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04 大家族
032 ジャングルに現れた野生少女。
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ギルドの外で待つ事十五分。
フューレン達は城のようにそびえ建つギルドを見つめていた。
「高いな、石の城だ。」
「空から眺めてみたいけど、ここで悪魔の羽出したら撃ち落とされちゃいそうだからやめとこー!」
キリエルは口を尖らせてそう言った。
アシュターも飛べないのは不便なのか、若干不機嫌そう。
「俺、やっぱ帰る。」
アシュターはそう言って帰ろうとするので、キリエルは止めた。
「ダメだよ~!せっかくみんなで来たじゃん!」
「だからって飛べないのは流石に我慢ならない!」
アシュターはそう言って再び背を向けると、今度はギルドからモルビスが出てくる。
「待ってくれアシュター!」
モルビスは鋼鉄でできたブレスレットを付けており、あまりにメタリックだったので一同の視線がブレスレットに集まった。
「モルビス、これは?」
キリエルが聞くと、モルビスは苦笑。
「ベラーネさんに付けられちまった。ギルドの私有地から出ると、ギルドの方に連絡が入る仕組みになってる。
あとはGPSみたいな機能もあって…とりあえず俺は監視されちまってんだ。」
「ハァ!?じゃあヘグリスメオン教会に帰れないだろ!」
フューレンが言うと、モルビスは困った顔をした。
それからモルビスは頭を抱える。
「いや、いっそそれでもいい。俺は牧師様との約束を破ってここに来たんだ。これはそれ相応の罰なんだよ。」
「罰って…何を馬鹿な事を。おい、アシュター。」
フューレンが言うと、アシュターはフューレンの方を見た。
「ヘグリスメオン教会に帰って、この事をワレリーに伝えてくれないか?」
「はぁ?なんで俺が。」
アシュターがそう言うと、キリエルも焦る。
「牧師様に言ったら見捨てられちゃうかもしれないよ!?牧師様、意外と血も涙もない事するもん!」
それに対し、フューレンは頭を抱えた。
「どっちだよ、優しいって言ったり血も涙もないって言ったり…。
とりあえず、どちらにせよバレるんだから早めに言っておいた方がいい。ワレリーも馬鹿じゃないだろうし。
もしかしたらギルドと交渉してくれるかもしれないだろ?」
「それもそうだけど…」
キリエルは弱ると、モルビスも頭を下げる。
「また牧師様に迷惑を…」
それを見るなり、アシュターはニヤリと笑った。
「お前を不幸にして俺が魔力を頂戴するのも悪くないな。やっぱり行ってくるぜ俺。」
そう言ってアシュターは走って立ち去ってしまう。
モルビスは驚いてポカンとしてしまい、フューレンは溜息をついた。
「人の不幸の為なら動くのかよ…やっぱ悪魔だな。」
「牧師様が来るまで待つの?」
キリエルが聞くので、モルビスは急に思い出した顔になって言う。
「そうそう、南の森に一緒に行かねぇか?ギルドからの指令で、首を取らなきゃいけねぇ恐ろしい反逆者がいてよ。」
「それってさっきベラーネが話してた?恐ろしい反逆者…か。少し捜索するくらいなら‥」
フューレンの言葉にモルビスは頷いた。
一同は納得すると、ギルド南の森に向かった。
森というより、ジャングルの様な場所に到着した。
草木で道のない道を歩く三人。
フューレンは道を阻む草木を鬱陶しそうにかき分け、キリエルはその真後ろを通って楽をしていた。
しかしかき分けた大きな葉を、フューレンが離したせいでキリエルの顔面に当たる。
「うわぁ!」
キリエルは翼を広げようと考えるも、木や草がびっしり生えたこの場所では自由に飛び回る事は不可能だろう。
キリエルは溜息をついていると、フューレンは言った。
「こんなジャングルに誰が潜んでるってんだ。傭兵くらいなんじゃないのか?」
それに対してモルビスは答える。
「そう。赤いハチマキを付けた、傭兵の格好した人間の男らしいぞ。魔術の類は一切使えない人間らしい。」
「魔術も使えない人間…?そんな人間の反逆者一人で喚くギルドなのか、お前の所は。てっきり悪魔か魔術師かと…」
