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本編
29 罪と情欲
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「嫌! 離して! もうこんなことやめようよ……リヒト!」
「駄目だ」
「ねえ、離して。お願い……」
私は涙目になりながら必死に懇願した。どうにかして拘束から逃れようと抵抗するも、やはり男性の力には敵わない。
「どうして……? この間、私を『一生守る』って言ってくれたよね? それなのに、どうしてこんな酷いことをするの……?」
そう問いかけると、リヒトはその言葉に反応するように目を見開き、僅かに手の力を緩めた。
一瞬の隙を突いて彼の拘束から逃れた私は、出入り口の方向に向かって走り出す。だが、それに気付いたリヒトがすぐに後を追いかけてきたため、扉まであと少しというところで追いつかれてしまった。
追いついた彼は透かさず私の腕を引っ張り、勢いよく自分のほうに引き寄せた。
「……っ!」
ああ……逃げても無駄だった。
そもそも、リヒトは国王直隷の宮廷魔術師だ。何の訓練も受けていない私が、日頃から厳しい戦闘訓練を積んでいる彼から逃げ切ることなど不可能だったのだ。
それに……よく考えたら、私は常に契約の指輪をはめている。これは隷属契約を解除しない限り絶対外せないし、遅かれ早かれこの指輪の機能である拘束魔法が発動していただろう。
つまり、『逃げる』という行為自体が無意味なのだ。けれども……今の私はそれでも彼から逃れたかった。
「俺だって、本当はこんな手荒な真似はしたくない」
リヒトはそう言って、私の手を引きながら祭壇のほうに引き返すと、肘掛けのない簡素な作りの長椅子のそばまで移動させた。
何とか腕を振り解こうとしたが、彼は抵抗する私の手首を後ろから魔法で拘束し床に両膝をつかせた。そして、その状態で私の背中を押し、長椅子の上にうつ伏せにさせる。
手を拘束されている上、体重をかけて上半身を押さえつけられているため、一切身動きが取れなくなってしまった。
ひたすら戸惑っていると、リヒトは長椅子に上半身だけ乗せている私に覆い被さり耳元に唇を寄せ、いつもより低い声で囁いてきた。
「でも、駄目なんだ。お前に必要なのは俺だけだと──お前を誰よりも愛しているのは俺なのだと……そう理解して貰うためには、こうするしかないんだ」
「痛い……痛いよ、リヒト……お願い、やめて……」
「お前を他の男に渡したくない──前世からずっとそう思っていたのに、俺には引き止める権利すらなかった。だから、お前があいつと付き合うことになった時も、『理想の弟』を演じて祝福した。お前達が恋人同士になってからも、俺は自分が実の姉に懸想する『異常者』であることに悩み、苦しみ続けていたんだ。他人に相談したこともある。他の異性に目を向けようと努力したこともある。でも……どんなに頑張っても、お前しか見えなかった」
「……」
「お前達には、俺の気持ちなんて絶対にわからないだろうな。何度でも言うが、俺はこれまで人一倍悩んできたんだ。……前世で、高校生になったばかりの頃、お前が高熱を出して寝込んだことがあっただろう?」
そう言われた途端、私は前世のある日のことを思い出した。
高校一年生の春頃、確かに私は入学早々高熱を出して寝込んだことがある。あの時も、彼は寝る間も惜しんで私の看病をしてくれた。
「お前は記憶にないかもしれないが……あの時、服を着替えさせたのは俺だし、体を拭いたのも俺だ」
「え……?」
確か、あの時は……朝起きた時にはもう熱が大分下がっていて、いつの間にか着ている服も変わっていた。
てっきり、様子を見に来た叔母が着替えさせてくれたものだとばかり思っていたけれど……あの時、私は望に裸を見られていたんだ……。
「最愛の人が熱で苦しんでいるのに、お前の裸を見た瞬間、俺の体は反応してしまった。あの時は、『こんな状況で姉に欲情してしまうなんて、やっぱり俺はおかしいんだ』と心底自分に嫌気がさした」
「……」
「そうやって、ずっと一人で悩んで、足掻いて、苦しんで、それでも諦められなくて……現世でまた同じ悩みを抱えながら生きることになったんだ」
独り言のように呟くリヒトの声は、どこか上ずっていて──表情は確認できないが、涙を堪えているようにも感じられた。
「こんなに苦しいのなら、生まれ変わりたくなんてなかった。お前と永遠に別れたままになったほうが良かった。お前に会えなくなるのも苦しいが、お前に拒絶されるのはもっと苦しい」
