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3話 出会い
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夜会会場を出て、化粧室に行こうと周囲を見渡す。
うーん、全く分からない。こっちかなぁ~?と、適当に廊下を歩き出すと、女性の悲鳴のような声を聞いた。
「嫌!やっぱり、ごめんなさい。」
「何を言い出すんです?心配なさらないで。さぁ、この部屋に入って。」
「嫌!ダメです!離してくださいませ!」
何事か?と視線を移すと、何個かある休憩部屋に、男性がまだ若い女性を連れ込もうとしていた。ラトニア国では、年頃になると気になった異性とは、すぐにセックスする。この国で女性に重要視されるのは、子供を産むことなので、処女は重要ではない。体の相性の方が重要視されるのである。その為に、国の殆どの若者が、処女を10代で喪失していた。その多くの場が、こういった夜会や舞踏会などで用意されている、ベッド付きの休憩スペースで行われている。王宮での一夜というのは、女性にとっても憧れの場所でもあるらしい。
とは言ってもだ。
無理やり女性を、部屋に連れ込んで良いわけではない。
ソフィアは、迷うことなく、ツカツカツカと2人の所まで歩いて行った。
「少々お尋ねいたしますが。女性が嫌がっているのに、無理やり部屋に押し込もうとされてます?」
一瞬ポカンとしていた若い女性は、青ざめた顔のままコクコクコクと激しく頷いた。そのまま、ソフィアの背中に逃げ隠れた。ソフィアは腕を組んで、相手の男性を睨む。
「うら若き女性を、無理やりなんて、紳士のすることではありませんわ!ましてや、王侯貴族が集う今夜の様な夜会で、品の無い行為は、家門に傷を付けますわよ。」
蔑んだ目で、そう言われた男性は、恥ずかしくなったのか、顔を赤黒くして声を荒げた。
「ふ・・ふん!そっちが俺に色目を使ってきたんだ!休憩室までのこのこついて来たくせに!」
「そっそれは!わたくし、怖くて!どうしたら良いのか分からなくって!」
「ふん!女のくせに、生意気だ!女は黙って男の言う事を聞いていればいいんだ!」
「何故です?」
ソフィアは、低い声で言った。言ってしまってから、しまった!と思ったけれども、溜まっていた苛立ちがフツフツと沸き上がって来るのを感じる。
「何故、女は黙って男の言う事を聞かなければならないのです?」
男は、少しびっくりしたような顔になり、ソフィアを見た。
「何故って・・・女は男に見初められてなんぼだろう?男を喜ばせて、子供を産んで地位も名誉も手に入るんだ!良い暮らしをさせてやるんだから、男の言う事を聞くのは当然だ!!」
そう、これが、この国の文化だ。反吐が出る。
化粧もファッションも、何もかもが男ウケするものが基準になっている。だから、私も、こんな好みでもない体のラインが解るようなドレスを着させられているのだ。
少し黙った私を見て、男は調子づく。
「ふん。おまえは、どこの家門だ?なかなか美しいじゃないか。そんな豊満な胸をこれ見よがしに見せびらかすようなドレスを着やがって。男を誘っているんだろう?俺が相手してやろうか?」
突然、体を舐めるように見られて、ゾワリとする。男は急に近寄ってきて、私に手を伸ばして来た。
「触らないで!」
瞬間的に、持っていたバッグで男を殴った。
「あなたなど、願い下げよ!身分や見た目や財産だけの関係なんて、虚しいだけだわ!!」
男は、殴られた鼻を押さえて、恐ろしい目でソフィアを睨んだ。
「貴様・・・!」
カッとなった男が、拳を振り上げた瞬間だった。
バン!!
