願いがかないますように…  (ダーク版) 別バージョン

kitahara

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5  恋をして…

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その封筒には、古い手紙と指輪が入っていた。

その手紙に書かれた内容は、信じがたく、この国の置かれた状況と歪な王族の存在そして、悲しい恋の顛末が綴られていた。


 私は、幸せなお姫様の話が好きで、そんな結婚ができると信じていました。
また、望んで実現できる立場にいました。
けれど、成人を前に真実を知ることになり、と同時にある場所から、この本と手紙を見つけました。



どうか、いつの時代かこの手紙を見つけた人がいるのなら、どうか、間に合う内にどうか、諦めることなく、逃げて欲しい。

この悲しい姫のお話の本は、絵空事でもなく架空の御伽話ではなく、この国で実際に起こったお話です。






 私は、とても愛した人の運命を変えることも助ける事もできなかった。
それがとても悲しくて苦しい…。

 私は、尾びれを持ち、海で生活をする海の民でした。

 優しい父母と優しい姉たちと幸せに暮らしていました。

そんなある嵐の夜に、海面近くまで遊びに出掛けていた私は、気を失い海を漂っていた人間を見つけ、浜辺まで運びました。

それはそれは、美しい人間の男の人でした。

そして、私は、日が経つにつれ、彼に会いたくなり、何度も、浜辺に出掛けて行きました。
そして、彼が、この国の王子であることを知りました。

 海の民である私には、彼に会うこともままならず、彼に恋焦がれるあまりとうとう禁忌の薬で、声と引き換えに人間となってしまいました。

 話すことのできない私は、偶然が重なった結果、彼の側で侍女として仕える事ができました。

 多分、いくつかの偶然は、海の魔女の優しいの魔法だったのでしょう 
言葉が話せない私を、彼は、優しく扱ってくれました。

とても幸せな日々でした。

けれど、日が経つにつれ、王子に違和感を感じるようになりました。

そして、今日、海を見つめながらポツリポツリと話す王子の言葉によって、真実を知ることになりました。

 言葉が離せない私だからこそ、王子の最後の独白だったのでしょう。

 私は、お暇を出されていました。


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