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第1部 四神と結婚しろと言われました
119.おなかがすいて死にそうです
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ありえないほどの空腹で、香子は目を覚ました。
『……お、おなかすいたあぁ……』
泣きそうな声を発して目を開けると、目の前には赤髪の美丈夫のどアップがあった。
「………………っっっっ!!!!?」
悲鳴を上げなかっただけよかったと思う。最近そういう朝は玄武と過ごしていたので油断していた。
『おはよう、香子。すぐに用意させる故待っておれ』
『……は、はい……』
赤い髪に、大きいが黒い切れ長の目。四神は総じて素敵な容姿をしておりみながみな香子の好みなのだが、実はこの怜悧な美貌が一番好きだった。
(……Mじゃないと思うんだけどなぁ……)
その切れ長の目が情熱をはらみ、甘く意地悪に香子を追いつめるのをつい許してしまう。香子は昨夜の自分の痴態を思い出して顔を真っ赤にした。
正直、されている最中はありえないほどの快感に翻弄されて恥ずかしいことでもなんでも口にしてしまうのだが、翌朝になると何故かそれらをだいたい覚えている。
(……頼むから穴を掘らせてほしい……)
穴があったら埋まりたい、ではなくもう延々に穴掘りをして地面の裏側まで逃げ出したい心境である。よしんば出たところが海ならそのまま息絶えることも可能!
『体は大丈夫か?』
甘いテノールに尋ねられて、香子は身を起こそうとした。
が、あれだけむさぼられて動けるはずはない。
なにせ朱雀と玄武、二神がかりで朝方まで抱かれ続けたのだ。声が出るというだけでも奇跡と言わざるを得ない。
(って、声?)
香子はまじまじと朱雀を見た。
『……なんで声が出るのでしょうか?』
しかもあれだけ叫んだはずなのに喉に痛みもない。
『そなたが寝入ってから治しておいた』
『はぁ……ありがとうございます』
と言ってからはたと気づく。
『あのぅ……全然私動けないんですけど、動けるように治してもらうことはできるんですか?』
『できないことはないが……全身舐めてもよいというならば』
朱雀の言葉にぴきーん、と香子は固まった。
(や、やっぱり舐めないとダメなのね……)
正しくは気を送ればいいだけなので舐める必要はなく、手でそこを摩るだけでもいいのだが四神はあえて花嫁の身体を舐めることにしていた。それが発覚して香子が怒り狂うのはまだまだ先のことである。
(だから玄武様も喉しか治してくれなかったのか)
香子は勝手に解釈して、『じゃあ、自然に動けるようになるまで待つことにします』と答えた。指一本動かせなくても朱雀が世話をしてくれるだろうことは織り込み済みである。
そう言うと朱雀は少し残念そうな表情をした。やはり、と香子は冷汗をかく。四神がただ舐めるだけで済ませるとは到底思えなかったのだ。
下手するとまた#床__ベッド__の住人になりかねない。
食事をしたら、今日はせめて日向ぼっこぐらいしたいと思う香子である。
『朱雀様、お持ちしました。玄武様もお見えです』
寝室の向こうから紅夏の声がかかり、朱雀は軽々と香子を抱き上げた。
『ご苦労』
(神様なんか規格外で嫌いだーーーーー!!)
