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ヴァース島の鍾乳洞Ⅱ
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「そうだといいわね。でもどうやって解読する気?」
「それは本で探すか十賢者の誰かに聞くしかないだろ」
「アテはあるの?」
「無い」
その答えに私は思わず溜息が出た。何て無計画な人なのかしら――。そう思っていたときだった。
「人の気配だ。後ろから来るぞ」
ランベリオンは鼻を利かせてそう言うと、私の方に振り返った。
「え? 何?」
「ミユキ殿――後ろを見るんだ」
ランベリオンは冷や汗を垂らしながらそう言った。人型化になってその歩いて来る人物を睨みつけている。
ランベリオンから出ている異様なまでの警戒心――私は後ろを振り向いてその歩いて来る人物を見た――。そこにいたのは白いローブを身に纏った金色蛇の仮面の人物だった。声からすると男だろう――。
身長は200cmくらいあるのではないだろうか? 人型化になっているランベリオンより大きい。
「君達はマーズベルから来た侵入者だな? 最近我々の事を嗅ぎまわっているそうじゃないか」
「貴方は――創世ね――?」
「ほう……報告の通りだな――ジャック。ここに連れて来てくれた事を感謝する」
「勿体なき御言葉です。R様」
その言葉に私とランベリオンは顔を合わせて驚いた。
「まさかジャックさん――」
「ジャック殿――」
私とランベリオンがそう訊くとジャックさんは冷酷な目で私達を睨めつけて来た。
「この島の秘密を知っている者を排除しなければならないのだ。だからこの場所に連れて来た。そしてここは楽園とは関係の無いところだ」
「騙したのか?」
「騙されたのが悪い」
ジャックさんはそう言ってRの隣に立ち、私達に向かって槍を向けて来た。
「それは我等に対する敵対心という事で良いな?」
「元よりそのつもりだ。惜しいな――貴様等が創世という組織名を出さなれければ、仲良くするつもりだったのに」
「探していたのは演技だった――という事ね?」
「そういう事だ」
マズいな――ジャックさんでも相当強いのにこのRという男相当強い――。
「ほう――その緊張感。私の力量が分かるのか。ジャックよ――オーラはそんなに出ているのか?」
「抑えることはできています。この女が敏感なのでしょう」
「ランベリオン・カーネルにも警戒はされているがな。まあ良い」
「貴方は一体何者なの?」
「それで答える馬鹿に見えるか? 知りたければ力づくで吐かせてみるんだな。まあそれも無謀な夢だが」
そう言ってRは右手の袖で捲くった。露わになったのはメタリックな黒と金色の義手だった。私はその瞬間に警戒態勢に入ってそう言ったが――。
「遅いな」
「なっ……!?」
私はいつの間にか両手を拘束されていた。これもまた義手だった。右手を見るとまだ義手があるので左手なのだろう――。信じられない力だ――!
「放せ!」
私がそう必死に抵抗しているとランベリオンが「ミユキ殿―!」と近付いて来た。しかしそんな事をしてしまえば――!
「ランベリオン! 後ろ!」
私の声も虚しくランベリオンは後ろからジャックさんの槍で頭を殴られた。硬質化があるにも関わらずランベリオンは一撃で沈められたのだ。
「ミユキ・アマミヤ。確か転生者だったな。それにアルティメットスキルは絶対零度か――なかなか厄介なスキルを持っている。それにユニークスキルは完全なる運命という変わり種――物事をプラスの方向に変えることができるという事は如何なる状況でもプラスの方向にもっていくことができるのか――しかし閉じ込めておけば問題は無いだろう」
そう言ってRは私にジリジリと歩み寄って来た。私のスキルが視られている――ということはタテワキさんやミクちゃんみたいに鑑定士Ⅵを持っている訳――!? 本当に一体何者なの? それにさっきからだんだんと力が抜けていく――!
