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1章
2 プロローグ
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叔母たちから逃れ二日目の朝を迎えた。廃墟の割れた窓からは光が差し込み外では小鳥がさえずっている。
ネリーは目をこすり起き上がると肌寒さに身震いした。
「これからどうしよう…」
村からはだいぶ離れたものの、彼女は不安で押しつぶされそうになっていた。
膝を抱え悩んでいたネリーだったが壁際に立てかけられた何かを見つけ小首をかしげた。
それにも家具と同じように布が被せせられていたが、破れた布の隙間からは何か絵のようなものが見える。被せられた布を剥がすと、それはやはり絵画で肖像画だった。この家に昔住んでいたと思われる人達を描いたものなのだろう。
厳格そうな父親、黒髪に煌びやかなドレスを身にまとう若い母親、母親の腕には生まれて間もないであろう赤ん坊が抱かれスヤスヤと眠っている。両親の間に7歳くらいの父親と同じ色の瞳をもつ男の子が描かれていた。
「素敵な絵…」
ネリーはしばらくその絵に見とれていたが、後ろに何かの気配を感じ振り返った。
「!?」
後ろにいたのは小さな人の形をした何か…だった。自分は幻覚をでも見ているのだろうか?目を擦り凝らして見るが、やはりその何かは存在していた。
その生き物は人の形をしていて全長役20cmくらい、背中には虫のような茶色く透き通った羽を生やしている。
「エルフ…?」
次の瞬間、エルフと思わしきその生き物は彼女の目の前まで飛んできてにやりと微笑むと宙を舞い部屋から出て行ってしまったので、ネリーはすぐにそれの後を追った。
エルフは部屋を出てすぐの長い廊下でふわふわと漂っていたが彼女に気付くなりまたすぐ飛び去ってしまうのだった。
しかしエルフの飛び方はまるで彼女をどこかへ導くような、からかうかのような飛び方をしていたためネリーもそれに気付き、「もしかしてどこかに案内しているの?」とエルフに問うた。
彼女の問いにエルフはまたにやりと笑うと上の階までスーと一気に飛んでいき手すりの上に腰を下ろし足を組みながら彼女が来るのを待っていた。
ネリーは自分の言ったことが正しかったのだと確信したように好奇心に満ちた表情で階段を駆け上がった。
エルフに導かれネリーは二階のある部屋へとたどり着いた。その部屋には背の高い本棚が所狭しと並び隙間なく本が収納されている書斎で、分厚い本はどれも異国の字で彼女の読めるものはないようだった。
しかし、なぜこの部屋だけ家具に被さる布もなく床も壁も綺麗なままで全体に掃除が行き届いてるのか?ネリーは不思議に思いながらもその本の一冊を棚から抜き取るとパラパラとページをめくった。
「どこの国の字なんだろう…?わあ!綺麗な挿絵…」
自分には読めない異国の字で書かれた本の挿絵を見てネリーは感動した。
すると先ほどのエルフが目の前に現れ、「そんなものより、こっちにもっと良いのがあるよ?」と声をかけてきたのでネリーは思い出したようにエルフを捕まえようとした。しかし、エルフは機敏でするりとそれをかわすとピョンピョンと飛び、本棚の高い位置に腰かけた。
彼女は本を閉じ元の位置に戻すと、エルフの元に歩みを進めた。
「どこに何があるっていうのよ」
エルフはクスクス笑いながら飛び上がると、「ついておいで」と一言いった。
ネリーはエルフの後を追い広い書斎を駆け回った。
エルフは部屋の隅に位置する本棚の上に置かれた古びた木箱の上に乗り、それをコツコツと指先で叩き彼女に示してみせた。
「エルフって初めて見た!この国の言葉も喋れるしすごい…」
ネリーは好奇心から手を伸ばしエルフに触れようとしたが「僕触られるの嫌いなんだ」と箱の奥の方に隠れられたので、彼女は少し残念そうに伸ばした手を引っ込めた。
「それよりほら、この箱の中に良いものがあるんだ!開けてみてよ♪」
エルフは木箱を手でパンパンと叩き、片手は腰に当てながら得意げに言ってみせた。
エルフはそうはいうものの黙って人のものを覗くなんていいのだろうか?箱を手には取ってみたものの私は躊躇った。
「これ、ここの住人の大切なものなんじゃないの?例えばお金とか…宝石とか…」
「そんな高価な物じゃないから大丈夫だよ!実はこの屋敷今は僕が住んでいるんだ。だからここにあるものはぜーんぶ僕のものなのさ♪それにほら、君はもうすでに僕んちに不法侵入してるじゃないか?」
エルフは腰に手をあて少し生意気そうな顔で彼女の鼻先を人さし指でツンと小突いた。
「うー…それはそうだけど…」
