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第4部 四神を愛しなさいと言われました
50.四神の愛はなかなか重そうです
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……身体のダメージはない。
それでも白虎に本性を現されて抱かれるのは、香子にとって負担は大きかった。
(虎の姿でっていうのがやっぱり怖いんだよね……)
白虎はすでにいない。目を覚ましたら玄武と二人きりであった。玄武の腕の中に抱き込まれているのが香子は嬉しかった。衣裳を着ていると全く感じられないのに、こうして裸で抱き合っていると玄武の逞しさを感じる。美しいし、身体は筋肉質だしと香子の萌え要素が詰まりに詰まっている四神はずるいと香子は思う。
ただ、あまりくっついているとまた玄武がその気になってしまうかもしれず、そうなったらそうなったでたいへんである。
(でもごはんは食べさせてくれるんだよね)
我を忘れて香子を求めるということは、四神はあまりない。我慢させているという自覚は香子にもあった。けれど四神がどの程度我慢しているのかは香子にはわからないし、ヘタなことを言おうものなら一日中床から出してもらえなさそうな気もしている。
ただ、香子にもしたいことはある。
玄武の逞しい胸にすりすりしたいし、朱雀の熱を受けながら朱雀に甘く抱かれたいと思うし、白虎の本性をもふもふしたいし、青龍にも寄り添いたい。
(あれ?)
と、無意識に玄武の胸にすり寄りながら己の思考を疑問に思った。
『香子、そなにかわいいことをされてしまうと……』
玄武が言い終わらないうちに、
『はいっ! ごめんなさいっ!』
香子は慌てて玄武から離れようとしたがそれはかなわなかった。背中に玄武の腕が回り、がっちりと香子を固定する。
(うわん)
『襲ってしまうぞ?』
玄武はククッと喉の奥で笑った。
「んんっ……!」
唇を塞がれ、すぐに香子の身体から力が抜ける。四神の口づけはどこまでも甘い。
しかしそれも香子の空腹には勝てないのだ。ぐ~と鳴った香子の腹の虫のおかげで、どうにか香子は玄武の腕から逃げ出すことができたのである。
恥ずかしいが、やはり食べるのはほどほどが正しいと香子は再認識したのだった。
いつも通りの朝食を終え、香子はやっと一息ついた。
最近は菜包(野菜まん)もお気に入りである。なんで野菜しか入っていないのにあんなにおいしいのかと香子は首を傾げた。人によっては青臭いと思えるほど青菜が詰まっているそれが、香子にとっては好ましかった。
今日は青龍と過ごす日だ。
(もしかして、今夜抱きたいって言われちゃうのかな)
まだ新年が明けて数日しか経っていないのだが、一日一日が濃すぎてなかなか日が経たない印象である。
はっとする。
張錦飛は次、いつ頃こちらに顔を出すと言っていただろうか。
朝食を終えて、玄武に抱かれて部屋に戻った。ここのところ香子は自分の足では全く歩いていないと思う。元よりその傾向はあったものの、こんな誰かの室から自分の部屋に戻るとか、部屋から食堂へ向かう時も四神に抱かれて移動しているのである。
(あれえ?)
『玄武様』
『如何か』
部屋の長椅子に下ろされて、香子は玄武に声をかけた。
『大したことではないのですけれども……私、年が明けてから全然自分の足で歩いていない気がするのですが……』
玄武はなんだそんなことかと言うように目を少し細めた。その優しい表情に香子の胸は疼いた。
『少なくともそなたは今年中に誰かの元に嫁ぐだろう。我もそうだが、みなそなたと離れがたいのだ。もちろん領地間の移動は問題ないし、我らもそなたに会いたい時に会うことはできるが……こう手の届く位置からそなたの姿がいなくなってしまうかと思うとたまらぬのだ……』
香子は真っ赤になり、内心身もだえた。
玄武はなんてことを言うのだ。
『わ、私は四分割はできませんよ……』
『そうだな』
玄武はククッと笑む。
『だが、もしそなたが四つに分かれることができたとしても……今度はその四人を独り占めしたいと願うだろう』
『えええええ』
玄武は香子の手を取ると、そっと口づけた。
『そなたにはわからぬであろうが……我らはそれほどそなたを欲しているのだ』
『ううう……』
求められるのは嬉しいと香子は思う。香子はもう人ではないから、この先ずっと四神の腕に抱かれて移動したとしても筋力が衰えて歩けなくなったりはしないのだろう。香子はどうにかして話題を変えようとした。
『……今日は、青龍様と過ごすつもりです』
『そうか』
玄武は再び香子の手に口づけてから立ち上がった。
『では青龍に声をかけて参ろう。衣裳も直さねばな』
『……はい』
玄武は踵を返し、香子の部屋を出て行った。
香子は両手で顔を覆った。
「無理無理無理無理、だめもう無理、素敵すぎるうううう~~~~~!!」
香子は日本語で叫ぶ。延夕玲や侍女にはその言葉は理解できなかったが、大体こんなニュアンスの言葉だろうということは伝わったようだった。
夕玲は頭が痛くなるのを感じ、侍女たちは終始内心身もだえていた。部屋で控えている侍女は紅児と林雪紅である。紅児は自分の夫である紅夏を思い出し、林雪紅は自分に迫ってくる紅炎を思い出して真っ赤になった。
己のことでいっぱいいっぱいな香子はそれには気づかない。きっと気づいていたらコイバナができたかもしれないが、それは今ではないだろう。
どうにか夕玲に宥められて衣裳や髪型などを侍女に整えてもらい、香子はやっと一息ついたのだった。
ーーーーー
エールありがとうございます! 本当に嬉しいです!
