5 / 13
ストラディバリウスに思う。
しおりを挟む
昨日、英語教材の中で
「クレモナのヴィンテージヴァイオリン」というテーマの英文を読まされた。
要約すると、クレモナ製のオールドヴァイオリンは現代のそれに比べて高く、
そして特別な音がする特殊な楽器だと。
300年前のクレモナにはたくさんの
優秀なヴァイオリン製作者がいた。
ストラディバリウスはもちろんのこと、
彼の師であるニコロ・アマーティ、
ストラドと双璧をなす名製作者、グァルネリ、そして、彼らの制作した名器は
今の現代まで受け継がれている。
例の英文では彼らの作ったオールドヴァイオリンをさんざん礼賛していたが、
あの文に私は文句を言いたい。
なぜならば、オールドヴァイオリンは
決して素晴らしいものではないからだ。
素晴らしいものではない、これは少々語弊があるかもわからない。
しかし、間違いなく誰にとっても名器であるわけではどうやらないようである。
たしか、2012年のことだったか、
パリの郊外ヴァンセンヌでとある実験が
行われた。
世界的ヴァイオリニスト10人を集めて、
新作のヴァイオリン(13挺)、ストラディバリウス(6挺)、グァルネリ(2挺)をそれぞれ弾き比べるという実験があった。
彼らには楽器がそれぞれどれであるかは
伝えていない。その上でランキングしてもらうと、驚いたことにほとんどの奏者が上位に選んだのは新作のほうであった。
このことから分かるの通り、現代のヴァイオリンは決してオールドヴァイオリンに劣っているわけではない、いやむしろ
より優れていると言えるかもしれない。
だから私はオールドヴァイオリンが素晴らしい音色ということは否定したいと思う。
だが、これらのオールドヴァイオリンに
価値がない、とは私は思わない。
自分の経験からわかることだが、
おそらくヴァイオリニストが新作を
選んだのはヴィンテージの弾きづらさゆえだと考える。
自分自身、たまにピアノを練習しに知り合いの家に行くのだが、そこにあるのが
1910年代もののスタインウェイとかなので、(ピアノは老朽化がはやいからこれでもかなりヴィンテージなのである。)
なかなか最初は慣れなかった。
音の鳴らし方が現代のものとはまるで違う、そしてなにより個体差が大きい。
しかしながら、慣れてくるとヴィンテージものはモダンをはるかに超えていくパフォーマンスを見せてくれる。
このことはまったく同じようにヴァイオリンにも言えて、
稀代の名ヴァイオリニストが一生をかけて一挺のヴァイオリンを愛したのは
慣れによってモダンよりも遥かに上の高みにあるパフォーマンスをするためだと
考える。
高いのには理由があったのだ。
だって売れるようなれっきとした演奏家でなければ、使いこなせないのだ
ストラディバリウスは。
「クレモナのヴィンテージヴァイオリン」というテーマの英文を読まされた。
要約すると、クレモナ製のオールドヴァイオリンは現代のそれに比べて高く、
そして特別な音がする特殊な楽器だと。
300年前のクレモナにはたくさんの
優秀なヴァイオリン製作者がいた。
ストラディバリウスはもちろんのこと、
彼の師であるニコロ・アマーティ、
ストラドと双璧をなす名製作者、グァルネリ、そして、彼らの制作した名器は
今の現代まで受け継がれている。
例の英文では彼らの作ったオールドヴァイオリンをさんざん礼賛していたが、
あの文に私は文句を言いたい。
なぜならば、オールドヴァイオリンは
決して素晴らしいものではないからだ。
素晴らしいものではない、これは少々語弊があるかもわからない。
しかし、間違いなく誰にとっても名器であるわけではどうやらないようである。
たしか、2012年のことだったか、
パリの郊外ヴァンセンヌでとある実験が
行われた。
世界的ヴァイオリニスト10人を集めて、
新作のヴァイオリン(13挺)、ストラディバリウス(6挺)、グァルネリ(2挺)をそれぞれ弾き比べるという実験があった。
彼らには楽器がそれぞれどれであるかは
伝えていない。その上でランキングしてもらうと、驚いたことにほとんどの奏者が上位に選んだのは新作のほうであった。
このことから分かるの通り、現代のヴァイオリンは決してオールドヴァイオリンに劣っているわけではない、いやむしろ
より優れていると言えるかもしれない。
だから私はオールドヴァイオリンが素晴らしい音色ということは否定したいと思う。
だが、これらのオールドヴァイオリンに
価値がない、とは私は思わない。
自分の経験からわかることだが、
おそらくヴァイオリニストが新作を
選んだのはヴィンテージの弾きづらさゆえだと考える。
自分自身、たまにピアノを練習しに知り合いの家に行くのだが、そこにあるのが
1910年代もののスタインウェイとかなので、(ピアノは老朽化がはやいからこれでもかなりヴィンテージなのである。)
なかなか最初は慣れなかった。
音の鳴らし方が現代のものとはまるで違う、そしてなにより個体差が大きい。
しかしながら、慣れてくるとヴィンテージものはモダンをはるかに超えていくパフォーマンスを見せてくれる。
このことはまったく同じようにヴァイオリンにも言えて、
稀代の名ヴァイオリニストが一生をかけて一挺のヴァイオリンを愛したのは
慣れによってモダンよりも遥かに上の高みにあるパフォーマンスをするためだと
考える。
高いのには理由があったのだ。
だって売れるようなれっきとした演奏家でなければ、使いこなせないのだ
ストラディバリウスは。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
麗しき未亡人
石田空
現代文学
地方都市の市議の秘書の仕事は慌ただしい。市議の秘書を務めている康隆は、市民の冠婚葬祭をチェックしてはいつも市議代行として出かけている。
そんな中、葬式に参加していて光恵と毎回出会うことに気付く……。
他サイトにも掲載しております。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる