ノンケなのにアナニー好きな俺が恋をしたら

浅葱

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アナニーを禁止された俺と恋人たちの日々(続編)

44.まさかのそっち?

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 疲れた様子を隠せない岡にコーヒーを淹れさせるのは忍びない。けれど岡はあまり台所をいじられたくないらしいので任せている。何か手伝いができないかと思ってはいるのだが、せいぜいコートやジャケットを預かるぐらいしかできない。

「ありがとうございます」

 それだけでも顔を綻ばせる岡がやっぱり好きだなと思う。
 岡がコーヒーを淹れ、やっとソファに腰かけた。一口啜ってから、岡は俺を見た。

「……実は……かつての元カレの話なんですけど……」

 俺たちは頷いた。

「正直キレイに別れたとは言い難かったんですよね。俺は恋人が俺以外の誰かに抱かれて気持ちよくなっているところが見られれば、あとは入れるのにはこだわらないつもりだったんですけど……。彼の方が入れるの入れないの、入るのはいらないので最後は完全に修羅場だったんです」

 なんともいえない話だった。俺も浮気しているような形だから岡の恋人については何も言えない。

「他の男に抱かれているのが見たいなんておかしいよ! とまで言われてしまいまして、それもあって別れたんですが……彼の方がかなり引きずってたみたいなんです」
「俺たちのことでも言われたのか?」

 安田の問いに、岡は曖昧に頷いた。

「ええと、その……彼じゃなくてですね……その彼氏だって男が出てきたんですよ」
「……え……」

 元カレではなく、元カレの今カレが絡んできたというのか。

「で? ソイツがなんだって?」
「ソイツが先輩に会いたいって言ってきた奴なんです。でも昨日きっぱり断られたことでわざわざ会社にまで来たんですよ」
「なんだよ、それ……」

 力が抜ける。ややこしいことこの上ない。
 月曜日、夏目に絡まれた。火曜日、夏目に取引先の相手と会ってほしいと言われて断った。
 取引先の相手は岡の元カレの今カレで、岡の今カレ? である俺に興味を持った。
 んで今日、俺が断ったことで会社にまでやってきて岡に会った。

「で、わけがわからないんですけど元カレを振って幸せそうにしている俺が許せないから、先輩にちょっかいをかけると言い出しまして」
「……はい?」
「口説き落としてメロメロにしてからこっぴどく振ってやるのだそうです」
「子どもかっ!」
「ガキだな……」

 三人揃って脱力した。健気なんだかあほなんだか両方なんだかさっぱりわからない。

「それを岡に宣言して俺に伝わらないとでも?」
「自分の方が僕よりいい男だから絶対に口説き落とせるのだそうですよ」
「へーへーへー」

 安田がもう腹を抱えて笑っている。うん、なんのコントなんだろう。

「ひーー、おかしーー! あーでも、身体の関係までいったらまずいよなー」

 身体の関係って、もう間に合ってるから。つか、そこまで俺は尻軽じゃない。

「そうですね。相手の方がかえって先輩にメロメロになっちゃいますよね」
「……何言ってんだよ……」
「智のメス穴は名器だからなー」
「ですよねー」
「……お前らな……」

 そんなところで同意すんな。俺は半目になった。

「で、どーすんだよ?」
「まぁそんなわけで変な奴に絡まれるかもしれません。多分安田さんも」
「いやん、俺も口説かれちゃう?」
「ぶはっ!」

 安田がへんな科を作って岡を見た。ウケル。

「んー……もしかしたら安田さんは先輩を抱く要員扱いかもしれません」
「ってことは、俺もその元カレと一緒で岡のが入らないと思われてると?」
「その可能性はありますね」

 だからなんだって話ではあるが、もしかしたらソイツは俺を可哀そうだと思っているのかもしれないとも考えた。だったらほっといてくれてもいいんじゃないだろうか。

「……なんか、面倒なヤツみたいだな」
「……すいません」
「岡が謝ることじゃないだろ? 悪いのはソイツなんだし」
「……あんまり目に余るようなら元カレに話します」
「そうだな。ま、明日から様子を見よう」

 やっぱり無期限で有休をとった方がよかったんじゃないかと思ってしまう。でもなんかちょっとだけ面白そうだとも思ってしまったのはないしょだ。
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