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無口な百合はくすぐられる①
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金曜日の放課後、百合は窮地に立っていた。
具体的に言えば、教室のど真ん中でバンザイしながら立たされていた。
その天に向けて挙げられた白くて細い腕を
優しく、しかしガッチリと百合の背後から掴んでいたのは
百合と同じクラスの女子、未久である。
「ぁ……ぁの……」
百合は途切れそうなか細い声で、この状況に抗議とも言えぬ抗議をするのが精一杯だった。
百合はクラスで目立たない。
地味。彼女を紹介するにはその一言に尽きる。
それでもイジメの対象にならないのは、特にイジメる理由もない程地味であったからだろう。
そう。今のこの状況は「イジメ」ではない。
「なあに?」
背の高い百合は僅かに中腰になり、百合の背後から耳元で囁く。
未久はクラスの中での魅力的。
大人っぽい。彼女を紹介するにはその一言がベストだ。
背が高い、良い匂いがする、胸が大きい、寛容的な性格。他にも彼女の魅力は沢山ある。
「は…離して……ほしい…でひゃっ…!」
「可愛い…百合…」
未久が百合の耳に息をふーっと吹きかけると百合は肩を震わせた。
手が頭上で掴まれている為、顔を背ける事で僅かに抵抗するが、
未久はそんな可愛らしい抵抗にうっとりするだけ。
もう一度息を耳に吹きかける。
「んっ……ふぁっ……」
もう一度。今度は長めに。
「んぅ……や…やめ……」
そんな2人の光景を目の前で見ているウキウキ顔のもうひとり女子高生が口を開く。
「百合ちゃん可愛いー!どんどん耳が赤くなってる!」
テンション高くそう言うのは末樹。
末樹はクラスの中でも明るい。
明るく、活発的で、天真爛漫、運動神経抜群、クラスの中心。
彼女を紹介するには一言や二言では足りない。
「さあ末樹、良いわよ」
「うん!」
未久は百合の腕つかんだままうっとりと彼女の顔を近くで見つめながら
末樹に次の行動を促した。
末樹はいたずらっ子らしい笑顔でわざとらしく百合に両手を見せ、
10本の指を蠢かせる。こちょこちょするぞ、と言わんばかりに。
百合は耳に吹きかけられる息のくすぐったさに目を細めて我慢していたが、
今から起こるであろう恐怖に目を見開いた。
「ゃ…ゃめ…んうっ!!」
そんな小さな抵抗虚しく、蠢く10本の指はすぐに彼女の腋へ到達した。
今は衣替えの季節。夏用の制服を着て薄着となった腋を末樹の指が上へ下へとなぞられていく。
「んんっ…!んんんんっ!!」
口を必死に閉じ、腕を必死に下ろそうとする。
しかし掴まれた腕はビクともしない。
「あらあら?声我慢しなくていいのよ?」
未久は耳に息を吹きかけ
「こちょこちょこちょこちょー、ここが弱いのかな?ここかな?」
末樹は徐々にくすぐりのスピードを上げていき、腋から横腹へと這わせていく。
「んふっ!?いやああははははっ!…っ…!や、やめてえええっ…!」
遂に必死に閉じていた口を大きく開け、首を大きく振り長い髪を乱しながら抵抗する。
普段の生活で聞いた事のない百合の大きな声を聴き、
未久と末樹は1つの目標を達成した事に不敵な笑みを浮かべつつも、更に次のステップへと進める。
具体的に言えば、教室のど真ん中でバンザイしながら立たされていた。
その天に向けて挙げられた白くて細い腕を
優しく、しかしガッチリと百合の背後から掴んでいたのは
百合と同じクラスの女子、未久である。
「ぁ……ぁの……」
百合は途切れそうなか細い声で、この状況に抗議とも言えぬ抗議をするのが精一杯だった。
百合はクラスで目立たない。
地味。彼女を紹介するにはその一言に尽きる。
それでもイジメの対象にならないのは、特にイジメる理由もない程地味であったからだろう。
そう。今のこの状況は「イジメ」ではない。
「なあに?」
背の高い百合は僅かに中腰になり、百合の背後から耳元で囁く。
未久はクラスの中での魅力的。
大人っぽい。彼女を紹介するにはその一言がベストだ。
背が高い、良い匂いがする、胸が大きい、寛容的な性格。他にも彼女の魅力は沢山ある。
「は…離して……ほしい…でひゃっ…!」
「可愛い…百合…」
未久が百合の耳に息をふーっと吹きかけると百合は肩を震わせた。
手が頭上で掴まれている為、顔を背ける事で僅かに抵抗するが、
未久はそんな可愛らしい抵抗にうっとりするだけ。
もう一度息を耳に吹きかける。
「んっ……ふぁっ……」
もう一度。今度は長めに。
「んぅ……や…やめ……」
そんな2人の光景を目の前で見ているウキウキ顔のもうひとり女子高生が口を開く。
「百合ちゃん可愛いー!どんどん耳が赤くなってる!」
テンション高くそう言うのは末樹。
末樹はクラスの中でも明るい。
明るく、活発的で、天真爛漫、運動神経抜群、クラスの中心。
彼女を紹介するには一言や二言では足りない。
「さあ末樹、良いわよ」
「うん!」
未久は百合の腕つかんだままうっとりと彼女の顔を近くで見つめながら
末樹に次の行動を促した。
末樹はいたずらっ子らしい笑顔でわざとらしく百合に両手を見せ、
10本の指を蠢かせる。こちょこちょするぞ、と言わんばかりに。
百合は耳に吹きかけられる息のくすぐったさに目を細めて我慢していたが、
今から起こるであろう恐怖に目を見開いた。
「ゃ…ゃめ…んうっ!!」
そんな小さな抵抗虚しく、蠢く10本の指はすぐに彼女の腋へ到達した。
今は衣替えの季節。夏用の制服を着て薄着となった腋を末樹の指が上へ下へとなぞられていく。
「んんっ…!んんんんっ!!」
口を必死に閉じ、腕を必死に下ろそうとする。
しかし掴まれた腕はビクともしない。
「あらあら?声我慢しなくていいのよ?」
未久は耳に息を吹きかけ
「こちょこちょこちょこちょー、ここが弱いのかな?ここかな?」
末樹は徐々にくすぐりのスピードを上げていき、腋から横腹へと這わせていく。
「んふっ!?いやああははははっ!…っ…!や、やめてえええっ…!」
遂に必死に閉じていた口を大きく開け、首を大きく振り長い髪を乱しながら抵抗する。
普段の生活で聞いた事のない百合の大きな声を聴き、
未久と末樹は1つの目標を達成した事に不敵な笑みを浮かべつつも、更に次のステップへと進める。
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