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番外編 穏やかな昼下がり

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 シーズベルトの口調が前世使用です。会話多めで短い小ネタです。


 ★★★

「あー、カップラ食べたいー!」
 
 ベッドに仰向けになって手足をバタバタとさせるオレ。

「カップラってその言い方、前世と一緒だな? そこまで言うなら全部言えよってずっと思ってた」

 ベッドのはしに腰掛けて本をめくるシーズベルト様の口調は、前世のときのものだ。
 オレたちはたまに前世の口調で、やり取りをしている。すると不思議と前世への思慕というか寂しさがマシになるのだ。

「思ってただけじゃなくて言ってきたじゃん、お前。そんなんオレの勝手だろー!って思ったわ。なーなー、そんなんいいから」

 オレはシーズベルト様の服をグイグイ引っ張った。

「料理長さんに頼んで作ってもらってくれよ」
「材料も設備もなくて作れねーよ」

 ですよね!知ってた!
 ラーメンすらないのに、それをインスタントにしたものなんか無理だよな。
 でも無性に食べたくなるよな。中毒性ある。

「そりゃ、そうだよなぁー。でも、あー!食べたい!前世の食べ物無性に食いたくなるときがあるけど、特にカップラ! お前はないの?」
「まぁ、気持ちは分からなくもないけどさ。流石にカップ麺は無理だけど、ラーメンのようなものは作れるかもな。作らせてみるか」
「まじで!? やったー!」

 ラーメンの材料揃えるのも難しいだろうから、全く同じものは無理だろうが、似たようなものでも嬉しい。

「そういや、ダブルピースってどうなった? 読んでたよな? お前死ぬまでに完結した? 結局どっちと付き合ったのかすっげぇ気になってんだよ」
「あー、結局どっちも選ばなかったぞ。最終回間際に出てきたキャラとくっついた」
「はぁ?最悪だろ、タクヤ」
「当然ネットで炎上していたな」
「そりゃ、そうだろ。どうした、作者! オチ分かっても読みたいわ。ダイジェストでいいから紙にマンガ描いてよ」
「美術二のオレが? 言われて描けるなら前世で描いてるっつの。てかオチしか覚えてない」

 
 オレとシーズベルト様の、まったりとした昼下がり。
 シーズベルト様とオレの指導のもと、料理長が作ってくれたラーメンはそこそこ前世のものに近く、おいしかった。
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