六音一揮

うてな

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6章 行進変奏

第89音 重見天日

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【重見天日】ちょうけんてんじつ
暗い状況から抜け出す事。

===========

光の消えた向こう側を見つめる者達。
ノノは言う。

「なんじゃあれは?」

テナーは首を横に振り、テノは「さあな」と言った。
なんとも何も考えない三人であった。



まめきち一行はそれを見つつ、まめきちは笑みを浮かべて言う。

「うん、終わったのかな」

ユネイは目を少し見開いた。

「やったのですね」

シナは「やった!」と喜んで、近くにいたリートは起き上がった。

「あれ?終わってる…の?」

リートは呟くのだが、シナが駆け寄ってきて一緒に喜んだ。



ダニエルは不安そうに言う。

「みんな生きてるかしら?」

「俺も心配ってぃん!!」

と嘆くようにルカは言う。
しかし、相変わらずツウは冷静に言った。

「大丈夫、死んだら死んだで連絡来るよ。」

「いやそう言う問題じゃなくて…」

とルカはトホホとしていた。



一方ベスドマグは、跳ねて喜んでいた。

「マジやりやがったー!あれやったんだよな?な?」

ベスドマグは兵士に言う。
兵士は見つつも「多分」と言うのであった。
ベスドマグはテンション高めに飛んでいた。



そして図書館の屋上。
グランは喜んで、空に向かって「やっほー!」と言ってみた。
ついにやってくれたと、レイも気が抜けて座り込んだ。

「いんやー、ちょちょいのちょいだちょちょいのちょい」

と、大魔導師は占い師に言った。
占い師は「はいはいわかったよ」と言いつつ、すぅっと息を吸い込んでからふぅーっと息を吐いた。
一言で言うと、深呼吸。

「流石ツィオーネの魔法、強いよ。
でも!今の安定した力なら大丈夫!僕の力でも大地だけなら元に戻せる!」

占い師が言うと、グランは占い師に目をやる。

占い師スロクルの周りに、不思議な力が漂う。
すると、大地が動き始める。
動くというか、変な動きをしている。
また揺れているのだが、異変を感じる。
それは塞がってきているのもそうだが、まるで逆再生しているようだ。
グランは感心して見ていたが、あっという間に大地だけが元に戻ってしまった。

それを呆然と見ているグランとレイ。
朝日が見え始め、明るくなり始める。
大魔導師は拍手をして言った。

「流石、時を統べるスロクル。
……ツィオーネの作った土地を守れて良かった…」

その言葉に占い師は明るい空を見上げるように言った。

「そうだね。僕もこれで悔いは無いよ…」

風にたなびく服はめくれそうで、
布の下の顔が見えそうだったが、ギリギリ見えないのだった。



ラムとルネアは暫く不思議な力で浮いていた。
先程の力の暴走で、建物の一部が消滅していた。
不思議な力が消えると同時に、二人は落ちる事に気づく。

『うわっ』

と二人は言う。
アールはそれに気づいて急いで二人を助けに飛ぶ。
そして二人の服を掴み、重さに耐えながらもゆっくり地面に降ろしてあげた。

「ありがとうアールさん!」

ルネアは笑顔だ。
アールは人の想いも知らずに、笑顔なルネアを無視。
ラムは感謝を伝えたいが、ここで何か憚る。
しかしそこは素直に、「ありがとう」と少し無愛想に言うのであった。
アールもここは何も言わない方が良いと思ったのだが、ゆっくり頷くのであった。

(反応してしまった…。)

アールが思っていると、ルネアが目の前に来て言う。

「アールさん。こんなになるまで守ってくれてたんですね…。
本当に、本当にありがとうございます」

ルネアは頭を下げた。

ラムはアールを見た。人の形は留めていても、
顔の一部以外全て竜の黒い鱗に覆われており、手の爪も赤く鋭くなっていた。
更に大きく立派に生えた角、翼。少し開いた口に見える牙。
一番それを物語っているのは、瞳が真っ赤で爬虫類のような縦瞳孔になっていた事。
もしかすると、左目は完全に爬虫類の目になっているかもしれない。
ラムはその容姿が怖いが、そのくらい彼が頑張ってくれた事を悟った。
もっと気になると言うと、焼け跡などで服が汚れている事だろうか。

彼のギョロッとこちらを見る目は怖くて震えそうだ。
アールは咄嗟に「すまない…。」と言ってから、ルネアに言う。

「ルネア、もう頭を上げろ。…帰ろうか。」

ルネアは顔をパッと上げて「はい!」と元気よく返事した。
そこでラムはフッと笑って言った。

「アールは疲れきってんだし、俺が背負ってやるよ!」

その言葉にアールは少し驚いたが、ラムはすぐにアールを背負おうと前に来た。
「ほら!」とラムは笑顔でアールに言う。
アールは拒もうと思ったが、ルネアに背中を押された。
疲れきっているので、そのままラムの背中に倒れてしまった。
ラムはアールを背負って下り坂を走り始める。

「よし!このまま児童園へ帰るぜ!」

元気よくラムは言う。
ルネアも「ゴーです!!」と言いながら走った。
日が昇り始め次第に明るくなるサグズィ。
アールはその元気そうな様子に安心して、気持ちが緩んだのか少し顔を赤くした。
やはり、好きな人に背負われるのは恥ずかしい。
やっと近くに来れたと、嬉しく赤面するアール。

ルネアは改めて二人の様子を見ていた。
ラムの元気いっぱいの笑顔に、少し照れ気味のアールの顔。
何だか初期とは立場が逆転しているようで、何だか面白い。
「あれ?」とルネアはふと言ってしまう。
なぜアールは顔を赤くしているのだろうか。
風邪では無さそう。それでは…?

