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11話
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陛下と愛人契約をした後。
部屋の前に王女様が来て、陛下は部屋を出て行ってしまった。
暫くして、部屋に女官達がやってきて、お城のお風呂に入れてもらえて、香油まで塗ってもらえて、体はピカピカ。美味しいサンドイッチなどの軽食と、紅茶にクッキーまで用意されて、ぼうっとしていた。
うーん。
なんというか、愛人ってこんな好待遇なのだろうか?至れり尽くせりだな。と、ぼうっと考えていた。そして、陛下はやっぱり、女性慣れしていて、とてもエロかったな・・・。
はじめての時も、気持ち良くされて、殆ど痛く無かった。
でも、1つだけ気になる事がある。陛下は避妊をしていないように思うのだ。男性がする避妊方法は、魔法を使って男性器を覆うか、普通にコンドームを使うかだ。
だけど・・・陛下はどちらも使用していなかった・・・。
「あの・・・すみません。」
ソフィアに呼ばれて、女官が返事をして近くに来る。
「避妊薬が欲しいのですが、ありますか?」
念のために飲んでおこうと思った。今後の為にも、万が一にと考えた。
しかし、女官達が不穏な様子になる。
「?」
「あの・・・ソフィア様。陛下のお妃様になるのは、お嫌ですか?」
「・・・・へ?」
何を言っているんだ?この女官は?
そう思った時だった、ちょうど出入りしていた女官と入れ違いに、メリーアン王女が部屋に入ってくるなり言った。
「黙って、言われたものを持ってきなさい!」
女官はお辞儀をして、慌てて出て行った。
「王女様・・・」
メリーアンは、ソフィアの近くに来て、手をとる。
「ソフィア。ごめんなさい!私がお兄様に話をしようなんて言ったばかりに、こんなことになってしまって。」
ソフィアは首を振る。
「いいえ、王女様。とても助けられましたわ。」
ソフィアは、陛下とした愛人契約の話をした。愛人になる代わりに、学校の設立を協力してくれること。自分の自由を保障してくれること。
「・・・そんな契約を・・・?」
メリーアンは、戸惑った顔をした。
「はい。私は、ありがたいと思いました。そうでなければ、お爺様の言う通りに、好きでもない、むしろ嫌いな男性と結婚してその子供を産まなければならなかったのですから。」
にっこり笑って見せる。
「でも!でも、ソフィア!お兄様と、その・・・体の関係をもつのよ?嫌ではないの?」
その言葉に、少しだけ戸惑った。
嫌かと言われると、微妙なのだ。陛下の言う通り、体の相性というやつがあるなら、本当に相性は良いのだろう。だけど、自分が自分でなくなるのは嫌だ。
「陛下には、愛人が100人いらっしゃるでしょう?1周して100日後に1回だけ回ってくるのだろうと思ってます!だから大丈夫ですよ。」
つまり、性交渉は1年に3回か4回ってところだ。
「あ~・・・、えぇ、そうね。本当ならそうよ。いいえ。今までは、そうだったのだけれど・・・。お兄様はソフィアのことを気に入ったみたいなの。」
「?そうなんですか?」
でも、女好きというのは中毒性の病気みたいなものだと聞いている。だから、世の中の浮気は無くならないのだそうだ。
「大丈夫ですよ王女様。陛下は無類の女好きでしょう?私にも、すぐ飽きると思います!少し変わってるから目新しくて面白がっているのですわ。」
男は新しい物好きと、週刊誌で読んだもの。
「・・・ソフィア、もしも愛人が嫌になったら、私に言ってちょうだい。私は、あなたの味方だから!」
心強い言葉に、本当に良い友人を持ったとシミジミ感じる。
「はい。王女様。」
その日から、ソフィアは王城で生活をすることになった。
しかし、ヴィンセントの仕事が忙しくなり、2人はすれ違った生活のまま2日程過ぎてしまっていた。
3日目の朝。
ヴィンセントが耐えかねて言った。
「今日の晩餐は、ソフィアと一緒にとりたい。」
アデルやノアが、仕事が落ち着いてきたので可能だろうとニコニコ頷く。
しかし、女官が申し訳なさそうに言った。
「ソフィア様は、リッテンバーグ領地内にある教会に行かれました。お戻り時間が遅くなるかもしれないと伺っております。」
なんでも、教会で読み書きを教える日なのだとか。
「・・・そうか。では、私も少し視察に行くか。話を聞くという約束もあるしな。」
急ではあるが、そうゆう事になった。
午前中で仕事を片付けて、その場所へ向かう。
リッテンバーグ領は点在して存在し、今日、教えに行っているという教会は、王都からすぐ近くだった。教会に到着すると、シスターたちは大変驚いたけれども、すぐにソフィアの所に案内してくれた。ちょうど授業中で、その様子を伺う。
黒板に字を書いて、ソフィアは楽しそうに子供達に教えていた。
「はぁ~い!注目して!じゃぁ、今度はこの文字です!」
はじめて見るソフィアの字が、とても綺麗で、ヴィンセントは微笑む。和やかに授業が進められていて、生徒たちも真剣に学んでいる姿に感心する。