フューレンは意外そうに言うと、モルビスは冷や汗を浮かべた。
「確かにそんな弱い人間、相手にするような団体じゃねぇよ俺の所は。
でもベラーネさんは「気をつけろ」と言って笑ってた。もしかしたら只者じゃねぇかも。」
「牧師様みたいな悪魔使いだったり!」
キリエルが笑顔で言うと、フューレンは溜息。
「悪魔使いがうじゃうじゃいるのも困るな。」
しかし、モルビスは首を傾げた。
「でもベラーネさんは相手は一人だって言ってたし、悪魔使いじゃねぇかも。
悪魔使いなら、事前に悪魔使いだって話もされる。」
「じゃあ本当に傭兵なのか?傭兵一人にビビってるのか。」
「余程の強敵なんじゃないのか?」
そうやって二人で考えを張り巡らせていると、フューレンは足を止めた。
二人はフューレンの異変に気づいて共に足を止めると、フューレンは言う。
「女の鳴き声が聞こえる。」
「女?こんなジャングルに?」
モルビスは眉を潜めると、フューレンは走り出す。
「こっちだ!」
雑に草をかき分けながら走るフューレン。
走って数秒、すぐに声の正体がわかった。
黒髪ロングヘアを赤い布で縛った女性。
肌の露出度が高く、胸や腰には布が一枚巻かれているだけ。
どことなく野生児を彷彿させる服装だった。
彼女は赤子のように大声で泣き喚いている。
「どうした?」
フューレンが近づこうとしたその時、少女は泣くのをやめてフューレンに蹴りを入れてきた。
嘘泣きだったのだ。
フューレンは咄嗟に避けると、少女は間髪を入れずにナックルダスターを付けた拳を振りかぶってくる。
間一髪で避けたフューレンは、その少女の拳に驚いていた。
(この反射神経に拳の振り…並大抵の女じゃできないぞ…!コイツ何者…!)
少女の拳は近くの木に当たり、木が大きく揺れる。
少女は当たった拳を痛がる事もなく、再びフューレンに襲いかかった。
あまりの素早さに次は避けられない、そう思った時だった。
周囲が冷気に包まれる。
フューレンはその冷気を感じて思う。
(きっとキリエルだろうな。モルビスも攻撃する隙を狙ってるのかな。)
少女は突然の冷気に気を取られると、キョロキョロとし始めた。
少女の戦意が消えた為、フューレンは話しかけてみる事に。
「おい、なんで攻撃なんてしてきたんだよ。」
「し!」
少女はキリエル達に気づいたのか目を見開き、次にフューレンの腕を掴んだ。
「え?」
フューレンはそのまま少女に引っ張られて連れて行かれる。
咄嗟にキリエル達は二人を追いかけようとするが、少女の足が早すぎて追いつけるわけもない。
「うわ~、ここじゃ飛べないしぃ~!フューレンがさらわれちゃったよ!」
「とにかく追いかけるぞ!」
モルビスの一声により、キリエルは落ち込むのをやめてフューレンを探すのであった。
ヘグリスメオン教会では、ワレリーがアシュターの報告を聞いていた。
フェオドラはそれを聞いて目を丸くしている。
「モルビス…やくそく、やぶったの?」
ワレリーは頷くと、軽く溜息をついて教会内を歩く。
「やはり愚かですね。」
「愚かだって蔑むくらいなら放っとけばぁ?」
アシュターが挑発的に言うと、ワレリーはクスリと笑った。
「いいえ、お断りします。」
「なんで。」
するとワレリーは穏やかに瞑っていた目を開く。
見れば恐ろしい四白眼が、教会の扉を見つめた。
「愚かでないと、私のヘグリス(羊)は務まらないからです。」
それを聞くなり、アシュターは鼻で笑う。
「ただのお人好しかと思ったけど、伊達に悪魔使いやってんじゃないんだな。
聖人を装い愚かな人間を洗脳し、従わせ、使えなくなるまでトコトン使う。
悪魔ったらしい男だねぇ~!」
「ぱーぱはやさしいもん!」
フェオドラは自信満々に言うので、アシュターは更に笑ってしまう。
膨れるフェオドラ、アシュターは言った。
「悪魔ったらしいのに優しい…ねぇ。
そう言やお前、ヴァレリカに混沌を極めた魂って言われてたな。どんなものか俺も知りたくなってきた。」
アシュターはニヤリと笑ってワレリーを見つめるので、ワレリーは目を瞑って微笑みで返す。