「どうだ? 私の殺戮の腕は? どんどんMPが吸われていくだろう?」
そういう事だったのね? 通りで力が入らないわけだ――。
「こちらとしてもQの正体がバレては困るからな」
「ぐっ……」
何とかしなければ――そう思っていた時だった。Rの義手の拳が私の鳩尾に入った。
「残念だったなミユキ・アマミヤ」
私はその場で床に倒れ伏せてしまった。意識がだんだんと薄れていく――。この男も究極の阻害者を持っていることから、当然のようにスキルを視る事はできない。
Rは私の拘束を解くなり、自分の腕に私を拘束していた義手を拾って左腕に取り付けた。分かったのはMPを吸い取ったり、義手を自在に着脱して飛ばしたりすることができるという殺戮の腕というユニークスキルを持っている事だけ。戦闘という戦闘は全くしていない。圧倒的な実力差――これほどの力を持っているなんてタテワキさんやマカロフ卿のような実力だ――。
「考えても無駄だ」
Rは最後にもう一発――私の鳩尾に拳を入れた――。鈍痛――。そこから私の意識は完全になくなってしまった――。
「それは本で探すか十賢者の誰かに聞くしかないだろ」
「アテはあるの?」
「無い」
その答えに私は思わず溜息が出た。何て無計画な人なのかしら――。そう思っていたときだった。
「人の気配だ。後ろから来るぞ」
ランベリオンは鼻を利かせてそう言うと、私の方に振り返った。
「え? 何?」
「ミユキ殿――後ろを見るんだ」
ランベリオンは冷や汗を垂らしながらそう言った。人型化になってその歩いて来る人物を睨みつけている。
ランベリオンから出ている異様なまでの警戒心――私は後ろを振り向いてその歩いて来る人物を見た――。そこにいたのは白いローブを身に纏った金色蛇の仮面の人物だった。声からすると男だろう――。
身長は200cmくらいあるのではないだろうか? 人型化になっているランベリオンより大きい。
「君達はマーズベルから来た侵入者だな? 最近我々の事を嗅ぎまわっているそうじゃないか」
「貴方は――創世ね――?」
「ほう……報告の通りだな――ジャック。ここに連れて来てくれた事を感謝する」
「勿体なき御言葉です。R様」
その言葉に私とランベリオンは顔を合わせて驚いた。
「まさかジャックさん――」
「ジャック殿――」
私とランベリオンがそう訊くとジャックさんは冷酷な目で私達を睨めつけて来た。
「この島の秘密を知っている者を排除しなければならないのだ。だからこの場所に連れて来た。そしてここは楽園とは関係の無いところだ」
「騙したのか?」
「騙されたのが悪い」
ジャックさんはそう言ってRの隣に立ち、私達に向かって槍を向けて来た。
「それは我等に対する敵対心という事で良いな?」
「元よりそのつもりだ。惜しいな――貴様等が創世という組織名を出さなれければ、仲良くするつもりだったのに」
「探していたのは演技だった――という事ね?」
「そういう事だ」
マズいな――ジャックさんでも相当強いのにこのRという男相当強い――。
「ほう――その緊張感。私の力量が分かるのか。ジャックよ――オーラはそんなに出ているのか?」
「抑えることはできています。この女が敏感なのでしょう」
「ランベリオン・カーネルにも警戒はされているがな。まあ良い」
「貴方は一体何者なの?」
「それで答える馬鹿に見えるか? 知りたければ力づくで吐かせてみるんだな。まあそれも無謀な夢だが」
そう言ってRは右手の袖で捲くった。露わになったのはメタリックな黒と金色の義手だった。私はその瞬間に警戒態勢に入ってそう言ったが――。
「遅いな」
「なっ……!?」
私はいつの間にか両手を拘束されていた。これもまた義手だった。右手を見るとまだ義手があるので左手なのだろう――。信じられない力だ――!
「放せ!」
私がそう必死に抵抗しているとランベリオンが「ミユキ殿―!」と近付いて来た。しかしそんな事をしてしまえば――!
「ランベリオン! 後ろ!」
私の声も虚しくランベリオンは後ろからジャックさんの槍で頭を殴られた。硬質化があるにも関わらずランベリオンは一撃で沈められたのだ。
「ミユキ・アマミヤ。確か転生者だったな。それにアルティメットスキルは絶対零度か――なかなか厄介なスキルを持っている。それにユニークスキルは完全なる運命という変わり種――物事をプラスの方向に変えることができるという事は如何なる状況でもプラスの方向にもっていくことができるのか――しかし閉じ込めておけば問題は無いだろう」
そう言ってRは私にジリジリと歩み寄って来た。私のスキルが視られている――ということはタテワキさんやミクちゃんみたいに鑑定士Ⅵを持っている訳――!? 本当に一体何者なの? それにさっきからだんだんと力が抜けていく――!
「どうだ? 私の殺戮の腕は? どんどんMPが吸われていくだろう?」
そういう事だったのね? 通りで力が入らないわけだ――。
「こちらとしてもQの正体がバレては困るからな」
「ぐっ……」
何とかしなければ――そう思っていた時だった。Rの義手の拳が私の鳩尾に入った。
「残念だったなミユキ・アマミヤ」
私はその場で床に倒れ伏せてしまった。意識がだんだんと薄れていく――。この男も究極の阻害者を持っていることから、当然のようにスキルを視る事はできない。
Rは私の拘束を解くなり、自分の腕に私を拘束していた義手を拾って左腕に取り付けた。分かったのはMPを吸い取ったり、義手を自在に着脱して飛ばしたりすることができるという殺戮の腕というユニークスキルを持っている事だけ。戦闘という戦闘は全くしていない。圧倒的な実力差――これほどの力を持っているなんてタテワキさんやマカロフ卿のような実力だ――。
「考えても無駄だ」
Rは最後にもう一発――私の鳩尾に拳を入れた――。鈍痛――。そこから私の意識は完全になくなってしまった――。
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