「リヒト、聞いて! 私は……!」
「黙れっ!」
激しい剣幕で怒鳴られ、私は思わず萎縮してしまう。
「どうせ、『今からでも遅くないから普通の姉弟に戻ろう』とでも言うつもりだったんだろ? 悪いが、その提案は受け入れられない。……俺はもう後戻りができないんだ」
「ち、違うよ……私が言いたいのは……」
「何が違うって言うんだ!?」
「……」
駄目だ。発言すればする程、状況が悪化していく。
私は、ただ「永遠に別れたままのほうが良かったなんて言わないで。私は現世でまたあなたと巡り会えて本当に嬉しかったよ」と伝えたかっただけなのに……。
もっとも、彼の気持ちを受け入れない限り、今は何を言っても無駄かもしれないけれど……。
「……ああ、そうだ。どうせなら、ここで交わって俺達の行為を無慈悲な神に見せつけてやろうか」
「!?」
「受け入れるんだろ……? ネイトのために」
リヒトは再び私の耳元に口を近づけると、優しく艶ややかな声音でそう囁いてきた。
「い……嫌……お願い、やめて……」
泣きながらそう切願したが、リヒトはその頼みを無視して強引に私のスカートをたくし上げる。そして、すぐさまショーツの上から秘部を愛撫し始めた。溢れ出た蜜によってクロッチ部分が濡れていくのがわかる。
「あぁっ……やぁ……」
「まだ始めたばかりなのに、もうこんなに濡れているぞ」
リヒトはそう言いながら私の秘部を執拗に刺激し、花芯を軽く抓ったり摘んだりして弄んだ。
「ひゃ……あんっ……! それ、駄目……駄目ぇ……」
繰り返される愛撫のせいで、私の下着はまるで粗相をしたかのようにぐっしょりと濡れてしまった。リヒトはそれを指摘すると、悪戯っぽく笑いながら私をからかった。
「替えの下着、持ってきていないんだろ? どうするんだ?」
「だって……リヒトがっ……! もう……やめてよぉ……ふあっ……」
「ご主人様に逆らうなんて、本当にお前は悪い子だな。さらにお仕置きが必要なようだ」
そう言われ、反射的に体を捻って抵抗したが、リヒトはそれでもお構いなしに荒々しく私の上着のボタンを外していった。
リヒトは全てのボタンを外し終えると、手際よくブラジャーを剥ぎ取る。私の両胸は、あっという間に彼の手中に収まってしまった。
リヒトは背後から私の乳房を強く揉み、甘い声を上げる私の反応を楽しむように乳首を捏ねくり回している。
「やっ……あんっ……やめっ……」
「こんなに気持ちよさそうにしていたら、罰にならない気もするけどな」
「はっ……ん……胸、もう弄らないで……いやぁ……」
「どうだ? セレス。こうやって毎日俺と気持ちよくなって、姉弟仲良く快楽の淵に堕ちていくのもいいと思わないか? ……お前が一緒に堕ちてくれるなら、俺はもうお前に『俺を好きになれ』と無理強いしたりはしない」
「そんなの……嫌だよ……いやぁっ……!」
「まったく、本当にお前は強情だな。……そろそろいいか」
リヒトはそう呟くと、快楽のあまり身を震わせている私の太腿を掴み、ショーツの上から濡れたクロッチ部分を舐め上げた。
「ひゃっ……!?」
「そろそろ、お前もこれが欲しくなってきた頃だろう?」
敏感になった秘部を舐められ悶えていると、今度は臀部に硬いものを押し付けられた。
頭を押さえつけられているため、後ろを振り返ることさえままならないが……不本意ながら処女ではなくなってしまった私には、それが何であるかは容易に想像できた。
「や……やめて……」
「駄目だ。やめない。言ったろ? 俺達を再び姉弟として巡り会わせた無慈悲な神に、この行為を見せつけてやるって」
そう言いながら、リヒトは私のショーツに手をかけ少しずらすと、そのまま秘部を露出させる。敏感になってひくひくしている秘部が、ひんやりと冷たい空気に触れた。
次の瞬間、私の中に熱い杭が打ち込まれた。深々とねじ込まれたそれは、私の膣内を征服し、掻き回し、子宮口を激しく攻め立てた。
「ひゃんっ……!? あんっ……! やぁっ……!」
「こうやって後ろからするのも悪くないだろ?」
「やだっ……あんっ……」
「神様の前で、大嫌いな弟に陵辱される気分はどうだ?」
「……っ」
リヒトはこれから毎日私に罰を与えると言っていた。きっと彼は本気だろうから、私は否応なしに弟と体を重ね続けることになるだろう。
溢れ出た涙で、目の前がぼんやりとする。ふと、視界の端にステンドグラスに描かれたこの世界の神様が映った。その表情はどこか悲しげで、私達の罪深い行為に対して嘆いているようにも見えた。
リヒトは今、どんな顔で私を犯しているんだろう?
