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第十五章
276話 縋り付く手
アゼンヒルトの背に手を回し、泣きじゃくっていた。
「どうして今更現れたんだ、どうして置いていったんだ」
「ヴァントリア……思い出してしまったのか? 全部」
「お前が俺の記憶から消えさえしなければ、ずっと一緒にいてくれたなら、俺は半分になんかなってない」
「すまない、ヴァントリア」
アゼンの胸に自分の顔を押し付け、泣いていると、突然アゼンの身体が俺ごと動いた。
今まで自分達のいた場所に、炎が燃え上がる。こちらに手を伸ばしているのは、白い衣装を身に着けた白い髪の美青年だ。彼は目を釣り上げて殺さんばかりにアゼンを睨み付けている。
「シスト……」
「思い出したぞ、貴様が俺に呪いをかけようとした!! それをヴァントリアが庇い呪いを受けたのだ!!」
「ヒオゥネが嘘をついて回っているだけでヴァントリアはその前から呪われていた」
「ヒオゥネが嘘を……? その前からって……」
俺が呪いを受け入れた時のことか?
「俺と別れてから君は俺の核と接触した。俺の核は45層にずっといたが、自らの意思を持つようになる前にシルワールやその妻を呪って洗脳し、自らを彼らの子供だと思わせた」
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し、シストが……アゼンヒルトの呪い?
そう言えば、45層でイルエラにあった時、彼は平然と立っていたような……。
「俺は貴様の存在がゼクシィルのように気に食わなかった。勝手に意思を持ち家族を手に入れたかと思えば、俺が執着するヴァントリアにお前も執着した。ヴァントリアに近づき、俺の願いである自らと同じ存在になると言う願いを抱き、ヴァントリアを呪った」
「何の話だ」
「記憶にないか? 失敗作め」
「アゼン……失敗作だなんて言わないでくれ」
失敗作と言う言葉は嫌いだ。
「君のためだ、失敗作と呼ぶことはやめてやろう。だが、こいつの存在を許すことは断じてない!!」
アゼンヒルトは黒い呪いを青く変化させ、シストへと伸ばす。シストはそれを光の魔法で防いだ。光の魔法で呪いが防げたと言うことは、呪いは闇の魔法と言っていいのかもしれない。
「俺の呪いを返してもらうぞ」
「そんなものそもそも必要としていない」
「ならば返せ、貴様自体が呪いで出来ている。返すと言うことは、貴様が死ぬと言うことだ」
シストの眉がピクリと反応する。
「…………思い出したぞ、貴様がヴァントリアを襲っていた子供だな」
「そうだ。お前は見て見ぬ振りをしてヴァントリアを傷つけた」
「お前こそ傷付けていたくせに……!」
「あの時、お前にはヴァントリアを救う力はなかった。俺の核であったがゆえに、お前は俺に近づけない。無意識に俺を怖がり避けたのさ」
「……! 違う、私はヴァントリアの顔を見て……っ」
「……?」
「身を、引いただけだ……」
「何を言っている?」
「あれだけ酷いことをしておきながら愛されておいて、分からないのか!!」
「……喚くな」
青い呪いがシストへと伸びる。シストはそれを白い光で消し去った。
アゼンヒルトとシストの戦闘は長かった。呪いの王アゼンヒルトとその力の源であるシストの戦いは永遠に決着がつきそうになく見えた。
ぶつかり合う攻撃に耐えきれず、俺が吹っ飛ばされそうになった時だった。
誰かに肩を支えられ、吹っ飛ばされそうになることはなくなった。一体誰だと顔を上げると、そこには白い仮面と長髪の見たこともないキャラが立っていた。
いや、待てよ。この仮面――まさか。
「オウシェラ!」
「会ったことがあったかい?」
相手は首を傾げる。彼は第二のハイブリッド・オウシェラだ。なぜ彼がこんなところに。
オウシェラは俺の言いたいことがわかったのか、説明し出した。
「アゼンヒルト様に作られたハイブリッドは二体、俺とシストだ。アゼンヒルト様に呪いで作られたところまでは一緒だが、俺は核ではないよ。シスト様の命令に従うまま俺は裏で彼を支えてきた。まさかアゼンヒルト様と再会するとは、思ってなかったけどね」
「他のハイブリッド達とは違うのか?」
「他のハイブリッドはカプセルから生まれた。ヒオゥネくんと手を組む前から存在していた灰色の集団が作ったんだ」
「灰色の集団の正体を知ってるのか……?」
「彼らはただの博士達さ。何百年も前からそう呼ばれて、世代交代を繰り返してきた朽ちることのなかった集団だよ」
「シストもそれを知っていたのか?」
「いいや、あいつは俺と違って昔の記憶を忘れているからね」
「シストの光の魔法で呪いが浄化されているのは……?」
「シストの呪いが光を発するんだ。呪いなのに光を発するっておかしいけど、確かアゼンヒルト様も使える筈だが……その力までシストに取られたのか使えないらしいな」
「アゼン……」
「君は、どっちに勝って欲しいんだ?」
「…………分からない」
でも、二人とも無事でいてくれたらと思う。できればこの戦いを止めたい。
「手伝ってくれオウシェラ!」
「え?」
「二人を止めよう!!」
「二人は君のために戦っているのに?」
「俺のため?」
「そうだよ」
「勝手におっぱじめたんだから、俺だって勝手に止める!」
「うーん……まあ、どちらかが消えることはない気もするけど、消えたとしたら確かに困る」
仮面の奥の赤い瞳が細まる。何だか楽しそうだ。
シストはオウシェラが止め、アゼンヒルトは俺が止めることになった。
アゼンヒルトの元へ近づいていくと、俺の呪いの方が弱いからか火傷のように身体が熱くなる。風圧に負けてずっこけたり、四つん這いになったりしながらアゼンに近づいていく。
「アゼン……!」
「消えろシスト……!」
「――アゼン!!」
「……っ!!」
どっちに勝って欲しいか聞かれた時、本当は即答できた。
俺はアゼンに勝って欲しかったんだ。
彼と目が合い、アゼンヒルトへ手を伸ばすと、彼も手を伸ばしてくる。
手が触れ合った時、思った。
ああ、ゼクシィルはこんな気持ちで手を伸ばしたのだと。
もう置いていかれたくない、一人になりたくない、ずっと、そばにいて欲しい。
「……っ、ヴァントリア、ごめんな」
触れ合った指先が離れ、俺は見えない力に吹っ飛ばされる。
アゼンヒルトは白い光に飲み込まれ、赤い血飛沫を上げた。
地面に倒れる彼に、次々と攻撃が仕掛けられる。
「アゼン……! アゼン!!」
走り出していこうとすれば、オウシェラに止められる。
「止めてくれオウシェラ、シストを止めてくれ!」
「君が選んだ結果だ。君がどちらかを選べば、選ばれた方が死ぬ」
「どう言う意味だ!!」
「君は核と同じ存在になろうとした、そしてそれ以上の存在になった。君が一緒にいたいと思う相手が呪いならば、彼らは君に吸収される」
オウシェラの言っている意味がわからない。でも、アゼンが俺を突き放した理由がそれなんだとしたら、彼は。
「アゼンんんんんんん!!」
アゼンヒルトはシストの手から放出された白い光に飲み込まれ、黒い呪いへと変化し消えていった。
轟音と光が静まり、よろよろとアゼンのいた場所へ近づく。オウシェラはもう邪魔はしなかった。
「アゼン……。……アゼン」
濃い呪いが充満するそこへ辿り着く前に、誰かに後ろから抱きしめられる。
「ヴァントリア……」
「シスト……」
シストもかなり重症らしい、意識が朦朧としている様子だった。シストは弱々しく抱き締めていた俺を離すと、後ろへ倒れる。
オウシェラはそれを支え、シストの名前を呼ぶ。
オウシェラが兵士を呼び、シストを連れて行こうとする。オウシェラは動こうとしない俺に振り返った。
「一緒に行かないのか?」
「アゼンを探す」
「……彼はもう、……………好きにしなさい」
オウシェラは何かを言いかけたが、俺はいまだに漂う黒い呪いに向かって歩いて行った。
黒い呪いは中央へ集まって球体へと変化していく。まるで昔触れた彼の核にそっくりだった。
「アゼン……なのか」
俺はそれに手を伸ばし、そっと触れてから、自分の体の中へ迎え入れた。
「もう俺達は一人ぼっちじゃない」
アゼンの冷たさを感じ、安心感が満ちる。
やっと、ずっと一緒にいられる。
.。.:✽・゜+.。.:✽・゜+.。.:✽・゜+.。.:✽・゜+.。.:✽・゜+
「また、貴方は吸収してしまったんですか」
「へ……?」
突然声を掛けられて振り返ると、そこにはヒオゥネが立っていた。相変わらず真顔だが、声は怒っていた。
「アゼンヒルト・オルテイルは貴方の本体に吸収されたようです」
「アゼン……」
一緒にはいられるが、本当にいなくなってしまったのだと理解した途端、涙が溢れる。
「俺は、一緒にいたかっただけで……」
「貴方が選んだんです。王様の核に触れた時だってそうです、貴方はその全てを受け入れて同じ存在になろうとした。アゼンヒルト・オルテイルのために。貴方が同じ存在になっただけで、王様も核としての役割を終えたわけではありませんから、光の呪いが使えたのでしょう」
「あの光の呪いは何なんだ」
「呪いの最終形態に近づくとああなります。今の僕が使っている呪いは最終形態ですよ」
「アゼンはシストに呪いを奪われたのか?」
「本来ならアゼンヒルト・オルテイルの力になっていたであろう力です。確かに奪われたと言えますね」
「…………もしもシストが核じゃなかったら、アゼンは生きてたか?」
「アゼンヒルト・オルテイルが貴方から離れたのは、自分が貴方を呪うと思ったからです。しかし核と接触してしまった貴方は結果的に呪われた、ゼクシィル様と取り合って半分になった」
「アゼンが俺といたいと望めば俺は吸収されたのか?」
「いいえ。アゼンヒルト・オルテイルは呪いの扱いが長けていますから。なぜ貴方がアゼンヒルト・オルテイルを殺すことになったのか。それは、貴方が呪いの扱いに長けていないまま呪いを吸い続けているからですよ」
「…………!」
アゼンや皆を助けたくて、あの時核に触れた。
アゼンと一緒にいたくて、さっき、手を伸ばした。
「お前はいろんなことを知ってるんだな。シストは知らなかったみたいだけど、教えなかったのか?」
「僕も最近教えられましたから。まああの人に教える義理はありませんよ。むしろ嘘をついてやりたくなる」
「……………あはは」
ヒオゥネはシストのことが嫌いなのかな、俺も嫌いだからいいけど。
それより、アゼンのことだ。
俺が呪いを操ることに長けていれば、アゼンは死ななかったんだ。
「…………アゼンヒルト・オルテイルを愛しているんですか?」
「……っ、俺は、お前を愛してるんだ!!」
例え、アゼンを昔愛していたとしても、今はヒオゥネを愛している。アゼンとのことを思い出しても、その気持ちは変わっていない。
「僕が貴方を愛することはありません」
「どうしていつも、その答えなんだ……っ」
いつも俺の気持ちを拒絶する。嬉しいとか嬉しくないとか、せめて別のことを言ってくれたらいいのに。
アゼンのこともあって堪えていたのか、俺は涙ながらにその場から走り去る。
部屋を出て、みんなの、ウォルズのいるところへ向かおうとした。
しかし。
自分の中にある、ざわざわと喚く声達が激しくなり始め、落ちるような感覚に襲われる。
気を失う前に、俺は身体を白い地面へと投げ出された。
「いてて……。…………ここ、は……」
周囲を見渡した時だった。
自分の視界にその姿が入ってきた時、一気に血の気が引いていくような感覚に合う。
「…………お、れ?」
そこには、透明な結晶……イグソモルタイトが生えるようにして拘束されている俺の半身があった。
「ここは、俺の半身が閉じ込められているオリオか?」
イグソモルタイトと自分の半身の周りには大量の呪いが吹き出す。
それは周囲を闇に変化させるほど濃く、多い呪いだった。
呪いは俺を発見すると、すぐさまこちらに伸びてきて、俺の身体を包み込む。
「な、何なんだ!」
抵抗するが、呪いは俺を引きずるようにして俺の半身に近づかせていく。
「まさか」
アゼンの呪いを吸ったことで、半身では耐えきれなくなって、俺を取り込もうとしているのか……!
自分の身体が元に戻ったとしても、あんな量の呪い、どうやって受け止めれば……!
「や、やめろ、もうやめてくれ……!」
助けたいからと、無闇に手を伸ばしたのが間違いだったんだろうか。
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