25 / 84
2.5 セフィリオの恋と愛 (セフィリオ視点)
① (セフィリオ視点)
しおりを挟む
★小説家になろう様ではのせていなかったエピソードです。
**************
「何だか見違えたわね」
僕の魔術の師は、そう言って、部屋を見渡し、僕を見つめた。
僕の書斎で、ソファに向かい合って座り、彼女は優雅に自分で入れたお茶を飲んでいる。
「レイチェル。それ、ここに来る度に言ってるよ」
だから、この言葉を聞くのは、この2ヶ月ですでに7回目だ。
僕は、ローテーブルの上の魔素計のデータから視線あげて、レイチェルを見た。
先ほどまで魔素濃度について議論していた、魔術師としてでは無く、僕の保護者としての彼女がそこにはいた。
レイチェルは、貴族婦人にあるまじき……いや、稀有な喜怒哀楽の激しい女性なのだけど、今日はいつになく機嫌がいいらしい。
「来る度に変わっているのだから、何度でも言うわ」
「そう」
「ええ。
アレクセイが来て、本当に見違えたもの。
屋敷も。セフィリオ、貴方もね」
「僕も、そう思うよ」
アレクが王都の僕の屋敷で過ごすようになって、2ヶ月が経った。
この間、幸いにも【スタンピード】は起こっていない。
アレクと一緒に暮らすようになって、王都の僕の屋敷は、日に日に片付き、きれいになっていった。
開け放たれた窓からは、外の音や人の声が聞こえ、軽やかな風が通り抜ける。
日の光が差し込んで、室内の空気をきらきらと輝かせている。
変わったのは、物理的なことだけではない。
単に、屋敷の物が片付いて整頓され、換気されたということでは無いのだ。
屋敷が、室内が、僕の周りを包む空気が、清涼で安穏としたものに変わっているのがはっきりと分かるのだ。
「もう、ここに移って5年以上経つけど」
「そんなに経つのね」
「うん。あの時、12歳だったからね」
「そう……そうだったわね」
10歳まで、王宮の一室に軟禁されていた僕は、前国王亡き後しばらくして、この王都の屋敷を与えられ移り住んだ。
はっきり言えば、厄介払いだ。
この国の出生すら公表されていない、第四王子なんて、厄介者以外の何ものでもない。
それでも、家を与えられ、生活が保障されているのは、現国王である兄や、レイチェルたちの尽力によるものだ。
「僕も、この家がこんなに住みやすいなんて、最近知ったよ」
僕が一人でいた時の、痛いほどの静寂や、殺伐として暗然たる空気は、今やほんの僅かも残っていない。
「アレクはいないときも、存在感があるよね」
彼がこの屋敷にいない時でも、生き生きとした、明るいもので、僕の周りは満たされている。
そして、満たされているのは、屋敷だけでは無い。
「セフィリオの顔色も、これまでで一番いいわ。
食事もとっているようで、安心ね」
「アレクの料理は美味しいからね」
アレクが僕のために作ってくれた料理たち。
それだけで、食欲がわかないはずがない。
そして、それは本当に美味しい。
1日3食、食事の時間になると、芳しい匂いが漂ってくる。
これも、この屋敷ではこれまで無かったことだ。
アレクが料理を始めると、まず香ばしい匂いが広がってくる。そして、徐々に芳醇な温かな料理の匂いに変わっていく。
僕がどんなに作業に没頭していても、その匂いを嗅ぐ過程で段々と空腹を自覚するようになる。
そして、食卓に並んだ色彩豊かな料理と、アレクの存在と、彼が僕に食事を促す言葉の全てで、僕はご飯を美味しくいただくことになるのだ。
何かに集中すると、僕は食事を抜くことが多かった。
けれど、アレクのお陰で、僕は自然と、毎食きちんと食事をとるようになった。
「夜は……眠れているようね」
僕の顔を観察しながら、くすくすと笑いレイチェルは言う。
言葉の中に、下世話な色を感じて、僕は手を止めて顔を上げ、
「…………眠れてるよ」
短く答えた。
本当に、悪趣味なんだから。
シュバルツ公爵領で過ごしてから、2年が経ち、王都の共同慰霊碑で再開したアレクは、より一層精悍な逞しい男性になっていた。
少し癖のある金髪が風に揺れて、新緑の瞳は真っ直ぐに変わらない輝きを放っていた。
決して大柄では無いけれど、引き締まった体躯はより屈強な趣となり、彼全体から放射される存在感に、僕は思わず息を飲んだ。