しかし、1つだけ気になったのは、一緒に教えている青年だ。授業の補助をしている様子だが、ソフィアを見つめる目。時折、ソフィアに耳打ちする姿など、妙に気になった。
「はい!じゃぁ、今日はここまで。質問のある子は、いますか?」
ソフィアがそう言うと、生徒の子供が手を上げる。
「先生!先生は、好きな人はいますか?」
「え?」
その質問に、生徒たちが騒ぎ出す。
「マイヤー先生とソフィア先生が、結婚すれば良いと思います!」
「えっ?!ちょっと、ちょっと!」
「そうだ!そうだ!お似合いです!ソフィア先生は、鈍感だから俺達が教えてあげる!マイヤー先生はソフィア先生のことが好きなんだよ!」
ヒューヒュー!と冷やかす声や、結婚!結婚!と騒ぎになる。
そんな中で、ソフィアは赤面して、マイヤー先生と言われている青年も赤面する。
「2人で赤くなってる~!お似合いだよなー?」
「もう!!みんな、静かにして!!マイヤー先生が困っているわよ!大人をからかうんじゃありません!先生に失礼でしょう?」
ソフィアが少しキツイ言い方をする。
その時、ヴィンセントを案内して来ていたシスターが部屋の中に入る。パンパン!!と手を鳴らす。
「こらこら!みなさん、本日は国王陛下が視察にいらっしゃってますよ。お静かに!!」
そう言われて、ソフィアはヴィンセントを見る。
「?!陛下?」
ヴィンセントは、仕方ないなと思いながらも部屋に入る。
「皆、そのままで良い。」
グレイ騎士団長が、陛下の後ろについていて、ノアも傍に居た。ソフィアは慌てて傍に駆け寄る。傍まで来ると、腰を落としてお辞儀をして礼をとる。
「陛下。このような所にまで、いかがなさいましたか?」
ソフィアに視線を落としてから、口を開く。
「おまえが、どのように教えているのか見に来た。話を聞くと約束もしたしな。」
ソフィアは、パァッと嬉しくなって笑顔を見せる。
「ありがとうございます!お忙しいのに、お時間を割いて頂けるなんて!」
「まぁ、大体は見せてもらった。これから城に戻るが、おまえも授業は終わったのか?」
「はい!今日はこれで終わりなんです。」
「では、一緒に帰ろう。」
ヴィンセントがチラリと、青年の方に目をやる。国王の鋭い眼差しに、ビクっとして戸惑った顔をした。
「荷物をとってきます!」
そう言って、ソフィアが部屋を出て行くと、青年も部屋を出てソフィアの後ろを追いかけて行く。
「・・・」
ヴィンセントは気になって、その後を追った。
部屋の扉が少し空いていて、話し声が聞こえてきた。
「ソフィア様。陛下と親しいのですか?」
青年は、荷物をまとめているソフィアに声をかける。
「え~と・・・そうですね。」
ソフィアは少し言葉を濁しながら、荷物をまとめる。
「これから、ご一緒にお城へ?」
青年の言葉に、少し考えてから振り返って答える。
「はい。実は私、陛下の愛人としてお城に部屋を頂いたの。」
「・・・え?それは、どうゆう・・・?」
「他の人や子供達には、言わないでくださいね。教育上、あまりよく無いかと。それに愛人の関係は、そう長く続くわけではなくて、陛下がお后様を迎えられれば、終了する関係ですし。」
「・・・そんな・・・!」
その瞬間、青年がソフィアを抱きしめた。
「・・・!?・・・あ、あの。」
「好きです!ずっと、ずっと好きでした。身分が違うことくらい、理解しています!だけど、あなたを愛しています!!」
ソフィアは、動けなくなる。
「愛人なんてやめて下さい!なぜそんな関係を?僕じゃ・・・僕じゃダメですか?」
マイヤー青年は、ソフィアをきつく抱きしめて首筋に顔をうずめた。
瞬間的に、ソフィアは青年を突き飛ばす。
「ご、ごめんなさい!私、もう行かなきゃ。」
マイヤー青年はソフィアの肩を掴む。
「待って下さい!」
「ごめんなさい!離して!」
ソフィアは、青年を振り切って、勢いよく部屋を飛び出した。
「!!」
目の前に、ヴィンセントが立っていた。
「陛下・・・」
「帰るぞ。」
「あ、はい。」
部屋の前に王女様が来て、陛下は部屋を出て行ってしまった。
暫くして、部屋に女官達がやってきて、お城のお風呂に入れてもらえて、香油まで塗ってもらえて、体はピカピカ。美味しいサンドイッチなどの軽食と、紅茶にクッキーまで用意されて、ぼうっとしていた。
うーん。
なんというか、愛人ってこんな好待遇なのだろうか?至れり尽くせりだな。と、ぼうっと考えていた。そして、陛下はやっぱり、女性慣れしていて、とてもエロかったな・・・。
はじめての時も、気持ち良くされて、殆ど痛く無かった。
でも、1つだけ気になる事がある。陛下は避妊をしていないように思うのだ。男性がする避妊方法は、魔法を使って男性器を覆うか、普通にコンドームを使うかだ。
だけど・・・陛下はどちらも使用していなかった・・・。
「あの・・・すみません。」
ソフィアに呼ばれて、女官が返事をして近くに来る。
「避妊薬が欲しいのですが、ありますか?」
念のために飲んでおこうと思った。今後の為にも、万が一にと考えた。
しかし、女官達が不穏な様子になる。
「?」
「あの・・・ソフィア様。陛下のお妃様になるのは、お嫌ですか?」
「・・・・へ?」
何を言っているんだ?この女官は?
