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02 ヘグリスメオン教会
015 悪魔モルビスは力持ち。
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モルビスとワレリーは荷車に山の様に積まれた荷物を乗せ、森を歩いていた。
モルビスは荷車を押し、その隣でワレリーは歩いている。
ワレリーはモルビスに聞いた。
「疲れませんか?」
モルビスは笑顔で答える。
「いえいえ、このくらい!ギルドにいた時はもっと大変な仕事あったんで。」
それを聞くと、ワレリーは俯いた。
「モルビスは、産まれた時からギルドにいたのですよね。」
「ああ、赤子の頃にそこらの荒くれ者に売られちまったらしいからな。
でもまあ、そのお陰で今があるってもんだ!」
ワレリーはモルビスの笑顔を見ると顔を上げ、優しく微笑む。
「モルビスにはちょっとやそっとでは挫けない強さがありますね。
あなたを選んだ甲斐があったというものです。」
そう言ってワレリーは荷車を押そうとモルビスの元にやってきた。
モルビスは一度止めると、目を丸くする。
「運ぶんですか?」
「任せてばかりではいけませんからね。」
そう言ってワレリーは荷車を押すが、荷車はビクともしない。
モルビスはそれに笑う。
「ダメですよ牧師様の筋肉では。運べませんって。
俺に任せといてください!」
ワレリーは眉を潜め、押すのをやめた。
モルビスが再び替わると、荷車は進み出す。
ワレリーは荷車を見ると、次に自分の手を見つめるのであった。
暫く歩くと、教会に到着。
教会前にいたフェオドラは大喜びでワレリーの元に飛んできた。
「ぱーぱ!」
ワレリーはフェオドラを抱くと微笑む。
「お待たせしました。では出発といきますか。」
「お~!」
フェオドラは元気よく返事をすると、外の騒がしさを聞いてフューレン達が出てきた。
キリエルは荷車の荷物を見上げると感嘆の声を上げる。
「すっごい荷物。これ本当に二人で運んできたの?」
「モルビスが運んでくれました。」
ワレリーがそう言うと、キリエルは笑顔になる。
「頼もしいねモルビスは!」
すると、モルビスは照れた。
「このくらい楽勝だ!」
ワレリーはフェオドラをおんぶ紐で背負うと、一同に言う。
「では出発しますので、皆さん準備をしてくださいね。
フレノアは近くの保育園で慈善活動をしていますので来れません、スピムもお昼ご飯の準備があるので来ません。」
それを聞いたキリエルは目を丸くした。
「えぇ!?じゃあ誰が賞金首のトドメを刺すのさ!
僕とケリスはそんな事できないし!」
ワレリーは微笑むと言う。
「私もモルビスだっていますよ、安心なさい。二人はいつも通り蹴散らすだけでいいです。」
「う…うん。」
そして一同は準備が終えて荷車の前まで集まってくる。
大体集まると、アシュターもそこにやってきた。
「フェオドラちゃんが心配だから俺も行くわー」
「おやおや」
そう言ってワレリーは笑うと、モルビスは荷車を押し始めて言う。
「じゃ、押していくからお前らは荷車の上で休んでてもいいぞ!」
それを聞いてキリエルは目を丸くした。
「モルビス力持ちなんだね。」
キリエルは荷車に乗っかる。
ちなみにアシュターも既に荷車の上で休んでいた。
ケリスは荷車の一番後ろで歩き、ワレリーは荷車の横を歩いている。
キリエルは荷物の上で寛ぎながら言った。
「ん~快適~!」
それを傍に、フューレンはモルビスの手伝いをと先頭に向かう。
「押すの手伝うぞ。ずっと引っ張ってたら疲れんだろ流石に。」
モルビスはフューレンを見ると、少しの間目を閉じて考える。
それから目を開いて答えた。
「手伝ってもいいが、気を使わなくなって別に俺は平気だからな。」
モルビスはかつてフューレンに負けた事があるからか、少々堅くなっている様子。
フューレンはそう言われて黙って運ぶ手伝いを始めると、モルビスは聞く。
「お前、この世界に何の用で来たんだ?」
「ん?大魔導師に騙されたってところだな。
こちとら家に母さんがいるってのに…」
モルビスは驚くと更に聞いた。