明朗で穏やかなところはそのままで、彼はより魅力的になっていた。
家族や、村の人々が眠る場所で、アレクは彼自身の体質のことや、これまで抱えてきた想いを僕に話してくれた。
一人で抱えるには、重過ぎるこれまでと、今。
けれど、彼は10年間。
それを抱えたままで過ごしてきたのだ。
たった一人で。
涙を流しながら、自身の心を吐露するアレクの姿は、やはりとても強く、美しかった。
あんな姿を委ねられたら。
僕は、もう。
愛さずにはいられなかった。
僕のアレクへの想いは、たぶん憧れの部分も大きかったのだけど。
あの時、それは恋だとか、愛だとか、愛しくて仕方がない、そういうものに進化した。
こんなにも、人を愛おしく思うときが来るなんて。
「アレクセイは、今日はどうしているの?」
「今日は、ギルドからの指名依頼がきていて、出ているよ」
「あら、依頼を受けたのね」
「全部断っているわけでは無くて、選んでいるみたい」
アレクは当初、王都の冒険者ギルドに関わることを非常に嫌がっていた。
以前、何かトラブルがあったようで、悪い印象しかないらしい。
詳しくは教えてくれなかったけど、きっと貴族絡みの……彼を取り込もうとでもした、策略に巻き込まれたのだろう。
冒険者ギルドは、通常、他の利権から独立した組織だけれど、貴族の屋敷の立ち並ぶ王都では、その原則を貫くことは難しい。
報酬や、社会的地位を振りかざされれば、是とせねばならない部分も出てくるのだ。
と、いうか王都の場合は、金銭による単純な癒着がある。
先日、僕が魔素計設置の依頼をするために、貴族の屋敷を訪れた際、アレクは同伴してくれた。
しかし、その屋敷では魔獣の飼育がおこなわれていたのだ。
王都に魔獣の群が出現するなど前代未聞だ。
しかもあの貴族の屋敷のあった地区は、高級住宅街。
数十匹にも及ぶ魔獣の群れをアレクは一人で討伐した。
それにより、不本意にも王都の冒険者ギルドにアレクの所在を知られることとなってしまった。
とても、申し訳なく思うのだけど、当のアレクは、
「俺とセフィリオの関係を認識してもらうのにいい機会だった。
セフィリオに何かすれば、俺が黙っていないと、貴族にも、王都の冒険者ギルドにも、ついでに警備隊にも思ってもらえたなら、万々歳だ」
と、達成感に満ちた表情で僕に言った。
本当に、こういうところが、ズルい。
こんなこと、言われたら、罪悪感どころか、僕は喜ぶしかなくなってしまう。
「貴族からの依頼?」
「どこかの屋敷で仕事らしくて。今日から2日間の依頼だったと思う」
Sランク冒険者というのは、とても貴重な存在だ。
どれくらい貴重かというと、個人名を上げて数えられるほどに、人数は少なく、実力と知名度がある。
そうなれば、当然名指しでの依頼も増えてしまう。
まあ、アレク本人は自分が貴重で、知名度のある存在だという意識が、とてもとても薄いようだけれど。
アレクの知名度を利用して、箔を付けようと依頼をしてくる貴族たちも多い。
そして、その依頼内容は、大抵どうでもいい見栄を張るためだけのものだ。
アレクは、今、エド……エドガー・シュバルツの依頼で、僕の護衛を常時していることになっている。
アレクとエドか話し合い、僕が知らない間に、そういうことになっていた。
エドは、シュバルツ公爵家の血縁で、王立騎士団の副団長を務めている。
自身も伯爵位をもっている、王都ではそれなりに名の知れた存在だ。僕の魔術の師であるレイチェルの夫でもある。
僕セフィリオ・バドルクス伯爵の後見として、シュバルツ公爵がついていることは、周知の事実だ。
公爵家の者が自身の関係者の護衛を、Sランク冒険者に依頼することは特に不自然なことでは無い。
エドの依頼による僕の護衛任務は、社会的地位や金銭をちらつかせ強硬に依頼をアレクにおしつけてくる輩へよの防御策なのだ。
………と、アレクには言われたけど。
アレクの本当の目的は、それだけじゃないのだと思う。
僕の生活がこうして保障されているのは、兄たちの尽力が大きいのだけど。
そこにあるのは、温情だけでは無い。
僕に流れる王家の血や、刻まれた王家の印である白印のことが世間に広まることを、良しとされなかったからだ。