「私の魂は魔王の物です。他の誰にも与えません。」
ワレリーはそう言って教会の扉の前に立つと、教会の扉を開けた。
「モルビスのギルドへ行きましょうか。いいえ、アジトへ。」
フューレン達は城のようにそびえ建つギルドを見つめていた。
「高いな、石の城だ。」
「空から眺めてみたいけど、ここで悪魔の羽出したら撃ち落とされちゃいそうだからやめとこー!」
キリエルは口を尖らせてそう言った。
アシュターも飛べないのは不便なのか、若干不機嫌そう。
「俺、やっぱ帰る。」
アシュターはそう言って帰ろうとするので、キリエルは止めた。
「ダメだよ~!せっかくみんなで来たじゃん!」
「だからって飛べないのは流石に我慢ならない!」
アシュターはそう言って再び背を向けると、今度はギルドからモルビスが出てくる。
「待ってくれアシュター!」
モルビスは鋼鉄でできたブレスレットを付けており、あまりにメタリックだったので一同の視線がブレスレットに集まった。
「モルビス、これは?」
キリエルが聞くと、モルビスは苦笑。
「ベラーネさんに付けられちまった。ギルドの私有地から出ると、ギルドの方に連絡が入る仕組みになってる。
あとはGPSみたいな機能もあって…とりあえず俺は監視されちまってんだ。」
「ハァ!?じゃあヘグリスメオン教会に帰れないだろ!」
フューレンが言うと、モルビスは困った顔をした。
それからモルビスは頭を抱える。
「いや、いっそそれでもいい。俺は牧師様との約束を破ってここに来たんだ。これはそれ相応の罰なんだよ。」
「罰って…何を馬鹿な事を。おい、アシュター。」
フューレンが言うと、アシュターはフューレンの方を見た。
「ヘグリスメオン教会に帰って、この事をワレリーに伝えてくれないか?」
「はぁ?なんで俺が。」
アシュターがそう言うと、キリエルも焦る。
「牧師様に言ったら見捨てられちゃうかもしれないよ!?牧師様、意外と血も涙もない事するもん!」
それに対し、フューレンは頭を抱えた。
「どっちだよ、優しいって言ったり血も涙もないって言ったり…。
とりあえず、どちらにせよバレるんだから早めに言っておいた方がいい。ワレリーも馬鹿じゃないだろうし。
もしかしたらギルドと交渉してくれるかもしれないだろ?」
「それもそうだけど…」
キリエルは弱ると、モルビスも頭を下げる。
「また牧師様に迷惑を…」
それを見るなり、アシュターはニヤリと笑った。
「お前を不幸にして俺が魔力を頂戴するのも悪くないな。やっぱり行ってくるぜ俺。」
そう言ってアシュターは走って立ち去ってしまう。
モルビスは驚いてポカンとしてしまい、フューレンは溜息をついた。
「人の不幸の為なら動くのかよ…やっぱ悪魔だな。」
「牧師様が来るまで待つの?」
キリエルが聞くので、モルビスは急に思い出した顔になって言う。
「そうそう、南の森に一緒に行かねぇか?ギルドからの指令で、首を取らなきゃいけねぇ恐ろしい反逆者がいてよ。」
「それってさっきベラーネが話してた?恐ろしい反逆者…か。少し捜索するくらいなら‥」
フューレンの言葉にモルビスは頷いた。
一同は納得すると、ギルド南の森に向かった。
森というより、ジャングルの様な場所に到着した。
草木で道のない道を歩く三人。
フューレンは道を阻む草木を鬱陶しそうにかき分け、キリエルはその真後ろを通って楽をしていた。
しかしかき分けた大きな葉を、フューレンが離したせいでキリエルの顔面に当たる。
「うわぁ!」
キリエルは翼を広げようと考えるも、木や草がびっしり生えたこの場所では自由に飛び回る事は不可能だろう。
キリエルは溜息をついていると、フューレンは言った。
「こんなジャングルに誰が潜んでるってんだ。傭兵くらいなんじゃないのか?」
それに対してモルビスは答える。
「そう。赤いハチマキを付けた、傭兵の格好した人間の男らしいぞ。魔術の類は一切使えない人間らしい。」
「魔術も使えない人間…?そんな人間の反逆者一人で喚くギルドなのか、お前の所は。てっきり悪魔か魔術師かと…」
フューレンは意外そうに言うと、モルビスは冷や汗を浮かべた。
