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3章
8 キス
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それからしばらくしてルカたちの関係については一切知らないネリーが買い出しから帰ってきた
「ただいまー!はあ…重かったよー…あれ?ルカ?ゲルハルトさん?」
彼女が何度か呼びかけるが返事はない
ネリーはどこかに出かけたのかな?と小首をかしげるもバスケットからルカに頼まれていたインクを取り出すと彼の部屋にの前まで来て一応ノックををした
しかし反応がない
やっぱり二人でどこかに出かけたのだろうとネリーはため息をつきながら部屋の扉を開ける
「あ…」
そこにはベッドで小さな寝息をたて眠るルカの姿が…
ネリーは珍しいこともあるものだと、彼の机にインクをそっと置くと好奇心から彼に近づいた
(わあ…ルカの寝顔って初めて見た…でも何で裸…?)
ネリーはなぜ彼が裸なのか赤くなりながら考えたがそのシーツからはみ出る透き通るようなきめ細かな白い肌に唾をのんだ
(肌すごく綺麗…顔も…普段も綺麗な顔だとは思ってたけど、こうして近くで見ると本当天使様みたい…)
ネリーはルカの綺麗さに見惚れるように近くで彼の顔を覗き込んだ
彼が起きていたらこんな至近距離から見る事なんか絶対許してくれないだろう…いや、その前に自分の心臓が持ちそうにないとネリーは内心思いながら
(綺麗な唇…このままキスしちゃったら…今なら寝てるから怒られないかな…)
ネリー出来心から思うだけに止まらずその唇に自分の唇を重ねた
温かい彼の寝息が触れた唇にかかり胸を高鳴らせる
しかしその時運悪く彼が目を覚ましてしまい驚く二人の目が見つめあった
「お!おまえ!何を!?」
ルカは唇をぬぐいながらシーツで裸を隠し後ずさった
「あ…あの…私…ごめんなさい!あまりにも綺麗だったからつい…ごめんなさい!」
ネリーは恥ずかしさのあまり口元を両手で隠し今にも泣きそうになりながら後ずさった
確かに出来心ではあるものの彼女がルカに気を寄せていたことには変わりない、しかし彼の承諾も得ずキスをしてしまった自分を恥じネリーはそのまま逃げるように駆けだすと家を飛び出しどこかへ行ってしまった
「あ、おいまっ…」
ルカはベッドから下りると急いで服を着替えネリーの追って駆けだした
ネリーは町外れの森の入り口で立ち止まるとへなへなと崩れ落ちるように座り込んだ
そして自分のしてしまった事を悔いるようにしくしくと泣き出した
(どうしよう…私サイテーだ…)
遠くから泣きじゃくる声を聞きつけたルカが彼女の元に駆け寄ると息を整えながらその隣に腰を下ろし彼女の頭を撫でながら顔を覗き込んだ
「馬鹿、何で逃げたりすることがあるんだ…」
ルカは息を切らせながら呆れるように言った
「ごめんなさい…」
ネリーは顔を上げると泣きながら謝罪した
「おまえな…キスぐらいでそんな大げさな…べつに泣かなくてもいいだろ?」
ルカはため息をつきながら言う
「好き…私、ルカの事がずっと好きだったから!」
ネリーは涙をぬぐうと真剣な表情でそう言った
彼女の思ってもみない発言にルカは驚き言葉を失う
日は西の空に傾きだし橙色に染まる草原には二人の影と沈黙とが流れた
そこにどうっと風が吹き草木がざわざわと音を立てる
その沈黙を破るようにネリーが言葉を切り出す
「ルカはきっと私の事なんてどうとも思ってないんだろうけど…私はあなたが好き…でも…ごめんね…」
それだけ言うとネリーは恥ずかしさのあまり手で顔を覆い隠すと再び泣き出してしまった
ルカは一瞬ためらうように彼女から視線をそらすも彼女の頭にそっと手を伸ばすとぎこちなく撫で、ついにはそのか細い体を自分の方に引き寄せ強く抱きしめた
「え…」
思ってもいなかったルカの行動にネリーは驚き、とめどなく涙のあふれ出る目を大きく見開いた
「好きに決まっるだろ…」
