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6章
9 別れの朝
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外はまだ薄暗い
僕は隣で眠るネリーを起こさないようにベッドから抜け出ると低い寝息をたて眠るその幸せそうな寝顔にキスをした
これで…お別れだ…
最後まで秘密は打ち明けられなかった…
でもこれでいいんだ
ネリーは何も知らないままでいい…
昨日師匠には話した、彼女を頼むと…
時がたつにつれきっと彼女も僕を忘れるだろう
この子は強い、きっと大丈夫だ…そんな身勝手な考えで惜しむ気持ちを振り払うと僕は帽子を深々と被り荷物をかついだ
「でもそれでネリーが納得するかしら…?」
「僕が他に結婚を考えてる女性がいた酷い男だと知れば、最初はショックを受けるでしょがそんな遊び人の事などすぐに忘れるはずです」
作り話を語ってもらうよう頼み、ネリーのためにと金を預け僕は足早に小屋を後にした
数時間後ネリーは小鳥のさえずりで目を覚ました
「ルカ?」
横にルカの姿はない、もう起きたのだろうか?
結局彼は抱いてはくれなかったけど、彼にも何か事情があるのだろう…
その理由が何なのか…考えながらベッドを直し身支度を整える
窓の外を見ると昨日あれだけ咲いていた花々は散り、草木は紅葉し秋の様相を呈していた
一晩でこんなに変化するなんて…
開け放った窓からはひんやりとした風が入ってきて私は身震いする
これが本来の秋の姿なのだから仕方ないのだけれど、なんだか少し悲しい感じがした
居間では椅子に腰かけ暖炉の火を熾すナターシャの姿と壁にもたれかかり少し元気がなさそうなシルフの姿が…
ルカの姿は…ない…
「おはようございます、ごめんなさい寝坊しちゃって…あの…ルカはどこに?」
私はポットに水を汲みながらさりげなく彼の所在を聞いた
それなのになぜだろう…二人とも気まずそうに目も合わせようともせず黙ったままだ
「どうしたんですか?二人とも黙っちゃって…」
何だろう…何か嫌な予感がした
そしてナターシャが発した言葉に予感は確信へと変わり私の思考は停止した
「だからこれからはここで暮らしなさい?私も少しは力になれるから…」
ナターシャが何かを言っているが全く頭に入らない
手から落ちたポットが床に転がり中の水が足元にまき散らされている
ルカが…そんなはず…
私は彼女の手を振り払い小屋を飛び出した
彼を追う気?
追ってどうしようっての?
馬鹿みたいだ…でも…ナターシャの言った事が本当でも彼の口から聞きたかった
そうすれば諦められるって思ったから…
ネリーの後を追ってきたシルフが上空から心配げにその様子を見守っていた
その頃ネリーが自分を追ってきているなんて思いもしないルカは道端でその歩みを止め、もうだいぶ離れた山の方角を見つめ「これでよかったんだ」と言い聞かせつつ彼女の顔を思い出していた
もう僕の人生に彼女はいない…
欲望を優先させることはたやすい…でも僕の彼女に対する愛は愛欲ではないんだ
たとえ君と離れたとしても…君が僕を忘れようとも…遠くから君の幸せを祈ってる
でも…涙が止まらないのはなぜだろう…
ずっと一緒にいれますように…ってそうお願いしたのに…
何で!何で!何で!
近くの木にもたれかかり息を整える
視線の先には傷だらけの手
夢中で進んだから草やいばらで擦りむいてしまったのだろう
昨日は心配してくれた手がこの手には添えられていたのに
「何で…嫌だよ…やだ…ルカぁ…」
崩れ落ちそうになるくらい涙で視界がぼやける
それでも…私は…
再び歩き出そうとしたその時だった、体に強い衝撃が走った
な…に…?