と、目の前の扉が、勢いよく開いて、男性が吹き飛んだ。
「・・・・」
一瞬何が起きたのか分からなくて、ボー然とする。
開いた扉の部屋の中から、男性が出てきたところだった。そして、その男性は、吹き飛んだ男を見てから、私の方に振り返って言った。
「あぁ、これは失礼した。人の声がするとは思っていたが、扉の前にいたとはな。大丈夫か?」
突然現れた男性を、驚きながらも観察する。
とても背が高く、はだけている胸元からは、ムキムキの胸板が見えて逞しく、シャツ1枚のスラックス1枚という軽装だった。
視線を下に移すと、ブーツを履いているが、紐も結んでいない。エメラルドの瞳は切れ長で、色気が物凄く・・・。
あー、まさか・・・と思って、恐る恐る、視線を部屋の中へ移す。ハッキリとは見えなかったけれども、ベッドに女性がいる気配がする。なるほど、休憩室で最中だったのだなと理解して、ソフィアは、ごく自然に視線を戻す。
扉の勢いで吹き飛んで、床に倒れていた男は、部屋から出てきた男性を見ると、知りあいだったのか?
「ひえぇ!!」と顔を見ただけで逃げ出して行った。
「?」
とりあえず、助かったな。とソフィアは思った。
ホッとしたところで、私の後ろに隠れていた若い女性が言った。
「あ、あの、ありがとうございました!」
深々と頭を下げて、お礼を言われる。視線をうつして、ソフィアは首を振る。
「助けてあげられて良かったわ。さぁ、もう行きなさいな。夜会を楽しんで。」
ソフィアが手を振ると、女性はお辞儀をして、夜会の会場へと姿を消した。それを見送ってから、ふぅ、と息を吐いて、隣を見上げると、部屋から出てきた男性は、まだそこに居た。
「あの、助かりました。お礼を申し上げます。」
ソフィアがお礼を言うと、エメラルドの瞳をした男性は言った。
「たまたま、扉を開けただけだ。」
そう言われて、ふふふと笑う。そんなに色気を出して、良い所だっただろうに、慌てて部屋を出てきた感じがするのだけれど。
「そうでしたか。でも、助かりました。男性が力で訴えては、敵いませんもの。」
それでは、と、お辞儀をして立ち去ろうとする。
「聞いても良いか?」
後ろからそう言われて、ソフィアは立ち止まる。
「はい?」
「・・・多くは、異性を見た目や体の相性で決める。では、君は何で男を決めるのだ?」
そう言われて、男性の顔を直視する。
エメラルドの瞳は、しっかりとソフィアを捉え、真剣な眼差しだったので、素直に答えることにする。
「愛です。」
真剣に、断言する。
「見た目でもない。地位でもお金でも宝石でもない。心です。」
ソフィアの無くなった両親は、恋愛結婚だった。貴族なのに珍しいことだけれども、記憶の中の2人は本当に幸せそうだったのだ。夫婦とは、ああいったものだと思っている。
2人の間に、しばしの沈黙が流れる。
急に、恥ずかしくなって、ソフィアは照れ笑いをした。
「愛と誠実さだとは思うのですが、人それぞれだと思いますわ。愛のカタチって、様々ですし、私もよく解っていないのです。」
なんだか恥ずかしくなって、ソフィアは逃げ出すように、その場を離れた。
エメラルドの瞳をした男は、ボーーと、ソフィアが立ち去るのを眺めていた。
「愛・・・?」
そう呟くと、女性が立ち去った反対方向から、足音が近づいてきた。
「陛下!こんなところに、おられましたか。部屋は一般客用ではなく、陛下専用のお部屋でお願いしますよ!」
そう言ったのは、騎士団長のグレイだった。
「なぁ、グレイ。今の女性を見たか?」
「へ?今の?」
グレイはキョロキョロと見渡す。
「亜麻色の髪で、茶色い目をした。品のある立ち居振る舞いで、幼そうで・・・いや、気の強そうな女だ。」
