【完結】Life

浅葱

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22.At last(最後に)

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 クリスマスを挟んで、10日ぐらい友人たちと旅に出た。
 ニュージーランドの首都のウェリントンまで車で行って、船に乗って、南島に。
 カイコウラで鯨の姿を探したけど、結局見れなかった。
 クライストチャーチはイギリス風だって聞いて行ってみた。イギリスに行ったことがないから、本当かどうかよくわからなかった。
 クイーンズタウンで色々なことをして(バンジージャンプで有名だ)、ミルフォードサウンドでフィヨルドを見た。雄大な景色だった。マウントクックとか、氷河とか見にいきたかったけど、時間がなかったんで諦めた。でも、とにかく楽しかった。
 見てないところはまた来た時に見ればいいんだ。
 そんな風に遊んで、帰国する準備をしていたら、あっという間に時間は過ぎて。
 ……明日はもう機上の人だ。
 帰国する前日なんて、ダチと夜中まで騒ぐのがフツーだけど、思うところあって、昨夜皆と飲みまくった。
 だから、今夜は何もない。
 明日の朝、ケンが車を出してくれる。たかがフラットメイトの帰国を送ってくれるのは心苦しい限りだ。

「僕は明日仕事だ。だから送っていけない」

 クリスは少し哀しそうな表情で言った。そして俺の口唇にキスを落とす。
 クリスとするキスはとても気持ちがいいし、すぐにでも抱き合いたいけど、その前にどうしても伝えたいことがあった。

「待って。俺、クリスに言いたいことがあるんだ」

 ついばんでくる口唇からどうにか逃げ出して、クリスの青い瞳を見つめる。一瞬だけ、息が詰まる。クリスはため息をついた。

「OK」

 わかってる。俺たちはそんな湿っぽい関係じゃない。
 わかってる。でも、伝えなくちゃいつまでたっても言葉は伝わらないから。

「俺、明日帰るけど……」

 瞳をいつまでも合わせているのはつらい。その澄んだ色の瞳に吸い込まれてしまいそうだから。

「ワーホリのビザとって、また戻ってこようと思うんだ」

 日本人は相手の目を見るのが苦手なんだ。

「それがいつになるかはわからないけど」

 きっと目を合わせると攻撃してくる猫みたいに、どうしたらいいかわからなくなっちゃうからだろう。

「もし、半年以内に戻ってこられたら」

 緊張で喉がからからに渇いてる。

「……クリスのパートナーにしてくれる?」

 一瞬見開かれた青い瞳が、すーっと細められる。
 キレイだな、と思っている間に、俺の身体はクリスの腕に絡めとられていた。

「Kazu, you complete me...」

 そのまま、俺は甘い口付けに身も心も捕らわれた。


「あ……あぁ……あぁ……」

 優しいんだけど、激しい。乳首に噛みつかれて、初めておっきいクリス自身を舐めて。俺自身はイクまで舐めしゃぶられて悲鳴を上げた。

「I love you,Kazu...」
「あぁあっ……!」

 ローションをたっぷり使われてクリス自身を受け入れた。痛みなんかかけらもなくて、首筋に噛みつかれて何度もイカされた。気持ちよくて、たまらなくて、情熱的な交わりに涙をこぼした。


 翌日、昨夜言った通りクリスは見送ってはくれなかった。
 ケンは、「半年以内に戻ってきたらまた置いてあげるわ」と言ってくれた。これで住むところを探す手間は省けたわけだ。
 日本まで直行便で約11時間。その間に親に話すことを整理しなければいけない。
 英語の勉強も真面目にしないといけない。
 実のところ、俺はクリスの最後の言葉の意味もよくわからなかった。
 次に会う時は、クリスにいっぱい愛してるって言いたい。
 ワーホリだってただのつなぎだから、これからどうなるかわからないけど。
 それ以前に、ニュージーランドにまた戻ってこれるかどうかわからないけど。
 大人にあまちゃんって言われたって、今俺ができることを精いっぱいしてみたい。

 機内の窓から覗いた空は、
 どうしてかクリスの瞳と同じ色をしていた。



 End..?


 番外編を一話上げて完結です。
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