植物人間の子

うてな

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第4章 侵食―エローション―

148 狙われた植物人間

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第二故郷病院の会議室にて。
公園に来ていた一同と会議室組が集まって話をしていた。

「やはり彼等は五島さんを狙ってましたか…」

誠治が呟くと、「知ってたの?」とアンジェルが聞いた。

「ええ。先程奈江島さんからメールを頂いたのですが。どうやら一部の植物人間は、ミンスの力を受け取っているそうなのです。
データと照らし合わせた所、どうやらこの病院では五島さんがその植物人間に当てはまるそうで。
力を節約したいミンスは、力を消費してしまう植物人間は皆処分したいと考えているでしょう。」

「僕は?」

と守。
誠治は首を傾げてしまう。

「守は特殊な実験で植物人間になったからその限りではないんじゃないかって、奈江島さんの予想だよ。
でも実際はわからないから、守には一度研究所で検査を受けて欲しいって話なんだけど…」

それを聞いた守はムスっとしたが、了解した。

「まあいいよ。検査受けてやるしぃ。」

「本当?」

誠治は目を丸くすると、守は頷いた。
すると数男は言う。

「相手はプラズマが弱点だしな。サチも殺したくてしょうがないだろうな。」

一同は頷いた。
しかし、サチは今頃の様に言った。

「プラズマってなんですか?」

それに対し、数男は溜息を吐いた。

「物質の状態って知ってるか?」

サチは首を傾げるので、数男は呆れた様子で言った。

「では端折って教えよう。固体、液体、気体、聞いた事ないか?氷は固体、水は液体、水蒸気は気体って。」

「あ!知ってます!温度が上がると色々変わるんですよね。」

「そう、その三つの先にもう一つ、プラズマという状態がある。」

数男にそう説明を受けると、サチは感心した様子。

「固体液体気体プラズマってなんか変ですよね。もうちょっと言い方を変えればいいのに。」

するとそこで三笠は笑顔で言った。

「ちなみに宇宙の九十九パーセントはプラズマでできているらしい。」

それを聞くなりサチは驚いた。

「死にますよねそれ!?」

「生きてる方が珍しいよね?」

三笠が笑顔で言うので、サチは頷いた。
話がここで一旦終わると、誠治は難しい顔をした。

「そう言えばサウザ王子は無事だろうか…。国に帰ったとは言え、何も連絡がないと心配ですね…。」

「花さんも一緒にいますよ。さっきラブラブな写真届きました。」

サチはそう言って、携帯で写真を見せた。
砂田がサウザに飛びついて写メをパシャリ、という感じであった。
ちなみにサウザは困っている様子だった。

「こんな地球の危機に…」

誠治は小声で参る。

「でもまだ終わるって決まったわけじゃねえし!」

シュンは笑顔を見せた。
誠治は微妙な反応をしたが、そこで何かを思い出してアンジェルに言った。

「そう言えばアンジェル、お父さんが探していたよ?」

「なんでキミが知ってるワケ。」

「避難誘導、講演会をしていたら君のお父さんのお知り合いが来たんだ。だから言っていたよ、まだ息子が帰ってきていないから心配しているって。」

誠治が事の経緯を話すと、アンジェルは誠治を睨んだ。

「ボクの居場所言わないでよね!こんな時に家に帰って暇なんてやってらんないね!」

「そう?なら黙っておくけど。」

誠治はそう言うと、携帯に電話がかかる。
誠治はそれに気づくとみんなに言った。

「あ、ごめんなさい、用事ができたので私はこれで。」

誠治は電話に出ながら、急いで会議室を出て行ってしまった。
それを見つめる一同。
三笠は言った。

「随分忙しい人になったねゴミ拾い君。」

秋菜は不安そうに、誠治が出た扉を見つめた。

「ええ。避難推進のため、植物人間の事を話せば集まる人も多いみたいで…。
最近は奈江島さんの秘書をしつつ、共に植物人間を人間に戻す薬やら何やらを開発中らしいですわ。」

サチは心配そうな顔を見せたので、数男は言う。

「そんなに心配か?」

「九重先輩は人混みで目をくらます様な人なんですよ?大役を背負ったら失神するに決まってます。」

「フン、とんだ腰抜けだ。」

そう言って数男は窓の外を見る。
そしてポケットから、先日久坂のパソコンからメモしたミンスのいる住所メモを取り出す。
しかし躊躇って、またポケットに入れてしまった。

(秀也には冷静になれって言われたが…。まだ行ける状態じゃない…よな。)

そう悩みながら。





砂漠の一国。
サウザは王宮に避難した国民の様子を見に、一家一家を訪ねているところだ。
そこである女性がサウザに話しかける。

「王子。」

その女性の肌は褐色で、ストレートな短い髪を結んでいる。
この国の住人の九割以上は褐色肌なので、特に珍しくはない。

サウザはその女性を見ると笑顔を見せた。

「あ、ララママ!」

するとその女性は笑う。

「ネオのママなんだからネオママでいいのに、私の名前を入れたら私のママみたいになるじゃない。」

「国中の人のママさんの呼び名は、名前とママを繋げてるから。
これは仕方のない事です!」

女性が微笑ましく笑っていると、そこに砂田が現れる。

「サウザー!なにママとおしゃべりしてるのー?」

砂田はサウザに飛びついたので、サウザは驚いた。

「ネオ!ちょっと心臓に悪いよ~」

「そう言えばラディオンが来たって聞いたけど。」

ネオの母親が言うので、サウザは首を傾げた。
砂田は笑う。

「あのね!ママは面白いの!サウザのパパの事、ラディオンって呼んでるの~。」

サウザは微笑。

「ララママはこの国が出来る前から父上と知り合いらしいし、そういうあだ名ついてても仕方ないよね。」

二人がそう話していると、砂田の母は言った。

「どこにいるか知ってる?」

「わからない。また最近ニホンに出ちゃって…。もしかしたら父上の事だし、また旅に出てるんじゃないかな…。」

すると砂田は笑って話す。

「浮気性らしいもんね!サウザは普通の男性で良かった!ねえママ。」

「昔から変わらないわね。本当に王女の死を悲しんでいるのやら…」

それを聞いたサウザはドキッと来て、急に虚しくなる。
それを見た砂田は慌てた。

「あ!ごめんサウザ!ママたまーにデリカシーの無い事言うのよね!」

「ん!?ううん!大丈夫!」

サウザは無理に笑顔を見せた。
砂田の母はよく状況を理解できておらず、慌てた顔。
サウザは空気に耐えられなくなったのか、笑顔を見せたまま後退。
それから急いで自分の部屋に帰った。
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