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07 悪魔に産まれた事
075 魔力と神力をぶつけたら。
しおりを挟む教会の外で遊ぶ、フェオドラとケリス。
それを眺めるフューレンは溜息。
(なんでこんな事になってんだ…?)
その上二人の遊びはただの遊びではない、魔力と魔力のぶつけ合いなのだ。
フェオドラは両手を空に掲げて闇の力を放とうとする。
「うけとれええええ!」
そう言ってフェオドラはケリスに投げた。
ケリスは同じく魔力の渦を作ると、それをフェオドラの力に投げた。
「えい!」
二つの魔力はぶつかり合い、そして相殺される。
それを呆然と見せられているフューレンは言った。
「で、何をしたいんだ?」
「悪魔の挨拶だって!」
フェオドラが言うと、ケリスは目を光らせて言った。
「これをマスターすれば、礼儀正しくなれます…!」
「なってどうするんだ?」
それに対し、ケリスは若干弱る。
「意味はありませんが…。ケリスは昔はいつも、こういう事ばかり家で習ってきたもので…」
「本に封印される前か?」
「はい。
あ、挨拶はですね。魔力をお互いぶつける事で相手の魔力を知る事が出来るんですよ。
そしてそうしますと…知識がまた一つ身につくんですよ!」
「わかるように説明してくれ。」
フューレンの言葉にケリスは弱るが、フェオドラはわかったのか目を光らせた。
「わかるよ!ケリスの言う事!」
「本当か?」
フューレンは首を傾げた。
対しフェオドラは笑顔で頷く。
「ケリスの力は優しくってー、でも切るのが得意!そんな魔力!」
「そうです!それです!」
ケリスが言うと、フューレンは首を傾げたまま。
「お互いにぶつけると、すぐにわかるものなのか?」
それに対し、ケリスは難しい顔をした。
「もしかしたら、魔力同士限定かもしれませんね…。
挨拶は相手の力の使い方などを知り、自分の経験として活かせるのが特徴なんですよ。」
「悪魔って意外と万能なんだな。見ただけで相手の力を模倣できてしまうのか。」
フューレンが言うと、ケリスは苦笑。
「多少の才能と努力、それ層の魔力は必要ですがね。全て模倣できるわけではないです。」
それを聞いたフェオドラは膨れる。
「じゃあ神力持ってるフューレンはわからないの?」
「そうなりますね。」
フェオドラはつまらないのか、すぐに不貞腐れた顔。
フューレンは首を傾げながらも考える。
「力を読むか…。もしかしたら、召喚術や共鳴の役に立つかもしれないな。
天使でも魔力が読めるか…試してみるか?」
それを聞いたフェオドラはすぐに笑顔。
「やるやる!」
ケリスは驚いてポカンとしてしまうが、フューレンは位置についた。
フェオドラも位置に着くと、フューレンは言う。
「まずは小さいのから。フェオドラ、手加減するんだぞ。」
「うん!」
そう言うと、フェオドラはさっきケリスに当てた物より大きな魔力を込める。
それを見たフューレンは焦った。
「おい!わざとかフェオドラ!」
しかしケリスは慌てた様子で言った。
「純粋にコントロールできてないだけです…!嬉しすぎて…!」
「くっそ…!やるしか!」
フューレンはそう言って、フェオドラと互角になれるよう、神力を込めた球を作り出す。
そしてフェオドラが投げる魔力の塊に投げた。
神力と魔力はぶつかり合い、強大な力を引き起こす。
二つの力はやがて、どんどん膨れ上がる。
「なんだこれ…!俺達二人の力だけにしちゃ、強大な力を感じる…!」
ケリスは目を丸くしていた。
「凄いです…!激しいぶつかり合いのせいで、力が合体しているんですよ!」
「まさか!魔力と神力は、合体するような力じゃないぞ!?」
「それでも合体してるとしか言い訳のできないような力の大きさです…!」
フェオドラもその力を、目を丸くして見ていた。
次の瞬間、魔力と神力が消え去った。
どうやら効果切れの様だ。
「す、凄かったですね…」
「ああ。」
フューレンはそう言って頭を抱える。
「今まで魔力と神力がぶつかる所を何度も見てきた。
故郷でもそうだし、それ以外の場所でも、ここの世界でだって。
でもこんな事が起こったのは初めてだったな。」
それに対し、ケリスは考える。
「ケリスもこういうのを見たのは初めてですね。
どちらか片方が、特殊な力でも持っているのでしょうか?」
それを聞いたフェオドラは言った。
「じゃあ!ケリスとフューレンでやってみたら?」
「いいえ、ケリスもフェオドラとほぼ同じ力を持っていますので、同じ結果になると思います。
やるならもうちょっと違う魔力を持った……そうです、キリエルはどうでしょう。
彼ならケリス達の代替としては申し分ない力を持っていますし。」
「じゃあ呼んでくるか?」
「そうですね。やってみましょう。」
という事で、外まで呼ばれたキリエル。
キリエルは怠そうな顔をしていた。
「どうしたキリエル、元気がないな。」
フューレンが聞くと、キリエルは大あくび。
「気が乗らないっていうか…今日は一日中寝たい気分でさ~」
「なんだ、具合が悪いわけじゃないのか。」
少し安心しているフューレン。
フェオドラは笑った。
「キリエル寝てばっか!太るよ!」
「むぅ…最近魔力の使いすぎで疲れてるんだよ~だ。」
「タイミの事やら、ヴァレリカを吹っ飛ばした事やらあるもんな。」
「うん…」
そんなキリエルを見て、顔を見合わせてしまうフューレンとケリス。
ケリスは言った。
「えっと…本当はキリエルの強大な魔力とフューレンの強力な神力をぶつける実験をしたかったのですが、キリエルは無理そうですか?」
それを聞いたキリエルはギョッとする。
「どの程度かわかんないけど、そんな事したら魔力が底ついてまた牧師様にお願いしなきゃなんないじゃん!?
牧師様最近、血を流してばっかじゃんか!そんな事できないよ!」
「そうだな。ワレリーの事を考えたら、控えるべきだな。」
フューレンが言うと、キリエルは安堵の溜息。
それから二人を見て言った。
「そんな事して、何かあったの?」
するとケリスは答えた。
「実は…、フェオドラとフューレンの力をぶつけ合ったら少し合体したので、他の魔力ならどうなるかと気になり…」
それを聞いて驚いたキリエル。
「エェ!?そんな事できちゃうの!?」
「ケリスもフューレンも、初めて見たんですよ。」
「へぇ…合体なんて普通は有り得ないよね。
つまり、どっちかが何やら特殊な能力を持ってる可能性があるって事だ。
合体かぁ…。近いもので考えられるのは、ヴァレリカの相手の力を飲む能力だよね。
あれってさ、相手の力を手に入れると言うより、自分の神力に取り入れてる節があるからね。」
それを聞いた瞬間、一同は反応。
フューレンは言った。
「キリエルって、たまに冴えてるよな。」
「わかります。」
ケリスも言うと、キリエルは微妙な反応。
「僕ってそんなに頭悪い!?」
「頭が悪いとは言ってないが、賢明な判断ってものをあまりしないイメージでな。」
「ひどぉ!」
するとフューレンは考え込む。
「これを深堀すれば、ヴァレリカの共鳴の力ともしかしたら結びつくかもしれないな…。」
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