怒っている? 笑っている? それとも──私と同じように、泣いているの?
「お前の心が手に入らないなら、せめて体だけは繋がっていたいんだ。……わかるだろ?」
「ん……はっ……あんっ……こ、こんなことを続けていたら……私、いつか妊娠しちゃうよ……!」
「ああ、俺とセレスの子供か……きっと可愛いだろうな。そうか、ついに前世からの夢が叶うのか。それに……子供が生まれたら、お前も考えが変わるかもしれない」
「や、やめて……! もし、私達の間に子供なんて生まれたら……!」
絶対、隠し通せるはずがない。
魔法が使えず厄介払いされた私は今さら何を言われようと構わないけれど……もしそうなったら、リヒトだって親戚中から非難されることになるだろう。
……そんなの、絶対に駄目だ。将来有望なリヒトの未来を潰すわけにはいかない。頼りないとはいえ、仮にも私は姉だ。弟が道を誤ろうとしているなら、全力で止めないと……。
「ねえ、お願い……どうしてわかってくれないの……?」
「お前こそ、どうして俺の気持ちをわかってくれないんだ? ……そろそろ出すぞ」
「えっ……!? やだっ! やめて! いやぁぁぁ!」
そう叫んだが、どんどん動きは激しくなり──リヒトはそのまま容赦なく私の膣内に欲を吐き出した。彼が私の中から自身を引き抜いた瞬間、どろりとした熱い液体が太腿を伝った。前回よりも量が多く感じる。
「……こんなに一杯……いやぁ……」
「仕方ないだろ。ここの所、ずっとお前のことで悩んでいて発散していなかったんだから。でも……これからはその心配はいらないよな?」
リヒトは背後から私に覆い被さると、両肩を掴み髪に顔を埋めながらそう言った。
「駄目だ」
「ねえ、離して。お願い……」
私は涙目になりながら必死に懇願した。どうにかして拘束から逃れようと抵抗するも、やはり男性の力には敵わない。
「どうして……? この間、私を『一生守る』って言ってくれたよね? それなのに、どうしてこんな酷いことをするの……?」
そう問いかけると、リヒトはその言葉に反応するように目を見開き、僅かに手の力を緩めた。
一瞬の隙を突いて彼の拘束から逃れた私は、出入り口の方向に向かって走り出す。だが、それに気付いたリヒトがすぐに後を追いかけてきたため、扉まであと少しというところで追いつかれてしまった。
追いついた彼は透かさず私の腕を引っ張り、勢いよく自分のほうに引き寄せた。
「……っ!」
ああ……逃げても無駄だった。
そもそも、リヒトは国王直隷の宮廷魔術師だ。何の訓練も受けていない私が、日頃から厳しい戦闘訓練を積んでいる彼から逃げ切ることなど不可能だったのだ。
それに……よく考えたら、私は常に契約の指輪をはめている。これは隷属契約を解除しない限り絶対外せないし、遅かれ早かれこの指輪の機能である拘束魔法が発動していただろう。
つまり、『逃げる』という行為自体が無意味なのだ。けれども……今の私はそれでも彼から逃れたかった。
「俺だって、本当はこんな手荒な真似はしたくない」
リヒトはそう言って、私の手を引きながら祭壇のほうに引き返すと、肘掛けのない簡素な作りの長椅子のそばまで移動させた。
何とか腕を振り解こうとしたが、彼は抵抗する私の手首を後ろから魔法で拘束し床に両膝をつかせた。そして、その状態で私の背中を押し、長椅子の上にうつ伏せにさせる。
手を拘束されている上、体重をかけて上半身を押さえつけられているため、一切身動きが取れなくなってしまった。
ひたすら戸惑っていると、リヒトは長椅子に上半身だけ乗せている私に覆い被さり耳元に唇を寄せ、いつもより低い声で囁いてきた。
「でも、駄目なんだ。お前に必要なのは俺だけだと──お前を誰よりも愛しているのは俺なのだと……そう理解して貰うためには、こうするしかないんだ」
「痛い……痛いよ、リヒト……お願い、やめて……」
「お前を他の男に渡したくない──前世からずっとそう思っていたのに、俺には引き止める権利すらなかった。だから、お前があいつと付き合うことになった時も、『理想の弟』を演じて祝福した。お前達が恋人同士になってからも、俺は自分が実の姉に懸想する『異常者』であることに悩み、苦しみ続けていたんだ。他人に相談したこともある。他の異性に目を向けようと努力したこともある。でも……どんなに頑張っても、お前しか見えなかった」