「確かにそんな弱い人間、相手にするような団体じゃねぇよ俺の所は。
でもベラーネさんは「気をつけろ」と言って笑ってた。もしかしたら只者じゃねぇかも。」
「牧師様みたいな悪魔使いだったり!」
キリエルが笑顔で言うと、フューレンは溜息。
「悪魔使いがうじゃうじゃいるのも困るな。」
しかし、モルビスは首を傾げた。
「でもベラーネさんは相手は一人だって言ってたし、悪魔使いじゃねぇかも。
悪魔使いなら、事前に悪魔使いだって話もされる。」
「じゃあ本当に傭兵なのか?傭兵一人にビビってるのか。」
「余程の強敵なんじゃないのか?」
そうやって二人で考えを張り巡らせていると、フューレンは足を止めた。
二人はフューレンの異変に気づいて共に足を止めると、フューレンは言う。
「女の鳴き声が聞こえる。」
「女?こんなジャングルに?」
モルビスは眉を潜めると、フューレンは走り出す。
「こっちだ!」
雑に草をかき分けながら走るフューレン。
走って数秒、すぐに声の正体がわかった。
黒髪ロングヘアを赤い布で縛った女性。
肌の露出度が高く、胸や腰には布が一枚巻かれているだけ。
どことなく野生児を彷彿させる服装だった。
彼女は赤子のように大声で泣き喚いている。
「どうした?」
フューレンが近づこうとしたその時、少女は泣くのをやめてフューレンに蹴りを入れてきた。
嘘泣きだったのだ。
フューレンは咄嗟に避けると、少女は間髪を入れずにナックルダスターを付けた拳を振りかぶってくる。
間一髪で避けたフューレンは、その少女の拳に驚いていた。
(この反射神経に拳の振り…並大抵の女じゃできないぞ…!コイツ何者…!)
少女の拳は近くの木に当たり、木が大きく揺れる。
少女は当たった拳を痛がる事もなく、再びフューレンに襲いかかった。
あまりの素早さに次は避けられない、そう思った時だった。
周囲が冷気に包まれる。
フューレンはその冷気を感じて思う。
(きっとキリエルだろうな。モルビスも攻撃する隙を狙ってるのかな。)
少女は突然の冷気に気を取られると、キョロキョロとし始めた。
少女の戦意が消えた為、フューレンは話しかけてみる事に。
「おい、なんで攻撃なんてしてきたんだよ。」
「し!」
少女はキリエル達に気づいたのか目を見開き、次にフューレンの腕を掴んだ。
「え?」
フューレンはそのまま少女に引っ張られて連れて行かれる。
咄嗟にキリエル達は二人を追いかけようとするが、少女の足が早すぎて追いつけるわけもない。
「うわ~、ここじゃ飛べないしぃ~!フューレンがさらわれちゃったよ!」
「とにかく追いかけるぞ!」
モルビスの一声により、キリエルは落ち込むのをやめてフューレンを探すのであった。
ヘグリスメオン教会では、ワレリーがアシュターの報告を聞いていた。
フェオドラはそれを聞いて目を丸くしている。
「モルビス…やくそく、やぶったの?」
ワレリーは頷くと、軽く溜息をついて教会内を歩く。
「やはり愚かですね。」
「愚かだって蔑むくらいなら放っとけばぁ?」
アシュターが挑発的に言うと、ワレリーはクスリと笑った。
「いいえ、お断りします。」
「なんで。」
するとワレリーは穏やかに瞑っていた目を開く。
見れば恐ろしい四白眼が、教会の扉を見つめた。
「愚かでないと、私のヘグリス(羊)は務まらないからです。」
それを聞くなり、アシュターは鼻で笑う。
「ただのお人好しかと思ったけど、伊達に悪魔使いやってんじゃないんだな。
聖人を装い愚かな人間を洗脳し、従わせ、使えなくなるまでトコトン使う。
悪魔ったらしい男だねぇ~!」
「ぱーぱはやさしいもん!」
フェオドラは自信満々に言うので、アシュターは更に笑ってしまう。
膨れるフェオドラ、アシュターは言った。
「悪魔ったらしいのに優しい…ねぇ。
そう言やお前、ヴァレリカに混沌を極めた魂って言われてたな。どんなものか俺も知りたくなってきた。」
アシュターはニヤリと笑ってワレリーを見つめるので、ワレリーは目を瞑って微笑みで返す。
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