(あ、恥ずかしくて照れてるんだ!可愛い!)

ルネアは笑顔だった。
ラムは「どうした?」とルネアに聞いたが、ルネアは満面の笑みで「なんでも~♪」と言っていた。
それにラムはおかしいと思いつつも、アールの顔を見ようとした。
アールは赤面した顔を見せまいと、そっぽ向く。
その行動に疑問を感じつつも走り続けるラム。
ルネアは言う。

「いやぁ竜なアールさんもカッコイイですよ!」

そうルネアが言うと、アールは不機嫌そうに言った。

「こっちは翼を生やす度に服が破れるから損害だ。」

それを聞くと、ルネアとラムは苦笑いをしていた。
しかし、ルネアは腑に落ちず言った。

「でも!この服の犠牲でみんなが助かったとも言えます!」

その言葉にアールは眉を潜めた。

「服は破れただけで助けてはいない。」

それに「あっちゃ…」とルネアは言うと、ラムは笑顔で笑っていた。
そして更に混ざってルネアも笑い始める。
そんな楽しげな雰囲気にアールは混ざれず、
更に笑い声なんてあげられるわけないと思いつつ。
少し考えると、ラムの服を掴んで飛行し始めた。
どんどん宙に浮くラムの体。
「うおっ」と驚くラム。
ルネアは「わ!ずるいです!」と言って、
ラムにジャンプして捕まったかと思うと、すぐにアールのところまで登ってきた。
アールは一瞬バランスを崩しそうになったが、お得意の根性で切り抜ける。

「危ないだろう。」

アールはルネアに言うが、ルネアはアールに背負われる感じに首に腕をかけた。

「ぜーんぜん。アールさんならできる気がして」

と、得意気に言うのだった。
ラムは冷や汗ながらも言った。

「急に落ちたりとかしないよな?」

その言葉にアールは途方を見るフリをして言う。

「疲れてきたな。ラムだけ落とそうか、結構楽になる。」

それにラムは怒ったように言った。

「おい!それ俺が凄い重いみたいな!失礼だろっ!」

「お前は男だろ。そんな女々しい事を言うな。」

アールが意地悪で言うと、ラムは気づく。
アールは自分が女である事を知らないんだと。
実際、彼はラムが女である事は知っているが。
ルネアは苦笑いで話を変える。

「あ!図書館が見えてきましたよ!」

ラムは「相変わらず高いよな」と言って見ていた。
アールはそのまま屋上に着くと、二人を降ろした。
「ありがとう」とルネアは言い、ラムもお礼を言った。
アールはさり気なく流していると、向こうからレイが走ってきた。
アールはそれに気づいて少し構えを取ると、相手はそんなの構わずアールに飛び込んできた。
そのまま倒れて頭を強打するアール。
ラムは飛び込むところまでは笑顔でいたが、強打した部分で一気に顔が青ざめる。
ルネアは強打した事に気づかず笑っていた。
グランも「うっわー…」と小声で驚きの顔をできるだけしないように呟いた。
アールは痛みは然程感じなかったようだが、その衝撃には少し驚いたようだった。
レイはそんな事は気にせずアールにキスをする。
それにグランは「おわアッツイお二人」と驚いた。
ルネアもその様子に赤面中。
ラムは少しドキッとしていた。
そして、二人から目を逸らすラム。

アールはそんなラムを見ていた。
ラムは未だに迷っているのだろうか。
すると、アールは虚しい表情を浮かべた。
レイは「アールさん?」とアールを気にした。
するアールはレイと横に転がって、レイとアールが真逆に。
そしてアールは無言で、レイにキスをし返したのであった。
できればこれで、ラムが自分を完全に諦められるように。

アールも何だかんだで気づいていた。
ラムと自分、本当は両想いだったと言う事を。

ラムはそんな二人を見て見ていられなくなったのか、屋上の奥の方へ歩いて行った。
ルネアも流石に立ち去る。
グランはニヤニヤして二人を見ていた。

アールは顔を上げて気づいた顔をし、自分に封印をかけた。
そう、竜の力を封印したのだ。
姿が一気に元に戻るアール。
それを見たレイは微笑む。
が、
アールは人の姿に戻った瞬間に疲労が一気に押し寄せ、そのままレイの上に倒れ込んでしまった。
再び頭を屋上のコンクリートにぶつけるアール。
音が鈍く響き渡る。

「アールさん!?アールさん大丈夫!?」

とレイは声をかける。
ラムとルネアも気づいて振り向くと、大変だと思ってラムがアールを持ち上げた。
そんなアールを見て、ラムは一言呟く。

「……寝てる。」

その言葉にみんなは安心したのか、一息ついた。
グランは苦笑い。

「この子、防御専だし体が丈夫なのかな?」

「関係ないですよー」

ルネアは半分笑っていた。
そして、ラムも苦笑い。

「んじゃ児童園まで運ぶか」

そう言ってアールを再び背負い、それから屋上から中へ入っていく。

隠れて見ていた占い師と大魔導師。

「最後はよく耐えたね。」

「ルネアの中にあるラムの力が、力を相殺するように守ってくれていたみたいだ。」

占い師は納得して彼等を見つめていた。
すると大魔導師は占い師に聞いた。

「ハッピーエンドかな?」

「僕はハッピーだよ。」

占い師は、彼達を見ながら言うのであった。



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