〜Marigold〜 恋人ごっこはキスを禁じて

嘉多山瑞菜

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第八章 ―もっと…楽で楽しい恋愛がしたかった…—

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 くちゅっ…ぴちゃっ…淫猥な水音が薄暗い部屋に響き渡る。

「…ぁぁ…やめっ…もう…」

 桂が切れ切れに許しを乞う。もう理性は焼け切れる寸前で…腰からの際限なく全身を襲う焦れたような快感に桂は身体を身悶えさせて捩っていた。

 亮は、瞳に涙を浮かべて喘ぐ唇から必至で哀願の言葉を呟く桂の顔を覗きこむと、クッと喉の奥で笑って酷薄な声音であっさりと桂の願いを却下した。

「ダメだ。桂。まだまだだよ…」

 言って、もう一度桂の足の間に身体を沈めると自分の手の中で限界まで張り詰めピクピクと脈打っている桂自身を再びスルッと口に含んだ。

「…ゃぁっ…」

 桂が辛そうな嬌声を上げて体を弓なりに撓らせる。もう…本当に限界で…早く…早く果ててしまいたかった。

 亮の口の中でクチュクチュと弄ばれているそれは放出を促されているのに…達する事が出来なくて…。

 桂のペニスの根元には先程亮がつけたリングが嵌まっている。それは亮の与える愛撫で限界まで膨れ上がっている桂の雄心を戒めていたのだ。

 いつも意地悪に手で欲望の捌けを堰きとめられる事はあっても、器具を使われたのは初めてだった。

 リングは執拗に桂のペニスに食い込み、桂の射精を妨げている。それなのに亮はわざと桂を口に含み感じる鈴口を舌先で抉ったり、喉奥まで咥え頬を窄ませて強烈に抜きあげていったりする。

 その度に桂は射精感を募らせ…全身に荒れ狂う熱をやり過ごすことも出来ず、痺れるような快楽に身を委ねては身体を震わせていた。 

 亮の執拗な口戯に桂の腰から下は溶けてなくなってしまいそうで…それなのに亮は更にゆっくりと桂の隠された蕾に指を数本差し入れては、的確に桂の感じるポイントを嬲っていく。

 桂は亮の齎す愛撫に甘い喘ぎを漏らすばかり。それでも甲高い嬌声を上げるのが恥ずかしくて桂は必死に口を自分の手で覆っては喘ぎを殺そうとする。

 それを許さないとばかりに、亮は一層口の中の桂を苛みつづけ、そして自分の指をヒクヒクと噛む桂の内をヌクヌクと擦り上げていたのだ。

 自分の中を淫らに掻き回す亮の指に全身を痙攣させながら、桂は下半身に身を埋めたままの亮の姿を見つめる。快感を逃がすように身体を僅かに捩り、亮の髪をクシャクシャと掻き撫ぜた。

 どうしてこんなに?…快楽の淵に溺れかけながら桂はさっきの亮との会話を思い出していた。
 
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