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結婚の利益
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「お前、いい加減にしとけよ。オリビアは俺が望んで迎える俺の妃だ」
「トウゴ…」
トウゴの大きな背に庇われ、後ろ手に頭をポンと叩かれた。指の先に触れる身体は、湿っていて…鍛錬の後に水をかぶったのか髪が濡れている。頭に乗せられた手は温かく、トウゴの大きな身体に守られてるようで。強張っていた体からほっとして力が抜ける。
遮られた視線の先では二人が睨みあい、ロードさんが根負けしたのか。
「チッ」
舌打ちをされました…。
「なんだその態度は。まだ、わからんかぁ?」
そんな態度が気に入らなくて、身長差をいかせてロードに覆いかぶさるように凄んだトウゴ。
その顔をうっとしそうに手で押しやると。
「…ええ。ええ。わかっていますよ。貴方が昔からオリビア様をご所望だということは!」
もの凄く不本意そうに。
「なら、なんで今更いちゃもん付けてるんだ?」
「いちゃもん?」
「いちゃもんだろうが。決まっている事をグダグダと言ってんだからな」
「グダグダ…決まったこと?」
トウゴの言葉に引っ掛かりを感じたのか。
「では、言わせてもらいますがね」
「なんだ」
「今現在決まっている事は、何一つありませんよ。」
「あ?」
「お二方の婚約のみで繋がっているだけの関係であったセレス王国は、戦乱の間、我関せず、預かり知らぬで通した。そして第3王子の訃報以降、婚約者不在となったオリビア様に、新たな縁談が持ち込みました。」
「ああ。だから俺が攫ってきた。」
「それが余計な事だというのです」
「なに」
「貴方は余計なことをされました。我が国は、3年半に及ぶ戦火もようやく終結し、現王の統治の下。やっと復興に向けて歩き始めました。まあ、途中、対外向けにトウゴの偽訃報を流した時は、諸外国からの介入で辟易しましたが。それもトウゴの生存発表と、力の差を貴方自身の働きで見せつけましたので。この事が広まれば、貴方の評判は、更にうなぎ上りになるでしょう。」
「…何が言いたい?」
「要するに落ち着きを取り戻したら、貴方には数多な縁談が来る。我が国に有利で有益な縁談がね。」
「だから?」
「貴方方のこの婚姻は、国としては、なんら理も得ない。承認し難いということです」
「トウゴ…」
トウゴの大きな背に庇われ、後ろ手に頭をポンと叩かれた。指の先に触れる身体は、湿っていて…鍛錬の後に水をかぶったのか髪が濡れている。頭に乗せられた手は温かく、トウゴの大きな身体に守られてるようで。強張っていた体からほっとして力が抜ける。
遮られた視線の先では二人が睨みあい、ロードさんが根負けしたのか。
「チッ」
舌打ちをされました…。
「なんだその態度は。まだ、わからんかぁ?」
そんな態度が気に入らなくて、身長差をいかせてロードに覆いかぶさるように凄んだトウゴ。
その顔をうっとしそうに手で押しやると。
「…ええ。ええ。わかっていますよ。貴方が昔からオリビア様をご所望だということは!」
もの凄く不本意そうに。
「なら、なんで今更いちゃもん付けてるんだ?」
「いちゃもん?」
「いちゃもんだろうが。決まっている事をグダグダと言ってんだからな」
「グダグダ…決まったこと?」
トウゴの言葉に引っ掛かりを感じたのか。
「では、言わせてもらいますがね」
「なんだ」
「今現在決まっている事は、何一つありませんよ。」
「あ?」
「お二方の婚約のみで繋がっているだけの関係であったセレス王国は、戦乱の間、我関せず、預かり知らぬで通した。そして第3王子の訃報以降、婚約者不在となったオリビア様に、新たな縁談が持ち込みました。」
「ああ。だから俺が攫ってきた。」
「それが余計な事だというのです」
「なに」
「貴方は余計なことをされました。我が国は、3年半に及ぶ戦火もようやく終結し、現王の統治の下。やっと復興に向けて歩き始めました。まあ、途中、対外向けにトウゴの偽訃報を流した時は、諸外国からの介入で辟易しましたが。それもトウゴの生存発表と、力の差を貴方自身の働きで見せつけましたので。この事が広まれば、貴方の評判は、更にうなぎ上りになるでしょう。」
「…何が言いたい?」
「要するに落ち着きを取り戻したら、貴方には数多な縁談が来る。我が国に有利で有益な縁談がね。」
「だから?」
「貴方方のこの婚姻は、国としては、なんら理も得ない。承認し難いということです」
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