六音一揮

うてな

文字の大きさ
19 / 95
2章 接続独唱

第17音 一心不乱

しおりを挟む
【一心不乱】いっしんふらん
一つの事に心を集中させ、
他に心を奪われない事。

==========

目が覚めるテノ、彼は起きたら起きたでさあ大変。
じっと寝る事ができない彼は、すぐに飛び起き外の散歩へ出かける。
日が昇るのが遅いため外は真っ暗だが、それでも彼は散歩をするのだ。

しかし夜は生き物も寝静まり、魔物の活動時刻でもある。
テノは攻撃魔法や素手で魔物を撃退しつつも、散歩に飽きたのかすぐに児童園へ帰ってくる。

部屋は静か。
同室のアールとレイが起きている時とあまり変わらない。
唯一消えた音はと言うと、アールが本をめくったり工作をする音が消えた、そのくらいだ。

二人は完全に爆睡していて、寝息も聞こえない。

(死人かお前ら…!)

他の部屋の人は徐々に起きてきて、廊下がバタバタしているのに二人は目を覚まさないのだ。
そして遂にテノは行動に出る、アールの布団をめくるのだ。

「アルにゃん起きろ!朝だぞッ!」

するとアールはテノに負けない握力で布団を奪うと、細々く言った。

「ん…今日休み…寝かせて…。」

テノは強い力で布団を奪われた事に一瞬だけ気が抜けたが、すぐにアールの言葉にツッコミを入れる。

「は!?休みってなんだよっ!おかしいだろ!」

起きる気のないアールにイライラしつつも、今度はレイの方へ。
テノは男女お構いなしに絡んでいる為、女からはあまり人気がないらしい。

「新人起きろッ!オメェも夜中まで起きてっから朝起きれねぇんだよッ!」

テノがそう言って怒った瞬間、レイは枕元から何かを取り出しテノに向かって投げた。
その何かはテノの頬に掠り、テノの頬からは血が滲んだ。
テノは怒ると怒り角を生やす。

「この~ッ!」

するとレイはうるさくて眠れないのか、嫌々起きると部屋を出ていった。
しかも、私服のまま寝ているようだった。

「テメェ私服で寝るって…ッ」

その時、アールは勢いよく起き上がる。
少々それに驚くテノ、アールはレイがいないとわかるとそのまま起きて着替えを始めた。

「おい、なんで新人がいなくなると起きる。」

テノが聞くと、アールは少しボーッとしてから再び着替えの続き。
そこでテノは気づいた。

「アルにゃん、ヒートテック着てるけど暑くねぇの?」

確かにサグズィは寒い方だが、今の季節は夏。いくらなんでも暑いだろう。

「…寒いから、悪いか。」

アールはそう答えると着替えを終えた。

「おいッ!寒いっておかしくねぇか!?今は夏だぞ!お前の体感どうなってんだよ…」

そしてアールは部屋を出ると同時に言う。

「レイは忍者らしいな。」

テノはアールの言葉と同時に、さっき投げられた物の行き先を見た。
部屋の壁にはなんと、手裏剣が刺さっている。

「マジかよ…」



「ペ~ルちゃん」

児童園から少し離れた草原で、レイはペルドに話しかけた。
レイとペルドは親戚らしく、レイにとっては数少ない家族。

「レイか」

ペルドはそう言ったが、あまり気にかける様子はない。
レイはペルドにも構ってもらえず、少し不貞腐れていた。

そして近くの草原では、アールとイーちゃんが一緒にいた。

「イー、もう少し待ってくれ。事が終われば必ずお前を魔物のいない場所へ連れて行く。
…だからもう少しだけ…私に時間を…」

アールは独り言のように言う。
イーちゃんは通じていないのか、アールの頬を舐めたりしていた。
その時、アールはペルドとレイの声を聞き取る。

(ペルド…!イーを見せてはイーが危ない…!)

「イー、遠くへ逃げるんだ。絶対、魔物に見つかるな。」

アールはそう言ってイーちゃんを逃すと、イーちゃんはアールを虚しそうに見つめながら逃げていった。
イーちゃんの表情を見て、アールは首を傾げる。

(言葉が…通じた…?)

