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5ページ目 気づくの遅えよ
中編①
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好きな気持ちを自覚した途端、ナーバスになった圭介に、さらに追い討ちをかけるような出来事が一つ。
何とか、動揺を押し殺して、気持ちを立て直してフロアーに戻る。
先ほどのちょっとした騒ぎを、もう皆忘れて黙々とPCに向かい、仕事をしていた。
その変わらない状況に、ほんの少し落ち着きを取り戻して、圭介もデスクに向かうと仕事に集中しようとする。
周囲が慌しいと気づいたのは、その騒ぎが自分の背後にまで迫っていたから。
キャーキャーと叫ぶスタッフや女性社員たち、引いては男性社員まで色めきたった様子で、席を立ち、フロアからバタバタと走り出していく。
「えっ・・・なっ、何の騒ぎ・・・?」
フロアの入り口に向かって、一目散に走っていく女性社員を何とか捕まえると、騒ぎの原因を尋ねた。すると、その女性社員は、興奮冷めやらぬ様子で眼をキラキラさせながら、圭介にとって衝撃的なことを口にした。
「近藤マネージャーの奥様がいらしているそうですよ!すっごい美人で、いかにもセレブっぽいんですって!!」
グラリと視界が歪んだような気がした。
― オクサマ ―
蒼白になった圭介に気づかず、その女性社員は「吉崎さんも見に行きましょう」と言って、圭介の袖を引っ張ると、そのまま、受付脇にある商談スペースへと連れていく。
この会社の商談スペースは一風変わっていた。
バイヤー達が普段、メーカーやベンダーと仕入れ交渉を行うスペースなのだが、敢えてブース形式にせずに、円卓が、整然と並んでいるのだ。
これは、笹倉がそれぞれのテーブルで交渉を行えば、メーカーや問屋側も、隣の商談相手、つまりは自分達のライバルを意識して値下げ交渉がしやすくなると提言したためだった。
そのため、毎週、サイト更新の金曜日を過ぎると、活発にバイヤー達が商談を行う光景が、このスペースで繰り広げられる。
そして、笹倉が提案した中で一番変わっているのが、これ・・・今、女性社員達が群がり、そして圭介が立っているこの場所だった。
受付脇に設えてある給湯室にも見えるようなドアを入ると、人が10人も入れば一杯になる小部屋がある。
商談スペースには、セキュリティ用の監視カメラが設置してあり、この部屋では、その映像をモニターで見ることが出来るようになっているのだ。
バイヤー達は、全員、このカメラで商談スペースのどこに、自分と取引相手が座るかを決めてから、商談に望むことが義務付けられていた。
似た商材を扱う取引先がいたら、その取引先の動向がわざと視界に入るような位置に、自分の取引相手を座らせる。
ライバルの取引先を自ずと意識する環境に置かれると、どんなやり手の営業マンでも、こちら側の術中に嵌ってしまう。それが、笹倉の指示だった。
そんな造りが、圭介を絶望の淵に追い込んでいく。
「・・・・・・ぁ・・・・・・」
圭介は目の前のモニターを、凍りついたように見つめていた。
舌の根が固まってしまったかのように、動かない。
ねー、やっぱり綺麗な奥様でしょ・・・そんな周囲が騒ぐ声も耳に入ってこなくて、突きつけられた現実に、足がガタガタ震えるのを止めることが出来ない。
写真より、はるかに綺麗な女性だった。
華奢さと華やかさを合わせもっていて、すらりとした体躯を、淡いグレーのワンピースで包んでいる。すらりとしたラインの足には上品なエナメルのハイヒール。
傍らには、同じくエナメルのコンパクトなバッグが置かれており、そのどれもが一流ブランドのモノだと見て取れる、垢抜けたセンスの良いファッション。
大きな瞳が愛しげに近藤を見つめており、はしゃいだような明るい笑顔が、ひどく魅力的にかわいらしく見える。
いかにも良家の育ちといった風情の、その女性は圭介から見ても、近藤と見事な一対となって、圭介の周囲の羨望を一身に集めていた。
近藤はこちらに背を向けているので彼の表情は窺いしれない。だが、妻の話に熱心に聞き入っているのだろう、ふっと身を妻に向かって乗り出し、そして・・・彼女の前髪に何かがついていたのか、優雅な動きで取ってやっているのが、圭介の視界に入ってきた。
