リョウキに顔を合わせる事すらしない。それを一瞬虚しく思うリョウキだったが、美夜を真っ直ぐ見つめて言う。

「俺も行く。いいだろ?」

「え?」

美夜が驚いた様子で振り返ると、リョウキを連れてもいいものか少しの間考える。しかしすぐに返事は出た。

「ダメ、と言っても来るでしょ?」

「おう。」

すると美夜は走り出した。リョウキも走ってついていくと、美夜は考える。

(リョウキくんが何を考えているのかはわからないけど、今はその話が本当かどうかこの目で確かめないと…!確かめないと綺瑠さんが…!
綺瑠さんが…?)

美夜はそう考えて、走りながらも俯いた。

(私と綺瑠さんは恋人でもないのに…、何を心配しているの…?)

するとリョウキは美夜に言う。

「俯いて走ってると転ぶぞ!」

美夜は我に返り、真っ直ぐ走った。





クルミの家にて。綺瑠は夕方になってから、やっと目が覚めた。熱にうなされた為か全身に汗を流して、目を覚ました綺瑠。綺瑠は人の気配を感じると、真下を確認する。すると綺瑠の胸にそっと耳を当てている、クルミの姿を発見した。綺瑠は目を丸くして言う。

「クルミ…ちゃん…?」

クルミは綺瑠の声を聞くとゆっくり目を開け、綺瑠に微笑んだ。

「おはよ、キルキル。今ね、キルキルの匂いを嗅いでたの。」

綺瑠はそれに答える事もなく、部屋の様子を見た。部屋を見て、綺瑠は上体を起こして言う。

「クルミちゃんの家…だよねここ。どうして僕は…」

「キルキル、風邪で辛そうだったから…一番近いクルミの家にしたんだよ。」

そう言ってクルミは、毛布を捲った。クルミは片手にタオルを持っており、綺瑠に微笑む。

「汗拭いてあげる。さ、上脱いで。」

クルミは綺瑠の身体に手を伸ばすが、綺瑠はハッとその手に気づいた。思わずクルミの手を払うと、クルミは綺瑠を睨む。

「なんで…!昔は身体を触る事くらい、沢山させてくれたじゃない!」

「違う…!僕は…軽々しいスキンシップを控える…そう決めたんだ。」

それに対し、クルミは呆れた様子を見せた。

「それは恋人がいたらの話じゃない?恋人のいないキルキルがスキンシップしようが、されようが、誰もキルキルを責めないわよ。」

そう言われ、綺瑠は目を剥いて口を噤んだ。クルミはそのまま綺瑠の背に腕を回し、綺瑠に抱きつきながら言った。

「本当は触れたいでしょ?こうやって、抱きしめたいんでしょ?」

綺瑠は固まったままで、クルミは綺瑠のベルトに手を伸ばす。

「暑いよね…着替えよ?」

するとクルミは、綺瑠のポケットに何か入っているのに気づく。それを確認すると、それはリョウキから貰った飴だった。クルミは袋に包まれた飴玉を取り出すと、綺瑠の口元へ持っていった。

「ほら、あーんして。」

綺瑠は飴玉を見つめる。綺瑠は飴と知ると、口を開いて飴玉を食べた。クルミはその間、飴玉を食べる綺瑠の唇をジッと見つめている。飴玉を食べた瞬間、クルミの指に唇が当たる。その瞬間、クルミは頬をピンクに染めた。ピクっと動いた繊細な指に、綺瑠の注意はクルミへと移る。クルミの瞳は、うるうるとした瞳でこちらを見つめていた。二人は見つめ合うと、クルミは思わず綺瑠にキスをした。
クルミは少しして離すと、照れた様子で言う。

「キルキルとのチュウ…久しぶり。ほんのりイチゴの香りがしたわ。」

綺瑠はキスをされても動じなかった。クルミは思わず綺瑠の様子を伺うと、綺瑠は自分の唇に指で触れる。クルミが首を傾げると、綺瑠は呟く。

「あの日は……ドキドキしたのに…。」

「え?何が…?」

クルミが言うと、綺瑠は続けた。

「いつもそうだった。彼女とチューする時、胸が高鳴る事なんてなかった。ただいつもの癖でチューしてる、そんな感じで。…今もそう。可愛いクルミちゃんとキスしてるのに、全然ドキドキしないんだ。」

クルミは機嫌を損ねたのか眉を潜めるが、綺瑠は話し続ける。

「美夜とキスした時は…これ以上にないとっても幸せな気分になった。璃沙から悪戯にキスされた時は…」

そこまで言うと、綺瑠は顔を赤くして思わず手で顔を覆った。

「ドキドキした…!心が奪われちゃうんじゃないかって、怖いくらいに。」

綺瑠はその日の事を思い出すのか、落ち着かない様子になる。その様子を、クルミは快く思わない。クルミは声を荒くして言った。

「なんで!?なんでクルミがいるのに他の女の話をするのッ!?クルミを愛してるって、あの時は散々言ってくれたのに!!嘘だったのッ!?」

それに対し、綺瑠は回答に困ってしまう。綺瑠は難しい顔をした。

「以前言った通り、身に覚えがないんだ…!もしかしたら…」

そこまで言うと、クルミは大声で言った。

「多重人格なんでしょッ!!そんなの知ってるよ!!じゃあそっち出せよ!!そっちがクルミの彼氏だからよォ!!!偽物は要らねぇよ!!」

今でも襲い掛かりそうなクルミの剣幕と形相に、綺瑠は半分怖気づく。クルミは綺瑠の胸ぐらを掴みながらも、綺瑠に怒鳴るのであった。
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