「……」
「お前達には、俺の気持ちなんて絶対にわからないだろうな。何度でも言うが、俺はこれまで人一倍悩んできたんだ。……前世で、高校生になったばかりの頃、お前が高熱を出して寝込んだことがあっただろう?」
そう言われた途端、私は前世のある日のことを思い出した。
高校一年生の春頃、確かに私は入学早々高熱を出して寝込んだことがある。あの時も、彼は寝る間も惜しんで私の看病をしてくれた。
「お前は記憶にないかもしれないが……あの時、服を着替えさせたのは俺だし、体を拭いたのも俺だ」
「え……?」
確か、あの時は……朝起きた時にはもう熱が大分下がっていて、いつの間にか着ている服も変わっていた。
てっきり、様子を見に来た叔母が着替えさせてくれたものだとばかり思っていたけれど……あの時、私は望に裸を見られていたんだ……。
「最愛の人が熱で苦しんでいるのに、お前の裸を見た瞬間、俺の体は反応してしまった。あの時は、『こんな状況で姉に欲情してしまうなんて、やっぱり俺はおかしいんだ』と心底自分に嫌気がさした」
「……」
「そうやって、ずっと一人で悩んで、足掻いて、苦しんで、それでも諦められなくて……現世でまた同じ悩みを抱えながら生きることになったんだ」
独り言のように呟くリヒトの声は、どこか上ずっていて──表情は確認できないが、涙を堪えているようにも感じられた。
「こんなに苦しいのなら、生まれ変わりたくなんてなかった。お前と永遠に別れたままになったほうが良かった。お前に会えなくなるのも苦しいが、お前に拒絶されるのはもっと苦しい」
「リヒト、聞いて! 私は……!」
「黙れっ!」
激しい剣幕で怒鳴られ、私は思わず萎縮してしまう。
「どうせ、『今からでも遅くないから普通の姉弟に戻ろう』とでも言うつもりだったんだろ? 悪いが、その提案は受け入れられない。……俺はもう後戻りができないんだ」
「ち、違うよ……私が言いたいのは……」
「何が違うって言うんだ!?」
「……」
駄目だ。発言すればする程、状況が悪化していく。
私は、ただ「永遠に別れたままのほうが良かったなんて言わないで。私は現世でまたあなたと巡り会えて本当に嬉しかったよ」と伝えたかっただけなのに……。
もっとも、彼の気持ちを受け入れない限り、今は何を言っても無駄かもしれないけれど……。
「……ああ、そうだ。どうせなら、ここで交わって俺達の行為を無慈悲な神に見せつけてやろうか」
「!?」
「受け入れるんだろ……? ネイトのために」
リヒトは再び私の耳元に口を近づけると、優しく艶ややかな声音でそう囁いてきた。
「い……嫌……お願い、やめて……」
泣きながらそう切願したが、リヒトはその頼みを無視して強引に私のスカートをたくし上げる。そして、すぐさまショーツの上から秘部を愛撫し始めた。溢れ出た蜜によってクロッチ部分が濡れていくのがわかる。
「あぁっ……やぁ……」
「まだ始めたばかりなのに、もうこんなに濡れているぞ」
リヒトはそう言いながら私の秘部を執拗に刺激し、花芯を軽く抓ったり摘んだりして弄んだ。
「ひゃ……あんっ……! それ、駄目……駄目ぇ……」
繰り返される愛撫のせいで、私の下着はまるで粗相をしたかのようにぐっしょりと濡れてしまった。リヒトはそれを指摘すると、悪戯っぽく笑いながら私をからかった。
「替えの下着、持ってきていないんだろ? どうするんだ?」
「だって……リヒトがっ……! もう……やめてよぉ……ふあっ……」
「ご主人様に逆らうなんて、本当にお前は悪い子だな。さらにお仕置きが必要なようだ」
そう言われ、反射的に体を捻って抵抗したが、リヒトはそれでもお構いなしに荒々しく私の上着のボタンを外していった。
リヒトは全てのボタンを外し終えると、手際よくブラジャーを剥ぎ取る。私の両胸は、あっという間に彼の手中に収まってしまった。
