願いがかないますように… （ダーク版） 別バージョン

9 トウゴの…

全ては、死体なき未確認でのトウゴの死。

だからこそ、オリビアは一縷の望みをかけ生きていてと願い。

だからこそ、万が一を考え、王と機械の国は、婚姻を急いだ。

 万が一、トウゴが生きていた場合、先の婚約が優先される為。

また、新たなる統治者による軍事国家からの婚姻の要求を拒否したいとの考えから、混乱を乗じて、機械の国と早々の婚儀を済まそうとしていた。

 先日のトウゴの死亡とともに知らされたのは、第一王子による統治と戦乱の終結であった。


 軍事国家が力をつけてきた背景には、トウゴの功績が大きく彼が将軍位についてから国が大きくなっていく。

それぞれの立場が微妙で、秘匿とされていた兄弟の仲は、非常に良かった。

 表面上、兄弟の陣営は張り合いをみせながら微妙ではあったが均整を保っていた。

そんな中での、王が急死で、第一王子と第二王子の王位継承を主張する王子付きの政敵同士による貴族間での揉め事多くなり内乱が起こる。

 王国は飛火のように戦乱が広まっていく。

 元々、軍事国家で国防軍将軍職にあったトウゴは、それまでも幾度となく、命を狙われていた。

 特にひどくなったのは、オリビアとの婚約を交わしてからで、その数が極端に多くなっていた。

トウゴは、政敵や国外からの数多くの暗殺があっても、兄たちによる暗殺は一つとしてない事を知っていた。

 今回、対外的に死んだ事にしたが、ある事情が隠されていた。