私はこのエルフを訝しげに思いながらも木箱を開けようとした。しかし、箱には鍵がかかっているようで開かない。
鍵がかかっているということは、きっと何か大切な物を保管しているということだろう…
「鍵がかかってるよ…?」
困ったようにエルフを見ると彼はああ、と言ったのち、「ごめんごめん、ほい!」と指を鳴らした。彼の鳴らした音とともに箱の鍵が外れる音がしたので、彼女は生唾を飲み再び箱に手をかけた。
「あ…開いてる!凄い!あなた魔法が使えるのね!」
その中には古びた本が一冊、黒い布に包まれた状態で入っていた。
「だって僕エルフだもん。それより、その100ページ目に不思議な事が書いてあるんだよー!」
エルフは目を輝かせながらくるりと回ってみせる。
「100ページ目ね…」
言われるままにパラパラとページをめくり、指定のページを探す。
「あった、ここね…でもこれ…」
開かれたページには絵のような何かの模様のようなものが記されていて、その横には赤い字で何かが書いてあるがこれもまた私の分かる字ではない。
「何だろうこれ…読めないし…」
本をいろんな角度に傾け不思議な模様を見てみるがそれが何を意味するものなのか私には全く分からなかった。
そんな私を見て面白いのかエルフはお腹を抱えケラケラと笑い出す。
「なーんにも知らないんだなー!太陽だよ!そこに光を当てなきゃダメなんだ」
エルフは窓の近くの本棚の上まで飛んでいくと退屈そうにあくびをした。
「光?」
私はエルフの言った事に何の疑いも抱かず立ち上がると窓辺から降り注ぐ光に本に当てた。これが最悪の事態を引き起こすなんて知らずに…
「なにも変わらないけど…」
振り返りエルフに問うもそこにはすでにエルフの姿はなく、私はきょろきょろと辺りを見回した。
「あれ?エルフさん?どこ行っ…」
そして、それは本から目をそらした刹那の出来事だった。本に印されていた模様の輪郭が青白く光り、私は驚きのあまり本を取り落としてしまった。
あまりの眩しさに目を覆い後ずさった時だった、足をひねり体勢を崩した私は後ろにあった本棚に頭を強くぶつけフラフラと床に崩れ落ちた。
そして次の瞬間、悪臭を放つ煙とともにその(怪物)は姿を現すこととなる。
不気味に黒く光る体に血走った一つ目をぎょろつかせ、鋭利な牙だらけの口からはぬらぬらと絶えずよだれを流し続け生暖かい湿気を含んだ息は酷い悪臭をはなっていた。
「っ…」
薄れる意識の中死を覚悟した。そして薄れる意識の中、私は彼の横顔を見た。
絵の…男の子…?
ネリーは目をこすり起き上がると肌寒さに身震いした。
「これからどうしよう…」
村からはだいぶ離れたものの、彼女は不安で押しつぶされそうになっていた。
膝を抱え悩んでいたネリーだったが壁際に立てかけられた何かを見つけ小首をかしげた。
それにも家具と同じように布が被せせられていたが、破れた布の隙間からは何か絵のようなものが見える。被せられた布を剥がすと、それはやはり絵画で肖像画だった。この家に昔住んでいたと思われる人達を描いたものなのだろう。
厳格そうな父親、黒髪に煌びやかなドレスを身にまとう若い母親、母親の腕には生まれて間もないであろう赤ん坊が抱かれスヤスヤと眠っている。両親の間に7歳くらいの父親と同じ色の瞳をもつ男の子が描かれていた。
「素敵な絵…」
ネリーはしばらくその絵に見とれていたが、後ろに何かの気配を感じ振り返った。
「!?」
後ろにいたのは小さな人の形をした何か…だった。自分は幻覚をでも見ているのだろうか?目を擦り凝らして見るが、やはりその何かは存在していた。
その生き物は人の形をしていて全長役20cmくらい、背中には虫のような茶色く透き通った羽を生やしている。
「エルフ…?」
次の瞬間、エルフと思わしきその生き物は彼女の目の前まで飛んできてにやりと微笑むと宙を舞い部屋から出て行ってしまったので、ネリーはすぐにそれの後を追った。
エルフは部屋を出てすぐの長い廊下でふわふわと漂っていたが彼女に気付くなりまたすぐ飛び去ってしまうのだった。
しかしエルフの飛び方はまるで彼女をどこかへ導くような、からかうかのような飛び方をしていたためネリーもそれに気付き、「もしかしてどこかに案内しているの?」とエルフに問うた。
彼女の問いにエルフはまたにやりと笑うと上の階までスーと一気に飛んでいき手すりの上に腰を下ろし足を組みながら彼女が来るのを待っていた。
ネリーは自分の言ったことが正しかったのだと確信したように好奇心に満ちた表情で階段を駆け上がった。
エルフに導かれネリーは二階のある部屋へとたどり着いた。その部屋には背の高い本棚が所狭しと並び隙間なく本が収納されている書斎で、分厚い本はどれも異国の字で彼女の読めるものはないようだった。
