相剋のドゥエット

うてな

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03 魔術科学園

025 召喚術師のバトル。

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授業の時間が近くなり、アイナとキリエルはフューレンを教室に案内する。
本館広間にある一本に伸びる長い階段を暫く登ると、三階の高さほどの階段の脇に通路を発見。
キリエルは通路を指差して言う。

「ここの一番奥の部屋が教室!」

フューレンは通路から広間を見下ろしつつも、その扉へ向かった。
一番奥に着くまでも扉がいくつかあり、扉の横には決まって黒板があり、次の授業の内容が書かれている。
扉に着くと、キリエルは扉を開けた。
黒板には『召喚術 基礎3』と書かれている。

中は普通の教室の様になっているが、声や足音がよく響く。
生徒は数人既に集まっており、キリエルは言った。

「好きな場所に座るといいよ。席は決まっていないからね。」

フューレンは承知して席を見渡していると、席の後ろの方が気になる。
席の一番後ろまで歩くと最後尾の背には柵、柵の先はだだっ広い空間があった。
真っ新で何もない空間の二階上が、今フューレン達のいる教室。
この二つは繋がっていて、後ろの広い空間がある為に声が響いていたようだ。

「この広いだけの部屋は?」

フューレンが聞くと、アイナが答える。

「授業だけじゃなく実技もあるからね。教室と実技場は繋げちゃってるの!」

「へぇ。じゃあここで術の練習とかするんだな。」

「そう!本格的な練習とかね。」

フューレンは話を聞きながらも一番後ろの席に座ると、隣にアイナが座ってくる。
キリエルは一番前の席に座るのだった。
アイナは楽しそうに足をバタバタさせている。

「楽しみね!」

「勉強熱心なのはいいことだな。」

フューレンの言葉に、アイナは頬を膨らませた。

「そうじゃないもん!!」

すると、教室に教師らしき男性が入ってくる。
キリエルによく似た髪色をした落ち着いた男性だ。
厚手の服を着ており、真っ黒な手袋を着用した正にエクソシストと言える服装。
アイナはフューレンに小声で言う。

「あれがキュースのパパ。厳しい上に怖いらしいわよ。」

男性は教室に入ると、目立つ髪色をしたキリエルをすぐに見つけたのかキリエルに一瞬視線をやる。
キリエルは苦笑し、男性は言った。

「それでは授業を始める。
この教室は今から一時間、召喚術に関する授業を行う。
誤って入った者はすぐに出ること。」

太く落ち着いたその声は、容姿や雰囲気通りといったところ。
アイナはフューレンに言った。

「【ノルス】先生って呼ぶんだよ。教材は持ってきた?」

「ワレリーが買ってくれたやつなら。」

フューレンは召喚術に関する本を出すと、アイナは続けて言う。

「私召喚術の専門じゃないから持ってないや!フューレン見せてくれる?」

「なんで召喚術専門じゃないのに来てんだよ…」

フューレンは呆れた様子で言うと、アイナはニコニコ。
そんな二人の会話を聞いていたのか、ノルスは言った。

「別の授業に出席するとは感心だ。余分に教材は持ってきている、使え。」

ノルスはそう言ってアイナに教材を一つ渡すと、アイナは苦笑。

「あ、ありがとうございます先生…」

ノルスはフューレンを見ると言った。

「君は最近入ったフューレンか。
学園から聞いている、召喚術を完璧に操る新入生だとな。」

それを聞いたフューレンは何かが気に食わなかったのか言う。

「完璧?
俺は今の能力に不満を覚えてんだ。
学園がそれを完璧って言うんなら…俺の求める知識はここにねぇって事か?」

「生憎、召喚術に詳しい者は数少ない。それどころか、召喚術を扱う人材も希少なのだ。
ただのアマチュアがお前の術を完璧と言ったところで、お前の術が誠に完璧とは言い切れない。」

