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第13話 報告
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ゼリア城にて――
玉座の間は静まり返っていた。 高い天井から落ちる淡い光が、磨かれた床にゆっくりと広がっている。
玉座に腰掛けるゼリア王の前に、ランクスが膝をつく。
「ランクス。話は聞いた。」
低く抑えた声が、広い空間に落ちる。
「はい。遺跡の奥、ドラゴンスレイヤーが安置されていた下に、壁画、文字が書かれていた空洞が見つかりました。」
ランクスは一言ずつ、確かめるように言葉を置く。
「そうか…。」
王は背を預けたまま、視線だけを向けた。
「片側にドラゴン、真ん中に剣……これはおそらく、ドラゴンスレイヤーかと。」
言葉の切れ目に、静寂が差し込む。
「……。」
ゼリア王は口を挟がず、報告を受け止めている。
「空洞は広く、それ以上の探索は断念しました。」
「後日、改めて調査していきたいと……。」
「そうか…。」
短い返答の裏で、思考が巡っているのが分かる。
「はい。それと……文字のほうですが、私では解読不可能でした。」
王の指先が、わずかに動いた。
「お前でも解読できないのか?」
「はい。ですが心当たりはあります。」
ランクスが顔を上げる。
「以前、別の大陸で似たような文字を見たことがあります。」
「別の大陸…」
「はい。そこでは解読の研究が行われていると聞きました。」
一拍、置いて。
「…依頼するのも…手かと…。」
玉座の間に、沈黙が落ちる。
「……。」
ゼリア王は顎髭に手をやり、しばし考える。
「わかった。それについてはこちらで調べよう。」
背を起こし、言葉を続ける。
「引き続き調査を頼む。」
「はい。」
深く一礼し、ランクスは玉座の間を後にした。
扉が閉じ、足音が遠ざかる。
丞相に向けて、王が口を開く。
「話は聞いていただろう?」
「捜せ。」
「はっ。」
丞相は即座に身を引いた。
ゼリア王は玉座に深く座り直す。
(また…前のような悲劇を起こさないためにも…先手は打たねばならん。)
玉座の間は静まり返っていた。 高い天井から落ちる淡い光が、磨かれた床にゆっくりと広がっている。
玉座に腰掛けるゼリア王の前に、ランクスが膝をつく。
「ランクス。話は聞いた。」
低く抑えた声が、広い空間に落ちる。
「はい。遺跡の奥、ドラゴンスレイヤーが安置されていた下に、壁画、文字が書かれていた空洞が見つかりました。」
ランクスは一言ずつ、確かめるように言葉を置く。
「そうか…。」
王は背を預けたまま、視線だけを向けた。
「片側にドラゴン、真ん中に剣……これはおそらく、ドラゴンスレイヤーかと。」
言葉の切れ目に、静寂が差し込む。
「……。」
ゼリア王は口を挟がず、報告を受け止めている。
「空洞は広く、それ以上の探索は断念しました。」
「後日、改めて調査していきたいと……。」
「そうか…。」
短い返答の裏で、思考が巡っているのが分かる。
「はい。それと……文字のほうですが、私では解読不可能でした。」
王の指先が、わずかに動いた。
「お前でも解読できないのか?」
「はい。ですが心当たりはあります。」
ランクスが顔を上げる。
「以前、別の大陸で似たような文字を見たことがあります。」
「別の大陸…」
「はい。そこでは解読の研究が行われていると聞きました。」
一拍、置いて。
「…依頼するのも…手かと…。」
玉座の間に、沈黙が落ちる。
「……。」
ゼリア王は顎髭に手をやり、しばし考える。
「わかった。それについてはこちらで調べよう。」
背を起こし、言葉を続ける。
「引き続き調査を頼む。」
「はい。」
深く一礼し、ランクスは玉座の間を後にした。
扉が閉じ、足音が遠ざかる。
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「話は聞いていただろう?」
「捜せ。」
「はっ。」
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(また…前のような悲劇を起こさないためにも…先手は打たねばならん。)
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