ヴィンセントが遠くの方を見ながら、そう言うので、グレイはキョトンとする。様子が気になって、なんとなく、質問する。
「・・・魅力的な女性でしたか?」
その質問に、ヴィンセントは少し、うーんと考えながらも言う。
「魅力的・・・そうだな。興味を引かれる感じがした。もう少し、話をしたかったと思ってな。」
パア!と、グレイは表情を輝かせた。
「探してまいります!」
うーん、全く分からない。こっちかなぁ~?と、適当に廊下を歩き出すと、女性の悲鳴のような声を聞いた。
「嫌!やっぱり、ごめんなさい。」
「何を言い出すんです?心配なさらないで。さぁ、この部屋に入って。」
「嫌!ダメです!離してくださいませ!」
何事か?と視線を移すと、何個かある休憩部屋に、男性がまだ若い女性を連れ込もうとしていた。ラトニア国では、年頃になると気になった異性とは、すぐにセックスする。この国で女性に重要視されるのは、子供を産むことなので、処女は重要ではない。体の相性の方が重要視されるのである。その為に、国の殆どの若者が、処女を10代で喪失していた。その多くの場が、こういった夜会や舞踏会などで用意されている、ベッド付きの休憩スペースで行われている。王宮での一夜というのは、女性にとっても憧れの場所でもあるらしい。
とは言ってもだ。
無理やり女性を、部屋に連れ込んで良いわけではない。
ソフィアは、迷うことなく、ツカツカツカと2人の所まで歩いて行った。
「少々お尋ねいたしますが。女性が嫌がっているのに、無理やり部屋に押し込もうとされてます?」
一瞬ポカンとしていた若い女性は、青ざめた顔のままコクコクコクと激しく頷いた。そのまま、ソフィアの背中に逃げ隠れた。ソフィアは腕を組んで、相手の男性を睨む。
「うら若き女性を、無理やりなんて、紳士のすることではありませんわ!ましてや、王侯貴族が集う今夜の様な夜会で、品の無い行為は、家門に傷を付けますわよ。」
蔑んだ目で、そう言われた男性は、恥ずかしくなったのか、顔を赤黒くして声を荒げた。
「ふ・・ふん!そっちが俺に色目を使ってきたんだ!休憩室までのこのこついて来たくせに!」
「そっそれは!わたくし、怖くて!どうしたら良いのか分からなくって!」
「ふん!女のくせに、生意気だ!女は黙って男の言う事を聞いていればいいんだ!」
「何故です?」
ソフィアは、低い声で言った。言ってしまってから、しまった!と思ったけれども、溜まっていた苛立ちがフツフツと沸き上がって来るのを感じる。
「何故、女は黙って男の言う事を聞かなければならないのです?」
男は、少しびっくりしたような顔になり、ソフィアを見た。
「何故って・・・女は男に見初められてなんぼだろう?男を喜ばせて、子供を産んで地位も名誉も手に入るんだ!良い暮らしをさせてやるんだから、男の言う事を聞くのは当然だ!!」
そう、これが、この国の文化だ。反吐が出る。
化粧もファッションも、何もかもが男ウケするものが基準になっている。だから、私も、こんな好みでもない体のラインが解るようなドレスを着させられているのだ。
少し黙った私を見て、男は調子づく。
「ふん。おまえは、どこの家門だ?なかなか美しいじゃないか。そんな豊満な胸をこれ見よがしに見せびらかすようなドレスを着やがって。男を誘っているんだろう?俺が相手してやろうか?」
突然、体を舐めるように見られて、ゾワリとする。男は急に近寄ってきて、私に手を伸ばして来た。
「触らないで!」
瞬間的に、持っていたバッグで男を殴った。
「あなたなど、願い下げよ!身分や見た目や財産だけの関係なんて、虚しいだけだわ!!」
男は、殴られた鼻を押さえて、恐ろしい目でソフィアを睨んだ。
「貴様・・・!」
カッとなった男が、拳を振り上げた瞬間だった。
バン!!
と、目の前の扉が、勢いよく開いて、男性が吹き飛んだ。
「・・・・」
一瞬何が起きたのか分からなくて、ボー然とする。
開いた扉の部屋の中から、男性が出てきたところだった。そして、その男性は、吹き飛んだ男を見てから、私の方に振り返って言った。
「あぁ、これは失礼した。人の声がするとは思っていたが、扉の前にいたとはな。大丈夫か?」
突然現れた男性を、驚きながらも観察する。
とても背が高く、はだけている胸元からは、ムキムキの胸板が見えて逞しく、シャツ1枚のスラックス1枚という軽装だった。
視線を下に移すと、ブーツを履いているが、紐も結んでいない。エメラルドの瞳は切れ長で、色気が物凄く・・・。
あー、まさか・・・と思って、恐る恐る、視線を部屋の中へ移す。ハッキリとは見えなかったけれども、ベッドに女性がいる気配がする。なるほど、休憩室で最中だったのだなと理解して、ソフィアは、ごく自然に視線を戻す。
扉の勢いで吹き飛んで、床に倒れていた男は、部屋から出てきた男性を見ると、知りあいだったのか?
「ひえぇ!!」と顔を見ただけで逃げ出して行った。
「?」
とりあえず、助かったな。とソフィアは思った。
ホッとしたところで、私の後ろに隠れていた若い女性が言った。
「あ、あの、ありがとうございました!」
深々と頭を下げて、お礼を言われる。視線をうつして、ソフィアは首を振る。
「助けてあげられて良かったわ。さぁ、もう行きなさいな。夜会を楽しんで。」
ソフィアが手を振ると、女性はお辞儀をして、夜会の会場へと姿を消した。それを見送ってから、ふぅ、と息を吐いて、隣を見上げると、部屋から出てきた男性は、まだそこに居た。
「あの、助かりました。お礼を申し上げます。」
ソフィアがお礼を言うと、エメラルドの瞳をした男性は言った。
「たまたま、扉を開けただけだ。」
そう言われて、ふふふと笑う。そんなに色気を出して、良い所だっただろうに、慌てて部屋を出てきた感じがするのだけれど。
「そうでしたか。でも、助かりました。男性が力で訴えては、敵いませんもの。」
それでは、と、お辞儀をして立ち去ろうとする。
「聞いても良いか?」
後ろからそう言われて、ソフィアは立ち止まる。
「はい?」
「・・・多くは、異性を見た目や体の相性で決める。では、君は何で男を決めるのだ?」
そう言われて、男性の顔を直視する。
エメラルドの瞳は、しっかりとソフィアを捉え、真剣な眼差しだったので、素直に答えることにする。
「愛です。」
真剣に、断言する。
「見た目でもない。地位でもお金でも宝石でもない。心です。」
ソフィアの無くなった両親は、恋愛結婚だった。貴族なのに珍しいことだけれども、記憶の中の2人は本当に幸せそうだったのだ。夫婦とは、ああいったものだと思っている。
2人の間に、しばしの沈黙が流れる。
急に、恥ずかしくなって、ソフィアは照れ笑いをした。
「愛と誠実さだとは思うのですが、人それぞれだと思いますわ。愛のカタチって、様々ですし、私もよく解っていないのです。」
なんだか恥ずかしくなって、ソフィアは逃げ出すように、その場を離れた。
エメラルドの瞳をした男は、ボーーと、ソフィアが立ち去るのを眺めていた。
「愛・・・?」
そう呟くと、女性が立ち去った反対方向から、足音が近づいてきた。
「陛下!こんなところに、おられましたか。部屋は一般客用ではなく、陛下専用のお部屋でお願いしますよ!」
そう言ったのは、騎士団長のグレイだった。
「なぁ、グレイ。今の女性を見たか?」
「へ?今の?」
グレイはキョロキョロと見渡す。
「亜麻色の髪で、茶色い目をした。品のある立ち居振る舞いで、幼そうで・・・いや、気の強そうな女だ。」
ヴィンセントが遠くの方を見ながら、そう言うので、グレイはキョトンとする。様子が気になって、なんとなく、質問する。
「・・・魅力的な女性でしたか?」
その質問に、ヴィンセントは少し、うーんと考えながらも言う。
「魅力的・・・そうだな。興味を引かれる感じがした。もう少し、話をしたかったと思ってな。」
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