それでも白虎に本性を現されて抱かれるのは、香子にとって負担は大きかった。
(虎の姿でっていうのがやっぱり怖いんだよね……)
白虎はすでにいない。目を覚ましたら玄武と二人きりであった。玄武の腕の中に抱き込まれているのが香子は嬉しかった。衣裳を着ていると全く感じられないのに、こうして裸で抱き合っていると玄武の逞しさを感じる。美しいし、身体は筋肉質だしと香子の萌え要素が詰まりに詰まっている四神はずるいと香子は思う。
ただ、あまりくっついているとまた玄武がその気になってしまうかもしれず、そうなったらそうなったでたいへんである。
(でもごはんは食べさせてくれるんだよね)
我を忘れて香子を求めるということは、四神はあまりない。我慢させているという自覚は香子にもあった。けれど四神がどの程度我慢しているのかは香子にはわからないし、ヘタなことを言おうものなら一日中床から出してもらえなさそうな気もしている。
ただ、香子にもしたいことはある。
玄武の逞しい胸にすりすりしたいし、朱雀の熱を受けながら朱雀に甘く抱かれたいと思うし、白虎の本性をもふもふしたいし、青龍にも寄り添いたい。
(あれ?)
と、無意識に玄武の胸にすり寄りながら己の思考を疑問に思った。
『香子、そなにかわいいことをされてしまうと……』
玄武が言い終わらないうちに、
『はいっ! ごめんなさいっ!』
香子は慌てて玄武から離れようとしたがそれはかなわなかった。背中に玄武の腕が回り、がっちりと香子を固定する。
(うわん)
『襲ってしまうぞ?』
玄武はククッと喉の奥で笑った。
「んんっ……!」
唇を塞がれ、すぐに香子の身体から力が抜ける。四神の口づけはどこまでも甘い。
しかしそれも香子の空腹には勝てないのだ。ぐ~と鳴った香子の腹の虫のおかげで、どうにか香子は玄武の腕から逃げ出すことができたのである。
恥ずかしいが、やはり食べるのはほどほどが正しいと香子は再認識したのだった。
いつも通りの朝食を終え、香子はやっと一息ついた。
最近は菜包(野菜まん)もお気に入りである。なんで野菜しか入っていないのにあんなにおいしいのかと香子は首を傾げた。人によっては青臭いと思えるほど青菜が詰まっているそれが、香子にとっては好ましかった。
今日は青龍と過ごす日だ。
(もしかして、今夜抱きたいって言われちゃうのかな)
まだ新年が明けて数日しか経っていないのだが、一日一日が濃すぎてなかなか日が経たない印象である。
はっとする。
張錦飛は次、いつ頃こちらに顔を出すと言っていただろうか。
朝食を終えて、玄武に抱かれて部屋に戻った。ここのところ香子は自分の足では全く歩いていないと思う。元よりその傾向はあったものの、こんな誰かの室から自分の部屋に戻るとか、部屋から食堂へ向かう時も四神に抱かれて移動しているのである。
(あれえ?)
『玄武様』
『如何か』
部屋の長椅子に下ろされて、香子は玄武に声をかけた。
『大したことではないのですけれども……私、年が明けてから全然自分の足で歩いていない気がするのですが……』
玄武はなんだそんなことかと言うように目を少し細めた。その優しい表情に香子の胸は疼いた。
『少なくともそなたは今年中に誰かの元に嫁ぐだろう。我もそうだが、みなそなたと離れがたいのだ。もちろん領地間の移動は問題ないし、我らもそなたに会いたい時に会うことはできるが……こう手の届く位置からそなたの姿がいなくなってしまうかと思うとたまらぬのだ……』
香子は真っ赤になり、内心身もだえた。
玄武はなんてことを言うのだ。
『わ、私は四分割はできませんよ……』
『そうだな』
玄武はククッと笑む。
『だが、もしそなたが四つに分かれることができたとしても……今度はその四人を独り占めしたいと願うだろう』
『えええええ』
玄武は香子の手を取ると、そっと口づけた。
『そなたにはわからぬであろうが……我らはそれほどそなたを欲しているのだ』
『ううう……』
求められるのは嬉しいと香子は思う。香子はもう人ではないから、この先ずっと四神の腕に抱かれて移動したとしても筋力が衰えて歩けなくなったりはしないのだろう。香子はどうにかして話題を変えようとした。
『……今日は、青龍様と過ごすつもりです』
『そうか』
玄武は再び香子の手に口づけてから立ち上がった。
『では青龍に声をかけて参ろう。衣裳も直さねばな』
『……はい』
玄武は踵を返し、香子の部屋を出て行った。
香子は両手で顔を覆った。
「無理無理無理無理、だめもう無理、素敵すぎるうううう~~~~~!!」
香子は日本語で叫ぶ。延夕玲や侍女にはその言葉は理解できなかったが、大体こんなニュアンスの言葉だろうということは伝わったようだった。
夕玲は頭が痛くなるのを感じ、侍女たちは終始内心身もだえていた。部屋で控えている侍女は紅児と林雪紅である。紅児は自分の夫である紅夏を思い出し、林雪紅は自分に迫ってくる紅炎を思い出して真っ赤になった。
己のことでいっぱいいっぱいな香子はそれには気づかない。きっと気づいていたらコイバナができたかもしれないが、それは今ではないだろう。
どうにか夕玲に宥められて衣裳や髪型などを侍女に整えてもらい、香子はやっと一息ついたのだった。
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