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4章
5 ハーメルンの悪魔
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それから彼らは侍女の案内で二階の客間にへと荷物を運んだ
「それじゃあ何か用があれば下にいますから…」
侍女はゲルハルトにウインクをすると部屋から出て行った
「可愛いだろ?彼女」
ゲルハルトはベッドに寝転がりながら思い出したように笑う
「はあ…おまえも来たからには手伝えよ」
ルカが呆れたように寝転がるゲルハルトを見下ろし言った
「でも、こんな広い街の中から今日誰が狙われてるかなんて分かるものなの?
市長さんが言ってたように目立った動きも取れないし…」
ネリーは疑問に思ったことをルカに聞いてみた
「ああ、だからまずおまえには変装してもらわなきゃな」
ルカは鞄から男用の服を取り出すとそれをネリーに手渡した
「え!なんで私が男の子に変装しなきゃいけないのよ!」
ネリーはルカの突然の提案にわけがわからず反抗した
「女性の格好だと夜の街では何かと危ないだろ?それにドレスじゃ早く走れないからな」
ルカはそのように言うと鞄から人の形の粗末な人形と蝋燭、ネリーの持っている護符とは違う模様の護符、香油、聖水とを取り出した
「ほう…」
ゲルハルトは彼がしようとしている事が分かったように目を細めた
「?こんなので何するの?」
人形を取り上げ不思議そうにネリーが聞く
「その人形にこの町の子供たちの身代わりをしてもらうんだ、まず人形に悪魔の好む香油を塗りこの護符を張り付ける、そしてそれと同化するためにある印を僕の胸に描く、すると悪魔が現れた時身代わりの人形がその場所に移動して悪魔は人と勘違いして人形をさらう…
人形が持つ護符は幻想を見せる魔法陣と追跡の魔法陣を合体させたもので、僕に描く印はこの護符にも印されてる追跡の魔法陣と対のものだから悪魔がどこに現れようともこっちには奴の居場所が分かってしまうってわけさ」
ルカはそのように説明して聞かせると人形に香油を塗り何か呪文のような言葉を唱え始めた
「ふーん…その印を描くとルカには人形がどこに行っちゃったか直感で分かるってことよね?」
ネリーは頷きながら横にいたゲルハルトを小突きこそこそと聞いた
「そういうことだ…君もあまり迷子にばかりなると持たせられるかもしれないな、それにルカはあれでけっこう嫉妬深いから…」
ゲルハルトがクスクスと笑いながらからかうように言う
「な!それってどういう意味ですか!?」
あの冷静なルカがそんなこと…とネリーは思ったがそれはそれで悪くないかなと顔を真っ赤にしながら術を進めるルカに見とれた
「おい、着替えもしないでいつまで突っ立ってるんだ?
それにおまえも、する事ないならとりあえず外を偵察してきたらどうだ」
ルカは咳払いし気が散るといわんばかりに二人の方を睨みつけた
「あー…私隣の部屋で着替えて来るねー」
注意されたことで現実に戻されたネリーはばつが悪そうにそう言うと着替えを持って部屋から出て行った
「しかしおまえの優秀さには脱帽させられるよ、こんな短期間でそんな事思いつくなんてな、俺に頼めば低級悪魔の居場所を探り当てることくらいたやすかっただろ?」
ゲルハルトは壁にもたれかかり準備をするルカを見下ろし言った
「おまえに頼ると高くつくからな…おまえはナベリウスの方を探せばいいさ、運よく魔術師とセットで動いてるかもしれないぞ?」
ルカは服を開き赤いインクで胸元に印を描きながらそのように言った
「ふーん…そうかい、そう言えば彼女とキスする仲になったそうじゃないか?」
ゲルハルトはルカの体を後ろから抱き寄せはだけた胸元を撫でさすり言った
「!!」
ルカは驚いたようにゲルハルトの方を振り向くも諦めたようにため息をつくと
「全部お見通しってわけか…」
とうつむき言った
「ネリーが言っていたよルカはそれ以上のことはしてくれないって…俺がどう愛せばいいか日々この体に刻んでやってるじゃないか?
