9 / 13
9話
しおりを挟む
「おじいちゃんは、お祭りの準備を手伝うからほとんどいないんです。会場にずっといるらしくて」
ナミさんは、そういって俺を見た。
「体育会館まで自力で行かないといけないってこと?」
「あっ・・・いえ、下の老人ホーム万海(まんかい)さんが12時30分にバスを出してくれるそうです」
ナミさんは、困ったような嬉しそうな表情で微笑んだ。俺は、少し恥ずかしくなって、急いで話題を変えようとした。
「わかった、じゃあその、そろそろリハーサルを」
「そうですね」
ナミさんは、そういって教会へと歩みを進めた。
「開けておいてくださるといってくださっていたみたいですので、開いていると思います」
ナミさんの言う通り、教会は開いていた。
「さて、始めましょうか」
ナミさんは、そういって俺を見た。
「うん」
俺も、ナミさんを見て微笑んだ。ナミさんが自分で作ったオリジナル曲。俺も自分で曲を作ったりしていたから協力した、2人の曲。
俺は、今作っている曲を一緒に歌って欲しいとナミさんに頼まれた。俺が歌うより、ナミさん1人で歌った方がいいといったんだけど、ナミさんがどうしても一緒に音楽をしたいといってくれて、ナミさんが演奏と歌。俺が歌を歌うことになった。
曲が完成するのは案外早く、教会に早く集まってリハーサルを行った。
「俺が一緒に歌ってしまって本当に大丈夫なんだろうか」
最近までそういっていたが、そのたびにナミさんが頬をふくらませて怒るので言わなくなった。
「大丈夫、完璧です」
ナミさんがそういって、俺たちのリハーサルは、終了した。
「ナミさんはリハーサルしなくていいの?」
「大丈夫です、何度も家で弾いたので」
そういって、ナミさんは空でピアノを弾く真似をした。俺は改めてナミさんは凄いと感じた。
「それより、お祭りには出店が出るらしいですよ、行きましょう」
ナミさんは、キラキラした顔でそういった。
「去年はどうだったの?」
「行っていません。おじいちゃんが準備をしに行って、私は家にいました。毎年、人が多くて危ないからと・・・」
ナミさんは、薄く微笑んで俯いた。
「じゃあ、今年は楽しまないとね」
「はい・・・」
ナミさんはにこっと微笑んだ。お互い見つめあっていい雰囲気だったというのに、それはすぐに打ち破られた。
「おーい!ナミさん!」
教会の扉が開いて子供たちが現れた。
「万海(まんかい)のバスが来たよ!」
子供たちは、ナミさんに駆け寄った。
「みんなバスで来たのか?」
「うん!教会に向かう途中乗せて行ってくれた。今年は、ナミさんが一緒にお祭り回れるらしいから楽しみ!」
子供たちは、本当に嬉しそうに言った。ナミさんは、沢山の人に愛されているのだと感じた。
「コウタ、行くぞ!」
だが俺は、コウダ。生意気なガキ共め。
「さん、をつけろ」
俺は、すっかり町の子供たちと打ち解けていた。バスに乗りこみ、いざリハーサル会場へ。ナミさんは、白い肩掛けバックに入っていたのだろう。子どもたちに昼飯のサンドイッチを食べさせてもらっていた。俺もコンビニで買ったおにぎりをお茶で流し込む。
子供たちは子供たちで太鼓や踊りを披露する為にリハーサルに参加するらしい。
体育会館はかなり広くて沢山の人がいた。俺は、ナミさんがいなかったらお祭りにも来なかっただろう。
ずっと家で、後悔と悩みを抱えながら、ベットの上にいただろう。
リハーサルは無事終わった。といっても流れを軽く説明したりするくらいのものだったけど。それから、衣装に着替えたり、準備が始まる。ナミさんと俺は、バスに乗せてもらって出演者の人たちと舞台裏へと向かった。
ナミさんと俺は、15時から舞台裏でスタンバイしているやって仕立て屋の森さんに色々着付けなどやってもらえるらしい。森さんは、妹さんとお姉さんで仕立て屋さんをやっていて、着物の着付けからメイク、ヘアアレンジや散髪まで姉妹であらゆることができるこの町の凄い人だ。
ナミさんは、リハーサルからなんだかそわそわしていた。バスに乗って外を眺めていると、出店はもう出店準備が整っているところも多いようで俺もわくわくした。お祭りなんてどれくらいぶりだろう。
俺たちは出演までお互い別々で出演のための身支度を整えてもらう。
「お、お願いします」
「任せておいて!」
俺は、森さん(妹さん)の方に紺色の浴衣の着付けをしてもらった。俺はいいっていったのにナミさんがどうしてもというから、こうして衣装である浴衣を着せてもらうことになったのだった。
「できたよ」
髪の毛も綺麗に整えてもらった。ピンで横髪をとめてもらっって顔がすっきりした。
