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やり遂げるⅠ
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到着すると激しい金属音が響いていた。100m程先にはこれまた随分巨大な人間がいた。巨人族のアグリオスというらしい。どうやら、ミクちゃんが空で戦い、アリシアが下で高速移動をしながら援護をしている様子だ。戦闘値は5,800とミクちゃんとアリシアよりも高い。それにあの巨体だ――あのクソデカイ槍で攻撃されたら身体向上と強化のW強化をしない限りは防御力が残念な事になるもんな。
「ナ――ナリユキ様!」
俺はそう声をかけられた。後ろを振り向くと避難をしていた人達が十聖壁の向こう側にいた。森妖精達は大きなダメージを喰らったのだろうか? 怪我はしていないがバテが見える。仮説を立てると大方、十聖壁という森妖精が10人集まってできるこの大技を繰り出した時にやられたのだろう。
「皆無事みたいだな」
すると前に出て来たのはミアという森妖精だった。
「ええ――ナリユキ様の所は大丈夫なのでしょうか?」
「問題無い。とりあえず制圧したさ」
俺がそう言うと「おお!」とえらく盛り上がった。
「流石です!」
「ナリユキ様は世界一!」
とベタ褒めである。
「いやいや。レンさんがいなかったらマーズベルの人口が半分程減らされるところだった」
「そうだったんですか? そういえばアルティメットスキルの気配を感じました。それに空が燃えていたので何が起きたのかと心配しておりました。ですので、ここにいた皆はナリユキ様の事が心配だったのですがそれと何か関係があるのですか?」
「そうか心配かけて悪かったな。関係大有りだ。空が燃えていたのはレンさんのスキルだ」
すると、また皆がざわめき始めた。
「レンと言えばレン・フジワラ様だ!」
「そうか、あの妙な喋り方をする冒険者の兄ちゃんだ」
「確かナリユキ様と同じ転生者だった」
と驚いた様子だった。
「そうだ。マカロフ卿が放ったアルティメットスキルをレンさんが空を燃やしていたあの炎で止めてくれたんだ。国主の俺としてはそのお礼を決めているけど、皆は会った時に必ずお礼を言ってあげてくれ」
「かしこまりました!」
と皆が勢いよく返事をしてくれた。その返事をしてくれた後には各々レンさんについて話しをしていた。レンさんを称える声が上がっていて俺としては自分のように嬉しい。
「素晴らしい冒険者様ですね」
「そうだな。本当に助かるよ。ところで戦況はどうだ?」
するとミアは眉間に皺を寄せた。
「防戦一方ですね。特に飛竜達は巨人に押されている印象です。一方、ミク様とアリシア様は流石と言った感じです。見たところ、疲労も特段しているようには見えないので、2人で共闘している事によって互角以上の戦いをしています。しかも、驚くことに阿吽の呼吸なんですよね」
と、ミアはそう感心していた。他の森妖精達も2人の事を感心しながら見ている。う~ん。阿吽の呼吸ができる程ペアで何か特訓していたのか――? いや、2人は本質的に視野が広く気が利く人間だ。それが阿吽の呼吸に繋がっているかもしれない。
「おのれ! ちょこまかと!」
と、怒号を散らすアグリオス。ミクちゃんとアリシアは得意気な表情を浮かべながらアグリオスに確実にダメージを負わせている。あんな巨大な槍を振り回したり、アクティブスキルを放ったりしているのに、ヒヤヒヤせずに戦闘を見れることから、戦いのなかで成長しているようにも見える。
「よしっ! 俺も負けてられないな! ちょっと巨人倒してくるわ!」
俺がそう言って歩み始めると、後ろにいる皆が「ちょっと――?」と凄く不思議そうに復唱していた。
「ナリユキ様――そんなちょっとお散歩に行ってくるみたいなノリで――」
「さ――流石魔物の国の閣下――伊達じゃないです」
と、まあ色々と感想を漏らしていた。
「よし」
俺はボルトアクション狙撃銃のL96A1を取り出して1人の巨人の頭をスコープを覗いて狙撃!