ルカはそう言うとゆっくり体を離し彼女のあふれ出て止まらない涙をぬぐってやると今までみせたことのないような優しい微笑みを見せた
「ル…」
そのことに驚いたネリーが口を開きかけたが彼の唇がすぐさまそれを封じてしまった
「ん…」
温かい舌が求めるように彼女の中で動き湿らせていく
ネリーは恥ずかしさから目を瞑るとぎこちなく彼を求めた
ルカは草原に彼女を押し倒し、彼女の開かれた手のひらに自身の指を絡めると頬を赤らめながらネリーを見つめた
「して…いいよ…」
ネリーが小さく微笑みながら恥ずかしそうにそう言う
「いいのか…?」
ルカがそう言いかけた時、こちらに向かってくる人の声が聞こえたので二人は慌てて離れると声のする方のに目を向けた
どうやら森を抜けてきた旅の者たちのようだ…
「もう帰るか」
ルカは咳ばらいをしながらそう言うと、ネリーを起き上がらせた
「そ…そうだね…」
思わぬ邪魔ですっかり気のそがれた二人はお互い顔を見合わせ照れくさそうに笑った
帰り道、ネリーはルカと手を繋ぎながら夕暮れの町を歩いた
先を行くルカにネリーが駆け寄り強引に手を繋いだのである
「何で手なんか…」
ルカは恥ずかしそうにそっぽを向きながら言った
「だって繋ぎたくなったんだもん」
ネリーも恥ずかしそうではあるが満面の笑みで困り顔のルカを見上げながら言った
その時ネリーはあることを思い出して急に立ち止まった
「大変!ゲルハルトさんの事すっかり忘れてた!」
慌てるようにネリーが言う
「あいつならおまえが買い出しに行ってる間にとっくに帰ったよ、気ままな奴だからな」
ルカは思い出したようにそういうとどこか遠い目で空を見上げた
「あ…そうだったんだ…少し残念…」
残念そうにネリーが言ったのでルカは少しムッとしたように眉間にしわを寄せながら
「?…何でおまえがそんなこと…あいつのこと気になるのか…?」
とネリーを疑いの目で見た
「あ!誤解しないで!私はただルカの昔の事とか聞いてみたかったなって…だってルカ話してくれなそうだし…」
ネリーはルカが何か誤解してるのだと思い焦ったように片手を振り言った
「僕の昔の事…」
ルカは表情を曇らせながら呟くように言う
「ルカ?」
ネリーはそんなルカに気付き何かまずいことでも聞いてしまったのかと心配そうに彼の顔を覗き見た
そうしてるうちに彼らは家に着き、ルカはドアを開け中に入るとランプに火を灯し椅子に腰かけた
「あいつ…ゲルハルトとは10歳の頃からの知り合いなんだ…前にも確か話したとは思うが、僕の両親が密告されて魔女として捕らえられた時の事…」
ルカはため息とともに昔の事を話し始める
「ああ…ルカ言ってたね…」
ネリーが頷きながら言う
「あの時どこからともなく現れたあいつは、その力で僕たち兄妹がその場から逃げるのを手伝ってくれたんだ
その時から僕はあいつに弟子入りしてこの世界に入った…
はじめはそうだな…知識と技術が伴わなくて失敗もけっこうした、まあ、悪戯な妖精に騙されて封印を解くようなまねはしなかったけどな」
ルカはネリーの頭をくしゃっと撫でながらからかうように言った
「もう、あれは分からなかったからだよ!」
ネリーは頬を膨らませながら恥ずかしそうに言う
そんなネリーにルカは声を出し無邪気に笑った
ネリーはルカのこんな風に笑った顔は初めて見るので驚くとともに、屈託ないその笑顔に胸がときめくのを感じた
(こんな風に笑うんだ…)
ネリーは新たに知った彼の一面に微笑みをもらした
「まあ、13の頃からは違う魔術師の弟子になったけどな、それまではあいつに術を習ったんだ」
「え!?じゃあルカって先生が二人いるんだね!どんな人なの?」
興味津々で身を乗り出し聞くネリーにルカは
「一人で山に住んでる精霊使いの術者だ、まあ今年も冬前に行くつもりだからその時にでも紹介しよう」
とネリーの頭を優しく撫でながら言った
その感覚と彼の微笑みにネリーは顔を赤らめルカを見つめるもルカはそれ以上の事はしてくれなかった
でもネリーはそれでもいいと思えた