しかし、なぜこの部屋だけ家具に被さる布もなく床も壁も綺麗なままで全体に掃除が行き届いてるのか?ネリーは不思議に思いながらもその本の一冊を棚から抜き取るとパラパラとページをめくった。
「どこの国の字なんだろう…?わあ!綺麗な挿絵…」
自分には読めない異国の字で書かれた本の挿絵を見てネリーは感動した。
すると先ほどのエルフが目の前に現れ、「そんなものより、こっちにもっと良いのがあるよ?」と声をかけてきたのでネリーは思い出したようにエルフを捕まえようとした。しかし、エルフは機敏でするりとそれをかわすとピョンピョンと飛び、本棚の高い位置に腰かけた。
彼女は本を閉じ元の位置に戻すと、エルフの元に歩みを進めた。
「どこに何があるっていうのよ」
エルフはクスクス笑いながら飛び上がると、「ついておいで」と一言いった。
ネリーはエルフの後を追い広い書斎を駆け回った。
エルフは部屋の隅に位置する本棚の上に置かれた古びた木箱の上に乗り、それをコツコツと指先で叩き彼女に示してみせた。
「エルフって初めて見た!この国の言葉も喋れるしすごい…」
ネリーは好奇心から手を伸ばしエルフに触れようとしたが「僕触られるの嫌いなんだ」と箱の奥の方に隠れられたので、彼女は少し残念そうに伸ばした手を引っ込めた。
「それよりほら、この箱の中に良いものがあるんだ!開けてみてよ♪」
エルフは木箱を手でパンパンと叩き、片手は腰に当てながら得意げに言ってみせた。
エルフはそうはいうものの黙って人のものを覗くなんていいのだろうか?箱を手には取ってみたものの私は躊躇った。
「これ、ここの住人の大切なものなんじゃないの?例えばお金とか…宝石とか…」
「そんな高価な物じゃないから大丈夫だよ!実はこの屋敷今は僕が住んでいるんだ。だからここにあるものはぜーんぶ僕のものなのさ♪それにほら、君はもうすでに僕んちに不法侵入してるじゃないか?」
エルフは腰に手をあて少し生意気そうな顔で彼女の鼻先を人さし指でツンと小突いた。
「うー…それはそうだけど…」
私はこのエルフを訝しげに思いながらも木箱を開けようとした。しかし、箱には鍵がかかっているようで開かない。
鍵がかかっているということは、きっと何か大切な物を保管しているということだろう…
「鍵がかかってるよ…?」
困ったようにエルフを見ると彼はああ、と言ったのち、「ごめんごめん、ほい!」と指を鳴らした。彼の鳴らした音とともに箱の鍵が外れる音がしたので、彼女は生唾を飲み再び箱に手をかけた。
「あ…開いてる!凄い!あなた魔法が使えるのね!」
その中には古びた本が一冊、黒い布に包まれた状態で入っていた。
「だって僕エルフだもん。それより、その100ページ目に不思議な事が書いてあるんだよー!」
エルフは目を輝かせながらくるりと回ってみせる。
「100ページ目ね…」
言われるままにパラパラとページをめくり、指定のページを探す。
「あった、ここね…でもこれ…」
開かれたページには絵のような何かの模様のようなものが記されていて、その横には赤い字で何かが書いてあるがこれもまた私の分かる字ではない。
「何だろうこれ…読めないし…」
本をいろんな角度に傾け不思議な模様を見てみるがそれが何を意味するものなのか私には全く分からなかった。
そんな私を見て面白いのかエルフはお腹を抱えケラケラと笑い出す。
「なーんにも知らないんだなー!太陽だよ!そこに光を当てなきゃダメなんだ」
エルフは窓の近くの本棚の上まで飛んでいくと退屈そうにあくびをした。
「光?」
私はエルフの言った事に何の疑いも抱かず立ち上がると窓辺から降り注ぐ光に本に当てた。これが最悪の事態を引き起こすなんて知らずに…
「なにも変わらないけど…」
振り返りエルフに問うもそこにはすでにエルフの姿はなく、私はきょろきょろと辺りを見回した。
「あれ?エルフさん?どこ行っ…」
そして、それは本から目をそらした刹那の出来事だった。本に印されていた模様の輪郭が青白く光り、私は驚きのあまり本を取り落としてしまった。
あまりの眩しさに目を覆い後ずさった時だった、足をひねり体勢を崩した私は後ろにあった本棚に頭を強くぶつけフラフラと床に崩れ落ちた。
そして次の瞬間、悪臭を放つ煙とともにその(怪物)は姿を現すこととなる。
不気味に黒く光る体に血走った一つ目をぎょろつかせ、鋭利な牙だらけの口からはぬらぬらと絶えずよだれを流し続け生暖かい湿気を含んだ息は酷い悪臭をはなっていた。
「っ…」
薄れる意識の中死を覚悟した。そして薄れる意識の中、私は彼の横顔を見た。
絵の…男の子…?
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