1体の巨人は見事に後ろに倒れてしまった。威力が相当高かったらしい。着弾時に首がぐいんと後ろに持っていかれていたからな。初めてランベリオンと戦った時のL96A1とは随分違うな。当たり前だけど。
周りの巨人達は1体の巨人達が倒れて騒然としていた。残りの巨人はアグリオスを入れて3体。俺は弾を込めて撃ってを繰り返して、巨人に確実にHSを入れて仕留めた。同士が次々と倒れていくサマを見てアグリオスは「おのえ人間!」とキレ始めた。身体向上を使って動きがさらに俊敏になってしまい、アリシアは回避できずに踏まれそうになっていた。
「危ない!」
ミクちゃんがそう叫んだ時――俺はアリシアの所へ転移イヤリングを使って移動し、アグリオスの足を持ち上げた。
「ナリユキ様――!」
「大丈夫か? アリシア?」
「はい――!」
と凄く嬉しそうに涙を浮かべいた。
「な――何だ!?」
足が全く動かない事にアグリオスは驚いている様子だった。
「なあ、アリシア。コイツもう倒していいか?」
「いえ、ここはミク様と私に任せて頂けませんか?」
アリシアはそう俺を真っすぐな目で見てきた。
「分かった。存分に戦え。但し危なかったらさっきみたいに俺が助けるし、大技を出そうとしてきたら倒しまうぞ?」
「はい。お手数をおかけしますがよろしくお願いいたします」
と一礼されたので、とりあえず俺はアグリオスの足を持ち上げるのを止めた。
「おのれ人間――コケにしてくれたな!」
「お前の相手は俺の優秀な幹部達だ」
「ほざけー!」
と槍で攻撃してくるアグリオス。俺は手からスペツナズナイフを出して射出した。アグリオスは「グッ……」と声を漏らして膝から崩れ落ちる。
「ナリユキ君に喧嘩を売るのは――」
「止めておいた方が賢明ですよ」
と、俺の心配もする事も無く、アグリオスをただただ同情するミクちゃんとアリシアだった。
「ナ――ナリユキ様!」
俺はそう声をかけられた。後ろを振り向くと避難をしていた人達が十聖壁の向こう側にいた。森妖精達は大きなダメージを喰らったのだろうか? 怪我はしていないがバテが見える。仮説を立てると大方、十聖壁という森妖精が10人集まってできるこの大技を繰り出した時にやられたのだろう。
「皆無事みたいだな」
すると前に出て来たのはミアという森妖精だった。
「ええ――ナリユキ様の所は大丈夫なのでしょうか?」
「問題無い。とりあえず制圧したさ」
俺がそう言うと「おお!」とえらく盛り上がった。
「流石です!」
「ナリユキ様は世界一!」
とベタ褒めである。
「いやいや。レンさんがいなかったらマーズベルの人口が半分程減らされるところだった」
「そうだったんですか? そういえばアルティメットスキルの気配を感じました。それに空が燃えていたので何が起きたのかと心配しておりました。ですので、ここにいた皆はナリユキ様の事が心配だったのですがそれと何か関係があるのですか?」
「そうか心配かけて悪かったな。関係大有りだ。空が燃えていたのはレンさんのスキルだ」
すると、また皆がざわめき始めた。
「レンと言えばレン・フジワラ様だ!」
「そうか、あの妙な喋り方をする冒険者の兄ちゃんだ」
「確かナリユキ様と同じ転生者だった」
と驚いた様子だった。
「そうだ。マカロフ卿が放ったアルティメットスキルをレンさんが空を燃やしていたあの炎で止めてくれたんだ。国主の俺としてはそのお礼を決めているけど、皆は会った時に必ずお礼を言ってあげてくれ」
「かしこまりました!」
と皆が勢いよく返事をしてくれた。その返事をしてくれた後には各々レンさんについて話しをしていた。レンさんを称える声が上がっていて俺としては自分のように嬉しい。
