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7章 旋律終曲
第92音 未来永劫
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【未来永劫】みらいえいごう
これから未来に渡る、果てしない年月。
=================
アールはまめきちと一緒にいた。
「彼女の故郷に?…難しいね」
まめきちは言う。
アールは俯いてしまう。
まめきちは失言しているアールを見て言った。
「まあ、パートリーダーはダニエルにでも任せるとしよう…」
その言葉にアールは顔を上げる。
「それはどう言う…?」
「行って良いと言ってるんだよ。
その代わり、時々様子を見に行くからね。」
アールは目を見開く。
単純に言えば嬉しい。
行く許可ではなく、見に来るというところ。
見張るためではあるが、何だか愛されている感覚がする。
見張りでも来てくれるだけで凄く嬉しい。
今までまめきちから感じた事のない愛を受け取った気がした。
最近また苦しい事続きだったが、今度こそ大きな転機が来た気がした。
「ありがとうございます。」
「あれ、君お礼が言えるようになったんだね。」
アールは「はい…。」と呟いた。
まめきちはクスッと笑ってアールに言った。
「アールダーン。…幸せの旅人。」
アールはまたふと、まめきちを見る。
まめきちは笑顔で続けた。
「この前知ったんだ。竜の言葉でアールは旅人。
私は妖精の言葉でダーン、【幸せ】ってつけたんだ。
合わせれば【幸せの旅人】。良い名じゃないか」
「幸せの……旅人…。」
「そう!幸せを探す旅人なのさ。
苦しくても進む君の姿は正にこれだね。
さあ、どこへなりとも幸せを探しにいってらっしゃい。
きっと長い時の末に見つかるさ…」
そう言われると、アールはまめきちに深く頭を下げた。
まめきちは「幸せにね」と言うと、アールは顔を上げて頷いた。
まめきちは更に言う。
「んじゃ、もうそろそろ時間だから行こうか。
一緒に。」
そう言われ、アールは目を丸くした。
アールは嬉しそうだ。
思わずまめきちは笑った。
「全く、ほら早く。」
まめきちは歩き出すので、アールはその隣をちょこんと歩き出した。
*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
パートリーダーの六人。
そしてルカ達などの四人。
まめきちにレイにテノ、そしてルネアが封印の場に集まる。
あまり他の者に知らせると情報が拡散する恐れがあるので、このメンバーだけで来た。
二人がいなくなったら、それ層の言い訳をするらしい。
「ラム…元気しててよね」
シナは言った。
寂しく言ったシナだったが、ノノは笑顔で言う。
「私は未来、会える気がするぞ!」
リートは黙り込んで泣いている。
ラムはそんなリートの背中をさする。
リートはそれに笑顔を向けた。
「ラムって男の人みたいな怖さが無くていいよね」
(それって女々しい…)
とラムが思っていると、ルネアがクスッと笑ってしまう。
「おい!笑うな!」
ラムが言うと、ツウとルカは言った。
「元気してて」
「ドンてぃんの意味はドンマイだぜん」
ラムが結構前に疑問に思っていた答えを言ってくれた。
ラムはツウに笑顔をかけ、ルカに言う。
「なんだよ分かる訳ねぇじゃん」
ダニエルは普段通りの様子で言う。
「元気にやっててよ」
「僕達がいなくても出会いはあります」
ユネイの言葉に、思わず苦笑いするラム。
ここで涙を見せてはいけない。
「ちょっとユネイ~!」
とルカは半泣き。
しかし、ユネイは全く動じない。
テノが来て、テナーの通訳と共に話す。
「ありがとう。ラム、元気でいてくれ。
おう!俺も元気してる事願うぜ!」
それにクスッと笑って、ラムは言った。
「最後くらい声聞かせてくれりゃいいのに」
テノとテナーは顔を見合わせてクスクスとする。
更に、奥にいるノノも少し笑っているようだった。
ラムはいきなり笑い出す二人に疑問を持っていた。
まめきちは言う。
「未来、また会おう」
ラムは驚いて顔を上げる。
そう、まめきちは長寿だから生きている。
それを思うとラムは元気が出てきた。
「はい!」
ラムは笑顔で言った。
そんなラムを見たアールは、ラムに近づいた。
「私とも未来で会おうな。楽しみにしているぞ。」
ラムは流石にそれには警戒と恐怖を感じる。
アールは至って普通に言葉を交わしたつもりだが。
これを聞くと、アールは絶対に未来まで生きているつもりだ。
ちなみにレイはラムに手を振るだけみたいだ。