そう思った時だった、ちょうど出入りしていた女官と入れ違いに、メリーアン王女が部屋に入ってくるなり言った。
「黙って、言われたものを持ってきなさい!」
女官はお辞儀をして、慌てて出て行った。
「王女様・・・」
メリーアンは、ソフィアの近くに来て、手をとる。
「ソフィア。ごめんなさい!私がお兄様に話をしようなんて言ったばかりに、こんなことになってしまって。」
ソフィアは首を振る。
「いいえ、王女様。とても助けられましたわ。」
ソフィアは、陛下とした愛人契約の話をした。愛人になる代わりに、学校の設立を協力してくれること。自分の自由を保障してくれること。
「・・・そんな契約を・・・?」
メリーアンは、戸惑った顔をした。
「はい。私は、ありがたいと思いました。そうでなければ、お爺様の言う通りに、好きでもない、むしろ嫌いな男性と結婚してその子供を産まなければならなかったのですから。」
にっこり笑って見せる。
「でも!でも、ソフィア!お兄様と、その・・・体の関係をもつのよ?嫌ではないの?」
その言葉に、少しだけ戸惑った。
嫌かと言われると、微妙なのだ。陛下の言う通り、体の相性というやつがあるなら、本当に相性は良いのだろう。だけど、自分が自分でなくなるのは嫌だ。
「陛下には、愛人が100人いらっしゃるでしょう?1周して100日後に1回だけ回ってくるのだろうと思ってます!だから大丈夫ですよ。」
つまり、性交渉は1年に3回か4回ってところだ。
「あ~・・・、えぇ、そうね。本当ならそうよ。いいえ。今までは、そうだったのだけれど・・・。お兄様はソフィアのことを気に入ったみたいなの。」
「?そうなんですか?」
でも、女好きというのは中毒性の病気みたいなものだと聞いている。だから、世の中の浮気は無くならないのだそうだ。
「大丈夫ですよ王女様。陛下は無類の女好きでしょう?私にも、すぐ飽きると思います!少し変わってるから目新しくて面白がっているのですわ。」
男は新しい物好きと、週刊誌で読んだもの。
「・・・ソフィア、もしも愛人が嫌になったら、私に言ってちょうだい。私は、あなたの味方だから!」
心強い言葉に、本当に良い友人を持ったとシミジミ感じる。
「はい。王女様。」
その日から、ソフィアは王城で生活をすることになった。
しかし、ヴィンセントの仕事が忙しくなり、2人はすれ違った生活のまま2日程過ぎてしまっていた。
3日目の朝。
ヴィンセントが耐えかねて言った。
「今日の晩餐は、ソフィアと一緒にとりたい。」
アデルやノアが、仕事が落ち着いてきたので可能だろうとニコニコ頷く。
しかし、女官が申し訳なさそうに言った。
「ソフィア様は、リッテンバーグ領地内にある教会に行かれました。お戻り時間が遅くなるかもしれないと伺っております。」
なんでも、教会で読み書きを教える日なのだとか。
「・・・そうか。では、私も少し視察に行くか。話を聞くという約束もあるしな。」
急ではあるが、そうゆう事になった。
午前中で仕事を片付けて、その場所へ向かう。
リッテンバーグ領は点在して存在し、今日、教えに行っているという教会は、王都からすぐ近くだった。教会に到着すると、シスターたちは大変驚いたけれども、すぐにソフィアの所に案内してくれた。ちょうど授業中で、その様子を伺う。
黒板に字を書いて、ソフィアは楽しそうに子供達に教えていた。
「はぁ~い!注目して!じゃぁ、今度はこの文字です!」
はじめて見るソフィアの字が、とても綺麗で、ヴィンセントは微笑む。和やかに授業が進められていて、生徒たちも真剣に学んでいる姿に感心する。
しかし、1つだけ気になったのは、一緒に教えている青年だ。授業の補助をしている様子だが、ソフィアを見つめる目。時折、ソフィアに耳打ちする姿など、妙に気になった。
「はい!じゃぁ、今日はここまで。質問のある子は、いますか?」