そこに、ペルドとレイが歩いてきた。

「おう、お前か。」

ペルドはそう言うと、アールはペルドにお辞儀をする。
レイはというと、さっき逃げた影が気になって言った。

「私ちょっと用事思い出したわ。」

そう言ってレイはイーちゃんの後を追いかける。
ペルドはそれを眺めるように見送ると、アールは険しい顔を見せた。
レイの足は速く、すぐに見えなくなってしまう。
アールはイーちゃんに心配を寄せつつも、ペルドは言った。

「おやつの時間だ。」

アールはそれを聞くと、自分の首元を開いてペルドに血を捧げる。
アールはペルドに吸血されている間、イーちゃんが逃げた先の道を見つめていた。



レイはイーちゃんを追いかけていたが、イーちゃんの方が速かったのか見失ってしまう。
それでもレイは探していたが、近くの湖に人影を見つけてしまい立ち止まった。
それはラムで、何か独り言を話している。

レイはアールが言った通り、忍者である。
相手に気づかれずに近づくなんてお手の物。
ラムの場合は相手の魔法で相手の場所を確認できるが、生憎レイには魔法力などなかった。

ラムはアールの事を考えており、【アール】というワードが出る度にレイの表情が重くなる。

「アールが隠し事…アール…なんで昔から仲良くしてる俺には打ち明けてくれないんだろう…。
…俺が積極的に話せないからか…!アールが自分から話しかけられない奴だって知ってんのに…っ」

ラムはそう言うと空を見上げて声を上げた。

「あ~!」

しかし何か起こる訳もなく、空が虚しく見えてラムはしょんぼりとする。
レイはその様子にただならぬ気がしてきた。

「ねえあなた。」

レイは急に話しかけると、ラムは驚いて跳ねた。

「うわぁっ!え!?レイ!?」

「あなたはアールさんの何?」

レイは空かさず質問をしてくるので、ラムはレイの真面目な目を見る。

(この人…アールを狙ってるのかな…)

ラムは戸惑いつつも答えた。

「昔から仲の良い…友人かな…」

「児童園の子は皆家族じゃないの?」

レイが言うと、ラムはその言葉に反応した。

(そうだ…。児童園の人はみんな家族…友達とかじゃなくて…)

ラムがそう思っていると、レイは鋭い目になる。

(この子…、絶対にアールさんに気がある…。)

レイは人間観察を得意としていて、人を無視する割にはいつも人間を観察している。
だからこそ分かる事がある、ラムの反応は好きな人に対する反応だと。

「あなた…女っぽいのね。」

レイは小声で呟くと、ラムは何を聞き間違えたのか言った。

「え!?なんで俺が女だって事バレてんの…!?」

と言って貧血を起こして倒れそうになる。
ラムが混乱し始めるので、レイはまさかと思って聴いた。

「あなた、女なのね?」

ラムはレイを見るとゆっくり頷いた。
レイは落ち着いた表情なので、ラムはそれを見ると落ち着きを取り戻す。

「俺、実は魔法で姿を変えてるだけで…あ!これは他の奴等には秘密だからな!」

ラムは全部話してしまうと、レイは頷いた。

「ドジねあなた、聞き間違えだけで全部話してしまうだなんて。」

ラムは目を丸くしてポカンとすると、レイは更に考え事をし始めた。

(そう言えばペルちゃんがこの児童園に執着する理由が…
容姿魔法を使用できる児童がここにいるって情報を嗅ぎつけたからよね…。
まさか…この子がペルちゃんの探してる…。)

すると、レイはアールと初めて出会った日の事を思い出した。


――二年前、私は彼氏にフラれて寂しく酒場で酒を飲んでた。
人生なんてどうでも良くなって、消えてなくなってしまいたかった…彼のいない人生なんて有り得ない。

そんな事を思っていたら、そこにペルちゃんと一人の男がやってきた。

「よおレイ。コイツは下僕だ、私は今から愛しの人に会いにいくからコイツを見張っとけ!
すぐ逃げようとするからな!逃がすなよ!」

親戚のペルちゃんの言う事は絶対に聞くようにしてた。
私は魔物の血を引くのに、体が殆ど人間と同じだった。
そのせいか魔物には出来損ないと拒まれ、人間からは魔物だと言われ続けた。
そんな私を、ペルちゃんは拒まないでいてくれるから…。

