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第4部 四神を愛しなさいと言われました
97.少しずつ、着々と決まっていくのです
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いちゃいちゃしている白雲と陳秀美を白虎の室から追い出して、香子は白虎にもたれた。
『白虎様、ありがとうございます』
『……香子、そなたの胸を愛でさせよ』
『ええっ!?』
胸の話ばかりしていたせいか、白虎は香子の胸に触れたくなってしまったらしい。
『い、いいですけど……少し、ですよ?』
なんだかんだいって香子は白虎のことも好きなので、許可してしまうのだった。
それからしばらくの間、陳を抱き上げようとする白雲と、逃げようとする陳という光景が四神宮の中で見られることとなった。
なんかごめん、と香子は思った。
伝えなければよかったのか、やはり伝えてよかったのか判断に苦しむところである。
『……花嫁様、白雲様が奇行をくり返しておいでですが、あれはいったい……?』
そして何故か香子は今、延夕玲に部屋でつめられている。そういえば夕玲は元々白雲に恋をしていたようだったということを、香子は思い出した。今は青藍が口説いていて結婚は秒読み状態である。そうはいってもかつて恋をした相手がおかしな行動を取っていることが気になるのだろう。
『え、ええと……私の口からは言えない、かな? 陳に聞いてくれる?』
『もちろん陳には尋ねました。ですがはぐらかされてしまいましたので花嫁様にお聞きしているのです』
『う、うーん……』
ここで白雲に聞けというのもはばかられた。きっと白雲に聞いたら素直に答えてしまいそうである。それはそれで陳にとっては嫌なことではないかと香子は思った。
『私が関係していることは間違いないのだけど、個人のことだから私の口から伝えることはできないわ。どうしても知りたいというなら、話していいかどうか陳に確認するけど……』
夕玲は嘆息した。
『……そこまでのことではございません。ですが、あの奇行は収まるのでしょうか?』
『うーん……』
香子はまた悩んでしまった。
結婚したら余計に白雲の愛が爆発しそうである。それこそ白虎の世話など他の眷属に任せて陳と共に閨に籠るのではないだろうか。
さすがに香子が四神に嫁ぐ前に結婚させるわけにはいかない。
『……陳の、白雲への説得次第かしらね……』
香子はそう答えることしかできなかった。
夕玲も不満そうではあったがそこで引き下がった。あまりしつこく白雲のことを聞いてもいいことにならないと思ったのだ。
そう、壁に耳あり障子にメアリーである(誰?)
特に青藍が察するのは早く、香子の部屋にスパイでもいるのではないかと香子が考えるぐらいだ。これだからつがいのいる眷属は、と香子は内心ため息をついた。
さて、そんなやりとりはあったが、衣裳のチェックと結婚式の手順の確認である。
四神との婚礼は国を挙げての一大イベントらしく、香子は四神と共に輿に乗り、王都をパレードしてほしいと言われて顔をひきつらせた。
『えええ……嫌です』
皇太后に呼び出されたと思ったら、向かった先は皇帝の執務室だった。
皇帝にそう聞かされて香子は即答した。
今日は玄武と白虎、黒月に白雲と延夕玲が付き従っている。いつもよりは人数はコンパクトであった。
『……そこをなんとか頼みたい』
『四神と花嫁の結婚がこの国にとって重要だということはわかっているつもりですけど、そんな見世物になるのはごめんです。でしたら本性を現した朱雀様や青龍様に乗って王都の空を飛ぶ方がわかりやすいではありませんか』
それならば香子も心地いいし楽しいと、香子は思ったので伝えてみた。
『四神に王都の空を飛んでいただく、か……』
皇帝は中書令の李雲と顔を見合わせた。ちなみに香子を呼び出した皇太后はというと、白虎と夕玲を捕まえて隣の室でお茶を飲んでいる。香子を今日抱き上げて運んできたのは玄武だった。皇帝の執務室ということで、なんらかの話があるのだろうと香子が玄武に頼んだ結果である。
『執明神君、お聞きしたい。四神はみな空を駆けられるのだろうか?』
『然り』
玄武は即答した。
確かに玄武もでかい亀の姿のまま空を駆けることができる。どうしても香子としてはガメラのイメージがあるので、玄武に本性を現わされるとぐるぐる回りながら飛ぶ亀の姿を彷彿とするのだが、それは余談である。
『ならば……婚礼の後で四神に空を飛んでもらうことは可能だろうか? 花嫁様は乗りたい方の背に乗って共に飛んでいただきたい』
香子は目を丸くした。
香子としては思いつきを言っただけなのだが、皇帝と李雲はその方がいいと思ったらしい。確かに四神が一斉に空を飛ぶなどとんでもないパフォーマンスだ。そのまま他の国と接している国境付近まで飛べば唐を攻めようなどと考える国はなくなるだろう。
四神に守られているからこそ、この国は平和でいられるのである。
『香子が望むならばそうしよう』
玄武が腕の中の香子をとても愛しそうに見た。
とても耳に心地いいバリトンと、麗しの顔、そして愛しくてならないという視線に、香子は簡単に陥落した。
『は、はい……お願いします』
輿に乗って練り歩くなど時間がかかるだけで苦痛でしかない。しかもその間四神が手を出してこないという保証もないのだ。
四神の背はとても安定しているのと、本性を現した姿で飛ぶのを見るのは香子も好きなので、そうしてもらえるならばそれがよかった。
『ではそのように。詳細が決まり次第伝えよ』
『かしこまりました』
李雲が拱手した。