ノルスの言葉にフューレンは頬杖をついた。

「じゃあ暇な時にでも俺の能力が如何程のものか見てくれるか?無理ってんなら別に構わないけど。」

その言葉にノルスは目を閉じると、深く頷く。

「よかろう。では今見る。
生徒達も彼の召喚術をよく見て勉強するといい。
さあフューレン、実技場に降りるのだ。」

フューレンは席を立つと、柵を飛び越えて降り立つ。
三階ほどの高さから見事に降り立つ姿を見て、教室の一同は感嘆。
それを見たノルスは言った。

「フューレン、お前は人間ではないな。」

「それがどうした?」

フューレンがそう答えると、ノルスは自分の握った拳を見つめて言う。

「いいや。」

するとノルスは正面に向かって、握った拳を開いてみせる。
手袋の手のひらには、方陣が描かれていた。
右手の方陣が姿を見せると同時に、方陣が光り輝き出すとノルスは言う。

「【レグル】、出番だ。」

すると方陣から白鳥の様な大きな鳥が現れ、ノルスの服を掴んで実技場に降ろした。
レグルはノルスから離れると、ノルスは腕を前に出す。
その腕にレグルはとまると、ノルスはレグルの頭を撫でた。

「いい子だ。暫く実技場で自由にしていていい。」

指示を聞くと、レグルは実技場を飛び回る。
生徒達はレグルを見上げて感嘆の声を上げていると、ノルスはフューレンに言った。

「さあ、君の術を見せてもらおうか。」

ノルスは方陣が描かれた左手のひらを開くと、次は巨大な熊を召喚する。

「【ゼイニア】、出番だ。」

ゼイニアと呼ばれた熊は雄叫びを上げると、フューレンは笑いがこぼれた。

「おお…これが俺以外の召喚術師。じゃあこっちも行くぜ!」

フューレンは腰にある紙とペンを手に取ると陣を描く。

「いでよ!ゴーレム!」

ゴーレムは姿を現すと、生徒達はその巨大さに更に感嘆。
キリエルとアイナは柵から身を乗り出すようにして見守っていた。
ノルスはゴーレムを見て言う。

「ほう、力に関しては文句なし。
さあ、次は私の召喚獣を倒して見せろ!」

「やってやる…!ゴーレム!」

ゴーレムは魔法で岩を生成すると、ゼイニアに向かって投げつけた。

「ゼイニア!打ち砕け!」

ゼイニアは指示に従って岩を拳で打ち砕くと、ノルスは続けて指示を出す。

「正面から殴りかかれ!」

ゼイニアはゴーレムを正面から迎え撃つと、フューレンも指示を出した。

「受け止めろ!」

ゴーレムは守りの体制に入ると、ノルスは指示を出す。

「懐に入って足を殴れ、転ばせろ!」

ゼイニアは指示に従うと、ゴーレムは見事に転んでしまう。
ゴーレムは怒った様子で立ち上がると、ゼイニアに襲いかかった。

「ゼイニア!ゴーレムの拳は危険だ、全て避けろ!」

ノルスの指示にゼイニアは答えていると、フューレンは言う。

「ゴーレム!落ち着くんだ!」

しかしゴーレムは完全に怒り狂っていて、言う事を聞いてくれない。

「おい!このままじゃ相手に踊らされるだけだぞ!負けたいのか!?」

フューレンはゴーレムに声かけすると、ゴーレムはフューレンの方を見た。
フューレンは急な視線に気を抜いてしまうと、ゴーレムはフューレンに向けて拳を振りかぶる。
ゼイニアとの戦いが上手くいかないせいか、ゴーレムは怒りに満ちていた。
それを見ていたキリエルとアイナは驚く。

「フューレン!!」

「危ない!」

フューレンは経験のない出来事に呆然としていて、動く事も忘れていた。
その間にも、ゴーレムの拳はフューレンを潰そうと一直線に落ちてきているのだった。





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