ソフィアがそう言うと、生徒の子供が手を上げる。
「先生!先生は、好きな人はいますか?」
「え?」
その質問に、生徒たちが騒ぎ出す。
「マイヤー先生とソフィア先生が、結婚すれば良いと思います!」
「えっ?!ちょっと、ちょっと!」
「そうだ!そうだ!お似合いです!ソフィア先生は、鈍感だから俺達が教えてあげる!マイヤー先生はソフィア先生のことが好きなんだよ!」
ヒューヒュー!と冷やかす声や、結婚!結婚!と騒ぎになる。
そんな中で、ソフィアは赤面して、マイヤー先生と言われている青年も赤面する。
「2人で赤くなってる~!お似合いだよなー?」
「もう!!みんな、静かにして!!マイヤー先生が困っているわよ!大人をからかうんじゃありません!先生に失礼でしょう?」
ソフィアが少しキツイ言い方をする。
その時、ヴィンセントを案内して来ていたシスターが部屋の中に入る。パンパン!!と手を鳴らす。
「こらこら!みなさん、本日は国王陛下が視察にいらっしゃってますよ。お静かに!!」
そう言われて、ソフィアはヴィンセントを見る。
「?!陛下?」
ヴィンセントは、仕方ないなと思いながらも部屋に入る。
「皆、そのままで良い。」
グレイ騎士団長が、陛下の後ろについていて、ノアも傍に居た。ソフィアは慌てて傍に駆け寄る。傍まで来ると、腰を落としてお辞儀をして礼をとる。
「陛下。このような所にまで、いかがなさいましたか?」
ソフィアに視線を落としてから、口を開く。
「おまえが、どのように教えているのか見に来た。話を聞くと約束もしたしな。」
ソフィアは、パァッと嬉しくなって笑顔を見せる。
「ありがとうございます!お忙しいのに、お時間を割いて頂けるなんて!」
「まぁ、大体は見せてもらった。これから城に戻るが、おまえも授業は終わったのか?」
「はい!今日はこれで終わりなんです。」
「では、一緒に帰ろう。」
ヴィンセントがチラリと、青年の方に目をやる。国王の鋭い眼差しに、ビクっとして戸惑った顔をした。
「荷物をとってきます!」
そう言って、ソフィアが部屋を出て行くと、青年も部屋を出てソフィアの後ろを追いかけて行く。
「・・・」
ヴィンセントは気になって、その後を追った。
部屋の扉が少し空いていて、話し声が聞こえてきた。
「ソフィア様。陛下と親しいのですか?」
青年は、荷物をまとめているソフィアに声をかける。
「え~と・・・そうですね。」
ソフィアは少し言葉を濁しながら、荷物をまとめる。
「これから、ご一緒にお城へ?」
青年の言葉に、少し考えてから振り返って答える。
「はい。実は私、陛下の愛人としてお城に部屋を頂いたの。」
「・・・え?それは、どうゆう・・・?」
「他の人や子供達には、言わないでくださいね。教育上、あまりよく無いかと。それに愛人の関係は、そう長く続くわけではなくて、陛下がお后様を迎えられれば、終了する関係ですし。」
「・・・そんな・・・!」
その瞬間、青年がソフィアを抱きしめた。
「・・・!?・・・あ、あの。」
「好きです!ずっと、ずっと好きでした。身分が違うことくらい、理解しています!だけど、あなたを愛しています!!」
ソフィアは、動けなくなる。
「愛人なんてやめて下さい!なぜそんな関係を?僕じゃ・・・僕じゃダメですか?」
マイヤー青年は、ソフィアをきつく抱きしめて首筋に顔をうずめた。
瞬間的に、ソフィアは青年を突き飛ばす。
「ご、ごめんなさい!私、もう行かなきゃ。」
マイヤー青年はソフィアの肩を掴む。
「待って下さい!」
「ごめんなさい!離して!」
ソフィアは、青年を振り切って、勢いよく部屋を飛び出した。
「!!」
目の前に、ヴィンセントが立っていた。
「陛下・・・」
「帰るぞ。」
「あ、はい。」
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