せっかくあの娘の初めてを奪う権利を与えてやろうっていうのに…
大方腕の印も消えてきたんだろう?でも惜しいなこの体を今さら手放すのは…」
ゲルハルトはため息をつきながらそう言うと服の上から彼の弱い部分をまさぐり始めた
「止めろ!」
ルカはゲルハルトを払いのけると胸元を隠し睨みつけながらそう言った
「俺はそんな正直なおまえも好きなんだけどな…まあ、あの娘もいるし、今日はこんな事するために来たわけじゃないからな
俺はナベリウスでも探すとしよう…助けが必要な時はいつでも頼れよ?」
ゲルハルトはそう言うといつものようにどこかへ消えてしまった
ルカは目を潤ませポケットに聖水や護符などを乱暴に詰め込むとテーブルの人形を取り上げベッドに腰を下ろし頭を抱えた
その時着替えが済んだネリーが部屋に入ってきたのでルカは顔を上げた
「ねえルカ、これで男の子に見えるかな??」
ネリーは入ってくるなり帽子にしまい忘れている長い髪の毛がないか気にするようにルカに聞いた
「ちょっと待て…」
ルカはネリーの後ろに回り込むとはみ出していた髪を帽子の中に収めてあげた
「あ、やっぱり後ろの方ちょっと出てたんだね、ありがとうル…」
ネリーが言い終えないうちに突然ルカが後ろから抱きしめてきた
「ルカ…?」
ネリーは突然の事に驚き顔を赤らめる
「少し…このままでいさせてくれ…」
ルカは沈んだ声で呟くようにそう言うと今よりきつく彼女の体を抱きしめた
「ルカ…」
ネリーは体に回された彼の腕を抱きしめると彼の気の済むまで目を閉じそのぬくもりを感じ取ろうとした_____
「それじゃあ何か用があれば下にいますから…」
侍女はゲルハルトにウインクをすると部屋から出て行った
「可愛いだろ?彼女」
ゲルハルトはベッドに寝転がりながら思い出したように笑う
「はあ…おまえも来たからには手伝えよ」
ルカが呆れたように寝転がるゲルハルトを見下ろし言った
「でも、こんな広い街の中から今日誰が狙われてるかなんて分かるものなの?
市長さんが言ってたように目立った動きも取れないし…」
ネリーは疑問に思ったことをルカに聞いてみた
「ああ、だからまずおまえには変装してもらわなきゃな」
ルカは鞄から男用の服を取り出すとそれをネリーに手渡した
「え!なんで私が男の子に変装しなきゃいけないのよ!」
ネリーはルカの突然の提案にわけがわからず反抗した
「女性の格好だと夜の街では何かと危ないだろ?それにドレスじゃ早く走れないからな」
ルカはそのように言うと鞄から人の形の粗末な人形と蝋燭、ネリーの持っている護符とは違う模様の護符、香油、聖水とを取り出した
「ほう…」
ゲルハルトは彼がしようとしている事が分かったように目を細めた
「?こんなので何するの?」
人形を取り上げ不思議そうにネリーが聞く
「その人形にこの町の子供たちの身代わりをしてもらうんだ、まず人形に悪魔の好む香油を塗りこの護符を張り付ける、そしてそれと同化するためにある印を僕の胸に描く、すると悪魔が現れた時身代わりの人形がその場所に移動して悪魔は人と勘違いして人形をさらう…
人形が持つ護符は幻想を見せる魔法陣と追跡の魔法陣を合体させたもので、僕に描く印はこの護符にも印されてる追跡の魔法陣と対のものだから悪魔がどこに現れようともこっちには奴の居場所が分かってしまうってわけさ」
ルカはそのように説明して聞かせると人形に香油を塗り何か呪文のような言葉を唱え始めた
「ふーん…その印を描くとルカには人形がどこに行っちゃったか直感で分かるってことよね?」
ネリーは頷きながら横にいたゲルハルトを小突きこそこそと聞いた
「そういうことだ…君もあまり迷子にばかりなると持たせられるかもしれないな、それにルカはあれでけっこう嫉妬深いから…」
ゲルハルトがクスクスと笑いながらからかうように言う
「な!それってどういう意味ですか!?」
あの冷静なルカがそんなこと…とネリーは思ったがそれはそれで悪くないかなと顔を真っ赤にしながら術を進めるルカに見とれた
「おい、着替えもしないでいつまで突っ立ってるんだ?
