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第3部 周りと仲良くしろと言われました
114.そう簡単に納得はできないものです
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今日は青龍と過ごす日ではあるが、香子はまず確認をしなければならないと思った。
夕飯後でもよかったが、とにかく気になってしかたなかったのだ。
一度部屋に戻った際に見た紅児の様子はいつも通りだった。
『エリーザ、今日は贈物の仕分けをしてくれたと聞いたわ。なにかいいものはあったかしら?』
『はい! 花嫁様にお似合いの衣裳が沢山届いていましたので、着ていただきたいと思いました』
きらきらした目で言われ、香子はほっとしたが無理をしているのではないかと思った。
セレスト王国からの使者は長居はできない為、明後日には紅児を連れて面会をする予定になっている。その際どうするかということを聞いておかなければならない。そんなわけで昼食後一旦茶室に向かい、朱雀には紅夏を呼び出してもらった。紅児と昼食を共にしているのは知っているので、急がなくていいとは伝えるように香子は朱雀には言ったが、紅夏はひどく機嫌が悪そうにやってきた。
『……お呼びでしょうか』
やっぱりその態度はどうかと思う。黒月が密かにキれているのも感じる。香子は紅夏の態度はムカつくとは素直に思っているが、黒月までもがキれるのは違うと思っている。だが眷属同士思うところはあるのだろう。ここにいる眷属の中では黒月が最年少だから口には出さないだけで、紅夏が年下だったら説教でもしそうな勢いだ。
『紅夏、エリーザの様子を教えてもらってもいい? 昨日の謁見の件は伝えたのでしょう?』
『直接見せました』
『見せた?』
香子は知らなかったが、四神の眷属は思いを交わした番に対し、己が見た映像などを直接見せることができるのだった。それは映像だけでなく音も全てなので録画したものを見せるのと変わらない。それを聞いて香子は絶句した。つくづく四神関係はチートである。
『それなら、エリーザは使者の姿を見たのね?』
『はい。実際に叔父であることは確認できました』
『それならよかったけど……紅夏には、エリーザの叔父はどういう風に見えた?』
『どういう風とは?』
『エリーザにとって害になりそうかということよ』
『……現時点では判断はできかねます。ただ、紅児を心配しているというのは事実でしょう』
『そうね。エリーザを利用しようとか、そういう感情は見えなかったわ』
なんとなく人の悪意というか簡単な感情であれば、香子も読み取れるようにはなってきている。ただそれはなんとなく、という程度なので気のせいではないかということは四神に確認はしていた。
だがその感情は香子たちの前では隠していた可能性もあるので、次に紅児とその叔父が会った時どんな感情の発露があるのかはわからない。紅児と叔父に二人で話をさせるというのはかまわないが、やはり監視役は必要である。
『次はエリーザを連れて行くから、私たちが退室した後は紅夏がエリーザと共にいるようにして。ただし基本は口を挟まないように』
『かしこまりました』
しれっと紅夏が答える。
『言ってもしょうがないことだっていうのはわかってるけど……本当は紅夏にエリーザを任せるのも不安なのよ。エリーザはセレスト王国出身ってこともそうだけど、貴方たちと違って人間だから考え方とか習慣も全く違うでしょうし……。だから、エリーザに無理をさせるような真似だけはしないでほしいわ』
『無理、でございますか』
『そう。エリーザが嫌がるようなことはしないでほしいし、まだエリーザはこの国でも成人していないのだから最後まで抱くのは禁止よ。例えエリーザから申し出があったとしてもね』
『……それはさすがに干渉が過ぎるのではありませんか』
『未成年を守るのは大人の役目よ。干渉とかそういうものではないわ』
紅夏から敵意を感じたが香子も引き下がるわけにはいかなかった。
『どうしてもそうしなければならないという状況でなければ、だめだとは伝えてあるでしょう?』
『善処します』
『……便利な言葉ね』
香子は紅夏を睨んだ。
『そこまでにせよ。香子、かような会話はやめよ』
それを制したのは青龍だった。
『でも……青龍様』
『眷属は”つがい”を見つけたならばそれ以外目には入らぬ。我らがそなたに出会ったのと同じように』
それについては香子も異論はあった。
『……青龍様がそれを言いますか』
『……あの時はすまなかった。だがそなたしか見えていないのは変わらぬ』
『うっ……』
最初の態度はともかく、青龍が香子しか見えていないというのは間違いない。
『青龍、香子を連れて行け。またこの話が必要であれば夕食後にするといい』
玄武が呆れたようにそう言ったので、青龍はこれ幸いと香子を抱き上げた。
『香子、あの頃のお詫びをさせてほしい』
『お、お詫びとかしなくていいですからっ!』
香子は背筋を冷汗が伝うのを感じた。ここで了承したらたいへんなことになる。青龍は明らかにやる気だった。
『遠慮するな』
『遠慮しますっ! 遠慮させてくださいっ!』
『では押し付けさせてもらおう』