私に押し付けられた男一人。
年齢は近かったが、私は元より他の男を信用してなかったので会話もしなかった。

「こんな酒場に、二十も満たない子供が何をしに。」

男はそう言った。
無愛想な男だった、軽蔑しているように私は見えた。
私だってその男が気に入らなかった。
雰囲気も含めまるで、自分を見ているようだったから。

「なんでもいいじゃない、嫌いなら話しかけないでちょうだい。」

「昼間から酒なんて飲んで、親に怒られないのか。」

私は頭に来た。

「親の話なんてしないでよ…!」

そしたら相手は驚いていた、私は拳を握り締めていたら男は言う。

「…何かあったのか。」

私はすると気づいた。
この男は、私を軽蔑してたんじゃなくて気にかけてたんだって。

それからお互いの話をした。
彼は自分の居場所で多くの子から虐めを受けた事、
私は…親によって男に売られて小遣い稼ぎに使われてた事。
彼は驚かずに最後まで話を聞いてくれた。
お互いに苦しい思いをして生きてきた事を明かした。

今日だって親の小遣い稼ぎに出される所を、彼は一緒に逃げようと提案した。
私はダメだって言ったけど、彼は私を連れて外に出てしまう。

「…すまない…。親に知られては大変だな…。」

彼はそう言って困ると、私は咄嗟に言う。

「ねえ、生きるのが辛いなら…いっそこのまま一緒に死なない…?」

彼はその言葉を聞くと首を横に振る。

「無理だ、私には大事な人がいる。救いたい者が…、だから死ねない。」

すると更に彼は、自分の有り金を差し出した。

「足りないと思うが…、これで我慢してくれ。親にはそういう客だったと言ってくれ…」

私は驚いた。
そして思わず、彼を止めた。

「ねえ、あなた名前は?」

彼は帰ってきたペルちゃんを見つけてから言う。

「アール・ダーン。」

そう言うと彼は、ペルちゃんと一緒にどこかへ行ってしまった。――


(そうよ…私はこうして彼を欲しいと思った…!
そして今、彼の大事な人の存在に気づいた…。)

レイはアールがラムと一緒にいる時間を思い出し、ラムを見つめた。

(彼が守りたいのは他でもない…!
ペルちゃんが求める力を持ったこの子なんだわ…!)

レイの暗い表情にラムは怖気付くと、レイは言った。

「負けない…!私はあなたに負けないわ、絶対に彼は渡さない…!」

「え…」

ラムが呟くと、レイはそのまま立ち去る。

(絶対…絶対に渡さない!
彼はペルちゃんがいる限りいつも、私の手の内にあるのよ…!)

そしてレイは考える。
レイは見つけてしまった、アールを落とす方法を。

(イイコト考えた…)

レイはそう思いながら、ニヤリと笑うのであった。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

無能妃候補は辞退したい

水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。 しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。 帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。 誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。 果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか? 誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。

『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』

放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。 「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」 身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。 冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。 「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」 得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。 これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~

ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」 魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。 ――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。 「ここ……どこ?」 現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。 救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。 「ほら、食え」 「……いいの?」 焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。 行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。 旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。 「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」 「ウチの子は天才か!?」 ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。 これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。 ※若干の百合風味を含みます。

王女様は聖女様?おてんば姫の大冒険~ペットのドラゴンが迷子なので冒険者になって探しに行きます!~

しましまにゃんこ
ファンタジー
アリシア王国の第3王女ティアラ姫には誰にも言えない秘密があった。 それは自分が全属性の魔力を持ち、最強のチート能力を持っていた「建国の賢者アリシア」の生まれ変わりであること! 8才の誕生日を境に前世の記憶を取り戻したものの、500年後に転生したことを知って慌てる。なぜなら死の直前、パートナーのドラゴンに必ず生まれ変わって会いにいくと約束したから。 どこにいてもきっとわかる!と豪語したものの、肝心のドラゴンの気配を感じることができない。全属性の魔力は受け継いだものの、かつての力に比べて圧倒的に弱くなっていたのだ! 「500年……長い。いや、でも、ドラゴンだし。きっと生きてる、よね?待ってて。約束通りきっと会いにいくから!」  かつての力を取り戻しつつ、チートな魔法で大活躍!愛する家族と優しい婚約者候補、可愛い獣人たちに囲まれた穏やかで平和な日々。 しかし、かつての母国が各国に向けて宣戦布告したことにより、少しずつ世界の平和が脅かされていく。 「今度こそ、私が世界を救って見せる!」 失われたドラゴンと世界の破滅を防ぐため、ティアラ姫の冒険の旅が今、始まる!   剣と魔法が織りなすファンタジーの世界で、アリシア王国第3王女として生まれ変わったかつての賢者が巻き起こす、愛と成長と冒険の物語です。 イケメン王子たちとの甘い恋の行方もお見逃しなく。 小説家になろう、カクヨムさま他サイトでも投稿しています。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。 九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。 同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。 不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。 古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

処理中です...