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桜の咲くころに 4
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桜は見ごろだと言うのに、今日は少し肌寒いこともあって、人はまばらだった。
カップルや友人同士らしいグループ、家族連れが楽しそうにシートに座って、それぞれ花見を楽しんでいる。
ヴィオレットとノアも、例年通り二人きりで花見をしていた。広げたお弁当やお菓子は、おおむねノアが作ってくれたものだ。ヴィオレットは盛り付けとおにぎりを協力した。
「ヴィオレット様に彼氏ができたら、もう私と一緒にこうしてお花見をしてくれなくなるんでしょうねぇー」
ノアが冗談ぽく言う。突然の言葉にヴィオレットは目を丸くして、
「か、彼氏!? アーノルド様のこと? もう、私に彼氏の心配なんかしなくていいから! それよりノアのほうが早いんじゃないの?」
「私はヴィオレット様の幸せを見届けてからでいいです」
「私に彼氏ができたとしても、お花見はノアと二人でやりたいな。二人の大切な恒例行事でしょう?」
「ふふ。私もそう思います」
顔を合わせると、お互い照れくさそうに微笑む。
照れ隠しのように、
「あ、ヴィオレット様のおにぎり美味しいですよ。塩加減も中の鮭の量もちょうどいいです。練習したかいがありましたね」
ノアが形の悪いそれをほおばる。
「ありがとう。ノアのお弁当相変わらずおいしいよ」
「次はおかずも練習しましょう。卵焼きがいいですかね」
お茶を飲みながら桜を見上げる。こうしていると、花吹雪の中に吸い込まれてしまいそうだ。
桜の花びらが、ひらひらとお茶に舞い落ちる。
「ふふ。桜茶ね」
微笑んだヴィオレットは、花びらごとお茶を飲み干した。
「そうだ。帰りに桜餅買いましょう。旦那様や奥様にもお土産で」
「いいね。二人ともお好きだもの」
楽しくお土産の計画をたてていたときだった。
「女の子二人だけじゃさみしいだろー?」
「俺たちと一緒に楽しく飲もうよー」
大学生くらいの若い二人組の男が、図々しくヴィオレットたちのシートに座りこんできた。酔っているらしく、酒臭い。
「私たちだけで充分楽しんでおりますので、お引き取りください」
ノアは迷惑そうな顔を隠そうともせず、男たちをきっぱりと拒絶する。だが、男たちはそのくらいでは出て行かなかった。
「気が強いとこもいいねー。二人ともめちゃくちゃ可愛いしー」
「酒あるし、行こうぜ!」
たちの悪い男たちに周囲もざわざわしはじめたが、なかなか助けに来てくれる人はいない。
「きゃっ」
不意に男の一人に手首をつかまれ、ヴィオレットは顔をこわばらせた。
「ちょっと!」
眉をつりあげたノアが男につかみかかろうと立ち上がる。
急に男の手が、ヴィオレットの手首から離れた。
「……その子に触るな」
「アーノルド様」
男の手をぎりぎりとねじあげているのは、なぜかアーノルドだった。急いできたのか、肩で荒く息をしている。
「いってー!」
男は苦痛で顔をゆがめている。
「あ、アーノルド様ー。一人で先に行かないでくださいよ!」
パトカーのサイレンがだんだんと近づいてきた。
コンラッドがそちらに顔を向けて、大声を出す。
「あ、おまわりさーん。こっちです」
「なっ! 警察!?」
「お、おい! シラケちまった。行こうぜ」
「そ、そうだな!」
男たちはコンラッドの言葉に、さっと自分たちの荷物を持つと、慌てて逃げ出して行った。
