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第4章 侵食―エローション―
122 証明してやる
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ある日。
第二故郷病院、会議室。
三笠は学校から帰宅した。
「ねえねえ」
三笠が微笑む。
皆が三笠を見ると、三笠は微笑んだまま頷いた。
「校長先生や他生徒教職員の一部が、植物人間になった。」
みんなはポカンとしていると、守は言った。
「え、片付けたの三笠さん。」
「いや」
三笠は白々しく言うので、数男は眉を潜めた。
「全員始末してしまえばいいだろう。」
「クロマと似たような事を言わないでください。」
とサチはツッコミを入れた。
久坂は考えてから言う。
「人間なら誰にでもなる可能性はある。ま、植物人間から力を受けた人間はそうでもないみたいだが。」
「そうなんだ。なーらいいや。」
守は余裕を見せて昼寝。
ここの植物人間はサチ以外は誰もが他者に興味がなかった。
いくら植物人間になろうがだ。
砂田は顔色を悪くする。
「え、でもそれってこれから人間達がどんどん植物人間になるって事じゃ…」
久坂は窓の外を見ながら言った。
「あの女狐め。」
無論、ミンスの事である。
数男は真面目な顔をして言った。
「気配を感じようとも、全体に気配が広がっていて探すのが困難だ。」
そこにテオドールが現れて言った。
「あーあー始まったな。クロマがちっさい頃にも国でこれをやったからな、随分被害が凄まじかったが…」
「が?」
久坂が聞くと、テオドールは皆を見て微笑む。
「今度はもっと酷い。今サウザが国に帰ってみたら、国の少数が植物人間になっていた。」
『はぁっ!?』
一同が驚く。
「つまり全世界…!?」
サチは言った。
テオドールは久坂を見て言った。
「いづれお前も、なるんだぞ。」
彼の言葉は病院メンバーにとって、衝撃を与えた。
ここのメンバーの殆どは植物人間だからミンスの影響は受けないが、メンバーの頭脳とも言える久坂はミンスの影響を受けかねない人間である。
焦りを覚えるサチに対し、久坂は既にわかっていた事なのか冷静なまま言った。
「そうか。植物人間にされた人間は一生戻らないのか?」
「いや、種(石)になった段階で力を完全に奪われなければ、あとはその人間の体が損傷していなければ戻す事は可能。」
意外に思ったのか、久坂は更に質問。
「どうやって。」
「ミンスに頼むしかない、まあ力が全てクロマの方に行っているならクロマでも出来ない事はないが。彼等次第だ。」
それを聞いた数男はこのままでは久坂が危険と感じたのか、眉を潜めた。
そして久坂の肩を掴んだ。
「おい」
久坂が数男に振り向くと、数男は自分の腕を植物で傷つけて久坂に向けた。
久坂は血が流れる腕を見て、数男の腕を下げた。
「オレはお前の子になる気はねぇ。」
「この状況で何を言っている!お前は奴等の栄養になりたいのか!」
数男が言うと、久坂は首を横に振った。
「こうでもしねえと、てめぇは世界を救ってくんねえだろ?」
久坂の言葉に、数男は怒りの顔を見せた。
「馬鹿な事を!世界などどうでもいい!」
すると久坂は阻むように言った。
「世界はどうでもいい、ただてめぇは仲良しこよしのヤツだけ周りにいればいいと思ってる。
そんなんじゃ世界は機能しねえ、ガキじゃねんだからわかんだろんな事。」
数男は久坂を睨むと、久坂は顔を背けて更に言った。
「少しは成長しろよな。オレがいなくともさ。」
数男は黙り込むと、舌打ちをした。
「勝手にくたばるなよ。」
数男の言葉に久坂は無表情で言う。
「死ぬも死なぬも神の自由ってな。」
その言葉に数男は眉を潜めた。
「神ィ?」
「サチに聞いた、マリモは自分の母親を神の様に慕ってるってよ。
ミンスが神様って…なんだか納得しちまったな。」
久坂が言うので、数男が首を傾げる。
すると久坂は鼻で笑った。
「人類の命運を握る恐ろしい神様だなって。」
その言葉にサチの表情が暗くなる。
世界中の人間が植物人間になったのなら…世界は終わりだと。
非常に納得の出来る話だからである。
しかし、数男は「笑わせるな。」と言った。
数男は偉そうに腕を組むと言う。
「私達が、奴が神ではない事を証明してやる。」