そうしたら後は皇太后と衣裳合わせである。香子はげんなりしたのだった。
ーーーーー
執明神君 玄武のこと
『白虎様、ありがとうございます』
『……香子、そなたの胸を愛でさせよ』
『ええっ!?』
胸の話ばかりしていたせいか、白虎は香子の胸に触れたくなってしまったらしい。
『い、いいですけど……少し、ですよ?』
なんだかんだいって香子は白虎のことも好きなので、許可してしまうのだった。
それからしばらくの間、陳を抱き上げようとする白雲と、逃げようとする陳という光景が四神宮の中で見られることとなった。
なんかごめん、と香子は思った。
伝えなければよかったのか、やはり伝えてよかったのか判断に苦しむところである。
『……花嫁様、白雲様が奇行をくり返しておいでですが、あれはいったい……?』
そして何故か香子は今、延夕玲に部屋でつめられている。そういえば夕玲は元々白雲に恋をしていたようだったということを、香子は思い出した。今は青藍が口説いていて結婚は秒読み状態である。そうはいってもかつて恋をした相手がおかしな行動を取っていることが気になるのだろう。
『え、ええと……私の口からは言えない、かな? 陳に聞いてくれる?』
『もちろん陳には尋ねました。ですがはぐらかされてしまいましたので花嫁様にお聞きしているのです』
『う、うーん……』
ここで白雲に聞けというのもはばかられた。きっと白雲に聞いたら素直に答えてしまいそうである。それはそれで陳にとっては嫌なことではないかと香子は思った。
『私が関係していることは間違いないのだけど、個人のことだから私の口から伝えることはできないわ。どうしても知りたいというなら、話していいかどうか陳に確認するけど……』
夕玲は嘆息した。
『……そこまでのことではございません。ですが、あの奇行は収まるのでしょうか?』
『うーん……』
香子はまた悩んでしまった。
結婚したら余計に白雲の愛が爆発しそうである。それこそ白虎の世話など他の眷属に任せて陳と共に閨に籠るのではないだろうか。
さすがに香子が四神に嫁ぐ前に結婚させるわけにはいかない。
『……陳の、白雲への説得次第かしらね……』
香子はそう答えることしかできなかった。
夕玲も不満そうではあったがそこで引き下がった。あまりしつこく白雲のことを聞いてもいいことにならないと思ったのだ。
そう、壁に耳あり障子にメアリーである(誰?)
特に青藍が察するのは早く、香子の部屋にスパイでもいるのではないかと香子が考えるぐらいだ。これだからつがいのいる眷属は、と香子は内心ため息をついた。
さて、そんなやりとりはあったが、衣裳のチェックと結婚式の手順の確認である。
四神との婚礼は国を挙げての一大イベントらしく、香子は四神と共に輿に乗り、王都をパレードしてほしいと言われて顔をひきつらせた。
『えええ……嫌です』
皇太后に呼び出されたと思ったら、向かった先は皇帝の執務室だった。
皇帝にそう聞かされて香子は即答した。
今日は玄武と白虎、黒月に白雲と延夕玲が付き従っている。いつもよりは人数はコンパクトであった。
『……そこをなんとか頼みたい』
『四神と花嫁の結婚がこの国にとって重要だということはわかっているつもりですけど、そんな見世物になるのはごめんです。でしたら本性を現した朱雀様や青龍様に乗って王都の空を飛ぶ方がわかりやすいではありませんか』
それならば香子も心地いいし楽しいと、香子は思ったので伝えてみた。
『四神に王都の空を飛んでいただく、か……』
皇帝は中書令の李雲と顔を見合わせた。ちなみに香子を呼び出した皇太后はというと、白虎と夕玲を捕まえて隣の室でお茶を飲んでいる。香子を今日抱き上げて運んできたのは玄武だった。皇帝の執務室ということで、なんらかの話があるのだろうと香子が玄武に頼んだ結果である。
『執明神君、お聞きしたい。四神はみな空を駆けられるのだろうか?』
『然り』
玄武は即答した。
確かに玄武もでかい亀の姿のまま空を駆けることができる。どうしても香子としてはガメラのイメージがあるので、玄武に本性を現わされるとぐるぐる回りながら飛ぶ亀の姿を彷彿とするのだが、それは余談である。
『ならば……婚礼の後で四神に空を飛んでもらうことは可能だろうか? 花嫁様は乗りたい方の背に乗って共に飛んでいただきたい』
香子は目を丸くした。
香子としては思いつきを言っただけなのだが、皇帝と李雲はその方がいいと思ったらしい。確かに四神が一斉に空を飛ぶなどとんでもないパフォーマンスだ。そのまま他の国と接している国境付近まで飛べば唐を攻めようなどと考える国はなくなるだろう。
四神に守られているからこそ、この国は平和でいられるのである。
『香子が望むならばそうしよう』
玄武が腕の中の香子をとても愛しそうに見た。
とても耳に心地いいバリトンと、麗しの顔、そして愛しくてならないという視線に、香子は簡単に陥落した。
『は、はい……お願いします』
輿に乗って練り歩くなど時間がかかるだけで苦痛でしかない。しかもその間四神が手を出してこないという保証もないのだ。
四神の背はとても安定しているのと、本性を現した姿で飛ぶのを見るのは香子も好きなので、そうしてもらえるならばそれがよかった。
『ではそのように。詳細が決まり次第伝えよ』
『かしこまりました』
李雲が拱手した。
そうしたら後は皇太后と衣裳合わせである。香子はげんなりしたのだった。
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執明神君 玄武のこと
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