リヒトは背後から私の乳房を強く揉み、甘い声を上げる私の反応を楽しむように乳首を捏ねくり回している。
「やっ……あんっ……やめっ……」
「こんなに気持ちよさそうにしていたら、罰にならない気もするけどな」
「はっ……ん……胸、もう弄らないで……いやぁ……」
「どうだ? セレス。こうやって毎日俺と気持ちよくなって、姉弟仲良く快楽の淵に堕ちていくのもいいと思わないか? ……お前が一緒に堕ちてくれるなら、俺はもうお前に『俺を好きになれ』と無理強いしたりはしない」
「そんなの……嫌だよ……いやぁっ……!」
「まったく、本当にお前は強情だな。……そろそろいいか」
リヒトはそう呟くと、快楽のあまり身を震わせている私の太腿を掴み、ショーツの上から濡れたクロッチ部分を舐め上げた。
「ひゃっ……!?」
「そろそろ、お前もこれが欲しくなってきた頃だろう?」
敏感になった秘部を舐められ悶えていると、今度は臀部に硬いものを押し付けられた。
頭を押さえつけられているため、後ろを振り返ることさえままならないが……不本意ながら処女ではなくなってしまった私には、それが何であるかは容易に想像できた。
「や……やめて……」
「駄目だ。やめない。言ったろ? 俺達を再び姉弟として巡り会わせた無慈悲な神に、この行為を見せつけてやるって」
そう言いながら、リヒトは私のショーツに手をかけ少しずらすと、そのまま秘部を露出させる。敏感になってひくひくしている秘部が、ひんやりと冷たい空気に触れた。
次の瞬間、私の中に熱い杭が打ち込まれた。深々とねじ込まれたそれは、私の膣内を征服し、掻き回し、子宮口を激しく攻め立てた。
「ひゃんっ……!? あんっ……! やぁっ……!」
「こうやって後ろからするのも悪くないだろ?」
「やだっ……あんっ……」
「神様の前で、大嫌いな弟に陵辱される気分はどうだ?」
「……っ」
リヒトはこれから毎日私に罰を与えると言っていた。きっと彼は本気だろうから、私は否応なしに弟と体を重ね続けることになるだろう。
溢れ出た涙で、目の前がぼんやりとする。ふと、視界の端にステンドグラスに描かれたこの世界の神様が映った。その表情はどこか悲しげで、私達の罪深い行為に対して嘆いているようにも見えた。
リヒトは今、どんな顔で私を犯しているんだろう?
怒っている? 笑っている? それとも──私と同じように、泣いているの?
「お前の心が手に入らないなら、せめて体だけは繋がっていたいんだ。……わかるだろ?」
「ん……はっ……あんっ……こ、こんなことを続けていたら……私、いつか妊娠しちゃうよ……!」
「ああ、俺とセレスの子供か……きっと可愛いだろうな。そうか、ついに前世からの夢が叶うのか。それに……子供が生まれたら、お前も考えが変わるかもしれない」
「や、やめて……! もし、私達の間に子供なんて生まれたら……!」
絶対、隠し通せるはずがない。
魔法が使えず厄介払いされた私は今さら何を言われようと構わないけれど……もしそうなったら、リヒトだって親戚中から非難されることになるだろう。
……そんなの、絶対に駄目だ。将来有望なリヒトの未来を潰すわけにはいかない。頼りないとはいえ、仮にも私は姉だ。弟が道を誤ろうとしているなら、全力で止めないと……。
「ねえ、お願い……どうしてわかってくれないの……?」
「お前こそ、どうして俺の気持ちをわかってくれないんだ? ……そろそろ出すぞ」
「えっ……!? やだっ! やめて! いやぁぁぁ!」
そう叫んだが、どんどん動きは激しくなり──リヒトはそのまま容赦なく私の膣内に欲を吐き出した。彼が私の中から自身を引き抜いた瞬間、どろりとした熱い液体が太腿を伝った。前回よりも量が多く感じる。
「……こんなに一杯……いやぁ……」
「仕方ないだろ。ここの所、ずっとお前のことで悩んでいて発散していなかったんだから。でも……これからはその心配はいらないよな?」
リヒトは背後から私に覆い被さると、両肩を掴み髪に顔を埋めながらそう言った。
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