今、アレクは僕の護衛に常についてくれている。
僕には言わないけれど、きっとアレクには何かしらの報告義務があるはずだ。
そのお陰で僕は、24時間の護衛という名の監視から、実質的に解き放たれることになった。
僕は17歳にして、ようやく常時鎖で繋がれた状態から、解放された。
日常の報告義務や、移動制限はあって、まだ、囲いの中にいるような状態ではあるけれど。
今までとは、比べようもない。
アレクのもたらしてくれた自由。
僕の感じた解放感と喜びは計り知れない。
僕がお礼を言ったところで、きっとアレクは、『自分がしたくてやったんだ』、と自分のことのように喜びながら言うに違いないのだけど。
**************
「何だか見違えたわね」
僕の魔術の師は、そう言って、部屋を見渡し、僕を見つめた。
僕の書斎で、ソファに向かい合って座り、彼女は優雅に自分で入れたお茶を飲んでいる。
「レイチェル。それ、ここに来る度に言ってるよ」
だから、この言葉を聞くのは、この2ヶ月ですでに7回目だ。
僕は、ローテーブルの上の魔素計のデータから視線あげて、レイチェルを見た。
先ほどまで魔素濃度について議論していた、魔術師としてでは無く、僕の保護者としての彼女がそこにはいた。
レイチェルは、貴族婦人にあるまじき……いや、稀有な喜怒哀楽の激しい女性なのだけど、今日はいつになく機嫌がいいらしい。
「来る度に変わっているのだから、何度でも言うわ」
「そう」
「ええ。
アレクセイが来て、本当に見違えたもの。
屋敷も。セフィリオ、貴方もね」
「僕も、そう思うよ」
アレクが王都の僕の屋敷で過ごすようになって、2ヶ月が経った。
この間、幸いにも【スタンピード】は起こっていない。
アレクと一緒に暮らすようになって、王都の僕の屋敷は、日に日に片付き、きれいになっていった。
開け放たれた窓からは、外の音や人の声が聞こえ、軽やかな風が通り抜ける。
日の光が差し込んで、室内の空気をきらきらと輝かせている。
変わったのは、物理的なことだけではない。
単に、屋敷の物が片付いて整頓され、換気されたということでは無いのだ。
屋敷が、室内が、僕の周りを包む空気が、清涼で安穏としたものに変わっているのがはっきりと分かるのだ。
「もう、ここに移って5年以上経つけど」
「そんなに経つのね」
「うん。あの時、12歳だったからね」
「そう……そうだったわね」
10歳まで、王宮の一室に軟禁されていた僕は、前国王亡き後しばらくして、この王都の屋敷を与えられ移り住んだ。
はっきり言えば、厄介払いだ。
この国の出生すら公表されていない、第四王子なんて、厄介者以外の何ものでもない。
それでも、家を与えられ、生活が保障されているのは、現国王である兄や、レイチェルたちの尽力によるものだ。
「僕も、この家がこんなに住みやすいなんて、最近知ったよ」
僕が一人でいた時の、痛いほどの静寂や、殺伐として暗然たる空気は、今やほんの僅かも残っていない。
「アレクはいないときも、存在感があるよね」
彼がこの屋敷にいない時でも、生き生きとした、明るいもので、僕の周りは満たされている。
そして、満たされているのは、屋敷だけでは無い。
「セフィリオの顔色も、これまでで一番いいわ。
食事もとっているようで、安心ね」
「アレクの料理は美味しいからね」
アレクが僕のために作ってくれた料理たち。
それだけで、食欲がわかないはずがない。
そして、それは本当に美味しい。
1日3食、食事の時間になると、芳しい匂いが漂ってくる。
これも、この屋敷ではこれまで無かったことだ。
アレクが料理を始めると、まず香ばしい匂いが広がってくる。そして、徐々に芳醇な温かな料理の匂いに変わっていく。
僕がどんなに作業に没頭していても、その匂いを嗅ぐ過程で段々と空腹を自覚するようになる。
そして、食卓に並んだ色彩豊かな料理と、アレクの存在と、彼が僕に食事を促す言葉の全てで、僕はご飯を美味しくいただくことになるのだ。
何かに集中すると、僕は食事を抜くことが多かった。
けれど、アレクのお陰で、僕は自然と、毎食きちんと食事をとるようになった。
「夜は……眠れているようね」
