六音一揮

うてな

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2章 接続独唱

第26音 自由闊達

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【自由闊達】じゆうかったつ
心が広くのびのびし、
物事にこだわらないさま。

===========

ルネアはある朝、ラムを叩き起す。
軽く揺する程度であるが。

「ラム起きて~」

あまりにも朝早すぎた為、ラムは渋々起き上がる。

「なんだよ…」

「アールさんが外に行っちゃいました。」

「はぁーっ!?あの朝起きができないアールが!?」

ラムが驚くと、ルネアは

「しーっ」

と声を小さくする様に求めた。
近くで寝ているシナは、目覚めていない。
それにルネアは安心しつつも、ラムは小声で言った。

「どこ行ったんだろ。」

ルネアはそこで思い出す。
ルネアがアールに首を絞められた日、実はあの後ルネアとアールだけで会話していた。



――「アールさんに見張られるって事は、一日中一緒にいないとダメなんですか?」

アールは溜息をつくと言う。

「お前は私と一日中いると苦痛だろう。」

ルネアは笑顔で答えた。

「僕は全く!むしろいつも関われないアールさんと関われるのは嬉しいです!」

しかしアールは暗い表情になると言う。

「私は苦痛だ。」

まるで「一緒にいないで欲しい」と言いたげな顔に、ルネアは恐怖で震えてしまう。
アールはそんなルネアを見て言った。

「お前は小心者なんだな、よくそれで過去になど来たものだ。
…別にいつも通りに過ごしてくれて構わない、私はお前の行動まで縛る気はない。」

「いや、見張らないとレイさんに怒られますよ?」

するとアールは面倒そうな表情を浮かべて言った。

「お前と一緒にいる方が怒られる。」

そしてルネアは納得してしまう。

(レイさんってアールさんの事好き疑惑があったなそう言えば!)

「まず私が未来で王国を破壊する竜だという事を、話して信じる者がいるのか?」

アールの言葉にルネアは微妙な反応をしてしまうと、ルネアは質問した。

「アールさんは僕達を裏切る気は?」

アールは少し黙って考える。

「裏切っても自覚がない…かもしれない。」

ルネアはガクッとなると、それからアールの腕を掴んだ。

「仕方ないです!
じゃあ僕がアールさんを見張ります!変な行動に出ないように!」

アールはルネアに捕まれた腕を見ている。
ルネアは勢いで掴んでしまった為、自分の行動に気づいてすぐに手を離した。

「あ、ごめんなさい…」

「…好きにしろ。」

ルネアは思ってもいない回答が来たので驚いた。

「え?」

「私の行動を制限しないのなら気にしない。」

ルネアはその言葉に目を光らせると、次に質問をする。

「あの!いつもアールさんってどこにいるんですか!?」

すると、アールは即答で――



「図書館へ行きましょう!」

ラムは唐突の発言に驚くが、自分も用があったので了承。
ラムは笑みを浮かべて言う。

「よし!じゃ早速行くか!」

こうして、二人は図書館へ向かう事にした。

~+~+~+~+~+~+~+~+~+~+~+

児童園を出て暫くすると、正面に大きな建物が見える。
縦に長くまるで大きい時計台のようで、建物は真っ黒。
ルネアがその建物に視線がいってるのを見て、ラムは説明してくれる。

「あれが図書館だぜ。
大きな図書館で、沢山本があるからお前も気に入るかもな。」

するとラムは小走りを始めた。
ルネアはそれを見て慌てて追いかけ始める。

「どうしたの急に?」

「遠いからなんとなく。」

ルネアは次に建物を見つめると言った。

「真っ黒だね、まめきちさんの箱みたい。」

「ちょ…本人に言うなよ。黒くないと夜景で目立つだろ。」

ルネアは苦笑してしまうと思う。

(いつもみたいに「失礼だろ」って言わないんだ…)