「素晴らしい冒険者様ですね」
「そうだな。本当に助かるよ。ところで戦況はどうだ?」
するとミアは眉間に皺を寄せた。
「防戦一方ですね。特に飛竜達は巨人に押されている印象です。一方、ミク様とアリシア様は流石と言った感じです。見たところ、疲労も特段しているようには見えないので、2人で共闘している事によって互角以上の戦いをしています。しかも、驚くことに阿吽の呼吸なんですよね」
と、ミアはそう感心していた。他の森妖精達も2人の事を感心しながら見ている。う~ん。阿吽の呼吸ができる程ペアで何か特訓していたのか――? いや、2人は本質的に視野が広く気が利く人間だ。それが阿吽の呼吸に繋がっているかもしれない。
「おのれ! ちょこまかと!」
と、怒号を散らすアグリオス。ミクちゃんとアリシアは得意気な表情を浮かべながらアグリオスに確実にダメージを負わせている。あんな巨大な槍を振り回したり、アクティブスキルを放ったりしているのに、ヒヤヒヤせずに戦闘を見れることから、戦いのなかで成長しているようにも見える。
「よしっ! 俺も負けてられないな! ちょっと巨人倒してくるわ!」
俺がそう言って歩み始めると、後ろにいる皆が「ちょっと――?」と凄く不思議そうに復唱していた。
「ナリユキ様――そんなちょっとお散歩に行ってくるみたいなノリで――」
「さ――流石魔物の国の閣下――伊達じゃないです」
と、まあ色々と感想を漏らしていた。
「よし」
俺はボルトアクション狙撃銃のL96A1を取り出して1人の巨人の頭をスコープを覗いて狙撃!
1体の巨人は見事に後ろに倒れてしまった。威力が相当高かったらしい。着弾時に首がぐいんと後ろに持っていかれていたからな。初めてランベリオンと戦った時のL96A1とは随分違うな。当たり前だけど。
周りの巨人達は1体の巨人達が倒れて騒然としていた。残りの巨人はアグリオスを入れて3体。俺は弾を込めて撃ってを繰り返して、巨人に確実にHSを入れて仕留めた。同士が次々と倒れていくサマを見てアグリオスは「おのえ人間!」とキレ始めた。身体向上を使って動きがさらに俊敏になってしまい、アリシアは回避できずに踏まれそうになっていた。
「危ない!」
ミクちゃんがそう叫んだ時――俺はアリシアの所へ転移イヤリングを使って移動し、アグリオスの足を持ち上げた。
「ナリユキ様――!」
「大丈夫か? アリシア?」
「はい――!」
と凄く嬉しそうに涙を浮かべいた。
「な――何だ!?」
足が全く動かない事にアグリオスは驚いている様子だった。
「なあ、アリシア。コイツもう倒していいか?」
「いえ、ここはミク様と私に任せて頂けませんか?」
アリシアはそう俺を真っすぐな目で見てきた。
「分かった。存分に戦え。但し危なかったらさっきみたいに俺が助けるし、大技を出そうとしてきたら倒しまうぞ?」
「はい。お手数をおかけしますがよろしくお願いいたします」
と一礼されたので、とりあえず俺はアグリオスの足を持ち上げるのを止めた。
「おのれ人間――コケにしてくれたな!」
「お前の相手は俺の優秀な幹部達だ」
「ほざけー!」
と槍で攻撃してくるアグリオス。俺は手からスペツナズナイフを出して射出した。アグリオスは「グッ……」と声を漏らして膝から崩れ落ちる。
「ナリユキ君に喧嘩を売るのは――」
「止めておいた方が賢明ですよ」
と、俺の心配もする事も無く、アグリオスをただただ同情するミクちゃんとアリシアだった。
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