取ってやったものを見せてやっているのか、二人で顔を付け合せるようにして、笑いあっている。彼女が口元に手のひらを当てて、クスクス笑っているのが見えた瞬間、圭介に限界が訪れていた。
モニタールームを後にすると、トイレに駆け込む。
個室にこもって鍵をかけると、そのままドアに突っ伏した。
「・・・うっ・・・ふっ・・・・・・!」
なんで、こんな光景に傷つかなければいけないのか・・・、近藤に妻がいることなど、分かりきっていたことなのに。
熱いものが頬を伝って、自分が泣いていることに圭介は気づく。泣くまい、と思っても、どんなに歯を食いしばっても、涙は後から後から零れ落ちてくる。
精悍な男に美しい妻・・・誰もが羨む、完璧なカップル。
― オマエニホレタ ―
どうして、そんな言葉を信じてしまったのか・・・彼に取っては一時の気まぐれではなかったのか・・・。
ほら・・・やっぱり嘘じゃないか・・・
からかわれたんだ・・・
そう思いたくても、近藤は今自分の部屋にいて、甘い言葉を自分にくれる。
妻と楽しげに話す近藤・・・自分の部屋で邪気なく眠る近藤。一体どっちの姿が本当の近藤なのか。
それでも・・・それでも・・・もう自分は近藤を好きになってしまっている。
こんなにも、彼に触れられて過敏になってしまうほど・・・彼に妻がいることに傷ついてしまうほど・・・・・・泣いてしまうほどに・・・。
気付くのが遅すぎたのだ・・・もっと早くに気付いていれば・・・
もっとお互いの関係は変わったのだろうか・・・
考えても愚かだとは分かっているのに、それでも、圭介は考えてしまう。
ドアに縋る拳にギュッと力が入る。
答えなどありはしないのだ。
もとから地獄に落ちる恋だと分かっていたのだから。
たとえ気付くのが遅すぎたとしても・・・もう止めることなどは出来ないのだから・・・。
どうしたらいい・・・どうしたら・・・
好きだと気付いて、彼の傍にいるための強い力が欲しいと願って・・・それでも、彼の現実に傷ついて・・・もっと早くに気付いていればと、後悔をして・・・。
一体、どうすればいい・・・自分はどうしたら良いのか・・・
揺れる気持ちを持て余しながら、圭介は、ただただ慟哭し続けていた。
何とか、動揺を押し殺して、気持ちを立て直してフロアーに戻る。
先ほどのちょっとした騒ぎを、もう皆忘れて黙々とPCに向かい、仕事をしていた。
その変わらない状況に、ほんの少し落ち着きを取り戻して、圭介もデスクに向かうと仕事に集中しようとする。
周囲が慌しいと気づいたのは、その騒ぎが自分の背後にまで迫っていたから。
キャーキャーと叫ぶスタッフや女性社員たち、引いては男性社員まで色めきたった様子で、席を立ち、フロアからバタバタと走り出していく。
「えっ・・・なっ、何の騒ぎ・・・?」
フロアの入り口に向かって、一目散に走っていく女性社員を何とか捕まえると、騒ぎの原因を尋ねた。すると、その女性社員は、興奮冷めやらぬ様子で眼をキラキラさせながら、圭介にとって衝撃的なことを口にした。
「近藤マネージャーの奥様がいらしているそうですよ!すっごい美人で、いかにもセレブっぽいんですって!!」
グラリと視界が歪んだような気がした。
― オクサマ ―
蒼白になった圭介に気づかず、その女性社員は「吉崎さんも見に行きましょう」と言って、圭介の袖を引っ張ると、そのまま、受付脇にある商談スペースへと連れていく。
この会社の商談スペースは一風変わっていた。
バイヤー達が普段、メーカーやベンダーと仕入れ交渉を行うスペースなのだが、敢えてブース形式にせずに、円卓が、整然と並んでいるのだ。
これは、笹倉がそれぞれのテーブルで交渉を行えば、メーカーや問屋側も、隣の商談相手、つまりは自分達のライバルを意識して値下げ交渉がしやすくなると提言したためだった。
そのため、毎週、サイト更新の金曜日を過ぎると、活発にバイヤー達が商談を行う光景が、このスペースで繰り広げられる。
そして、笹倉が提案した中で一番変わっているのが、これ・・・今、女性社員達が群がり、そして圭介が立っているこの場所だった。
受付脇に設えてある給湯室にも見えるようなドアを入ると、人が10人も入れば一杯になる小部屋がある。