「おい、それ大丈夫なのか!?」
「一応母さんへの手紙を出して、母星の方で色々調べてもらうよう言ってる。
ここの世界の詳しい文献が少なくて、情報を集めるにも困難なんだ。
ま、魔術科学園の図書館はどうだかわかんないけど。」
それを聞いたモルビスは目を丸くした。
「そうか、連絡待ちか。」
すると、荷車の後ろで歩いていたケリスは何かを聞きつけたのか耳を動かす。
それからワレリーの方に顔を出して言った。
「牧師様、来ます。」
ワレリーはそれを聞いて黙って頷くと、ダガーを取り出した。
ちなみにフェオドラは遊び疲れたのか、ぐっすり眠っている。
フューレンはその話を耳にすると、モルビスの方を見た。
モルビスも聞いていたのか、正面を見て言う。
「正面からだ。」
モルビスはそう言うと、一度荷車を押すのをやめる。
取手が下ろされると、ガタンと荷車は傾いた。
アシュターは荷車が傾く前に飛び去ったが、キリエルは呑気に寝ていた為に傾いた瞬間に荷物に頭をぶつけてしまう。
「いでっ!」
キリエルは自分の頭を撫でながらも、荷物の上から正面を目を凝らして見る。
すると、遠くから武器を持った魔物の集団がやってくるのが見えた。
キリエルは眼鏡を指でつまんで驚くと、慌ててワレリーに言う。
「牧師様!魔物の大群ですぅ!武器持ってるよぉ!」
ワレリーは人差し指を自分の口に当てると言った。
「大声を出すのではありません。フェオドラが起きてしまいます。」
アシュターな呑気な様子で言う。
「殺すの?フェオドラちゃんに触れる魔物なら、俺は殺すけど。」
「近くで見ないと賞金首か、ただの魔物か見分けがつきませんからね。なんとも言えません。」
アシュターはワレリーの言葉を聞いて呆れた。
「若牧師、相変わらず優しいんだね。構わず全員殺せばいいのに。」
そう言ってアシュターは空高く飛んでいくと、ワレリーはそれを見上げてからみんなに言う。
「指示が出るまで軽くあしらうだけにしなさい。
皆、準備はよろしいですか?」
『はい!』
モルビスとケリスは一斉に返事をするが、キリエルだけは一歩遅れて慌てて返事をする。
「はーい!」
魔物達が攻めて来ると、モルビスは唱えた。
「通すか!【ガグド】!」
モルビスがそう唱えると、大地から岩が幾つも出てくる。
岩の壁で魔物の行く手を阻んだ。
フューレンは感心して言う。
「以前使ったのとは違う魔術だな。」
「ああ、悪魔になってからはこっちの方がやり易いって気づいたんだ。」
すると翼のある魔物達は岩を飛び越え、こちらに向かってきた。
魔物はそれぞれ会話をする。
「人間の食べ物は美味いんだよなぁ」
「ここはいっつも人間が通るから絶好の狩場だぜ!」
「でも今回の人間、なんか様子が変じゃないか?
いつもならみんな逃げんのに、コイツら逃げないぞ。」
ケリスは耳を動かすとワレリーに言った。
「荷物の食料が目的のようです。」
「おや、美味い食料の為に人を殺める魔物ですか。
これはこれは…愚かな。」
ワレリーがそう言って笑うと、ケリスは聞く。
「どうしましょうか?」
ワレリーは魔物達の容姿を見ながら言った。
「彼等はよく隣街の人間を襲っている、魔物の雑魚集団の様ですね。
所々高い賞金首の魔物がいます、賞金首の魔物を六割ほど狩ってしまいましょう。」
それを聞いたフューレンは反論する。
「六割!?じゃあ残りの四割は?人間を襲うかもしれないんだぞ!?」
しかしワレリーは満面の笑みのまま答えた。
「関係ありません。
私達はこの荷物を隣街に届けて代金を貰うだけですから。
それに彼等が再び人間を襲えば、また私達にお願いが来るかもしれませんからね。」
フューレンは顔を引き攣ると、拳を握り締めてワレリーに言う。
「お前…!とんだ下衆野郎だな…!」
ワレリーはニヤリと笑って目を開く。
ワレリーの恐ろしい四白眼がフューレンを見つめた。
「そんなに人間を殺して欲しくなければ、あなたが魔物を狩りなさい。」
フューレンは言葉に詰まらせると、フューレンは眉を潜めつつも魔物の方を見る。
フューレンは暫く黙った。
それを見たワレリーはつまらなそうな顔を見せる。
(やはり根は天使、相手が悪人だろうとそう簡単には殺めませんか。)