それでも、手を振ってくれるだけで嬉しい。
いつもは相手にもされないからだ。
もしかしたらさっさと行けと言う意味かもしれないが。
ルネアはラムの前に来る。
「いやぁ。未来で会えますからね」
満面の笑みで言う。
ラムは苦笑いした。
「確かに。早く来いよな。」
「勿論ですよ~」
ルネアはそう言ってラムに一歩近づく。
ラムは少しドキッとした様子。
笑顔でルネアは言った。
「未来では恋できるよう頑張りましょう!」
それを聞いたラムは顔を赤くする。
「みんなの前で何言ってやがる!」
それに一同は笑った。
アールだけが不機嫌だった。
「よし!」
ルネアが言うと、ラムは封印の位置に立つ。
それからルネアは笛を取り出して言った。
「これをラムに預けます!未来返してもらいますが」
「なんで?」
「封印しますからね~これで」
ルネアはそう言って、ラムにかざす。
ラムは「え?」と驚くと、笛が輝き始めた。
笛の光が眩しく、みんなは目を細める。
ルネアは「おおおおお~」と少し驚いた様子。
それにラムは、どんどん気が遠くなって目を瞑った。
ルネアはそんなラムを目の前にして言う。
「おやすみ……ラム…」
ルネアは微笑み呟く。
耳の良いアールにはしっかりとその声が聞こえた。
アールも「またね……。」と呟いた。
すると、一瞬にして大きな光はなくなり、
不思議な空間が広がり始め、ラムはその場で封印された。
胸辺りにルネアの笛が浮き、そこを中心に蔦などがラムをとりまくようにしている。
そして柔らかな薄青緑の光りが広がるのだった。
ルネアはふと、未来の事を思い出す。
ラムと初めて出会った時と全く一緒だと。
みんなは寂しそうな表情を浮かべていた。
シナは涙ぐみ、リートは泣いてしまっているが。
「……じゃあ…次はルネア?」
リートは嗚咽の中呟く。
ルネアが気づくと、近くから占い師の声が聞こえた。
「そう、ルネア。君が未来へ向かう番。」
更に森の奥から大魔導師も来る。
すると、まめきちは言った。
「なるほど。ルネアを帰すのはスロクルがやってくれるんだ。」
占い師は「名前!…まあもういいけれど。」と言う。
占い師はアールを見たので、アールは眉を潜めた。
すると占い師は言う。
「本当の本当はね、僕は過去のツィオーネに頼まれてこの時代に来たんだ。
僕は未来が見えるから。
僕はアールを止めに来たんだよ。」
それを言われると、アールは気付いた顔。
「まさか…時を行き来できるのか…!」
すると、占い師は静かに頷いた。
「…僕は最後の彼女の頼み事を聞いたから、そろそろさよなら。」
その占い師の言葉にみんなは首を傾げる。
占い師はルネアに手を伸ばすと、ルネアの後ろに空間が出てきた。
ルネアは気づく。
あの日、時を遡った時の空間だ。
「ルネア!?」
シナが言うが、占い師は言う。
「安心してよ。これは元の時代に戻るための空間。」
みんなはルネアを見る。
まだ別れを言っていない。
みんなは集まるがそれでも伝わりきらない。
「みんな…!」
「ルネア!……さようなら…。」
アールは言った。
その言葉に何か違和感の感じるルネアだが、みんなのお別れの言葉に応えた。
「さよなら皆さん!僕は帰ります!お世話になりました!!」
すると、その空間に吸い込まれて消えていってしまった。
消えるとみんなは膝をついたり普通にしていたりとそれぞれ。
あっさりとした最期。
「アール」
占い師はアールに話しかけた。
アールは振り向くと、彼は言った。
「君は東軍が勝たなかった事により未来が変わり、ルネアは産まれてこない…と思っている。
それを望んでいるのかい…?」
その言葉にアールは少し黙ると、「…半々です…。」と言った。
すると占い師は笑って言った。
「まあそうだよね。
でもね、僕も幸せを掴みたい。」
アールは占い師の言葉に反応する。
「は?」
アールが呟くと、占い師は「ふふっ」と言ってから顔を隠していた布を取った。
ひらっと飛んでいく布。
みんなは驚く。
なんと占い師はルネアにそっくりなのだ。
アールも驚いて声が出ない。
占い師は言った。
「そう、僕こそがルネア。
と言うか、これから僕がルネア・プロノスになるんだ。」
みんなは信じられないでいる。
「僕はツィオーネと共にいたい、昔のように。
ならラムと一緒にいてもいいよね。」
一同は呆然とすると、そこで大魔導師は言った。
「身体の時を遡り、時を越え、スロクルの力は底を着く。
これが、魔法力のないルネアの正体さ。」
するとまめきちは呟く。
「確かに今までの行動や言動からして…納得してしまうな。」
「さようなら!占い師スロクルはルネア・プロノスになる!
