願いがかないますように…

kitahara

文字の大きさ
15 / 17

結婚の利益

しおりを挟む
「お前、いい加減にしとけよ。オリビアは俺が望んで迎える俺の妃だ」

 「トウゴ…」

トウゴの大きな背に庇われ、後ろ手に頭をポンと叩かれた。指の先に触れる身体は、湿っていて…鍛錬の後に水をかぶったのか髪が濡れている。頭に乗せられた手は温かく、トウゴの大きな身体に守られてるようで。強張っていた体からほっとして力が抜ける。

 遮られた視線の先では二人が睨みあい、ロードさんが根負けしたのか。

 「チッ」

 舌打ちをされました…。

 「なんだその態度は。まだ、わからんかぁ?」

そんな態度が気に入らなくて、身長差をいかせてロードに覆いかぶさるように凄んだトウゴ。
その顔をうっとしそうに手で押しやると。


 「…ええ。ええ。わかっていますよ。貴方が昔からオリビア様をご所望だということは!」

もの凄く不本意そうに。

 「なら、なんで今更いちゃもん付けてるんだ?」

 「いちゃもん?」

 「いちゃもんだろうが。決まっている事をグダグダと言ってんだからな」

 「グダグダ…決まったこと?」

トウゴの言葉に引っ掛かりを感じたのか。

 「では、言わせてもらいますがね」

 「なんだ」

 「今現在決まっている事は、何一つありませんよ。」

 「あ?」


 「お二方の婚約のみで繋がっているだけの関係であったセレス王国は、戦乱の間、我関せず、預かり知らぬで通した。そして第3王子の訃報以降、婚約者不在となったオリビア様に、新たな縁談が持ち込みました。」

 「ああ。だから俺が攫ってきた。」

 「それが余計な事だというのです」

 「なに」

 「貴方は余計なことをされました。我が国は、3年半に及ぶ戦火もようやく終結し、現王の統治の下。やっと復興に向けて歩き始めました。まあ、途中、対外向けにトウゴの偽訃報を流した時は、諸外国からの介入で辟易しましたが。それもトウゴの生存発表と、力の差を貴方自身の働きで見せつけましたので。この事が広まれば、貴方の評判は、更にうなぎ上りになるでしょう。」


 「…何が言いたい?」

 「要するに落ち着きを取り戻したら、貴方には数多な縁談が来る。我が国に有利で有益な縁談がね。」

 「だから?」

 「貴方方のこの婚姻は、国としては、なんら理も得ない。承認し難いということです」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

処理中です...