意識が遠のく…
ルカ…
「君にはまだ利用価値があるからな、少し眠っていてもらうよ?」
意識を失ったネリーを抱きかかえるのは金髪の青年…
その横にはナベリウス…
ネリーがそんなことになり上空から事の次第を見ていたシルフは彼らの行く手を遮った
「おまえたち!ネリーに何したんだ!?」
シルフの羽が今まで以上に光を増したかと思うと周囲の風が渦を巻き始めた
「精霊か、先に行ってなさい、これは私が片付けます」
ナベリウスが怠そうにそう言うと青年はネリーを抱え先に山を下りて行った
「ネリー!」
すぐその後を追おうとするシルフ
「まてよ、おまえのお守りは私がしてやる」
しかしそれを許さない悪魔が彼の前に立ちはだかる
「悪魔…」
シルフは風を放ち悪魔に攻撃する
彼の放った風を悪魔は素早くかわすもその頬をかすめたらしく深い傷を負わせた
しかし…
「馬鹿な精霊だ」
悪魔の頬を赤黒い血が伝う
血は止まることなく地に落ち大きな吹き溜まりを形成してゆく
そしてナベリウスが指を鳴らした瞬間、吹き溜まりから何かが飛び出し目にもとまらぬ速さでネリーの後を追うシルフに背後から襲い掛かった
先端が鋭利な刃物のようなその赤黒い無数の何かは彼の体を貫通し風の精霊にとっては力の源でもある羽をズタズタに引き裂いてしまった
光を失い黒く変色する精霊の羽
無数のそれはゆっくりと彼の体から外れると元の赤黒い血へと戻り地を這い悪魔の傷口へと帰りその傷を何事もなかったように塞いだ
「だから馬鹿だって言うんですよ?」
ナベリウスが頬をさすりながら倒れるシルフの羽を踏みつけ言う
シルフの異変を感じ取ったナターシャが彼の元に駆け付けたのはそれから間もなくのことだった
その頃ルカはこの時期には珍しい急に振り出した大雨のため逃げ込んだ洞窟で雨宿りをしていた
彼女も今頃こんな風に泣いているのか…?
空を見上げそんな事を思っていると洞窟の中からよく知る気配が近づいて来るのを感じ僕はそいつの方を振り向く
「ネリーを婆さんに預けるなんてな…それで本当に彼女の忘れられるなんて思っているのか?」
ゲルハルト…
今朝からこいつは僕のそばにいる
「分かっているだろ?こっちはおまえの正体はもう分かっているんだ…ネリーはゾフィアじゃない…これ以上彼女の人生には介入しないでやってほしい」
「なるほど?短剣の秘密を解き明かしたわけか…まあどのみち俺はどっちに転ぼうがよかったんだ」
壁際に押しやられ口づけされる
僕は諦めたように視線をそらすと自ら胸元を開けてやった
「したいんだろ?すればいい」
ゲルハルトは不敵な笑みを浮かべると上から下へとその舌を這わせる
ネリーという希望を失った今、抵抗することすら馬鹿らしかった
ゲルハルトが耳元で「やけに素直じゃないか」と囁きかける
また昔に逆戻りか…いや…最初から何も変わってないし、変わることもないんだ
腕の契約印が色濃く浮き上がる
悪魔に内をかき乱されるごとに空虚な心が何度も突き刺されるようで…嫌なはずのこの行為も今の僕には妙に心地よかった
どうか永遠に僕の裏切りを許さないでほしい…ただそう思った
僕は隣で眠るネリーを起こさないようにベッドから抜け出ると低い寝息をたて眠るその幸せそうな寝顔にキスをした
これで…お別れだ…
最後まで秘密は打ち明けられなかった…
でもこれでいいんだ
ネリーは何も知らないままでいい…
昨日師匠には話した、彼女を頼むと…
時がたつにつれきっと彼女も僕を忘れるだろう
この子は強い、きっと大丈夫だ…そんな身勝手な考えで惜しむ気持ちを振り払うと僕は帽子を深々と被り荷物をかついだ
「でもそれでネリーが納得するかしら…?」
「僕が他に結婚を考えてる女性がいた酷い男だと知れば、最初はショックを受けるでしょがそんな遊び人の事などすぐに忘れるはずです」
作り話を語ってもらうよう頼み、ネリーのためにと金を預け僕は足早に小屋を後にした
数時間後ネリーは小鳥のさえずりで目を覚ました
「ルカ?」
横にルカの姿はない、もう起きたのだろうか?
結局彼は抱いてはくれなかったけど、彼にも何か事情があるのだろう…
その理由が何なのか…考えながらベッドを直し身支度を整える
窓の外を見ると昨日あれだけ咲いていた花々は散り、草木は紅葉し秋の様相を呈していた
一晩でこんなに変化するなんて…
開け放った窓からはひんやりとした風が入ってきて私は身震いする
これが本来の秋の姿なのだから仕方ないのだけれど、なんだか少し悲しい感じがした
居間では椅子に腰かけ暖炉の火を熾すナターシャの姿と壁にもたれかかり少し元気がなさそうなシルフの姿が…
ルカの姿は…ない…
「おはようございます、ごめんなさい寝坊しちゃって…あの…ルカはどこに?」
私はポットに水を汲みながらさりげなく彼の所在を聞いた
それなのになぜだろう…二人とも気まずそうに目も合わせようともせず黙ったままだ
「どうしたんですか?二人とも黙っちゃって…」
何だろう…何か嫌な予感がした
そしてナターシャが発した言葉に予感は確信へと変わり私の思考は停止した
「だからこれからはここで暮らしなさい?私も少しは力になれるから…」
ナターシャが何かを言っているが全く頭に入らない
手から落ちたポットが床に転がり中の水が足元にまき散らされている
ルカが…そんなはず…
私は彼女の手を振り払い小屋を飛び出した
彼を追う気?