「ありがとうございました。助かりました」
ノアはほっとした顔で頭を下げた。
我に返ったヴィオレットも、慌ててそれに倣う。
周囲の人たちも安堵した様子だ。
「……大したことはしてないから」
「たまたま近くを車で通りかかって、お二人が見えたものですから」
「本当に警察呼んだんですか?」
サイレンが遠ざかったので、ノアはきょろきょろとあたりを見渡した。
コンラッドは首を振って否定する。
「呼んでいませんよ。電話をかけたフリをしようかと思っていましたが、たまたまサイレンが近くに聞こえたので。ああいう手合は少し脅せば勝手に逃げますからね。良かったらお送りしますよ。まだお花見されるのでなければ、ですが」
ノアとヴィオレットは顔を見合わせた。
お弁当は大体食べ終わったし、正直もう興がそがれてしまった。今まではなかったし、そう何度も絡まれることはないだろうが。
「帰る?」
ヴィオレットにノアも同意した。
「そうですね。せっかくですし、送っていただけますか? あ、和菓子屋さんで買うものがあったので、寄っていただけたらありがたいです」
「図々しいよ、ノア……」
まだ会って二回目だと言うのに、ノアには遠慮という言葉はないらしい。
自宅の前まで送ってもらい、ヴィオレットはアーノルドに頭を下げた。
車の座席こそ、アーノルドは助手席、ヴィオレットとノアは後部座席だったけれど、気を利かせたのか、ノアは軽くあいさつをすませると、さっさと家の中に戻ってしまい、コンラッドは車の中で待っている。
二人きりになるのは初めて会った時以来で、少し緊張する。
「ありがとうございました。助けていただいた上、送っていただいて。……和菓子屋さんまで寄っていただいて……」
「和菓子屋は通り道だったし」
相変わらずよくしゃべるコンラッドと対象的にそっけないアーノルドだが、優しい人なのを知っている。
ヴィオレットは、手に持っていた桜餅の包みを差し出した。
渡すために多めに買っておいたのだ。
「よかったらお持ちください。お嫌いでなければ」
「ありがとう。帰ってから食べる」
小さく微笑んで、アーノルドは包みを受け取ってくれた。
「……ちょっとごめん」
アーノルドがヴィオレットの髪に手を伸ばした。ヴィオレットは思わず身をすくめる。
彼の手はすぐに離れた。
「はい」
彼に差し出されたのは、桜の花びらだった。いつのまにか、ヴィオレットの髪についていたらしい。
「……。ありがとうございます」
ヴィオレットは一瞬迷って、それを受け取った。
軽く指先が触れ合ったけれど、嫌悪感はない。
この人ならもしかしたら。
他の男の人と違うんじゃないか。
そう思った。
「……じゃあ、行くね。まだ仕事が残ってるから」
「あの!」
車のドアに手をかけようとしたアーノルドを、ヴィオレットは慌てて呼び止めた。
「……ん?」
ヴィオレットの呼びかけに、アーノルドは振り返って首を傾げた。
「また……またあなたに会えますか?」
自分でも、なぜこんなに積極的なことを言ってしまったのか分からない。口に出したあと後悔したヴィオレットだったが、アーノルドはすぐに微笑んで、頷いてくれた。
「……もちろん。あとで連絡する。じゃあね。君も早く家に入って」
「は、はい。じゃああとで」
ヴィオレットはアーノルドたちの乗った車が小さくなるのを見送って、家に戻った。玄関で、へなへなとその場に座り込む。
よく考えずに口に出してしまったけれど……。
「どうしよう……デ、デートだわ……」
(何を着ればいいの!? どこに行けばいいのー!)