僕の顔を観察しながら、くすくすと笑いレイチェルは言う。
言葉の中に、下世話な色を感じて、僕は手を止めて顔を上げ、
「…………眠れてるよ」
短く答えた。
本当に、悪趣味なんだから。
シュバルツ公爵領で過ごしてから、2年が経ち、王都の共同慰霊碑で再開したアレクは、より一層精悍な逞しい男性になっていた。
少し癖のある金髪が風に揺れて、新緑の瞳は真っ直ぐに変わらない輝きを放っていた。
決して大柄では無いけれど、引き締まった体躯はより屈強な趣となり、彼全体から放射される存在感に、僕は思わず息を飲んだ。
明朗で穏やかなところはそのままで、彼はより魅力的になっていた。
家族や、村の人々が眠る場所で、アレクは彼自身の体質のことや、これまで抱えてきた想いを僕に話してくれた。
一人で抱えるには、重過ぎるこれまでと、今。
けれど、彼は10年間。
それを抱えたままで過ごしてきたのだ。
たった一人で。
涙を流しながら、自身の心を吐露するアレクの姿は、やはりとても強く、美しかった。
あんな姿を委ねられたら。
僕は、もう。
愛さずにはいられなかった。
僕のアレクへの想いは、たぶん憧れの部分も大きかったのだけど。
あの時、それは恋だとか、愛だとか、愛しくて仕方がない、そういうものに進化した。
こんなにも、人を愛おしく思うときが来るなんて。
「アレクセイは、今日はどうしているの?」
「今日は、ギルドからの指名依頼がきていて、出ているよ」
「あら、依頼を受けたのね」
「全部断っているわけでは無くて、選んでいるみたい」
アレクは当初、王都の冒険者ギルドに関わることを非常に嫌がっていた。
以前、何かトラブルがあったようで、悪い印象しかないらしい。
詳しくは教えてくれなかったけど、きっと貴族絡みの……彼を取り込もうとでもした、策略に巻き込まれたのだろう。
冒険者ギルドは、通常、他の利権から独立した組織だけれど、貴族の屋敷の立ち並ぶ王都では、その原則を貫くことは難しい。
報酬や、社会的地位を振りかざされれば、是とせねばならない部分も出てくるのだ。
と、いうか王都の場合は、金銭による単純な癒着がある。
先日、僕が魔素計設置の依頼をするために、貴族の屋敷を訪れた際、アレクは同伴してくれた。
しかし、その屋敷では魔獣の飼育がおこなわれていたのだ。
王都に魔獣の群が出現するなど前代未聞だ。
しかもあの貴族の屋敷のあった地区は、高級住宅街。
数十匹にも及ぶ魔獣の群れをアレクは一人で討伐した。
それにより、不本意にも王都の冒険者ギルドにアレクの所在を知られることとなってしまった。
とても、申し訳なく思うのだけど、当のアレクは、
「俺とセフィリオの関係を認識してもらうのにいい機会だった。
セフィリオに何かすれば、俺が黙っていないと、貴族にも、王都の冒険者ギルドにも、ついでに警備隊にも思ってもらえたなら、万々歳だ」
と、達成感に満ちた表情で僕に言った。
本当に、こういうところが、ズルい。
こんなこと、言われたら、罪悪感どころか、僕は喜ぶしかなくなってしまう。
「貴族からの依頼?」
「どこかの屋敷で仕事らしくて。今日から2日間の依頼だったと思う」
Sランク冒険者というのは、とても貴重な存在だ。
どれくらい貴重かというと、個人名を上げて数えられるほどに、人数は少なく、実力と知名度がある。
そうなれば、当然名指しでの依頼も増えてしまう。
まあ、アレク本人は自分が貴重で、知名度のある存在だという意識が、とてもとても薄いようだけれど。
アレクの知名度を利用して、箔を付けようと依頼をしてくる貴族たちも多い。
そして、その依頼内容は、大抵どうでもいい見栄を張るためだけのものだ。
アレクは、今、エド……エドガー・シュバルツの依頼で、僕の護衛を常時していることになっている。
アレクとエドか話し合い、僕が知らない間に、そういうことになっていた。
エドは、シュバルツ公爵家の血縁で、王立騎士団の副団長を務めている。
自身も伯爵位をもっている、王都ではそれなりに名の知れた存在だ。僕の魔術の師であるレイチェルの夫でもある。
僕セフィリオ・バドルクス伯爵の後見として、シュバルツ公爵がついていることは、周知の事実だ。