「ここはサグズィの中心にあって、貴重な資料もある図書館だから戦争に巻き込まれないようにされてるんだ。
だからここに逃げようとする奴もいるけど…」

ラムはそう言って、木々に設置されているカメラを見た。

「こうやって監視され、この森に留まる者を見つけたら排除されちまう。」

ルネアは恐ろしいのか表情が堅くなっていると、森を抜けて図書館に到着。
見上げれば首が痛くなるほど高い建物を見ると、ルネアは目を見開いて喜んだ。

「お~!おっきい!」

「さあ入るか。」

ラムはそう言って扉を開いた。

少し歩くと、広い広い広間に出たと思ったが…円筒状の広間の壁には、ぎっしり本が並んでいた。
それは天井まで続いるようだが、生憎天井は高すぎて見えない。
広間にある本棚も同じくらい高く、倒れないか心配になるほど。
脚立が所々設置されているが、天井までとても届く気がしない。
その上、何の用途で設置されたかわからない、天井から白い帯の輪っかがぶら下がっていた。
その帯には誰かが腰掛け、手元に有る紐を引いたりして帯の位置を調整している。
どうやら高い位置にある本を取る為にある帯のようだ。

「危なくない?」

ルネアがラムに聞くと、ラムは帯を見上げて言う。

「この図書館の従業員だよ、目的の本が取れない時に取ってくれる人。
古い本やマイナーな本は大体上に置かれちまうから、それを求める人用にな。」

「へぇ~」

ルネアは感心して上ばかり見ていると、ラムは続けた。

「この図書館な、東軍と西軍のどちらかが勝ったら、城になっちまうらしんだ。
ここの本、どうなるんだろ。」

「えっ!?」

ルネアは驚くと、声が図書館に響いてしまう。

(父さんが言ってた…僕の家はサグズィの中心に建ってるんだって…つまり…)

「未来、ここに僕の家が…!」

ラムは気づく。

(ルネアはそう言えば、未来の王子だったな。)

二人で感心していると、そこに誰かがやってきた。

「やあ、合唱団の子だね。」

二人はその人に振り向くと、どこかで見た事のある顔。
するとラムは反応した。

「グランさん!」

続いてルネアも思い出す。

「ああ!リートさんに告った人!」

彼は図書館の従業員と同じ服を着ており、胸の名札には【グラン・リダーク】と記されていた。
グランは苦笑してしまうと言う。

「アールを探してるの?」

「あれ、知ってるんですか?」

ルネアが聞くと、グランは頷いた。

「知ってるとも。あの子いつも来てるし。
僕がここで働く前から通ってたからね、よく仕事の手伝いしてくれるよ。」

ちゃっかりした発言に、ルネアは笑ってしまう。
しかしラムはアールの名前を聞いた途端、近くの棚に隠れてしまった。

「ラム?」

ルネアが話しかけると、ラムは渋々スルー。

(アールの事…調べようとしてるのバレたらまずい…あんまり声出さないようにしよ…)

ラムはいくつかの本を順を追って読んでいて、ルネアは邪魔してはいけない雰囲気になったので自分の事をする事に。
そこらをブラブラと歩くルネア。
ぶら下がった帯が気になって、上を見ながら歩いていた。

すると、帯に座って読書をしているアールを発見してしまう。

(アールさんそれめっちゃ危ない…)

ルネアは呆然としていると、アールの近くまで歩いてきた。

「…来たか。」

アールが言うと、ルネアは何度も跳ねてアールに手を伸ばす。
しかしアールは高い位置にいるので届かない。

「「来たか。」じゃないですよ!危ないじゃないですか!」

「もう慣れた。」

アールの素っ気ない態度にルネアは膨れるが、次に言った。

「僕、ラムと一緒に来たんですよ。
ラムは生物の本を読んでて…僕は散歩です!
アールさんは何の本を見ているんですか?僕は竜についての本を探そうと思ってます!」

アールは遠くの本棚を見つめていると、急にケープを脱ぐ。
そして今アールが持っている本をケープに包むと、ルネアにそれを投げた。
ルネアがケープをキャッチすると、アールは帯を掴んでぶら下がる。

「勝手に調べたらどうだ?」

そう言うと、アールは体を揺らして帯を振り子のように揺らす。
すると隣の帯へと飛び込み、また同じ事をして更に奥の帯へと向かうのだ。
ルネアはそれに驚いてしまい、ついつい追いかけて言う。

「勝手にって酷くないですか?
というか、アールさんなんでそんな大技使えるんですか!
ターザンだ!ターザンアールさん!」

ルネアは走っている内に楽しくなってきたのか、気分が舞い上がる。
アールはとある本棚の近くで止まると、揺れる帯に座り本棚を探った。

(かっこいいな…でも、いつもこんな事やってるのか…)

ルネアは苦笑してそう思っていると、ふと渡された本が気になってケープを解いてみた。
するとそれは竜に関する本。
目的の本であってルネアは嬉しいが、ルネアはふと思う。

(これをさっき読んでたって事は…アールさんもまだ竜を調べてる途中って事かな…)

アールは本棚の上の方を見つめていた。
そこにグランが駆けつけてくる。

「アール、いい加減にしないか。
これは従業員以外が乗っちゃいけないものだし、帯から帯へ直接渡るだなんて…誰かが真似したらどうするんだ。」

しかしアールはグランの話は全部無視して言う。

「グランさん、鍵を貸してください。」

「はぁ!?なんで君に渡さないといけないんだよ。」

「ではこちらまで来てください。」

アールはそう言って、近くの脚立を見る。
二人の会話に、ルネアは疑問符を浮かべた。

「鍵って?」

それに対してグランは腰に付いたキーリングを見せる。

「ここらの帯には長さ調節部には鍵があって、勝手に長さを変えられないようにしてあるんだ。
従業員しか持つ事を許されていないし、帯の上にだって来客は乗ってはいけないんだ。」

ルネアはそれに冷や汗を浮かべた。

「悪い事しちゃダメですよアールさんー」

すると、アールは二人から目をそらして呟く。

「他人と…会話ができなくて…頼めなくて…。」

それに対し、ルネアは咄嗟に言った。

「このコミュ障!」

グランは苦笑してしまう。

「この子、いきなり会話できなくなるんだよね。」

そう言ってグランはアールを上目遣いで見ながらも、近くの脚立をアールのいる帯の下に置いて登った。
グランはアールのいる帯に捕まると、キーリングに付いていた大量の鍵から一つ手に取る。
キーリングはゴム製の紐で伸ばせる為伸ばし、調節部の鍵を開けた。
アールは鍵を開けた瞬間、長さを調節し始める。
いきなり帯が上昇するので、バランスを崩しかけて帯にぶら下がるグラン。

「ちょっ!アール落ち着け!」

グランは叱ったが、アールはその先の本棚から一冊の本を手に取った。

「自分のペースで動いたまでです。」

それに対し、グランは微妙な反応を隠せない。

「僕のペースにも合わせて欲しいかなぁ…!」

アールはお構い無しに、今手に取った本をグランに見せる。

「これ、しばらくの間お借りしてもよろしいでしょうか?」

「どうぞ。」

グランはニッコリ笑顔だったが、内心怒ってるかもしれない。
本を両手で持ってグランに見せるアールの姿を、ルネアはほのぼのと見ていた。

(なんか天然っぽい持ち方だなぁ…)



二人は帯から降りると、広間の真ん中にある広テーブルの適当な場所で椅子に座る。
ルネアはアールの隣に座ると、アールから貰った本を読んだ。

(ドラゴンは平和主義で天然……天然ってアールさんの事じゃん…)

そこにラムがやってくると、アールがラムに気づいた。

「ラム」

「よ、よお。」

ラムは答えると、グランは何かに気づいたのかルネアに言う。

「君さ、さっき大きな声出してたろ?ここは図書館だから控えて欲しいんだ。」

「あ!ごめんなさい!」

グランはその大きな声にニッコリしてしまう。

(それも大きいって言いたけど……アールの相手で疲れたからいいや…)

ルネアは再びグランの怒りを感じていると、ルネアはなんの事だろうとさっぱりだった。
グランはテーブルに伏せてしまうと、アールは図書館にある大きな時計を見ていきなり立ち上がる。
立つ時の椅子の引く音が図書館に響いた。
ルネアとラムは驚いてアールを見て、グランは顔をゆっくり上げて言った。

「うるさいのいい加減にしてくれ。」

するとアールは、そのまま小走りで図書館を出てしまう。
ラムは何事かと思って時計を見ると、ラムは焦った。

「練習の時間…!ヤッベ、急がないと!調べ物もまた今度な!」

ラムはそう言って駆け出すが、グランは疲れきって叱る気もない。

「はい!」

とルネアもラムの後を追いかけるのであった。



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