ワレリーはフューレンから視線を逸らすと、いつもの微笑みを見せた。
「私のヘグリスよ、向かい討ちなさい。」
モルビスは荷車を押し、その隣でワレリーは歩いている。
ワレリーはモルビスに聞いた。
「疲れませんか?」
モルビスは笑顔で答える。
「いえいえ、このくらい!ギルドにいた時はもっと大変な仕事あったんで。」
それを聞くと、ワレリーは俯いた。
「モルビスは、産まれた時からギルドにいたのですよね。」
「ああ、赤子の頃にそこらの荒くれ者に売られちまったらしいからな。
でもまあ、そのお陰で今があるってもんだ!」
ワレリーはモルビスの笑顔を見ると顔を上げ、優しく微笑む。
「モルビスにはちょっとやそっとでは挫けない強さがありますね。
あなたを選んだ甲斐があったというものです。」
そう言ってワレリーは荷車を押そうとモルビスの元にやってきた。
モルビスは一度止めると、目を丸くする。
「運ぶんですか?」
「任せてばかりではいけませんからね。」
そう言ってワレリーは荷車を押すが、荷車はビクともしない。
モルビスはそれに笑う。
「ダメですよ牧師様の筋肉では。運べませんって。
俺に任せといてください!」
ワレリーは眉を潜め、押すのをやめた。
モルビスが再び替わると、荷車は進み出す。
ワレリーは荷車を見ると、次に自分の手を見つめるのであった。
暫く歩くと、教会に到着。
教会前にいたフェオドラは大喜びでワレリーの元に飛んできた。
「ぱーぱ!」
ワレリーはフェオドラを抱くと微笑む。
「お待たせしました。では出発といきますか。」
「お~!」
フェオドラは元気よく返事をすると、外の騒がしさを聞いてフューレン達が出てきた。
キリエルは荷車の荷物を見上げると感嘆の声を上げる。
「すっごい荷物。これ本当に二人で運んできたの?」
「モルビスが運んでくれました。」
ワレリーがそう言うと、キリエルは笑顔になる。
「頼もしいねモルビスは!」
すると、モルビスは照れた。
「このくらい楽勝だ!」
ワレリーはフェオドラをおんぶ紐で背負うと、一同に言う。
「では出発しますので、皆さん準備をしてくださいね。
フレノアは近くの保育園で慈善活動をしていますので来れません、スピムもお昼ご飯の準備があるので来ません。」
それを聞いたキリエルは目を丸くした。
「えぇ!?じゃあ誰が賞金首のトドメを刺すのさ!
僕とケリスはそんな事できないし!」
ワレリーは微笑むと言う。
「私もモルビスだっていますよ、安心なさい。二人はいつも通り蹴散らすだけでいいです。」
「う…うん。」
そして一同は準備が終えて荷車の前まで集まってくる。
大体集まると、アシュターもそこにやってきた。
「フェオドラちゃんが心配だから俺も行くわー」
「おやおや」
そう言ってワレリーは笑うと、モルビスは荷車を押し始めて言う。
「じゃ、押していくからお前らは荷車の上で休んでてもいいぞ!」
それを聞いてキリエルは目を丸くした。
「モルビス力持ちなんだね。」
キリエルは荷車に乗っかる。
ちなみにアシュターも既に荷車の上で休んでいた。
ケリスは荷車の一番後ろで歩き、ワレリーは荷車の横を歩いている。
キリエルは荷物の上で寛ぎながら言った。
「ん~快適~!」
それを傍に、フューレンはモルビスの手伝いをと先頭に向かう。
「押すの手伝うぞ。ずっと引っ張ってたら疲れんだろ流石に。」
モルビスはフューレンを見ると、少しの間目を閉じて考える。
それから目を開いて答えた。
「手伝ってもいいが、気を使わなくなって別に俺は平気だからな。」
モルビスはかつてフューレンに負けた事があるからか、少々堅くなっている様子。
フューレンはそう言われて黙って運ぶ手伝いを始めると、モルビスは聞く。
「お前、この世界に何の用で来たんだ?」
「ん?大魔導師に騙されたってところだな。
こちとら家に母さんがいるってのに…」
モルビスは驚くと更に聞いた。
「おい、それ大丈夫なのか!?」
「一応母さんへの手紙を出して、母星の方で色々調べてもらうよう言ってる。
ここの世界の詳しい文献が少なくて、情報を集めるにも困難なんだ。
ま、魔術科学園の図書館はどうだかわかんないけど。」
