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「まぁ、落ち着けって、お前は悪くないし、あの男が悪い」
「でも、私は」
「お前は被害者だ、あいつは、お前の気持ちを利用しただけだ」
「……」
「とりあえず、お前は俺の事を信じなさい」
そう言いながらふわっと抱きしめられた。
涙が溢れる。
私は本当に、サディエルに恋をしていたんだと実感したのです。
「サディエル様」
「何?」
「私、貴方が好きです」
「うん、知ってるよ」
(あれ?)
何故だろう、サディエルはそんな私を見て苦笑いを浮かべていました。
そう、まるで、今までの行動が全て読まれてしまったような、そんな気分です。
そうして、私達は二人で手を繋いで歩き出しました。
これから先どんな事があろうとも、彼と一緒なら乗り越えられる。
そう信じながら、 そうして、私達二人は王都へと帰って行くのです。
「おかえり、サディエル」
「ただいま、ユリナ」
そう言いながら抱き合う私達に、
「いや、お前ら何してるの?」
と、アルスラーンが呆れた声を出します。
「え?だって」
そう言いながら顔赤めているのです。
しかし、こうもまぁ、ユリナを横目で盗み見るとうっとりした表情をしていてイラつくのです。
しかし、我慢です、私は、サディエルの妻なのですから、このくらいで嫉妬してはダメなのです。
「ユリス王太子様その、キスしとうございます」
「それは自分の夫にしてもらえ」
あれから、アルスラーンは何もして来ないのです。
それが、少しばかり寂しくもありました。
しかし、私はサディエルのモノなのですから、浮気など言語道断。
そう思いながら、サディエルの腕に絡みつきます。
「おい、リリアーナ」
「サディエル様は、私の夫ですよね」
そう言いながらにんまりと微笑む。
「あれ、リリアーナどうした?」
「浮気はメですよ、貴方」
「NPCに嫉妬する、リリアーナちゃんかわいい」
「うるさいですよ」
「あー、もう、わかったから、ほら」
そういいながら私に軽く口づけをする。
「えへ」
「お前ら、イチャついてないで、帰るぞ」
「はい」
そういいながら、私とユリナは仲良く並んで歩いていくのでした。
「そういえば、サディエル様」
「ん?」
「あの日、私に飲ませたのは何だったのですか?」
「ああ、アレか、お前が寝ている間にちょっと細工させて貰った」
変な物では無いでしょうね……っと不安そうな顔をするリリアーナに苦笑するサディエル。
「大丈夫だよ、お前に害は無い」
「本当ですか?」
「ああ、俺がお前に嘘ついた事あるか?」
「ありますよね」
「……」
「何で黙り込むんですか」
「……ごめんな、ゲーム作ったと言ったけどさ、お前に嫌われるのが怖くて」
「アイス奢って下さいな」
「は?この国でアイスって高級品だぞ」
そんな会話をしながら、私とサディエルは仲良く街を歩く。
今日から、この国の王太子殿下として夫は活動して行く。
でも、その前に、まずは。
「お帰りなさいませ、旦那さま」
「ああ、只今」
そういいながら、妻である私の頭を撫でてくれる。
「どうしたの」
「いえ、何でもありませんよ、言ってみたかったんです、前世では独身でしたので」
「へぇーっ、初耳だな」
そう言いながら頭を撫でてくれる。
とても、恥ずかしく成って行く、
「ところで、アルスラーンさんがゲームマスターなら、ユリナさん平気かな」
「あっ、言い忘れていた、ゲームマスター、今俺だから」
「へ?」
「あの後、アルスラーンと一騎打ちして勝ったから貰ってやった」
その日、アルスラーン・アウローラ国王陛下の執務室には怒号が響いていた。
「でも、私は」
「お前は被害者だ、あいつは、お前の気持ちを利用しただけだ」
「……」
「とりあえず、お前は俺の事を信じなさい」
そう言いながらふわっと抱きしめられた。
涙が溢れる。
私は本当に、サディエルに恋をしていたんだと実感したのです。
「サディエル様」
「何?」
「私、貴方が好きです」
「うん、知ってるよ」
(あれ?)
何故だろう、サディエルはそんな私を見て苦笑いを浮かべていました。
そう、まるで、今までの行動が全て読まれてしまったような、そんな気分です。
そうして、私達は二人で手を繋いで歩き出しました。
これから先どんな事があろうとも、彼と一緒なら乗り越えられる。
そう信じながら、 そうして、私達二人は王都へと帰って行くのです。
「おかえり、サディエル」
「ただいま、ユリナ」
そう言いながら抱き合う私達に、
「いや、お前ら何してるの?」
と、アルスラーンが呆れた声を出します。
「え?だって」
そう言いながら顔赤めているのです。
しかし、こうもまぁ、ユリナを横目で盗み見るとうっとりした表情をしていてイラつくのです。
しかし、我慢です、私は、サディエルの妻なのですから、このくらいで嫉妬してはダメなのです。
「ユリス王太子様その、キスしとうございます」
「それは自分の夫にしてもらえ」
あれから、アルスラーンは何もして来ないのです。
それが、少しばかり寂しくもありました。
しかし、私はサディエルのモノなのですから、浮気など言語道断。
そう思いながら、サディエルの腕に絡みつきます。
「おい、リリアーナ」
「サディエル様は、私の夫ですよね」
そう言いながらにんまりと微笑む。
「あれ、リリアーナどうした?」
「浮気はメですよ、貴方」
「NPCに嫉妬する、リリアーナちゃんかわいい」
「うるさいですよ」
「あー、もう、わかったから、ほら」
そういいながら私に軽く口づけをする。
「えへ」
「お前ら、イチャついてないで、帰るぞ」
「はい」
そういいながら、私とユリナは仲良く並んで歩いていくのでした。
「そういえば、サディエル様」
「ん?」
「あの日、私に飲ませたのは何だったのですか?」
「ああ、アレか、お前が寝ている間にちょっと細工させて貰った」
変な物では無いでしょうね……っと不安そうな顔をするリリアーナに苦笑するサディエル。
「大丈夫だよ、お前に害は無い」
「本当ですか?」
「ああ、俺がお前に嘘ついた事あるか?」
「ありますよね」
「……」
「何で黙り込むんですか」
「……ごめんな、ゲーム作ったと言ったけどさ、お前に嫌われるのが怖くて」
「アイス奢って下さいな」
「は?この国でアイスって高級品だぞ」
そんな会話をしながら、私とサディエルは仲良く街を歩く。
今日から、この国の王太子殿下として夫は活動して行く。
でも、その前に、まずは。
「お帰りなさいませ、旦那さま」
「ああ、只今」
そういいながら、妻である私の頭を撫でてくれる。
「どうしたの」
「いえ、何でもありませんよ、言ってみたかったんです、前世では独身でしたので」
「へぇーっ、初耳だな」
そう言いながら頭を撫でてくれる。
とても、恥ずかしく成って行く、
「ところで、アルスラーンさんがゲームマスターなら、ユリナさん平気かな」
「あっ、言い忘れていた、ゲームマスター、今俺だから」
「へ?」
「あの後、アルスラーンと一騎打ちして勝ったから貰ってやった」
その日、アルスラーン・アウローラ国王陛下の執務室には怒号が響いていた。
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