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第4部 四神を愛しなさいと言われました
149.本気は出さなくてもいいと思うのです
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青龍は口元に笑みをはき、香子を抱き上げた。
そして珍しくぎゅっと香子を抱き込むようにした。
『……そなたが愛しくてならぬ』
『……青龍さま?』
『最初の出会いがああでなければ、そなたは我を選んだだろうか……』
その切なげな甘い視線に魅せられたのは香子だけではなかった。女官も侍女たちも頬を染める。影響がないのは白風や黒月だけだった。黒月は部屋の外に控えているから青龍の言は聞いていない。(聞こえていないわけではない。眷属は視覚聴覚も人より優れている)
白風は不思議そうな表情をした。白風は青龍と香子の最初の頃のやりとりを知らない。それを言ったら黒月以外は誰も知らないはずなのだが、そういう意味では落ち着いていた。
『……それはどうでしょう?』
香子はこてんと首を傾げてみせた。
青龍にも、香子自身が誰に嫁ぐかを伝えるわけにはいかなかった。青龍が目に優しい色を浮かべて香子の顔を覗き込んだ。
香子は頬を染める。
四神は美しすぎるから至近距離で見てはいけないと香子は思っている。青龍を押しのけるわけにはいかないので、香子は片手で己の目を覆った。
『香子、如何した?』
『……そんな近くで見ないでください』
『何故?』
青龍の涼やかな声に楽しそうな響きが重なった。青龍は香子が青龍の顔(正確には四神の顔)に弱いのを知っていてしているのだ。
『……素敵すぎて直視できません。これ以上好きにさせないでください!』
『……もっと好きになればよいではないか』
『私の身体は一つしかないんですからね!』
『愛しすぎて攫いたくなるな』
『だめです!』
『そなたは絶対に間違えぬな』
青龍は笑って、香子の手を外させた。香子としても言質を取られるわけにはいかないのである。かなり必死だった。
青龍は香子の手を掴んだままその手の甲に唇を寄せる。香子はもうどういう顔をしたらいいのかわからなくなった。
(絶対顔崩れてるってええええええ!!)
それを見た女官も侍女たちも目を見開いた。四神と香子が一緒にいる姿は彼女たちにとって眼福である。目の前でヒストリカルなドラマを見せられている状態なのだ。見逃すわけにはいかない。
香子は手を取り戻そうとしたが、やんわりと掴んでいるようで青龍の手は外れなかった。
『……手を、返してください』
しかたなく香子は青龍にお願いした。
『嫌だ、と言ったら?』
青龍は本当に楽しそうだ。
『……困ります』
『そなたの困り顔もかわいい』
「……もー……」
どうしたらいいのか香子はわからなくなった。しかたなく青龍の腕に触れて呟く。
『香子、それは逆効果だ』
『えっ?』
青龍は香子を抱いたまま部屋を出た。そして青龍の室に向かう。だからどうしてそうなるのかと香子は思った。四神が香子に触れたくなるポイントというのがいまだ香子にはわからない。
その点香子はまだ理解が足りない。
四神はいつだって香子に触れたくてしかたないのを我慢しているのだということを。
『……ごはんはちゃんと食べたいです!』
『……色気がないがしかたない。それだけは保証しよう。では、よいな?』
『ううう……お手柔らかに……』
『善処しよう』
それ絶対する気ないやつ! と香子は思ったが、床に優しく押し倒されてしまえば逆らうこともできなかった。
何故なら、香子もまた四神が好きでたまらないのだから。
日中は触れられるだけであったが、全身に触れられ、舐められて香子はわけがわからなくなってしまった。
四神は最近容赦がない。どこにそんなテクを隠し持っていたのかと抗議したいぐらいである。だが、もし本当に抗議したらもっとわけがわからなくなるほど愛されることは間違いないので、香子はどうにか口を噤んだ。
一応少しずつではあるが、香子も学んでいるのだった。
抱かれているわけではないのでものすごく腹がすくということはないのだが、ずっと感じさせられている状態なので香子はとても疲れていた。
(気持ちよすぎて疲れるとかぁ……)
時折青龍が口移しでお茶を飲ませる。それがあまりに甘露で、香子は何度も青龍の口を吸った。
で、正気に返ればそれを全て思い出してしまう。
「あああああ~~~~~!」
青龍の腕の中で正気になり、香子は叫んだ。
『香子、そなに恥じらうこともあるまい』
「もー! もー! もー!」
香子は軽く青龍の胸をぽかぽかと叩いた。誰かが見たら青ざめてしまうような光景である。
『言葉では伝えきれぬな……』
「んんっ……!?」
また青龍に口を塞がれて、香子の意識はすぐに蕩けた。
そんな状態だったので、香子は食事中も心ここにあらずだった。食べ終えてからはっと気づき、
『今、ごはん食べたんですよね……』
などと呟いたりもした。
『大好きなごはんがわからなくなるほど触れられるのやだあああああああ!!』
香子はそう訴えたが、そんな香子もかわいいと余計にかわいがられてしまったのである。
当然のことながらその夜は朱雀に熱を与えられた後はこれ以上ないほど青龍に愛された。朱雀だけでなく玄武もサポートについているから更に、である。
翌日の夕方に目を覚ました香子は、
(うん、青龍様のところに最初に嫁ぐのはない。絶対にない)
あまりの空腹に死にそうだと思いながら、思いを新たにしたのだった。
そして珍しくぎゅっと香子を抱き込むようにした。
『……そなたが愛しくてならぬ』
『……青龍さま?』
『最初の出会いがああでなければ、そなたは我を選んだだろうか……』
その切なげな甘い視線に魅せられたのは香子だけではなかった。女官も侍女たちも頬を染める。影響がないのは白風や黒月だけだった。黒月は部屋の外に控えているから青龍の言は聞いていない。(聞こえていないわけではない。眷属は視覚聴覚も人より優れている)
白風は不思議そうな表情をした。白風は青龍と香子の最初の頃のやりとりを知らない。それを言ったら黒月以外は誰も知らないはずなのだが、そういう意味では落ち着いていた。
『……それはどうでしょう?』
香子はこてんと首を傾げてみせた。
青龍にも、香子自身が誰に嫁ぐかを伝えるわけにはいかなかった。青龍が目に優しい色を浮かべて香子の顔を覗き込んだ。
香子は頬を染める。
四神は美しすぎるから至近距離で見てはいけないと香子は思っている。青龍を押しのけるわけにはいかないので、香子は片手で己の目を覆った。
『香子、如何した?』
『……そんな近くで見ないでください』
『何故?』
青龍の涼やかな声に楽しそうな響きが重なった。青龍は香子が青龍の顔(正確には四神の顔)に弱いのを知っていてしているのだ。
『……素敵すぎて直視できません。これ以上好きにさせないでください!』
『……もっと好きになればよいではないか』
『私の身体は一つしかないんですからね!』
『愛しすぎて攫いたくなるな』
『だめです!』
『そなたは絶対に間違えぬな』
青龍は笑って、香子の手を外させた。香子としても言質を取られるわけにはいかないのである。かなり必死だった。
青龍は香子の手を掴んだままその手の甲に唇を寄せる。香子はもうどういう顔をしたらいいのかわからなくなった。
(絶対顔崩れてるってええええええ!!)
それを見た女官も侍女たちも目を見開いた。四神と香子が一緒にいる姿は彼女たちにとって眼福である。目の前でヒストリカルなドラマを見せられている状態なのだ。見逃すわけにはいかない。
香子は手を取り戻そうとしたが、やんわりと掴んでいるようで青龍の手は外れなかった。
『……手を、返してください』
しかたなく香子は青龍にお願いした。
『嫌だ、と言ったら?』
青龍は本当に楽しそうだ。
『……困ります』
『そなたの困り顔もかわいい』
「……もー……」
どうしたらいいのか香子はわからなくなった。しかたなく青龍の腕に触れて呟く。
『香子、それは逆効果だ』
『えっ?』
青龍は香子を抱いたまま部屋を出た。そして青龍の室に向かう。だからどうしてそうなるのかと香子は思った。四神が香子に触れたくなるポイントというのがいまだ香子にはわからない。
その点香子はまだ理解が足りない。
四神はいつだって香子に触れたくてしかたないのを我慢しているのだということを。
『……ごはんはちゃんと食べたいです!』
『……色気がないがしかたない。それだけは保証しよう。では、よいな?』
『ううう……お手柔らかに……』
『善処しよう』
それ絶対する気ないやつ! と香子は思ったが、床に優しく押し倒されてしまえば逆らうこともできなかった。
何故なら、香子もまた四神が好きでたまらないのだから。
日中は触れられるだけであったが、全身に触れられ、舐められて香子はわけがわからなくなってしまった。
四神は最近容赦がない。どこにそんなテクを隠し持っていたのかと抗議したいぐらいである。だが、もし本当に抗議したらもっとわけがわからなくなるほど愛されることは間違いないので、香子はどうにか口を噤んだ。
一応少しずつではあるが、香子も学んでいるのだった。
抱かれているわけではないのでものすごく腹がすくということはないのだが、ずっと感じさせられている状態なので香子はとても疲れていた。
(気持ちよすぎて疲れるとかぁ……)
時折青龍が口移しでお茶を飲ませる。それがあまりに甘露で、香子は何度も青龍の口を吸った。
で、正気に返ればそれを全て思い出してしまう。
「あああああ~~~~~!」
青龍の腕の中で正気になり、香子は叫んだ。
『香子、そなに恥じらうこともあるまい』
「もー! もー! もー!」
香子は軽く青龍の胸をぽかぽかと叩いた。誰かが見たら青ざめてしまうような光景である。
『言葉では伝えきれぬな……』
「んんっ……!?」
また青龍に口を塞がれて、香子の意識はすぐに蕩けた。
そんな状態だったので、香子は食事中も心ここにあらずだった。食べ終えてからはっと気づき、
『今、ごはん食べたんですよね……』
などと呟いたりもした。
『大好きなごはんがわからなくなるほど触れられるのやだあああああああ!!』
香子はそう訴えたが、そんな香子もかわいいと余計にかわいがられてしまったのである。
当然のことながらその夜は朱雀に熱を与えられた後はこれ以上ないほど青龍に愛された。朱雀だけでなく玄武もサポートについているから更に、である。
翌日の夕方に目を覚ました香子は、
(うん、青龍様のところに最初に嫁ぐのはない。絶対にない)
あまりの空腹に死にそうだと思いながら、思いを新たにしたのだった。
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