だってほんの数時間前まで知らなかった彼の優しい笑顔と手のぬくもりが今こうして包み隠すことなく目の前にあるのだから
その後、満たされたようにネリーは眠りについていた
一方ルカは悪夢にうなされていた
まだ彼女にすら話せないでいる本当の過去の記憶に…
「ただいまー!はあ…重かったよー…あれ?ルカ?ゲルハルトさん?」
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ネリーはどこかに出かけたのかな?と小首をかしげるもバスケットからルカに頼まれていたインクを取り出すと彼の部屋にの前まで来て一応ノックををした
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ネリーはなぜ彼が裸なのか赤くなりながら考えたがそのシーツからはみ出る透き通るようなきめ細かな白い肌に唾をのんだ
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彼が起きていたらこんな至近距離から見る事なんか絶対許してくれないだろう…いや、その前に自分の心臓が持ちそうにないとネリーは内心思いながら
(綺麗な唇…このままキスしちゃったら…今なら寝てるから怒られないかな…)
ネリー出来心から思うだけに止まらずその唇に自分の唇を重ねた
温かい彼の寝息が触れた唇にかかり胸を高鳴らせる
しかしその時運悪く彼が目を覚ましてしまい驚く二人の目が見つめあった
「お!おまえ!何を!?」
ルカは唇をぬぐいながらシーツで裸を隠し後ずさった
「あ…あの…私…ごめんなさい!あまりにも綺麗だったからつい…ごめんなさい!」
ネリーは恥ずかしさのあまり口元を両手で隠し今にも泣きそうになりながら後ずさった
確かに出来心ではあるものの彼女がルカに気を寄せていたことには変わりない、しかし彼の承諾も得ずキスをしてしまった自分を恥じネリーはそのまま逃げるように駆けだすと家を飛び出しどこかへ行ってしまった
「あ、おいまっ…」
ルカはベッドから下りると急いで服を着替えネリーの追って駆けだした
ネリーは町外れの森の入り口で立ち止まるとへなへなと崩れ落ちるように座り込んだ
そして自分のしてしまった事を悔いるようにしくしくと泣き出した
(どうしよう…私サイテーだ…)
遠くから泣きじゃくる声を聞きつけたルカが彼女の元に駆け寄ると息を整えながらその隣に腰を下ろし彼女の頭を撫でながら顔を覗き込んだ
「馬鹿、何で逃げたりすることがあるんだ…」
ルカは息を切らせながら呆れるように言った
「ごめんなさい…」
ネリーは顔を上げると泣きながら謝罪した
「おまえな…キスぐらいでそんな大げさな…べつに泣かなくてもいいだろ?」
ルカはため息をつきながら言う
「好き…私、ルカの事がずっと好きだったから!」
ネリーは涙をぬぐうと真剣な表情でそう言った
彼女の思ってもみない発言にルカは驚き言葉を失う
日は西の空に傾きだし橙色に染まる草原には二人の影と沈黙とが流れた
そこにどうっと風が吹き草木がざわざわと音を立てる
その沈黙を破るようにネリーが言葉を切り出す
「ルカはきっと私の事なんてどうとも思ってないんだろうけど…私はあなたが好き…でも…ごめんね…」
それだけ言うとネリーは恥ずかしさのあまり手で顔を覆い隠すと再び泣き出してしまった
ルカは一瞬ためらうように彼女から視線をそらすも彼女の頭にそっと手を伸ばすとぎこちなく撫で、ついにはそのか細い体を自分の方に引き寄せ強く抱きしめた
「え…」
思ってもいなかったルカの行動にネリーは驚き、とめどなく涙のあふれ出る目を大きく見開いた
「好きに決まっるだろ…」
ルカはそう言うとゆっくり体を離し彼女のあふれ出て止まらない涙をぬぐってやると今までみせたことのないような優しい微笑みを見せた
「ル…」
そのことに驚いたネリーが口を開きかけたが彼の唇がすぐさまそれを封じてしまった
「ん…」
