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2章 王国の闇を暴け

考察

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「ミチル・・・お前なんて爆弾抱えてんだ。」




はい、皆様の予想通りフレディが全て事情をフィンさんに話しました。
俺の能力のことも全て。

ちゃんとフレディに許可出しましたよ!

話さざる負えなかったし、「ミチルが危険に及ぶようなことは絶対しないよ!」って得意げに言ってたし。
俺が信じているフレディが、信じているフィンさんも、きちんと信用に当たる人物だってことは何となくわかったいたしね。





フレディは、俺の能力について一通り話終わった後で、例のノービリス王国の件について話し始めた。
俺らが囚われそうになったこと、ニコラスさんへの違和感、そして俺の最上級回復魔法の所持がバレたこと。

それらを伝えると、








「あの国については俺も気になっていたんだ。」



険しい顔でフィンさんが話し始めた。







「あの国には、国が支配するギルドがあるんだ。ほとんど兵士の立ち位置だが、入会の仕方が変わっているらしい。1ヶ月に1回しか入会を受け付けておらず、その日は決まってニコラスが立ち会って入会希望者の意思を確認するんだ。俺もその場に居合わせたことがないから、あくまでも噂だが。貴族がいちいち国の戦力たるものに口出しなんてするもんじゃないんだよ。普通ならな。」




国が保有する大きなギルド・・・
ただの兵士ではなく、わざわざギルドという括りにしているのはなぜか。
それに口を挟む貴族。

俺にはわかりそうもないな、そう思いながらフィンさんの話を真面目に聞く。





「以前俺らもあのギルドと共闘したことがあるんだ。向こうから申し立てがあってな、ピューフォルテギルドはこの国で一番大きく人員も多い。だから指名させてくれって言われたんだ。報酬も恵まれていたから快く受けたんだよ。その時のモンスター討伐は特に問題なく、むしろやけにスムーズに進んだ。しかし、当時ギルド内で有力者とされていた最上級魔法を操る1人が行方不明になった。最前線で戦ったいたものの、死亡確認に至らず、消息不明となった事件だ。ギルド内では神隠しだって騒がれていたが、もしかすると・・・」







うーん、と悩ましい顔をしてフレディが言った。





「僕も本当ならそれに参加するつもりだったんだけど、前日にクエストをやっていたら見たこともない怪物が出て、街に戻ったのはフィンより遅かったんだ。今思えば、これって偶然じゃないよね・・・」






フレディが邪魔だったってこと・・・?
でも何でフレディだけだったのか、もしかして・・・










「ノービリス王国の誰かが、【魔眼】持ちってこと・・・?」






俺がそういうとフレディとフィンさんが驚いたように顔を見合わせた。




「そうか!向こうは初めから僕のスキルを知っていた。尚且つ、最上級魔法を操れる彼のことも把握済み、寧ろ、彼目当てだった。そして、僕がいると彼の誘拐が悟られてしまう可能性があったから、あらかじめ排除した・・・」




「もしかすると、国がギルドを作っているのも、国同士を介さなくて済むからじゃないか?ギルド同士の共闘なら、ギルドリーダー同士の承諾で済む。相手側の国にわざわざ報告する必要もなくなる。そのシステムがすでに出来上がっているということは、王国を作った段階から人攫いを続けいている・・・?」






まさか、あの宮殿の中には・・・

そう考えると背筋がゾクッとした。





ちょっと待てよ、ということは俺の能力もバレているのか・・・?
分かっていて敢えて俺を捕まえようとした、と考えると怖くなった。


こんなチート能力者を放って置くはずがない。
また機会を伺って接近してくるはず・・・


もし、もし俺が・・・
捕まった時の様子が目に浮かぶ。
怖い、普段とは比にならないほど怖い。
人間は、ここまで身の危険を感じると恐怖で覆い尽くされるんだ。
まるで真っ黒な闇に投げ出されたように、1人っきりの世界で閉じ込められるように。

あの死んだ瞬間のように、自分だけが取り残されるのだ。

自分の中の何かが、死はすぐそこだと囁いてくる。

耳を塞いでも頭の中でずっと、ずっとずっと囁かれる。

逃げ出せない何かに支配されているような、そんな感覚。










怖い













気がつくと2人が俺の肩に手をぽんっと置いていた。













「ミチルは僕たちが守るよ」





「ああ、責任を持とう」







その声に安心して、今にも泣き出しそうになる。






フレディがぎゅっと俺を包み込んだ。



「守るよ、守らせて。好きな子には笑ってて欲しいから。」





俺は涙を耐えるように、必死にフレディを抱き返した。





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