「女の子は男の子と違って時間がかかるから、楽しみに待っててね」
そういってもらって、俺は舞台裏の順番を待つ席で座って待っていた。
「コウタさん!」
すると、今今ステージで踊りを終えてきた女の子たちが俺に駆け寄ってきた。
「携帯見て、誰か待ってるんですか?」
「あ、うん。みんなお疲れ様。みんなの踊りみたかったな」
「ありがとうございます。ナミさんを待ってるんですか?」
「うん」
女の子たちは、男の子と違って俺に礼儀正しい。
「結婚式で、お嫁さんを待ってるみたい!今日のコウタさんはいつもと違って見える!」
「コウタさん、今日はなんかかっこいいよ」
「うん!いつもと全然違う!」
女の子たちは俺を囲んで口々に感想を述べた。
「う・・・うん、あ、ありがとね、へへ・・・へへ」
子供っていうのは正直だなぁ。ナミさんの身支度は結構時間がかかっているようで、俺はドキドキしながらその時を待っていた。でも、もうすぐ出番だというのに、ナミさんが現れる気配がない。
「大丈夫かな。ナミさん、間に合うかな」
16時10分になっても現れないナミさんに、俺は流石に不安になった。見に行こうかとも思っていたが、それは流石によくないと我慢した。なんて褒めようかとか色々考えていたのに、徐々に順番が迫ってくる不安で、どこかへいってしまった。結局ギリギリになってナミさんは現れた。
ナミさんは、そういって俺を見た。
「体育会館まで自力で行かないといけないってこと?」
「あっ・・・いえ、下の老人ホーム万海(まんかい)さんが12時30分にバスを出してくれるそうです」
ナミさんは、困ったような嬉しそうな表情で微笑んだ。俺は、少し恥ずかしくなって、急いで話題を変えようとした。
「わかった、じゃあその、そろそろリハーサルを」
「そうですね」
ナミさんは、そういって教会へと歩みを進めた。
「開けておいてくださるといってくださっていたみたいですので、開いていると思います」
ナミさんの言う通り、教会は開いていた。
「さて、始めましょうか」
ナミさんは、そういって俺を見た。
「うん」
俺も、ナミさんを見て微笑んだ。ナミさんが自分で作ったオリジナル曲。俺も自分で曲を作ったりしていたから協力した、2人の曲。
俺は、今作っている曲を一緒に歌って欲しいとナミさんに頼まれた。俺が歌うより、ナミさん1人で歌った方がいいといったんだけど、ナミさんがどうしても一緒に音楽をしたいといってくれて、ナミさんが演奏と歌。俺が歌を歌うことになった。
曲が完成するのは案外早く、教会に早く集まってリハーサルを行った。
「俺が一緒に歌ってしまって本当に大丈夫なんだろうか」
最近までそういっていたが、そのたびにナミさんが頬をふくらませて怒るので言わなくなった。
「大丈夫、完璧です」
ナミさんがそういって、俺たちのリハーサルは、終了した。
「ナミさんはリハーサルしなくていいの?」
「大丈夫です、何度も家で弾いたので」
そういって、ナミさんは空でピアノを弾く真似をした。俺は改めてナミさんは凄いと感じた。
「それより、お祭りには出店が出るらしいですよ、行きましょう」
ナミさんは、キラキラした顔でそういった。
「去年はどうだったの?」
「行っていません。おじいちゃんが準備をしに行って、私は家にいました。毎年、人が多くて危ないからと・・・」
ナミさんは、薄く微笑んで俯いた。
「じゃあ、今年は楽しまないとね」
「はい・・・」
ナミさんはにこっと微笑んだ。お互い見つめあっていい雰囲気だったというのに、それはすぐに打ち破られた。
「おーい!ナミさん!」
教会の扉が開いて子供たちが現れた。
「万海(まんかい)のバスが来たよ!」
子供たちは、ナミさんに駆け寄った。
「みんなバスで来たのか?」
「うん!教会に向かう途中乗せて行ってくれた。今年は、ナミさんが一緒にお祭り回れるらしいから楽しみ!」
子供たちは、本当に嬉しそうに言った。ナミさんは、沢山の人に愛されているのだと感じた。
「コウタ、行くぞ!」
だが俺は、コウダ。生意気なガキ共め。
「さん、をつけろ」
俺は、すっかり町の子供たちと打ち解けていた。バスに乗りこみ、いざリハーサル会場へ。ナミさんは、白い肩掛けバックに入っていたのだろう。子どもたちに昼飯のサンドイッチを食べさせてもらっていた。俺もコンビニで買ったおにぎりをお茶で流し込む。
子供たちは子供たちで太鼓や踊りを披露する為にリハーサルに参加するらしい。
体育会館はかなり広くて沢山の人がいた。俺は、ナミさんがいなかったらお祭りにも来なかっただろう。
ずっと家で、後悔と悩みを抱えながら、ベットの上にいただろう。