全く危なげない足取りで居間への扉を開ける朱雀を恨めしそうに睨みながら、香子は心の中で叫んだ。それに気付いたらしい朱雀が悠然と笑む。
『香子、如何した?』
『……なんでもないです……』
玄武なら香子がなじれば優しくなだめてくれるだろうが、朱雀はそれを逆手に取りかねない。
(好きは好きなんだけどな……)
香子は朱雀の顔を見上げる。玄武の穏やかさとは違う苛烈な印象。これが炎の化身かと思うと香子は身震いする。
居間の長椅子にはすでに玄武が腰掛け、柔らかい笑みを浮かべて香子を見ていた。この性欲なんてかけらもありませんというような雰囲気に香子はやられたのだと思う。ギャップ萌えというやつだ。
朱雀が香子を抱いたまま長椅子に腰かけると、それほど広くはない卓の上に所狭しと料理が置かれはじめた。どれもこれもおなかにたまりそうな、手でも食べやすそうなものばかりである。
『おいしそう……』
香子が呟くように言うと二神は笑みを浮かべた。
『とってほしいものがあれば言うといい』
『じゃあ春巻! そこの大きいのください!』
熱かろうがなんだろうが関係ない。香子は空腹に任せてこれでもかと食べた。
『……お、おなかすいたあぁ……』
泣きそうな声を発して目を開けると、目の前には赤髪の美丈夫のどアップがあった。
「………………っっっっ!!!!?」
悲鳴を上げなかっただけよかったと思う。最近そういう朝は玄武と過ごしていたので油断していた。
『おはよう、香子。すぐに用意させる故待っておれ』
『……は、はい……』
赤い髪に、大きいが黒い切れ長の目。四神は総じて素敵な容姿をしておりみながみな香子の好みなのだが、実はこの怜悧な美貌が一番好きだった。
(……Mじゃないと思うんだけどなぁ……)
その切れ長の目が情熱をはらみ、甘く意地悪に香子を追いつめるのをつい許してしまう。香子は昨夜の自分の痴態を思い出して顔を真っ赤にした。
正直、されている最中はありえないほどの快感に翻弄されて恥ずかしいことでもなんでも口にしてしまうのだが、翌朝になると何故かそれらをだいたい覚えている。
(……頼むから穴を掘らせてほしい……)
穴があったら埋まりたい、ではなくもう延々に穴掘りをして地面の裏側まで逃げ出したい心境である。よしんば出たところが海ならそのまま息絶えることも可能!
『体は大丈夫か?』
甘いテノールに尋ねられて、香子は身を起こそうとした。
が、あれだけむさぼられて動けるはずはない。
なにせ朱雀と玄武、二神がかりで朝方まで抱かれ続けたのだ。声が出るというだけでも奇跡と言わざるを得ない。
(って、声?)
香子はまじまじと朱雀を見た。
『……なんで声が出るのでしょうか?』
しかもあれだけ叫んだはずなのに喉に痛みもない。
『そなたが寝入ってから治しておいた』
『はぁ……ありがとうございます』
と言ってからはたと気づく。
『あのぅ……全然私動けないんですけど、動けるように治してもらうことはできるんですか?』
『できないことはないが……全身舐めてもよいというならば』
朱雀の言葉にぴきーん、と香子は固まった。
(や、やっぱり舐めないとダメなのね……)
正しくは気を送ればいいだけなので舐める必要はなく、手でそこを摩るだけでもいいのだが四神はあえて花嫁の身体を舐めることにしていた。それが発覚して香子が怒り狂うのはまだまだ先のことである。
(だから玄武様も喉しか治してくれなかったのか)
香子は勝手に解釈して、『じゃあ、自然に動けるようになるまで待つことにします』と答えた。指一本動かせなくても朱雀が世話をしてくれるだろうことは織り込み済みである。
そう言うと朱雀は少し残念そうな表情をした。やはり、と香子は冷汗をかく。四神がただ舐めるだけで済ませるとは到底思えなかったのだ。
下手するとまた#床__ベッド__の住人になりかねない。
食事をしたら、今日はせめて日向ぼっこぐらいしたいと思う香子である。
『朱雀様、お持ちしました。玄武様もお見えです』
寝室の向こうから紅夏の声がかかり、朱雀は軽々と香子を抱き上げた。
『ご苦労』
(神様なんか規格外で嫌いだーーーーー!!)
全く危なげない足取りで居間への扉を開ける朱雀を恨めしそうに睨みながら、香子は心の中で叫んだ。それに気付いたらしい朱雀が悠然と笑む。
『香子、如何した?』
『……なんでもないです……』
玄武なら香子がなじれば優しくなだめてくれるだろうが、朱雀はそれを逆手に取りかねない。
(好きは好きなんだけどな……)
香子は朱雀の顔を見上げる。玄武の穏やかさとは違う苛烈な印象。これが炎の化身かと思うと香子は身震いする。
居間の長椅子にはすでに玄武が腰掛け、柔らかい笑みを浮かべて香子を見ていた。この性欲なんてかけらもありませんというような雰囲気に香子はやられたのだと思う。ギャップ萌えというやつだ。
朱雀が香子を抱いたまま長椅子に腰かけると、それほど広くはない卓の上に所狭しと料理が置かれはじめた。どれもこれもおなかにたまりそうな、手でも食べやすそうなものばかりである。
『おいしそう……』
香子が呟くように言うと二神は笑みを浮かべた。
『とってほしいものがあれば言うといい』
『じゃあ春巻! そこの大きいのください!』
熱かろうがなんだろうが関係ない。香子は空腹に任せてこれでもかと食べた。
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