商談スペースには、セキュリティ用の監視カメラが設置してあり、この部屋では、その映像をモニターで見ることが出来るようになっているのだ。
バイヤー達は、全員、このカメラで商談スペースのどこに、自分と取引相手が座るかを決めてから、商談に望むことが義務付けられていた。
似た商材を扱う取引先がいたら、その取引先の動向がわざと視界に入るような位置に、自分の取引相手を座らせる。
ライバルの取引先を自ずと意識する環境に置かれると、どんなやり手の営業マンでも、こちら側の術中に嵌ってしまう。それが、笹倉の指示だった。
そんな造りが、圭介を絶望の淵に追い込んでいく。
「・・・・・・ぁ・・・・・・」
圭介は目の前のモニターを、凍りついたように見つめていた。
舌の根が固まってしまったかのように、動かない。
ねー、やっぱり綺麗な奥様でしょ・・・そんな周囲が騒ぐ声も耳に入ってこなくて、突きつけられた現実に、足がガタガタ震えるのを止めることが出来ない。
写真より、はるかに綺麗な女性だった。
華奢さと華やかさを合わせもっていて、すらりとした体躯を、淡いグレーのワンピースで包んでいる。すらりとしたラインの足には上品なエナメルのハイヒール。
傍らには、同じくエナメルのコンパクトなバッグが置かれており、そのどれもが一流ブランドのモノだと見て取れる、垢抜けたセンスの良いファッション。
大きな瞳が愛しげに近藤を見つめており、はしゃいだような明るい笑顔が、ひどく魅力的にかわいらしく見える。
いかにも良家の育ちといった風情の、その女性は圭介から見ても、近藤と見事な一対となって、圭介の周囲の羨望を一身に集めていた。
近藤はこちらに背を向けているので彼の表情は窺いしれない。だが、妻の話に熱心に聞き入っているのだろう、ふっと身を妻に向かって乗り出し、そして・・・彼女の前髪に何かがついていたのか、優雅な動きで取ってやっているのが、圭介の視界に入ってきた。
取ってやったものを見せてやっているのか、二人で顔を付け合せるようにして、笑いあっている。彼女が口元に手のひらを当てて、クスクス笑っているのが見えた瞬間、圭介に限界が訪れていた。
モニタールームを後にすると、トイレに駆け込む。
個室にこもって鍵をかけると、そのままドアに突っ伏した。
「・・・うっ・・・ふっ・・・・・・!」
なんで、こんな光景に傷つかなければいけないのか・・・、近藤に妻がいることなど、分かりきっていたことなのに。
熱いものが頬を伝って、自分が泣いていることに圭介は気づく。泣くまい、と思っても、どんなに歯を食いしばっても、涙は後から後から零れ落ちてくる。
精悍な男に美しい妻・・・誰もが羨む、完璧なカップル。
― オマエニホレタ ―
どうして、そんな言葉を信じてしまったのか・・・彼に取っては一時の気まぐれではなかったのか・・・。
ほら・・・やっぱり嘘じゃないか・・・
からかわれたんだ・・・
そう思いたくても、近藤は今自分の部屋にいて、甘い言葉を自分にくれる。
妻と楽しげに話す近藤・・・自分の部屋で邪気なく眠る近藤。一体どっちの姿が本当の近藤なのか。
それでも・・・それでも・・・もう自分は近藤を好きになってしまっている。
こんなにも、彼に触れられて過敏になってしまうほど・・・彼に妻がいることに傷ついてしまうほど・・・・・・泣いてしまうほどに・・・。
気付くのが遅すぎたのだ・・・もっと早くに気付いていれば・・・
もっとお互いの関係は変わったのだろうか・・・
考えても愚かだとは分かっているのに、それでも、圭介は考えてしまう。
ドアに縋る拳にギュッと力が入る。
答えなどありはしないのだ。
もとから地獄に落ちる恋だと分かっていたのだから。
たとえ気付くのが遅すぎたとしても・・・もう止めることなどは出来ないのだから・・・。
どうしたらいい・・・どうしたら・・・
好きだと気付いて、彼の傍にいるための強い力が欲しいと願って・・・それでも、彼の現実に傷ついて・・・もっと早くに気付いていればと、後悔をして・・・。
一体、どうすればいい・・・自分はどうしたら良いのか・・・
揺れる気持ちを持て余しながら、圭介は、ただただ慟哭し続けていた。
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