僕等の為に、行ってきます!」
スロクルはそう言い、最後に呟く。
「さようなら…大魔導師。」
そして彼は、背後に空間を広げる。
そしてそこに吸い込まれていくのだ。
それから空間が完全に閉じられた。
大魔導師は少し寂しそうな表情を見せながら呟く。
「さようなら…スロクル…ツィオーネ……。」
そう言うと、空を見上げた。
アール達は呆然としていた。
まめきちは大魔導師に近づくと言う。
「馬鹿。お前は一人じゃないだろう?
…私が生きている間は一生構ってやる。」
大魔導師はまめきちに振り向いた。
「ありがとう、まめきち……嬉しい!」
と抱きついた。
まめきちは焦って「わっ!やめろ!」と言うのだが止めない。
「全く…」とまめきちはついに諦める。
大魔導師は笑顔で言った。
「昔から一緒にいた仲間が全員いなくなったのは淋しいけど、
それ以上にまめきちといる時間が楽しいからいいか!」
それにまめきちは「無理はするなよ」と言うのであった。
「優しいまめきちさん」とリートは呟く。
シナもニヤニヤして見ていた。
大魔導師は「ありがとう」とまめきちに言った。
「正直でよろしい。さあ、みんな帰ろう。」
とまめきちは言う。
それにみんなは表情が一気に和らぎ、笑い始めた。
みんなは笑いながらもまめきちの後をつける。
晴天とは言えないほど晴れてもいない少し雲が浮かぶ空。
空には数羽の鳥が飛び交い、陽が登るのが遅いサグズィに昼を知らせるのであった。
これから未来に渡る、果てしない年月。
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アールはまめきちと一緒にいた。
「彼女の故郷に?…難しいね」
まめきちは言う。
アールは俯いてしまう。
まめきちは失言しているアールを見て言った。
「まあ、パートリーダーはダニエルにでも任せるとしよう…」
その言葉にアールは顔を上げる。
「それはどう言う…?」
「行って良いと言ってるんだよ。
その代わり、時々様子を見に行くからね。」
アールは目を見開く。
単純に言えば嬉しい。
行く許可ではなく、見に来るというところ。
見張るためではあるが、何だか愛されている感覚がする。
見張りでも来てくれるだけで凄く嬉しい。
今までまめきちから感じた事のない愛を受け取った気がした。
最近また苦しい事続きだったが、今度こそ大きな転機が来た気がした。
「ありがとうございます。」
「あれ、君お礼が言えるようになったんだね。」
アールは「はい…。」と呟いた。
まめきちはクスッと笑ってアールに言った。
「アールダーン。…幸せの旅人。」
アールはまたふと、まめきちを見る。
まめきちは笑顔で続けた。
「この前知ったんだ。竜の言葉でアールは旅人。
私は妖精の言葉でダーン、【幸せ】ってつけたんだ。
合わせれば【幸せの旅人】。良い名じゃないか」
「幸せの……旅人…。」
「そう!幸せを探す旅人なのさ。
苦しくても進む君の姿は正にこれだね。
さあ、どこへなりとも幸せを探しにいってらっしゃい。
きっと長い時の末に見つかるさ…」
そう言われると、アールはまめきちに深く頭を下げた。
まめきちは「幸せにね」と言うと、アールは顔を上げて頷いた。
まめきちは更に言う。
「んじゃ、もうそろそろ時間だから行こうか。
一緒に。」
そう言われ、アールは目を丸くした。
アールは嬉しそうだ。
思わずまめきちは笑った。
「全く、ほら早く。」
まめきちは歩き出すので、アールはその隣をちょこんと歩き出した。
*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
パートリーダーの六人。
そしてルカ達などの四人。
まめきちにレイにテノ、そしてルネアが封印の場に集まる。
あまり他の者に知らせると情報が拡散する恐れがあるので、このメンバーだけで来た。
二人がいなくなったら、それ層の言い訳をするらしい。
「ラム…元気しててよね」
シナは言った。
寂しく言ったシナだったが、ノノは笑顔で言う。
「私は未来、会える気がするぞ!」
リートは黙り込んで泣いている。
ラムはそんなリートの背中をさする。
リートはそれに笑顔を向けた。
「ラムって男の人みたいな怖さが無くていいよね」
(それって女々しい…)
とラムが思っていると、ルネアがクスッと笑ってしまう。
「おい!笑うな!」
ラムが言うと、ツウとルカは言った。
「元気してて」
「ドンてぃんの意味はドンマイだぜん」
ラムが結構前に疑問に思っていた答えを言ってくれた。
ラムはツウに笑顔をかけ、ルカに言う。
「なんだよ分かる訳ねぇじゃん」
ダニエルは普段通りの様子で言う。
「元気にやっててよ」
「僕達がいなくても出会いはあります」
ユネイの言葉に、思わず苦笑いするラム。
ここで涙を見せてはいけない。
「ちょっとユネイ~!」
とルカは半泣き。
しかし、ユネイは全く動じない。
テノが来て、テナーの通訳と共に話す。
「ありがとう。ラム、元気でいてくれ。
おう!俺も元気してる事願うぜ!」
それにクスッと笑って、ラムは言った。
「最後くらい声聞かせてくれりゃいいのに」
テノとテナーは顔を見合わせてクスクスとする。
更に、奥にいるノノも少し笑っているようだった。
ラムはいきなり笑い出す二人に疑問を持っていた。
まめきちは言う。
「未来、また会おう」
ラムは驚いて顔を上げる。
そう、まめきちは長寿だから生きている。
それを思うとラムは元気が出てきた。
「はい!」
ラムは笑顔で言った。
そんなラムを見たアールは、ラムに近づいた。
「私とも未来で会おうな。楽しみにしているぞ。」
ラムは流石にそれには警戒と恐怖を感じる。
アールは至って普通に言葉を交わしたつもりだが。
これを聞くと、アールは絶対に未来まで生きているつもりだ。
ちなみにレイはラムに手を振るだけみたいだ。
それでも、手を振ってくれるだけで嬉しい。
いつもは相手にもされないからだ。
もしかしたらさっさと行けと言う意味かもしれないが。
ルネアはラムの前に来る。
「いやぁ。未来で会えますからね」
満面の笑みで言う。
ラムは苦笑いした。
「確かに。早く来いよな。」
「勿論ですよ~」
ルネアはそう言ってラムに一歩近づく。
ラムは少しドキッとした様子。
笑顔でルネアは言った。
「未来では恋できるよう頑張りましょう!」
それを聞いたラムは顔を赤くする。
「みんなの前で何言ってやがる!」
それに一同は笑った。
アールだけが不機嫌だった。
「よし!」
ルネアが言うと、ラムは封印の位置に立つ。
それからルネアは笛を取り出して言った。
「これをラムに預けます!未来返してもらいますが」
「なんで?」
「封印しますからね~これで」
ルネアはそう言って、ラムにかざす。
ラムは「え?」と驚くと、笛が輝き始めた。
笛の光が眩しく、みんなは目を細める。
ルネアは「おおおおお~」と少し驚いた様子。
それにラムは、どんどん気が遠くなって目を瞑った。
ルネアはそんなラムを目の前にして言う。
「おやすみ……ラム…」
ルネアは微笑み呟く。
耳の良いアールにはしっかりとその声が聞こえた。
アールも「またね……。」と呟いた。
すると、一瞬にして大きな光はなくなり、
不思議な空間が広がり始め、ラムはその場で封印された。
胸辺りにルネアの笛が浮き、そこを中心に蔦などがラムをとりまくようにしている。
そして柔らかな薄青緑の光りが広がるのだった。
ルネアはふと、未来の事を思い出す。
ラムと初めて出会った時と全く一緒だと。
みんなは寂しそうな表情を浮かべていた。
シナは涙ぐみ、リートは泣いてしまっているが。
「……じゃあ…次はルネア?」
リートは嗚咽の中呟く。
ルネアが気づくと、近くから占い師の声が聞こえた。
「そう、ルネア。君が未来へ向かう番。」
更に森の奥から大魔導師も来る。
すると、まめきちは言った。
「なるほど。ルネアを帰すのはスロクルがやってくれるんだ。」
占い師は「名前!…まあもういいけれど。」と言う。
占い師はアールを見たので、アールは眉を潜めた。
すると占い師は言う。
「本当の本当はね、僕は過去のツィオーネに頼まれてこの時代に来たんだ。
僕は未来が見えるから。
僕はアールを止めに来たんだよ。」