相手は社会人だし、そもそも男性と付き合った経験のないヴィオレットには問題が山積みだった。
(……ノアに相談しよう……)
男嫌いのヴィオレットにも、ようやく春が訪れそうだった。
★★★
現代パロひとまず完結です。
初デート編とか色々楽しそうだけど、ずるずる続きそうだったので……。
出てこなかったけど、多分エミリエンヌもヴィオレットと同級生です。
お兄ちゃんも出したかったなー。ドミニクはなんやかんやで生徒会長とかしてそう。
女子高生のヴィオレットが書きたかっただけのネタです。
他にもネタがあるので、もうちょっと番外編続きます。よろしければお付き合いください。
カップルや友人同士らしいグループ、家族連れが楽しそうにシートに座って、それぞれ花見を楽しんでいる。
ヴィオレットとノアも、例年通り二人きりで花見をしていた。広げたお弁当やお菓子は、おおむねノアが作ってくれたものだ。ヴィオレットは盛り付けとおにぎりを協力した。
「ヴィオレット様に彼氏ができたら、もう私と一緒にこうしてお花見をしてくれなくなるんでしょうねぇー」
ノアが冗談ぽく言う。突然の言葉にヴィオレットは目を丸くして、
「か、彼氏!? アーノルド様のこと? もう、私に彼氏の心配なんかしなくていいから! それよりノアのほうが早いんじゃないの?」
「私はヴィオレット様の幸せを見届けてからでいいです」
「私に彼氏ができたとしても、お花見はノアと二人でやりたいな。二人の大切な恒例行事でしょう?」
「ふふ。私もそう思います」
顔を合わせると、お互い照れくさそうに微笑む。
照れ隠しのように、
「あ、ヴィオレット様のおにぎり美味しいですよ。塩加減も中の鮭の量もちょうどいいです。練習したかいがありましたね」
ノアが形の悪いそれをほおばる。
「ありがとう。ノアのお弁当相変わらずおいしいよ」
「次はおかずも練習しましょう。卵焼きがいいですかね」
お茶を飲みながら桜を見上げる。こうしていると、花吹雪の中に吸い込まれてしまいそうだ。
桜の花びらが、ひらひらとお茶に舞い落ちる。
「ふふ。桜茶ね」
微笑んだヴィオレットは、花びらごとお茶を飲み干した。
「そうだ。帰りに桜餅買いましょう。旦那様や奥様にもお土産で」
「いいね。二人ともお好きだもの」
楽しくお土産の計画をたてていたときだった。
「女の子二人だけじゃさみしいだろー?」
「俺たちと一緒に楽しく飲もうよー」
大学生くらいの若い二人組の男が、図々しくヴィオレットたちのシートに座りこんできた。酔っているらしく、酒臭い。
「私たちだけで充分楽しんでおりますので、お引き取りください」
ノアは迷惑そうな顔を隠そうともせず、男たちをきっぱりと拒絶する。だが、男たちはそのくらいでは出て行かなかった。
「気が強いとこもいいねー。二人ともめちゃくちゃ可愛いしー」
「酒あるし、行こうぜ!」
たちの悪い男たちに周囲もざわざわしはじめたが、なかなか助けに来てくれる人はいない。
「きゃっ」
不意に男の一人に手首をつかまれ、ヴィオレットは顔をこわばらせた。
「ちょっと!」
眉をつりあげたノアが男につかみかかろうと立ち上がる。
急に男の手が、ヴィオレットの手首から離れた。
「……その子に触るな」
「アーノルド様」
男の手をぎりぎりとねじあげているのは、なぜかアーノルドだった。急いできたのか、肩で荒く息をしている。
「いってー!」
男は苦痛で顔をゆがめている。
「あ、アーノルド様ー。一人で先に行かないでくださいよ!」
パトカーのサイレンがだんだんと近づいてきた。
コンラッドがそちらに顔を向けて、大声を出す。
「あ、おまわりさーん。こっちです」
「なっ! 警察!?」
「お、おい! シラケちまった。行こうぜ」
「そ、そうだな!」
男たちはコンラッドの言葉に、さっと自分たちの荷物を持つと、慌てて逃げ出して行った。
「ありがとうございました。助かりました」
ノアはほっとした顔で頭を下げた。
我に返ったヴィオレットも、慌ててそれに倣う。
周囲の人たちも安堵した様子だ。
「……大したことはしてないから」
「たまたま近くを車で通りかかって、お二人が見えたものですから」
「本当に警察呼んだんですか?」
サイレンが遠ざかったので、ノアはきょろきょろとあたりを見渡した。
コンラッドは首を振って否定する。
「呼んでいませんよ。電話をかけたフリをしようかと思っていましたが、たまたまサイレンが近くに聞こえたので。ああいう手合は少し脅せば勝手に逃げますからね。良かったらお送りしますよ。まだお花見されるのでなければ、ですが」
ノアとヴィオレットは顔を見合わせた。
お弁当は大体食べ終わったし、正直もう興がそがれてしまった。今まではなかったし、そう何度も絡まれることはないだろうが。
「帰る?」
ヴィオレットにノアも同意した。
「そうですね。せっかくですし、送っていただけますか? あ、和菓子屋さんで買うものがあったので、寄っていただけたらありがたいです」
「図々しいよ、ノア……」
まだ会って二回目だと言うのに、ノアには遠慮という言葉はないらしい。
自宅の前まで送ってもらい、ヴィオレットはアーノルドに頭を下げた。
車の座席こそ、アーノルドは助手席、ヴィオレットとノアは後部座席だったけれど、気を利かせたのか、ノアは軽くあいさつをすませると、さっさと家の中に戻ってしまい、コンラッドは車の中で待っている。
二人きりになるのは初めて会った時以来で、少し緊張する。
「ありがとうございました。助けていただいた上、送っていただいて。……和菓子屋さんまで寄っていただいて……」
「和菓子屋は通り道だったし」
相変わらずよくしゃべるコンラッドと対象的にそっけないアーノルドだが、優しい人なのを知っている。
ヴィオレットは、手に持っていた桜餅の包みを差し出した。
渡すために多めに買っておいたのだ。
「よかったらお持ちください。お嫌いでなければ」
「ありがとう。帰ってから食べる」
小さく微笑んで、アーノルドは包みを受け取ってくれた。
「……ちょっとごめん」
アーノルドがヴィオレットの髪に手を伸ばした。ヴィオレットは思わず身をすくめる。
彼の手はすぐに離れた。
「はい」
彼に差し出されたのは、桜の花びらだった。いつのまにか、ヴィオレットの髪についていたらしい。
「……。ありがとうございます」
ヴィオレットは一瞬迷って、それを受け取った。
軽く指先が触れ合ったけれど、嫌悪感はない。
この人ならもしかしたら。
他の男の人と違うんじゃないか。
そう思った。
「……じゃあ、行くね。まだ仕事が残ってるから」
「あの!」
車のドアに手をかけようとしたアーノルドを、ヴィオレットは慌てて呼び止めた。
「……ん?」
ヴィオレットの呼びかけに、アーノルドは振り返って首を傾げた。
「また……またあなたに会えますか?」
自分でも、なぜこんなに積極的なことを言ってしまったのか分からない。口に出したあと後悔したヴィオレットだったが、アーノルドはすぐに微笑んで、頷いてくれた。
「……もちろん。あとで連絡する。じゃあね。君も早く家に入って」
「は、はい。じゃああとで」
ヴィオレットはアーノルドたちの乗った車が小さくなるのを見送って、家に戻った。玄関で、へなへなとその場に座り込む。
よく考えずに口に出してしまったけれど……。
「どうしよう……デ、デートだわ……」
(何を着ればいいの!? どこに行けばいいのー!)
相手は社会人だし、そもそも男性と付き合った経験のないヴィオレットには問題が山積みだった。
(……ノアに相談しよう……)
男嫌いのヴィオレットにも、ようやく春が訪れそうだった。
★★★
現代パロひとまず完結です。
初デート編とか色々楽しそうだけど、ずるずる続きそうだったので……。
出てこなかったけど、多分エミリエンヌもヴィオレットと同級生です。
お兄ちゃんも出したかったなー。ドミニクはなんやかんやで生徒会長とかしてそう。
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