リハーサルは無事終わった。といっても流れを軽く説明したりするくらいのものだったけど。それから、衣装に着替えたり、準備が始まる。ナミさんと俺は、バスに乗せてもらって出演者の人たちと舞台裏へと向かった。
ナミさんと俺は、15時から舞台裏でスタンバイしているやって仕立て屋の森さんに色々着付けなどやってもらえるらしい。森さんは、妹さんとお姉さんで仕立て屋さんをやっていて、着物の着付けからメイク、ヘアアレンジや散髪まで姉妹であらゆることができるこの町の凄い人だ。
ナミさんは、リハーサルからなんだかそわそわしていた。バスに乗って外を眺めていると、出店はもう出店準備が整っているところも多いようで俺もわくわくした。お祭りなんてどれくらいぶりだろう。
俺たちは出演までお互い別々で出演のための身支度を整えてもらう。
「お、お願いします」
「任せておいて!」
俺は、森さん(妹さん)の方に紺色の浴衣の着付けをしてもらった。俺はいいっていったのにナミさんがどうしてもというから、こうして衣装である浴衣を着せてもらうことになったのだった。
「できたよ」
髪の毛も綺麗に整えてもらった。ピンで横髪をとめてもらっって顔がすっきりした。
「女の子は男の子と違って時間がかかるから、楽しみに待っててね」
そういってもらって、俺は舞台裏の順番を待つ席で座って待っていた。
「コウタさん!」
すると、今今ステージで踊りを終えてきた女の子たちが俺に駆け寄ってきた。
「携帯見て、誰か待ってるんですか?」
「あ、うん。みんなお疲れ様。みんなの踊りみたかったな」
「ありがとうございます。ナミさんを待ってるんですか?」
「うん」
女の子たちは、男の子と違って俺に礼儀正しい。
「結婚式で、お嫁さんを待ってるみたい!今日のコウタさんはいつもと違って見える!」
「コウタさん、今日はなんかかっこいいよ」
「うん!いつもと全然違う!」
女の子たちは俺を囲んで口々に感想を述べた。
「う・・・うん、あ、ありがとね、へへ・・・へへ」
子供っていうのは正直だなぁ。ナミさんの身支度は結構時間がかかっているようで、俺はドキドキしながらその時を待っていた。でも、もうすぐ出番だというのに、ナミさんが現れる気配がない。
「大丈夫かな。ナミさん、間に合うかな」
16時10分になっても現れないナミさんに、俺は流石に不安になった。見に行こうかとも思っていたが、それは流石によくないと我慢した。なんて褒めようかとか色々考えていたのに、徐々に順番が迫ってくる不安で、どこかへいってしまった。結局ギリギリになってナミさんは現れた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺をフッた幼馴染が、トップアイドルになって「もう一度やり直したい」と言ってきた
夏見ナイ
恋愛
平凡な大学生・藤堂蓮には忘れられない過去がある。高校時代、告白した幼馴染の星宮瑠奈に「アイドルになるから」とこっ酷くフラれたことだ。
数年後、瑠奈は国民的アイドル『LUNA』として輝いていた。遠い世界の住人になった彼女との再会なんて、あるはずもなかった――そう、変装した彼女が俺の前に現れ、「もう一度やり直したい」と泣きつくまでは。
トップアイドルの立場を使い強引に迫る元幼馴染と、過去の傷。揺れ動く俺の日常を照らしてくれたのは、俺の才能を信じてくれる後輩・朝霧陽葵の存在だった。
俺をフッた幼馴染か、俺を支える後輩か。過去の清算と未来の選択を描く、ほろ苦くも甘い、逆転ラブコメディ、開幕。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
美味しいコーヒーの愉しみ方 Acidity and Bitterness
碧井夢夏
ライト文芸
<第五回ライト文芸大賞 最終選考・奨励賞>
住宅街とオフィスビルが共存するとある下町にある定食屋「まなべ」。
看板娘の利津(りつ)は毎日忙しくお店を手伝っている。
最近隣にできたコーヒーショップ「The Coffee Stand Natsu」。
どうやら、店長は有名なクリエイティブ・ディレクターで、脱サラして始めたお店らしく……?
神の舌を持つ定食屋の娘×クリエイティブ界の神と呼ばれた男 2人の出会いはやがて下町を変えていく――?
定食屋とコーヒーショップ、時々美容室、を中心に繰り広げられる出会いと挫折の物語。
過激表現はありませんが、重めの過去が出ることがあります。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる