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5章
2 ロジーナ
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ロジーナは気まずそうにうつむくと実は夫に内緒で家を出てきたこと、そして自分はいまだに彼を愛せないでいることなどを二人に話始めた
「でも愛されてないわけではないんだろ?おまえの好きなドレスも買い与えられてるみたいだし、黙って出てくることもないだろ?」
ロジーナの言った事に、愛せないでいること以外には彼女が不満を感じる要素はないと判断したルカがだるそうにそう言った
確かに生活面、夫からの愛情では苦労はしていないようだ…
でも彼女はまだ若いのにそんな17も年齢差のある人を夫に持ったのだ、もし自分ならやはり彼女と同じ気持ちになるに違いない…
ネリーはうつむき涙ぐむ彼女の手を握り少し微笑んで見せた
「ネリー…」
その時、玄関のドアが開きゲルハルトが買い出しから帰ってきた
「お?お客か?何の依頼だ?」
彼はそう言いながら買物かごをテーブルの空きスペースに置きルカの方に目を向けた
一方ロジーナはというとゲルハルトを見つめ固まっている
頬を赤くして、口を半開きにしてまるで恋でもしたかのような顔で…
そりゃあ彼は見た目的には申し分ないので女なら誰しもこんな反応をとることだろう
彼女の視線に気づいたゲルハルトは悪戯っぽく微笑むと彼女に顔を近づけまじまじと見返した
そのことで恥かしくなったロジーナは顔を真っ赤にしてうつむく…
彼に初めて会った時の自分の反応と似ていることにネリーは呆れたようにため息をついた
「ああ、君は確かルカの妹の…確か名前は…」
「ロジーナだ、人妻だから手出すなよ」
付け加えられたその言葉にゲルハルトはふーんといった感じに首を振ると再び彼女の方にその妖艶な微笑みを向けた
「それにしても、見ないうちにずいぶん大きくなったな」
親しげに彼女の頭をくしゃくしゃと撫でながらゲルハルトが言う
「そう言えばゲルハルトさんって彼女の事小さいころから知ってるんですよね」
私は最近ルカから聞いた話を思い出した
彼の両親が魔女として捕らわれた日ゲルハルトが彼ら兄妹をその場から助けた話を
「え?ゲルハルトって…?じゃああなたが私とお兄ちゃんを助けてくれた…?」
どうやらロジーナは彼と会うのはこれが初めてといった感じだ
「あの時君はまだ4歳だったしぐっすり眠ってたからな、覚えてなくて当然か」
「あ…えっと…今さらだけど、ありがとう…」
彼女の横で微笑むゲルハルト、彼のに柔らかい微笑みを送るロジーナ…これはやはり何か一波乱ありそうだなとネリーは思った
彼女は気にする様子も見せないルカの方に視線を向けたが、彼は仕事があると言い残しその場を離れてしまったのだった_____
それからしばらくしてネリーは自室にこもって翻訳の仕事をするルカにお茶を持って行ったついでにロジーナの事を彼に話してみることにした
「はあ?ロジーナがあいつに好意を抱いている!?」
ルカが驚いたように振り返り言った
「ルカ!声が大きいよ…今あの二人隣の部屋の片付けしてるんだから…」
私は隣の部屋を気にするように小さな声で注意した
「だってあいつのどこがそんなに…それにロジーナには一応夫がいるだろ…」
「そりゃ普通の女の子だったらゲルハルトさんの魅力にはくらっときちゃうよ…私だって初めて会った時は…」
そう言いかけまずいと思った、誤解を招くようなことを言ってしまって…彼の表情は変わらないがルカはそれでなくてもあまり感情を表に出さない…きっと少しムッとしているに違いない
「違う!違う!これはあくまで一般論ってことで…私は今ではなんとも思ってないし…ってかルカだってすごく綺麗な顔だと思うし、私にはもったいないくらいで…」
ルカはそんな私を見てくすっと笑うと腕を掴み引き寄せ軽くキスをした
「お仕置きだ」
悪戯っぽくそう言って私の髪を優しく撫で下ろす
「こんなお仕置きなら何度だって受けてもいいかも…」
「ばーか…そうだ、これを君に渡そうと思ってたんだ」
ルカはクスクスと笑うと机の上に置かれた小さな袋を取り上げ私の手のひらに乗せた
袋の紐を解くとその中には銀貨が数十枚入っていた
私は驚いたように彼の顔を見た
「…これ…だってこの前もらったばかりなのに…それにこんなに…」
「いつも頑張ってくれているからそれは僕からのお礼の気持ちだ、それで自分の好きなドレスでも買うといい」
ルカはそういうとネリーに背を向けた
さっきロジーナに言われたことを事を気にしてくれたのかな?だとしたら少し悪い気がしたが、私は自分のドレスを持てる嬉しさからその背に後ろから抱きつき頬にキスをした
「ルカ、ほんとにありがとう」
「今日はもう仕事はいいから自由にするといい」
そう言うとネリーは嬉しそうに頷き部屋を後にした
はあ…また言えなかった…
でも今はロジーナもいるし、あいつにまで知られるといろいろややこしくなりかねない…
僕は深いため息をつきながら再び仕事に戻った_____
「でも愛されてないわけではないんだろ?おまえの好きなドレスも買い与えられてるみたいだし、黙って出てくることもないだろ?」
ロジーナの言った事に、愛せないでいること以外には彼女が不満を感じる要素はないと判断したルカがだるそうにそう言った
確かに生活面、夫からの愛情では苦労はしていないようだ…
でも彼女はまだ若いのにそんな17も年齢差のある人を夫に持ったのだ、もし自分ならやはり彼女と同じ気持ちになるに違いない…
ネリーはうつむき涙ぐむ彼女の手を握り少し微笑んで見せた
「ネリー…」
その時、玄関のドアが開きゲルハルトが買い出しから帰ってきた
「お?お客か?何の依頼だ?」
彼はそう言いながら買物かごをテーブルの空きスペースに置きルカの方に目を向けた
一方ロジーナはというとゲルハルトを見つめ固まっている
頬を赤くして、口を半開きにしてまるで恋でもしたかのような顔で…
そりゃあ彼は見た目的には申し分ないので女なら誰しもこんな反応をとることだろう
彼女の視線に気づいたゲルハルトは悪戯っぽく微笑むと彼女に顔を近づけまじまじと見返した
そのことで恥かしくなったロジーナは顔を真っ赤にしてうつむく…
彼に初めて会った時の自分の反応と似ていることにネリーは呆れたようにため息をついた
「ああ、君は確かルカの妹の…確か名前は…」
「ロジーナだ、人妻だから手出すなよ」
付け加えられたその言葉にゲルハルトはふーんといった感じに首を振ると再び彼女の方にその妖艶な微笑みを向けた
「それにしても、見ないうちにずいぶん大きくなったな」
親しげに彼女の頭をくしゃくしゃと撫でながらゲルハルトが言う
「そう言えばゲルハルトさんって彼女の事小さいころから知ってるんですよね」
私は最近ルカから聞いた話を思い出した
彼の両親が魔女として捕らわれた日ゲルハルトが彼ら兄妹をその場から助けた話を
「え?ゲルハルトって…?じゃああなたが私とお兄ちゃんを助けてくれた…?」
どうやらロジーナは彼と会うのはこれが初めてといった感じだ
「あの時君はまだ4歳だったしぐっすり眠ってたからな、覚えてなくて当然か」
「あ…えっと…今さらだけど、ありがとう…」
彼女の横で微笑むゲルハルト、彼のに柔らかい微笑みを送るロジーナ…これはやはり何か一波乱ありそうだなとネリーは思った
彼女は気にする様子も見せないルカの方に視線を向けたが、彼は仕事があると言い残しその場を離れてしまったのだった_____
それからしばらくしてネリーは自室にこもって翻訳の仕事をするルカにお茶を持って行ったついでにロジーナの事を彼に話してみることにした
「はあ?ロジーナがあいつに好意を抱いている!?」
ルカが驚いたように振り返り言った
「ルカ!声が大きいよ…今あの二人隣の部屋の片付けしてるんだから…」
私は隣の部屋を気にするように小さな声で注意した
「だってあいつのどこがそんなに…それにロジーナには一応夫がいるだろ…」
「そりゃ普通の女の子だったらゲルハルトさんの魅力にはくらっときちゃうよ…私だって初めて会った時は…」
そう言いかけまずいと思った、誤解を招くようなことを言ってしまって…彼の表情は変わらないがルカはそれでなくてもあまり感情を表に出さない…きっと少しムッとしているに違いない
「違う!違う!これはあくまで一般論ってことで…私は今ではなんとも思ってないし…ってかルカだってすごく綺麗な顔だと思うし、私にはもったいないくらいで…」
ルカはそんな私を見てくすっと笑うと腕を掴み引き寄せ軽くキスをした
「お仕置きだ」
悪戯っぽくそう言って私の髪を優しく撫で下ろす
「こんなお仕置きなら何度だって受けてもいいかも…」
「ばーか…そうだ、これを君に渡そうと思ってたんだ」
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私は驚いたように彼の顔を見た
「…これ…だってこの前もらったばかりなのに…それにこんなに…」
「いつも頑張ってくれているからそれは僕からのお礼の気持ちだ、それで自分の好きなドレスでも買うといい」
ルカはそういうとネリーに背を向けた
さっきロジーナに言われたことを事を気にしてくれたのかな?だとしたら少し悪い気がしたが、私は自分のドレスを持てる嬉しさからその背に後ろから抱きつき頬にキスをした
「ルカ、ほんとにありがとう」
「今日はもう仕事はいいから自由にするといい」
そう言うとネリーは嬉しそうに頷き部屋を後にした
はあ…また言えなかった…
でも今はロジーナもいるし、あいつにまで知られるといろいろややこしくなりかねない…
僕は深いため息をつきながら再び仕事に戻った_____
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