異世界で四神と結婚しろと言われました

浅葱

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第3部 周りと仲良くしろと言われました

86.だって嬉しかったのです

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 朱雀から与えられる熱に浮かされる。
 熱を与えられるとより感度が上がってしまうようで、少し触れられただけでも身体が跳ねてしまう。

『んっ……』
香子シャンズ、香子……』

 耳たぶを食まれ、首筋を撫でられ、もうその形をはっきりとさせてしまった乳首を優しくこねられる。もう胸に触れられるだけで気持ちよくて、香子は困ってしまう。やわやわと胸を揉まれ、ふと、その白い乳房を香子は見やった。無意識に香子は自分の胸に触れた。

『おっきくなった、かも……』

 香子はうっとりした。胸の大きさは香子にとってコンプレックスの一つだった。だからそれが育ったと感じられて嬉しかったのだ。
 だがここにいるのは香子だけではない。玄武と朱雀、そして青龍がいる場でそんなことをしてしまえば、無事で済むはずがなかった。

『香子』
『あ……』

 玄武の手が香子の手に重ねられた。香子ははっとした。いくら熱を与えられてぼうっとしていたとはいえ、自分で自分の胸に触れてしまった事実は変えられない。

『どのような大きさでも、そなたであれば愛おしい。我にも愛でさせてくれ』
『あっ……玄武、さまぁ……』

 朱雀と玄武の二神に胸を優しく揉まれながら乳首をいっぱい吸われた。足の間には青龍がいて……。
 そうして、香子が解放されたのは翌日の昼だった。


 *  *


(ううう……)
『おなかすいたよぉ……』

 あまりの空腹に、べそをかきながら香子は目覚めた。

『香子、大事ないか? 今呼んだ故、すぐに運んでくるだろう』

 少しおろおろしている玄武に優しく言われても、おなかの主張は止まらない。ぐぐぅ~~と百年の恋も覚めそうな音が盛大に響いている。目の前には玄武がいる。後ろからやんわりと抱きしめられた。その涼やかな気配に、後ろにいるのは青龍だということが香子にはわかった。
 青龍と抱き合うのはとにかく時間がかかるから、その後香子が激しい空腹を訴えることはみな理解している。すぐに居間の方から、

『ただいまお持ちしました』

 と声がかかった。
 玄武に簡単に睡衣ねまきを整えられ、その上から長い袍を着せられて香子は抱き上げられた。もう指の一本もうまく動かせないほど空腹がひどい。玄武と青龍に脇を固められ、先に持ってこられた前菜から食べ始めた。香子がうずらの卵が好きだと厨師コックたちは知っているから、まず五香で味を付けたそれが出されたことに香子はにんまりした。皮蛋豆腐もあるし、春雨サラダなども出てきて嬉しくてしょうがない。
 玄武も青龍も上品な仕草ではあったが香子に負けないぐらい食べているのが香子としては嬉しかった。
 その後は野菜炒めなどが何皿も用意され、肉まんや野菜まんなども主食も届き、香子はやっと一息ついた。抱かれるのはもうしかたないのだが、事後のこの空腹さえなければと香子も思ってしまう。

『この空腹だけはどうにかならないんですか……』

 玄武が喉の奥で笑った。

『そなたが空腹を感じぬ場合どうなると思う?』

 香子はちょっと考えてみた。そして青ざめた。

『そ、そうですね……おなかが減るのは健康な証拠ですよね! 菜包ツァイバオ(野菜まん)おいしーな!』

 肉まんも好きだが、香子は野菜まんの方がより好きである。肉まんに入っている肉はひき肉というより小さくカットされた肉なので実は少し苦手なのだ。ってそうではなく。

(空腹を感じないとしたら……朝からまた抱き込まれて愛欲の日々ってこと? それってなんのエロ同人なのぉっ!)

 頬を朱に染めながら、香子はもきゅもきゅと春巻も食べた。春巻は幸せである。
 ものすごい量を食べた現在は夕方である。

『ふー……おなかいっぱい……』

 だがこの後夕飯を出されても香子は食べられそうだなと思った。一息はついたが夜から昼まで抱かれ続けるのは消耗が激しすぎる。
 玄武も青龍もさりげなくすごい量を食べていた。やはり精を出すとおなかが空くらしい。

『一度、部屋に戻りたいです……』
『ここで過ごせばよかろう』

 玄武が当たり前のように言う。香子はにっこりした。

『……一人にさせてください。そうしないと今夜は一人で寝ますよ?』
『……承知した』

 玄武はしぶしぶ返事をした。

(なんで男っていつまでもべたべたしていたがるのかしら? 私が付き合った人だけなのかな?)

 香子の今までの経験上、ずっと一緒にいたがる人が多かったように思う。そんなわけで香子の中では、「男は恋人といつも一緒にいたいもの」という刷り込みができていた。実際のところは人それぞれであろう。
 部屋に戻り、侍女にお茶を淹れてもらって香子はほっとした。
 部屋付の侍女とか、延夕玲は部屋にいるが、香子はやっと自由になれた気分だった。四神のことは大好きだし、大分共に過ごすのも慣れたが、たまには自分一人で考えたいこともあるものだ。

(昨夜って……私なんかやっちゃったよね……)

 いつも以上に胸を愛でられた気がする。最近は胸をやわやわと揉まれるだけでも香子は感じるようになっていた。

(愛欲の日々はやっぱやだなぁ……)

 お茶を啜りながら、香子は顔を俯かせた。



ーーーーー
ファンタジー大賞応援ありがとうございました! 引き続き最後まで書いていく予定です。

「準備万端異世界トリップ~俺はイタチと引きこもる~」

山登りしていた高校生男子がいきなり異世界トリップさせられてどーにかこーにか暮らしていく物語です。
勢いで突っ走りますので早めに完結できるかも?

読んでやってもいいと思っていただけましたらマイページからどうぞ。
どうぞよろしくお願いします。
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