公爵家の者が自身の関係者の護衛を、Sランク冒険者に依頼することは特に不自然なことでは無い。
エドの依頼による僕の護衛任務は、社会的地位や金銭をちらつかせ強硬に依頼をアレクにおしつけてくる輩へよの防御策なのだ。
………と、アレクには言われたけど。
アレクの本当の目的は、それだけじゃないのだと思う。
僕の生活がこうして保障されているのは、兄たちの尽力が大きいのだけど。
そこにあるのは、温情だけでは無い。
僕に流れる王家の血や、刻まれた王家の印である白印のことが世間に広まることを、良しとされなかったからだ。
今、アレクは僕の護衛に常についてくれている。
僕には言わないけれど、きっとアレクには何かしらの報告義務があるはずだ。
そのお陰で僕は、24時間の護衛という名の監視から、実質的に解き放たれることになった。
僕は17歳にして、ようやく常時鎖で繋がれた状態から、解放された。
日常の報告義務や、移動制限はあって、まだ、囲いの中にいるような状態ではあるけれど。
今までとは、比べようもない。
アレクのもたらしてくれた自由。
僕の感じた解放感と喜びは計り知れない。
僕がお礼を言ったところで、きっとアレクは、『自分がしたくてやったんだ』、と自分のことのように喜びながら言うに違いないのだけど。
4
あなたにおすすめの小説
【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
オメガ転生。
桜
BL
残業三昧でヘトヘトになりながらの帰宅途中。乗り合わせたバスがまさかのトンネル内の火災事故に遭ってしまう。
そして…………
気がつけば、男児の姿に…
双子の妹は、まさかの悪役令嬢?それって一家破滅フラグだよね!
破滅回避の奮闘劇の幕開けだ!!
【完結】異世界はなんでも美味しい!
鏑木 うりこ
BL
作者疲れてるのよシリーズ
異世界転生したリクトさんがなにやら色々な物をŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”(๑´ㅂ`๑)ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”うめー!する話。
頭は良くない。
完結しました!ありがとうございますーーーーー!
専属【ガイド】になりませんか?!〜異世界で溺愛されました
sora
BL
会社員の佐久間 秋都(さくま あきと)は、気がつくと異世界憑依転生していた。名前はアルフィ。その世界には【エスパー】という能力を持った者たちが魔物と戦い、世界を守っていた。エスパーを癒し助けるのが【ガイド】。アルフィにもガイド能力が…!?
皇帝に追放された騎士団長の試される忠義
大田ネクロマンサー
BL
若干24歳の若き皇帝が統治するベリニア帝国。『金獅子の双腕』の称号で騎士団長兼、宰相を務める皇帝の側近、レシオン・ド・ミゼル(レジー/ミゼル卿)が突如として国外追放を言い渡される。
帝国中に慕われていた金獅子の双腕に下された理不尽な断罪に、国民は様々な憶測を立てる。ーー金獅子の双腕の叔父に婚約破棄された皇紀リベリオが虎視眈々と復讐の機会を狙っていたのではないか?
国民の憶測に無言で帝国を去るレシオン・ド・ミゼル。船で知り合った少年ミオに懐かれ、なんとか不毛の大地で生きていくレジーだったが……彼には誰にも知られたくない秘密があった。
禁書庫の管理人は次期宰相様のお気に入り
結衣可
BL
オルフェリス王国の王立図書館で、禁書庫を預かる司書カミル・ローレンは、過去の傷を抱え、静かな孤独の中で生きていた。
そこへ次期宰相と目される若き貴族、セドリック・ヴァレンティスが訪れ、知識を求める名目で彼のもとに通い始める。
冷静で無表情なカミルに興味を惹かれたセドリックは、やがて彼の心の奥にある痛みに気づいていく。
愛されることへの恐れに縛られていたカミルは、彼の真っ直ぐな想いに少しずつ心を開き、初めて“痛みではない愛”を知る。
禁書庫という静寂の中で、カミルの孤独を、過去を癒し、共に歩む未来を誓う。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる