身代わりにと差し出された悪役令嬢は上主である、公爵様に可愛がられて～私は貴方のモノにはなれません～

24.

嫌な予感がしたので関わりたくないと思い無視を決め込むことにした。
しかし、そんな願いも虚しく肩を掴まれてしまう。
その瞬間、全身に鳥肌が立ち、嫌悪感が込み上げてきた。
咄嗟に振り払おうとするがビクともしないどころか逆に引き寄せられてしまう始末だ。
それでも抵抗を続けるが無駄に終わった。
結局諦めてされるがままになるしかなかったのだ。
その様子を見ていた他の参加者達は唖然としており、中にはクスクス笑っている者もいた。
だが、そんなことはどうでもいい、今は一刻も早くここから立ち去りたいという気持ちでいっぱいだった。
「離して！」
そう言って暴れるが相手はびくともしなかった。
それどころかますます強く抱きしめられてしまった。
（痛い！苦しい）
息ができなくなりそうになるほどの力強さに恐怖を覚えるが、それと同時にある疑問が浮かんだ。
「どうして……？」
どうしてこの人はこんなにまで私に執着するのか？
それがわからないのだ。
確かに婚約破棄したいと言ったのは自分だし、婚約破棄をされるような事をしたのは彼なのだから恨まれる筋合いは無いはずだ。
それなのにどうしてここまでされるのだろうか？
理解できない事だらけで頭が混乱してしまう。
そして、私は末永く幸せに暮らすのでした。