追ってどうしようっての?
馬鹿みたいだ…でも…ナターシャの言った事が本当でも彼の口から聞きたかった
そうすれば諦められるって思ったから…
ネリーの後を追ってきたシルフが上空から心配げにその様子を見守っていた
その頃ネリーが自分を追ってきているなんて思いもしないルカは道端でその歩みを止め、もうだいぶ離れた山の方角を見つめ「これでよかったんだ」と言い聞かせつつ彼女の顔を思い出していた
もう僕の人生に彼女はいない…
欲望を優先させることはたやすい…でも僕の彼女に対する愛は愛欲ではないんだ
たとえ君と離れたとしても…君が僕を忘れようとも…遠くから君の幸せを祈ってる
でも…涙が止まらないのはなぜだろう…
ずっと一緒にいれますように…ってそうお願いしたのに…
何で!何で!何で!
近くの木にもたれかかり息を整える
視線の先には傷だらけの手
夢中で進んだから草やいばらで擦りむいてしまったのだろう
昨日は心配してくれた手がこの手には添えられていたのに
「何で…嫌だよ…やだ…ルカぁ…」
崩れ落ちそうになるくらい涙で視界がぼやける
それでも…私は…
再び歩き出そうとしたその時だった、体に強い衝撃が走った
な…に…?
意識が遠のく…
ルカ…
「君にはまだ利用価値があるからな、少し眠っていてもらうよ?」
意識を失ったネリーを抱きかかえるのは金髪の青年…
その横にはナベリウス…
ネリーがそんなことになり上空から事の次第を見ていたシルフは彼らの行く手を遮った
「おまえたち!ネリーに何したんだ!?」
シルフの羽が今まで以上に光を増したかと思うと周囲の風が渦を巻き始めた
「精霊か、先に行ってなさい、これは私が片付けます」
ナベリウスが怠そうにそう言うと青年はネリーを抱え先に山を下りて行った
「ネリー!」
すぐその後を追おうとするシルフ
「まてよ、おまえのお守りは私がしてやる」
しかしそれを許さない悪魔が彼の前に立ちはだかる
「悪魔…」
シルフは風を放ち悪魔に攻撃する
彼の放った風を悪魔は素早くかわすもその頬をかすめたらしく深い傷を負わせた
しかし…
「馬鹿な精霊だ」
悪魔の頬を赤黒い血が伝う
血は止まることなく地に落ち大きな吹き溜まりを形成してゆく
そしてナベリウスが指を鳴らした瞬間、吹き溜まりから何かが飛び出し目にもとまらぬ速さでネリーの後を追うシルフに背後から襲い掛かった
先端が鋭利な刃物のようなその赤黒い無数の何かは彼の体を貫通し風の精霊にとっては力の源でもある羽をズタズタに引き裂いてしまった
光を失い黒く変色する精霊の羽
無数のそれはゆっくりと彼の体から外れると元の赤黒い血へと戻り地を這い悪魔の傷口へと帰りその傷を何事もなかったように塞いだ
「だから馬鹿だって言うんですよ?」
ナベリウスが頬をさすりながら倒れるシルフの羽を踏みつけ言う
シルフの異変を感じ取ったナターシャが彼の元に駆け付けたのはそれから間もなくのことだった
その頃ルカはこの時期には珍しい急に振り出した大雨のため逃げ込んだ洞窟で雨宿りをしていた
彼女も今頃こんな風に泣いているのか…?
空を見上げそんな事を思っていると洞窟の中からよく知る気配が近づいて来るのを感じ僕はそいつの方を振り向く
「ネリーを婆さんに預けるなんてな…それで本当に彼女の忘れられるなんて思っているのか?」
ゲルハルト…
今朝からこいつは僕のそばにいる
「分かっているだろ?こっちはおまえの正体はもう分かっているんだ…ネリーはゾフィアじゃない…これ以上彼女の人生には介入しないでやってほしい」
「なるほど?短剣の秘密を解き明かしたわけか…まあどのみち俺はどっちに転ぼうがよかったんだ」
壁際に押しやられ口づけされる
僕は諦めたように視線をそらすと自ら胸元を開けてやった
「したいんだろ?すればいい」
ゲルハルトは不敵な笑みを浮かべると上から下へとその舌を這わせる
ネリーという希望を失った今、抵抗することすら馬鹿らしかった
ゲルハルトが耳元で「やけに素直じゃないか」と囁きかける
また昔に逆戻りか…いや…最初から何も変わってないし、変わることもないんだ
腕の契約印が色濃く浮き上がる
悪魔に内をかき乱されるごとに空虚な心が何度も突き刺されるようで…嫌なはずのこの行為も今の僕には妙に心地よかった
どうか永遠に僕の裏切りを許さないでほしい…ただそう思った
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