それを言われると、アールは気付いた顔。
「まさか…時を行き来できるのか…!」
すると、占い師は静かに頷いた。
「…僕は最後の彼女の頼み事を聞いたから、そろそろさよなら。」
その占い師の言葉にみんなは首を傾げる。
占い師はルネアに手を伸ばすと、ルネアの後ろに空間が出てきた。
ルネアは気づく。
あの日、時を遡った時の空間だ。
「ルネア!?」
シナが言うが、占い師は言う。
「安心してよ。これは元の時代に戻るための空間。」
みんなはルネアを見る。
まだ別れを言っていない。
みんなは集まるがそれでも伝わりきらない。
「みんな…!」
「ルネア!……さようなら…。」
アールは言った。
その言葉に何か違和感の感じるルネアだが、みんなのお別れの言葉に応えた。
「さよなら皆さん!僕は帰ります!お世話になりました!!」
すると、その空間に吸い込まれて消えていってしまった。
消えるとみんなは膝をついたり普通にしていたりとそれぞれ。
あっさりとした最期。
「アール」
占い師はアールに話しかけた。
アールは振り向くと、彼は言った。
「君は東軍が勝たなかった事により未来が変わり、ルネアは産まれてこない…と思っている。
それを望んでいるのかい…?」
その言葉にアールは少し黙ると、「…半々です…。」と言った。
すると占い師は笑って言った。
「まあそうだよね。
でもね、僕も幸せを掴みたい。」
アールは占い師の言葉に反応する。
「は?」
アールが呟くと、占い師は「ふふっ」と言ってから顔を隠していた布を取った。
ひらっと飛んでいく布。
みんなは驚く。
なんと占い師はルネアにそっくりなのだ。
アールも驚いて声が出ない。
占い師は言った。
「そう、僕こそがルネア。
と言うか、これから僕がルネア・プロノスになるんだ。」
みんなは信じられないでいる。
「僕はツィオーネと共にいたい、昔のように。
ならラムと一緒にいてもいいよね。」
一同は呆然とすると、そこで大魔導師は言った。
「身体の時を遡り、時を越え、スロクルの力は底を着く。
これが、魔法力のないルネアの正体さ。」
するとまめきちは呟く。
「確かに今までの行動や言動からして…納得してしまうな。」
「さようなら!占い師スロクルはルネア・プロノスになる!
僕等の為に、行ってきます!」
スロクルはそう言い、最後に呟く。
「さようなら…大魔導師。」
そして彼は、背後に空間を広げる。
そしてそこに吸い込まれていくのだ。
それから空間が完全に閉じられた。
大魔導師は少し寂しそうな表情を見せながら呟く。
「さようなら…スロクル…ツィオーネ……。」
そう言うと、空を見上げた。
アール達は呆然としていた。
まめきちは大魔導師に近づくと言う。
「馬鹿。お前は一人じゃないだろう?
…私が生きている間は一生構ってやる。」
大魔導師はまめきちに振り向いた。
「ありがとう、まめきち……嬉しい!」
と抱きついた。
まめきちは焦って「わっ!やめろ!」と言うのだが止めない。
「全く…」とまめきちはついに諦める。
大魔導師は笑顔で言った。
「昔から一緒にいた仲間が全員いなくなったのは淋しいけど、
それ以上にまめきちといる時間が楽しいからいいか!」
それにまめきちは「無理はするなよ」と言うのであった。
「優しいまめきちさん」とリートは呟く。
シナもニヤニヤして見ていた。
大魔導師は「ありがとう」とまめきちに言った。
「正直でよろしい。さあ、みんな帰ろう。」
とまめきちは言う。
それにみんなは表情が一気に和らぎ、笑い始めた。
みんなは笑いながらもまめきちの後をつける。
晴天とは言えないほど晴れてもいない少し雲が浮かぶ空。
空には数羽の鳥が飛び交い、陽が登るのが遅いサグズィに昼を知らせるのであった。
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リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
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