植物人間の子

うてな

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第3章 平穏―ピースフル―

番外編 九重芙美香 1

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学校のチャイムの音。
ずっとずっと机に伏せて寝ていた、私は目を覚ます。

寝過ごした、もう放課後だ。
…今日の授業、何してたっけ?
ずっと寝てたかも!

私の名前は『九重 芙美香(ここのえ ふみか)』!
小学校低学年!何年生かはヒーミーツ!

今は放課後!
今日は、クラスの友達とサッカーして遊ぶぞ~!
場所はもみじ公園、ここは遊具広場に噴水広場に散歩コースにグラウンドまで、色々あるの!
そのグラウンドでサッカーするの!
家にいても退屈だもん!いっぱい遊ぶぞ~!

私はグラウンドまで来ると、そこでは既に友達がサッカーをしていた。
みんなは私に気づくと言った。

「芙美香こっちー!」

「うん!今行く~!」

私はみんなの輪に入ってサッカーをすると、相手チームに目がつく。
相手チームには、なんと『妖精さん』がいた。

妖精さんとは、もみじ公園に現れるガラスの妖精さん。
よく、私達と遊んでくれるんだー!

「いいな~妖精さんと一緒なんて!」

私が言うと、友達はキャッキャと笑う。
妖精さんは胸を張ると言った。

「まー任せなさいって!よーせいさん強いし!」

「動きは鈍いけどねー。」

とチームの一人に言われると、妖精さんは怒っちゃった。

「んまー酷い!キィー!」

でも、妖精さんの怒りは全然怖くない。
みんな笑っちゃうくらい。
妖精さんは不貞腐れちゃうけど、すぐに機嫌を取り戻すんだよ。

妖精さんはいつもキーパー。
地面からガラスを伸ばして、ボールを弾いちゃうの!
ずるいんだけど、その代わり入れる事ができたら高得点ゲットなんだよ!

サッカー楽しいな!
芙美香、友達とみんなで遊ぶの大好き!



遊びつくして、夕方。
友達はみんな帰っちゃった。
親に連れられて帰っちゃう子、友達と一緒に帰る子。
私はそのどちらでもなかった。

友達が帰る頃になると思うの。
…にーちゃんに逢いたい。

私は散歩コースにあるベンチに座っていた。
そこに妖精さんがやってくる。

「兄ちゃんまた仕事?」

「うん。今日はとっても忙しいらしくて、ざんぎょーだって。」

私には、にーちゃんがいる。
この公園の近くの会社で働いてる。
いつもはてーじで帰ってくるんだけど、今日は忙しいんだ。

私の家には、にーちゃんと親父がいる。
親父は出張が多くて、いつも家にいないんだ。
だから代わりににーちゃんがいつも家の事をしてる。
お母さんは、芙美香が小さい頃に死んじゃったんだって。

だから今私が帰っても、家には誰もいない。
とーっても退屈なの。
とーっても、寂しくなるの。
だから妖精さんとお喋りでもして、にーちゃんが帰ってくるのを待つんだ。

妖精さんはそれを聞くと、私の隣に座った。

「そ、社会人にはなりたくねーなー。」

妖精さんも社会人になるのかな?
すると妖精さんは、手に持っていた自販機で買った飲み物を芙美香にくれた。

「コレ、あげるよ。あ、他のガキにはナイショだかんな!」

「ありがと妖精さん!」

あったかいコーンスープだ!
今日は寒いから、体が温まる。
私はコーンスープを飲んだ。
美味しいなぁ。

私は妖精さんが遠くを眺めているのを見て、一緒になって同じ方向を見た。
散歩コースの紅葉は、どんどん色づいてきてる。
今日は秋始めにしちゃとーっても寒いから、コーンスープを貰えてラッキー!

…にしても妖精さん、いつもセーラー服を着て寒そう。
私より寒いんじゃないかな?

「妖精さんは寒くないの?コーンスープ買わないの?」

すると妖精さんは急に無愛想な顔を見せる。
妖精さん、焦るといっつもこんな顔するんだよね。

「べ、別に!妖精だから寒くないの!あとコーン好きじゃないもん!」

え?
私は思わず首を傾げてしまう。

妖精さん、冬になるといつもコーンスープ飲んでたもん。
とーきげんてい、あったかコーンスープ。
そうそう、今芙美香が持ってるやつ。

すると妖精さんは言った。

「そんな事より暇でしょ、公園で遊ぼ。」

「でも、にーちゃんが会社から出てくるかもしんないし。」

「あ~めんどくせ。」

妖精さんはそう言うと、次にニヤリと笑って私の方を見た。

「じゃー今から兄ちゃんに会うか?」

「できるの!?」

「まっかせなさい!」

妖精さんは胸を張って言った。
妖精さん、一体何するんだろう。
妖精さんのする事はみんな楽しい事だから、きっと楽しい事だ!
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