それを聞いたモルビスは目を丸くした。
「そうか、連絡待ちか。」
すると、荷車の後ろで歩いていたケリスは何かを聞きつけたのか耳を動かす。
それからワレリーの方に顔を出して言った。
「牧師様、来ます。」
ワレリーはそれを聞いて黙って頷くと、ダガーを取り出した。
ちなみにフェオドラは遊び疲れたのか、ぐっすり眠っている。
フューレンはその話を耳にすると、モルビスの方を見た。
モルビスも聞いていたのか、正面を見て言う。
「正面からだ。」
モルビスはそう言うと、一度荷車を押すのをやめる。
取手が下ろされると、ガタンと荷車は傾いた。
アシュターは荷車が傾く前に飛び去ったが、キリエルは呑気に寝ていた為に傾いた瞬間に荷物に頭をぶつけてしまう。
「いでっ!」
キリエルは自分の頭を撫でながらも、荷物の上から正面を目を凝らして見る。
すると、遠くから武器を持った魔物の集団がやってくるのが見えた。
キリエルは眼鏡を指でつまんで驚くと、慌ててワレリーに言う。
「牧師様!魔物の大群ですぅ!武器持ってるよぉ!」
ワレリーは人差し指を自分の口に当てると言った。
「大声を出すのではありません。フェオドラが起きてしまいます。」
アシュターな呑気な様子で言う。
「殺すの?フェオドラちゃんに触れる魔物なら、俺は殺すけど。」
「近くで見ないと賞金首か、ただの魔物か見分けがつきませんからね。なんとも言えません。」
アシュターはワレリーの言葉を聞いて呆れた。
「若牧師、相変わらず優しいんだね。構わず全員殺せばいいのに。」
そう言ってアシュターは空高く飛んでいくと、ワレリーはそれを見上げてからみんなに言う。
「指示が出るまで軽くあしらうだけにしなさい。
皆、準備はよろしいですか?」
『はい!』
モルビスとケリスは一斉に返事をするが、キリエルだけは一歩遅れて慌てて返事をする。
「はーい!」
魔物達が攻めて来ると、モルビスは唱えた。
「通すか!【ガグド】!」
モルビスがそう唱えると、大地から岩が幾つも出てくる。
岩の壁で魔物の行く手を阻んだ。
フューレンは感心して言う。
「以前使ったのとは違う魔術だな。」
「ああ、悪魔になってからはこっちの方がやり易いって気づいたんだ。」
すると翼のある魔物達は岩を飛び越え、こちらに向かってきた。
魔物はそれぞれ会話をする。
「人間の食べ物は美味いんだよなぁ」
「ここはいっつも人間が通るから絶好の狩場だぜ!」
「でも今回の人間、なんか様子が変じゃないか?
いつもならみんな逃げんのに、コイツら逃げないぞ。」
ケリスは耳を動かすとワレリーに言った。
「荷物の食料が目的のようです。」
「おや、美味い食料の為に人を殺める魔物ですか。
これはこれは…愚かな。」
ワレリーがそう言って笑うと、ケリスは聞く。
「どうしましょうか?」
ワレリーは魔物達の容姿を見ながら言った。
「彼等はよく隣街の人間を襲っている、魔物の雑魚集団の様ですね。
所々高い賞金首の魔物がいます、賞金首の魔物を六割ほど狩ってしまいましょう。」
それを聞いたフューレンは反論する。
「六割!?じゃあ残りの四割は?人間を襲うかもしれないんだぞ!?」
しかしワレリーは満面の笑みのまま答えた。
「関係ありません。
私達はこの荷物を隣街に届けて代金を貰うだけですから。
それに彼等が再び人間を襲えば、また私達にお願いが来るかもしれませんからね。」
フューレンは顔を引き攣ると、拳を握り締めてワレリーに言う。
「お前…!とんだ下衆野郎だな…!」
ワレリーはニヤリと笑って目を開く。
ワレリーの恐ろしい四白眼がフューレンを見つめた。
「そんなに人間を殺して欲しくなければ、あなたが魔物を狩りなさい。」
フューレンは言葉に詰まらせると、フューレンは眉を潜めつつも魔物の方を見る。
フューレンは暫く黙った。
それを見たワレリーはつまらなそうな顔を見せる。
(やはり根は天使、相手が悪人だろうとそう簡単には殺めませんか。)
ワレリーはフューレンから視線を逸らすと、いつもの微笑みを見せた。
「私のヘグリスよ、向かい討ちなさい。」
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