異世界で四神と結婚しろと言われました

浅葱

文字の大きさ
320 / 653
第3部 周りと仲良くしろと言われました

17.ないしょにするというのは難しいようです ※R15

しおりを挟む
 白虎に、寝室へ連れ込まれた。
 奪うような口づけを受ける。でも漢服の前を寛げられそうになった時はっとした。

『白虎様、私の胸、おっきくないです!』

 白虎が困ったような顔をした。まだ言っているのかと呆れているようである。香子の手前はっきりとは言わないが。

『……我に抱かれれば大きくなるそうだ』

 それは知っている。知ってはいるが……と香子は不機嫌そうな顔をした。

『……白虎様に見せる前に大きくする方法ってないんですかね?』
『……面白いことをいう』

 揉まれれば大きくなるなんて話を聞いたことがある。香子は自分の両胸を漢服の上から掴んだ。以前よりは大きくなっている気がするが定かではない。やっぱりただの気のせいなのだろうか。

『……あんなに揉まれてるのに……』

 毎晩のように玄武と朱雀に揉まれているはずだ、と香子は思う。でも、と思い直した。揉まれる、というより乳首を延々可愛がられているような気がしないでもない。だからなんか乳首だけが大きくなっているようにも思う。

「むぅ……」
『香子、揉ませてくれ』
『……元の姿には戻らないでくださいね』

 そのまま襲われるとかしゃれにならない。

『善処しよう』

 それ答えになってないよね、と香子は思ったが、いいかげん意地を張っていてもしかたないのでそっと目を反らすに留めた。


『んっ……』

 乳首を避けて胸を舐められるのは新鮮だった。やわやわと揉まれながらぺろぺろと舐められる。それはそれで心地よかった。

『……ああっ……』

 ちゅ……と乳頭に口づけられた。

『そなたの乳が出るようになったら飲んでみたい』
『……え……』
『はよう子を成せ。乳をたっぷり吸ってやる』
『な、何言って……』

 香子は真っ赤になった。

『胸は……大きい方が乳がよく出たりするのですか……?』
『さぁ……知らぬな。だが乳首が大きい方が吸いやすかろう』

 それはそれでどうなのだろうと思ったが、白虎にぺろぺろと乳首も舐めしゃぶられて、香子は甘く啼くことしかできなくなってしまった。


「っはー……」

 香子は大仰にため息をついた。
 白雲が昼食の準備ができたそうだと呼びにきてくれたことで香子はどうにか解放された。あのままだと本当に襲われてしまいそうだったが、そうなった時香子では止めることができない。それについては白雲グッジョブ! と香子は内心サムズアップしたのだった。

『ええと、白虎様から聞いていらっしゃいますか?』

 昼食時に念の為話を振ってみると、みな頷いた。

『……我らの頭が固すぎたことを反省している。香子、許してくれるか?』

 玄武が本当にすまなそうに言うから、香子はうっと詰まってしまった。

『い、いえ……こちらも容認していただけるなら……』
『それを成すというのならば朱雀も同行した方がよかろう』
『……ええ? 大丈夫なのですか?』
『問題ない。我はそなたらの邪魔はせぬ』

 玄武にそう言われ、朱雀が応える。それならばいいのかなと香子も思った。
 何せ四神はチートの塊だ。自分たちの姿を消すことなど朝飯前だろう。朱雀の鮮やかな羽は夜間も目立つだろうがそこはそれ。みなが寝静まった後ならば、誰にも気づかれずに出かけることができるに違いない。誰に聞かれてもいいように会話はぼかしているから、なんのことかは侍女たちにもわからないだろう。あとは香子がぼろを出さないようにすればいいだけである。
 香子は白虎の腕にそっと触れた。

〈今宵、でも大丈夫なのでしょうか〉
〈問題はなかろう〉

 花嫁は四神に触れるだけで意志を伝えられる。これは心話という。触れなければならないというのは不便だが、そうすることでお互いの意志の疎通ができるのだ。常に四神が側にいるからこそできることではある。(心を通わせた眷属とその番も同じことができる。これは香子も知らない)
 白虎が目だけでぐるりと三神を見回す。みな軽く頷いた。
 こっそり、というのはわくわくする。早く夜にならないかと、久しぶりに暗くなるのを待ち遠しく思った。
 しかし午後になって趙文英から問い合わせがあった。できれば少し話がしたいということである。
 香子は白虎を見る。白虎は白雲を見た。白雲は誰もいない横を見やってから、無表情で顔を元に戻した。こんなコントのようなことができるのかと香子はちょっとだけ感心した。

『……さすがは四神宮の主官というところでしょうか』

 白雲が呟く。侍女がなんらかの違和感を覚え、それを趙に伝えたのかもしれない。普通ならば気のせいではないかと流すところだろうが、それに趙が反応したのか。

『どうしましょう?』
『……面倒だ。皇帝に直接話すと言っておけ。ああ、皇帝のところへは適当に行く。先触れだけしておけと伝えておくがいい』
『かしこまりました』

 香子はなんともいえない顔をした。趙には悪いことをしたなと思う。

(でも白虎様と仲良くなる為だもんね)

 香子はとりあえず己を正当化してみる。でもやっぱり趙には、苦労をかけてごめんなさいと内心手を合わせたのだった。
しおりを挟む
感想 94

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

黒騎士団の娼婦

星森
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。 異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。 頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。 煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。 誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。 「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」 ※本作はAIとの共同制作作品です。 ※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

蝋梅
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

英雄魔術師様とのシークレットベビーが天才で隠し通すのが大変です

氷雨そら
恋愛
――この魔石の意味がわからないほど子どもじゃない。 英雄魔術師カナンが遠征する直前、フィアーナと交わした一夜で授かった愛娘シェリア。フィアーナは、シェリアがカナンの娘であることを隠し、守るために王都を離れ遠い北の地で魔石を鑑定しながら暮らしていた。けれど、シェリアが三歳を迎えた日、彼女を取り囲む全ての属性の魔石が光る。彼女は父と同じ、全属性の魔力持ちだったのだ。これは、シークレットベビーを育てながら、健気に逞しく生きてきたヒロインが、天才魔術師様と天才愛娘に翻弄されながらも溺愛される幸せいっぱいハートフルストーリー。小説家になろうにも投稿しています。

【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。

櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。 夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。 ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。 あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ? 子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。 「わたくしが代表して修道院へ参ります!」 野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。 この娘、誰!? 王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。 主人公は猫を被っているだけでお転婆です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

喪女なのに狼さんたちに溺愛されています

和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です! 聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。 ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。 森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ? ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。

処理中です...