青龍の色を含んだ目に、香子は余計なことを言ったと後悔するのだった。
ーーーーー
「貴方色に染まる」86話辺りです。
夕飯後でもよかったが、とにかく気になってしかたなかったのだ。
一度部屋に戻った際に見た紅児の様子はいつも通りだった。
『エリーザ、今日は贈物の仕分けをしてくれたと聞いたわ。なにかいいものはあったかしら?』
『はい! 花嫁様にお似合いの衣裳が沢山届いていましたので、着ていただきたいと思いました』
きらきらした目で言われ、香子はほっとしたが無理をしているのではないかと思った。
セレスト王国からの使者は長居はできない為、明後日には紅児を連れて面会をする予定になっている。その際どうするかということを聞いておかなければならない。そんなわけで昼食後一旦茶室に向かい、朱雀には紅夏を呼び出してもらった。紅児と昼食を共にしているのは知っているので、急がなくていいとは伝えるように香子は朱雀には言ったが、紅夏はひどく機嫌が悪そうにやってきた。
『……お呼びでしょうか』
やっぱりその態度はどうかと思う。黒月が密かにキれているのも感じる。香子は紅夏の態度はムカつくとは素直に思っているが、黒月までもがキれるのは違うと思っている。だが眷属同士思うところはあるのだろう。ここにいる眷属の中では黒月が最年少だから口には出さないだけで、紅夏が年下だったら説教でもしそうな勢いだ。
『紅夏、エリーザの様子を教えてもらってもいい? 昨日の謁見の件は伝えたのでしょう?』
『直接見せました』
『見せた?』
香子は知らなかったが、四神の眷属は思いを交わした番に対し、己が見た映像などを直接見せることができるのだった。それは映像だけでなく音も全てなので録画したものを見せるのと変わらない。それを聞いて香子は絶句した。つくづく四神関係はチートである。
『それなら、エリーザは使者の姿を見たのね?』
『はい。実際に叔父であることは確認できました』
『それならよかったけど……紅夏には、エリーザの叔父はどういう風に見えた?』
『どういう風とは?』
『エリーザにとって害になりそうかということよ』
『……現時点では判断はできかねます。ただ、紅児を心配しているというのは事実でしょう』
『そうね。エリーザを利用しようとか、そういう感情は見えなかったわ』
なんとなく人の悪意というか簡単な感情であれば、香子も読み取れるようにはなってきている。ただそれはなんとなく、という程度なので気のせいではないかということは四神に確認はしていた。
だがその感情は香子たちの前では隠していた可能性もあるので、次に紅児とその叔父が会った時どんな感情の発露があるのかはわからない。紅児と叔父に二人で話をさせるというのはかまわないが、やはり監視役は必要である。
『次はエリーザを連れて行くから、私たちが退室した後は紅夏がエリーザと共にいるようにして。ただし基本は口を挟まないように』
『かしこまりました』
しれっと紅夏が答える。
『言ってもしょうがないことだっていうのはわかってるけど……本当は紅夏にエリーザを任せるのも不安なのよ。エリーザはセレスト王国出身ってこともそうだけど、貴方たちと違って人間だから考え方とか習慣も全く違うでしょうし……。だから、エリーザに無理をさせるような真似だけはしないでほしいわ』
『無理、でございますか』
『そう。エリーザが嫌がるようなことはしないでほしいし、まだエリーザはこの国でも成人していないのだから最後まで抱くのは禁止よ。例えエリーザから申し出があったとしてもね』
『……それはさすがに干渉が過ぎるのではありませんか』
『未成年を守るのは大人の役目よ。干渉とかそういうものではないわ』
紅夏から敵意を感じたが香子も引き下がるわけにはいかなかった。
『どうしてもそうしなければならないという状況でなければ、だめだとは伝えてあるでしょう?』
『善処します』
『……便利な言葉ね』
香子は紅夏を睨んだ。
『そこまでにせよ。香子、かような会話はやめよ』
それを制したのは青龍だった。
『でも……青龍様』
『眷属は”つがい”を見つけたならばそれ以外目には入らぬ。我らがそなたに出会ったのと同じように』
それについては香子も異論はあった。
『……青龍様がそれを言いますか』
『……あの時はすまなかった。だがそなたしか見えていないのは変わらぬ』
『うっ……』
最初の態度はともかく、青龍が香子しか見えていないというのは間違いない。
『青龍、香子を連れて行け。またこの話が必要であれば夕食後にするといい』
玄武が呆れたようにそう言ったので、青龍はこれ幸いと香子を抱き上げた。
『香子、あの頃のお詫びをさせてほしい』
『お、お詫びとかしなくていいですからっ!』
香子は背筋を冷汗が伝うのを感じた。ここで了承したらたいへんなことになる。青龍は明らかにやる気だった。
『遠慮するな』
『遠慮しますっ! 遠慮させてくださいっ!』
『では押し付けさせてもらおう』
青龍の色を含んだ目に、香子は余計なことを言ったと後悔するのだった。
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「貴方色に染まる」86話辺りです。
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