温かい舌が求めるように彼女の中で動き湿らせていく
ネリーは恥ずかしさから目を瞑るとぎこちなく彼を求めた
ルカは草原に彼女を押し倒し、彼女の開かれた手のひらに自身の指を絡めると頬を赤らめながらネリーを見つめた
「して…いいよ…」
ネリーが小さく微笑みながら恥ずかしそうにそう言う
「いいのか…?」
ルカがそう言いかけた時、こちらに向かってくる人の声が聞こえたので二人は慌てて離れると声のする方のに目を向けた
どうやら森を抜けてきた旅の者たちのようだ…
「もう帰るか」
ルカは咳ばらいをしながらそう言うと、ネリーを起き上がらせた
「そ…そうだね…」
思わぬ邪魔ですっかり気のそがれた二人はお互い顔を見合わせ照れくさそうに笑った
帰り道、ネリーはルカと手を繋ぎながら夕暮れの町を歩いた
先を行くルカにネリーが駆け寄り強引に手を繋いだのである
「何で手なんか…」
ルカは恥ずかしそうにそっぽを向きながら言った
「だって繋ぎたくなったんだもん」
ネリーも恥ずかしそうではあるが満面の笑みで困り顔のルカを見上げながら言った
その時ネリーはあることを思い出して急に立ち止まった
「大変!ゲルハルトさんの事すっかり忘れてた!」
慌てるようにネリーが言う
「あいつならおまえが買い出しに行ってる間にとっくに帰ったよ、気ままな奴だからな」
ルカは思い出したようにそういうとどこか遠い目で空を見上げた
「あ…そうだったんだ…少し残念…」
残念そうにネリーが言ったのでルカは少しムッとしたように眉間にしわを寄せながら
「?…何でおまえがそんなこと…あいつのこと気になるのか…?」
とネリーを疑いの目で見た
「あ!誤解しないで!私はただルカの昔の事とか聞いてみたかったなって…だってルカ話してくれなそうだし…」
ネリーはルカが何か誤解してるのだと思い焦ったように片手を振り言った
「僕の昔の事…」
ルカは表情を曇らせながら呟くように言う
「ルカ?」
ネリーはそんなルカに気付き何かまずいことでも聞いてしまったのかと心配そうに彼の顔を覗き見た
そうしてるうちに彼らは家に着き、ルカはドアを開け中に入るとランプに火を灯し椅子に腰かけた
「あいつ…ゲルハルトとは10歳の頃からの知り合いなんだ…前にも確か話したとは思うが、僕の両親が密告されて魔女として捕らえられた時の事…」
ルカはため息とともに昔の事を話し始める
「ああ…ルカ言ってたね…」
ネリーが頷きながら言う
「あの時どこからともなく現れたあいつは、その力で僕たち兄妹がその場から逃げるのを手伝ってくれたんだ
その時から僕はあいつに弟子入りしてこの世界に入った…
はじめはそうだな…知識と技術が伴わなくて失敗もけっこうした、まあ、悪戯な妖精に騙されて封印を解くようなまねはしなかったけどな」
ルカはネリーの頭をくしゃっと撫でながらからかうように言った
「もう、あれは分からなかったからだよ!」
ネリーは頬を膨らませながら恥ずかしそうに言う
そんなネリーにルカは声を出し無邪気に笑った
ネリーはルカのこんな風に笑った顔は初めて見るので驚くとともに、屈託ないその笑顔に胸がときめくのを感じた
(こんな風に笑うんだ…)
ネリーは新たに知った彼の一面に微笑みをもらした
「まあ、13の頃からは違う魔術師の弟子になったけどな、それまではあいつに術を習ったんだ」
「え!?じゃあルカって先生が二人いるんだね!どんな人なの?」
興味津々で身を乗り出し聞くネリーにルカは
「一人で山に住んでる精霊使いの術者だ、まあ今年も冬前に行くつもりだからその時にでも紹介しよう」
とネリーの頭を優しく撫でながら言った
その感覚と彼の微笑みにネリーは顔を赤らめルカを見つめるもルカはそれ以上の事はしてくれなかった
でもネリーはそれでもいいと思えた
だってほんの数時間前まで知らなかった彼の優しい笑顔と手のぬくもりが今こうして包み隠すことなく目の前にあるのだから
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