それを聞いた久坂は更に鼻で笑った。
「期待してんぜ。」
第二故郷病院、会議室。
三笠は学校から帰宅した。
「ねえねえ」
三笠が微笑む。
皆が三笠を見ると、三笠は微笑んだまま頷いた。
「校長先生や他生徒教職員の一部が、植物人間になった。」
みんなはポカンとしていると、守は言った。
「え、片付けたの三笠さん。」
「いや」
三笠は白々しく言うので、数男は眉を潜めた。
「全員始末してしまえばいいだろう。」
「クロマと似たような事を言わないでください。」
とサチはツッコミを入れた。
久坂は考えてから言う。
「人間なら誰にでもなる可能性はある。ま、植物人間から力を受けた人間はそうでもないみたいだが。」
「そうなんだ。なーらいいや。」
守は余裕を見せて昼寝。
ここの植物人間はサチ以外は誰もが他者に興味がなかった。
いくら植物人間になろうがだ。
砂田は顔色を悪くする。
「え、でもそれってこれから人間達がどんどん植物人間になるって事じゃ…」
久坂は窓の外を見ながら言った。
「あの女狐め。」
無論、ミンスの事である。
数男は真面目な顔をして言った。
「気配を感じようとも、全体に気配が広がっていて探すのが困難だ。」
そこにテオドールが現れて言った。
「あーあー始まったな。クロマがちっさい頃にも国でこれをやったからな、随分被害が凄まじかったが…」
「が?」
久坂が聞くと、テオドールは皆を見て微笑む。
「今度はもっと酷い。今サウザが国に帰ってみたら、国の少数が植物人間になっていた。」
『はぁっ!?』
一同が驚く。
「つまり全世界…!?」
サチは言った。
テオドールは久坂を見て言った。
「いづれお前も、なるんだぞ。」
彼の言葉は病院メンバーにとって、衝撃を与えた。
ここのメンバーの殆どは植物人間だからミンスの影響は受けないが、メンバーの頭脳とも言える久坂はミンスの影響を受けかねない人間である。
焦りを覚えるサチに対し、久坂は既にわかっていた事なのか冷静なまま言った。
「そうか。植物人間にされた人間は一生戻らないのか?」
「いや、種(石)になった段階で力を完全に奪われなければ、あとはその人間の体が損傷していなければ戻す事は可能。」
意外に思ったのか、久坂は更に質問。
「どうやって。」
「ミンスに頼むしかない、まあ力が全てクロマの方に行っているならクロマでも出来ない事はないが。彼等次第だ。」
それを聞いた数男はこのままでは久坂が危険と感じたのか、眉を潜めた。
そして久坂の肩を掴んだ。
「おい」
久坂が数男に振り向くと、数男は自分の腕を植物で傷つけて久坂に向けた。
久坂は血が流れる腕を見て、数男の腕を下げた。
「オレはお前の子になる気はねぇ。」
「この状況で何を言っている!お前は奴等の栄養になりたいのか!」
数男が言うと、久坂は首を横に振った。
「こうでもしねえと、てめぇは世界を救ってくんねえだろ?」
久坂の言葉に、数男は怒りの顔を見せた。
「馬鹿な事を!世界などどうでもいい!」
すると久坂は阻むように言った。
「世界はどうでもいい、ただてめぇは仲良しこよしのヤツだけ周りにいればいいと思ってる。
そんなんじゃ世界は機能しねえ、ガキじゃねんだからわかんだろんな事。」
数男は久坂を睨むと、久坂は顔を背けて更に言った。
「少しは成長しろよな。オレがいなくともさ。」
数男は黙り込むと、舌打ちをした。
「勝手にくたばるなよ。」
数男の言葉に久坂は無表情で言う。
「死ぬも死なぬも神の自由ってな。」
その言葉に数男は眉を潜めた。
「神ィ?」
「サチに聞いた、マリモは自分の母親を神の様に慕ってるってよ。
ミンスが神様って…なんだか納得しちまったな。」
久坂が言うので、数男が首を傾げる。
すると久坂は鼻で笑った。
「人類の命運を握る恐ろしい神様だなって。」
その言葉にサチの表情が暗くなる。
世界中の人間が植物人間になったのなら…世界は終わりだと。
非常に納得の出来る話だからである。
しかし、数男は「笑わせるな。」と言った。
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それを聞いた久坂は更に鼻で笑った。
「期待してんぜ。」
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