それにおまえも、する事ないならとりあえず外を偵察してきたらどうだ」
ルカは咳払いし気が散るといわんばかりに二人の方を睨みつけた
「あー…私隣の部屋で着替えて来るねー」
注意されたことで現実に戻されたネリーはばつが悪そうにそう言うと着替えを持って部屋から出て行った
「しかしおまえの優秀さには脱帽させられるよ、こんな短期間でそんな事思いつくなんてな、俺に頼めば低級悪魔の居場所を探り当てることくらいたやすかっただろ?」
ゲルハルトは壁にもたれかかり準備をするルカを見下ろし言った
「おまえに頼ると高くつくからな…おまえはナベリウスの方を探せばいいさ、運よく魔術師とセットで動いてるかもしれないぞ?」
ルカは服を開き赤いインクで胸元に印を描きながらそのように言った
「ふーん…そうかい、そう言えば彼女とキスする仲になったそうじゃないか?」
ゲルハルトはルカの体を後ろから抱き寄せはだけた胸元を撫でさすり言った
「!!」
ルカは驚いたようにゲルハルトの方を振り向くも諦めたようにため息をつくと
「全部お見通しってわけか…」
とうつむき言った
「ネリーが言っていたよルカはそれ以上のことはしてくれないって…俺がどう愛せばいいか日々この体に刻んでやってるじゃないか?
せっかくあの娘の初めてを奪う権利を与えてやろうっていうのに…
大方腕の印も消えてきたんだろう?でも惜しいなこの体を今さら手放すのは…」
ゲルハルトはため息をつきながらそう言うと服の上から彼の弱い部分をまさぐり始めた
「止めろ!」
ルカはゲルハルトを払いのけると胸元を隠し睨みつけながらそう言った
「俺はそんな正直なおまえも好きなんだけどな…まあ、あの娘もいるし、今日はこんな事するために来たわけじゃないからな
俺はナベリウスでも探すとしよう…助けが必要な時はいつでも頼れよ?」
ゲルハルトはそう言うといつものようにどこかへ消えてしまった
ルカは目を潤ませポケットに聖水や護符などを乱暴に詰め込むとテーブルの人形を取り上げベッドに腰を下ろし頭を抱えた
その時着替えが済んだネリーが部屋に入ってきたのでルカは顔を上げた
「ねえルカ、これで男の子に見えるかな??」
ネリーは入ってくるなり帽子にしまい忘れている長い髪の毛がないか気にするようにルカに聞いた
「ちょっと待て…」
ルカはネリーの後ろに回り込むとはみ出していた髪を帽子の中に収めてあげた
「あ、やっぱり後ろの方ちょっと出てたんだね、ありがとうル…」
ネリーが言い終えないうちに突然ルカが後ろから抱きしめてきた
「ルカ…?」
ネリーは突然の事に驚き顔を赤らめる
「少し…このままでいさせてくれ…」
ルカは沈んだ声で呟くようにそう言うと今よりきつく彼女の体を抱きしめた
「ルカ…」
ネリーは体に回された彼の腕を抱きしめると彼の気の済むまで目を閉じそのぬくもりを感じ取ろうとした_____
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