カナダに追放された財閥の三男が帰国しました:父が「搾取は伝統だ」と言うので、「あらゆる手段」を使ってこの1兆円規模のブラック巨艦を完全ホワイ

RyuChoukan

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第一百一十五話 深海の咆哮

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 時刻:一週間後 豪雨の夜

 場所:東京湾第二海底トンネル

 龍立はデータを暴き、黒鉄の無能も証明した。だが官僚は遅い。国交省は“停止・検査”の長い手続きを踏んでいた。交通を止める圧力もある。危険なトンネルは半開放のまま、車を通し続けていた。

 気象庁が最高レベルの緊急警報を叩きつける。【千葉県沖 プレート境界型地震 震度6強】【30秒後、東京到達予測】

 澄心指揮室。龍立はモニターの地震波予測を見て顔色を変える。「震源……衝撃波が東京湾を横切る。土屋が言った“最悪の手抜き区間”だ。中段は高強度鉄筋が入ってない。6強は耐えない。――折れる!」

 龍立は無線を掴み叫んだ。「小林に伝えろ! 澄心物流の重トラック、全部出せ! 入口を両側から塞げ! これ以上、車を入れるな!!」

 トンネル入口。澄心の大型トラックが豪雨の中で横付けされ、強制封鎖。事情を知らないドライバーがクラクションを連打し、罵声が飛ぶ。警察車両が突っ込み、警官が警棒を抜く。「何をしている! 交通妨害だ! すぐ退け!」

「命を救ってるんだ! 下がれ!!」龍立は雨の中で吼え、バリケードを掴んで離さない。

 その瞬間。手錠が龍立の手首にかかる寸前――

 轟隆――!!!

 世界が裂けるように揺れた。街灯が狂ったように揺れ、爆ぜて消える。監視モニター。黒鉄建設が造ったトンネル中段で、鋼鉄が裂ける恐怖の音が走った。

 鉄の悲鳴。耐力壁が、ビスケットのように砕ける。海水が――黒い竜となって壁を破り、巨大な水圧で逆流する! 封鎖で大半は止めた。だが十数台が中に残っていた。さっき違反を取り締まろうと侵入した警察車両も含めて。

「助けて――!!」水位が猛然と上がる。頭上のコンクリ板が、歯軋りのような音を立てて沈み、亀裂が広がる。崩落すれば、全員が押し潰される。
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