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情報交換Ⅱ
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「俺が思うに、最終的にはそのミロクという男と戦わなければならない。だからスキルを把握しておく必要があるんだけど、フーちゃん何か情報は無いのか?」
「情報ならある。全知全能についてはどのようなスキルか分からないが、天変地異は自然災害を起こすスキルと聞いたことがある。地震や津波も起こせるし、火山を噴火させることだって可能だ」
何かその話を聞いて凄く嫌な予感がした。とてつもなくスケールが大きい話じゃないか?――。
「もしかして、大陸ごと動かすことだってできるのか?」
「可能だろうな――ユニークスキルはスキルにもよるが、ある一定のレベルに到達すると覚醒するのだ。その覚醒はMPを消費することによって発動できる」
アードルハイム帝国を壊滅させたときの神罰空堕のような事か。確かに100kmの岩山を落とすなんてえげつないもんな。
「なあ――俺、ずっと疑問だったことがあるんだけど、アードルハイム帝国の王都を壊滅させたときに、MPがごっそり持っていかれたんだ――もしかして俺はユニークスキルが覚醒しているのか?」
「ほう――それは凄いな」
フーちゃんはそう言って俺の顔をマジマジと見ていた。
「そうだろうな。本来ユニークスキルでMPが消費されるなんて事はあり得ないから間違いない。何が厄介かというと覚醒しているかどうかは鑑定士で確認することが出来ないから、実際の戦闘で探るしかという点だ。あとは純粋に強力すぎる効果や規模という点だな」
「それまた随分と厄介だな」
「まあな。しかし、仮に大陸を動かすことができるのあれば相当なMP量だろう。青龍よ。今まで一番MPが多かった人物は誰だ?」
「黒龍だ」
「黒龍――確か名前はニゲル・クティオストルーデ。ある地域では破壊という意味で使われている名前だ」
「破壊?」
マカロフ卿がそう問いかけると、青龍さんが「ああ」と応えた。
「黒龍は破壊の象徴なのだ。元々四龍は様々な象徴とされていてな、余は再生の象徴。黒龍は破壊の象徴。白龍は平和の象徴。赤龍は生命の象徴とされている。黒龍を崇める地域もあるが、世界中の殆どが奴を恐れているのだ。そして、奴の名前そのものに破壊という意味を込めるようになった」
「成程な。じゃあミロクはその黒龍より強い可能性はあるのか?」
「正直未知数だな――しかし、東の国も2,000年前は酷い目にあっていたので、黒龍よりか弱かったのではないだろうか? どちらにせよ情報が少ないので何とも言えない」
青龍さんの言葉に皆が重い表情を浮かべていた。確かに、大陸を動かす程の力を持っているのであれば勝てる気が起きないだろう。まさに神の力と言うやつだ。それに森妖精である以上転移なども使えるだろうしな。
「仮にミロク様が動き出すのであれば、何故このタイミングなのでしょうか?」
アリシアの質問に対して俺は分からないという返答しかできなかった。勿論、青龍さんもアヌビスもフーちゃんも首を振っている。
「森妖精の歴史を辿れば何か分かると思いますか?」
メリーザが俺にそう質問をぶつけてきた。
「確かに分かるんじゃないかな? まあ無駄足になるかもしれないけど」
「それなら私がやります!」
そう手を挙げたのはメイだった。確かにメリーザには結界を張ってもらう重要な役割があるからな。
「まあいいだろう。一人じゃ探すの大変だろうから、レンさん達も手伝ってほしいんだけどいいか?」
「勿論や!」
「森妖精の楽園って呼ばれているところやろ? めちゃ行きたかったん」
「ピクニックに行く訳じゃないんだ。ちゃんと仕事しろよ?」
「良いところですよ! 皆で行きましょう!」
そうネオンちゃんが声をかけると、レンさん達は物凄く盛り上がっていた。テンションが高いので本当にピクニックのようだ。まあ、調査という面倒くさい仕事が楽しくできるならそれでいいか。
「呑気でいいな」
と、少し不貞腐れているのはアヌビスだ。まあ1人で色々と調査していたからそう言いたくなるのも分かる気がするけどな。
「これからの創世の動きはどうするんだい?」
そう質問を投げて来たのはルミエールだった。
「ギルドに任務を張って欲しいかな。森妖精にまつわる伝説や噂を片っ端から調査してほしい。方法は問わない」
「成程ね。マーズベルはどうするの?」
「とりあえずはQの事を調べて奴をおびき寄せることかな? それとサイスト・クローバーを殺害したのがスペード侯爵じゃないっていう事も証明する。方法については俺が、誤解している人々に記憶を共有して、ディアン公爵が殺害したという話を広めるだけだ」
「ん? Qがディアン公爵だって分かったけど、クローバー侯爵を殺害したという情報はあるんだっけ?」
「その情報はカルディアが入手している。そして、俺はカルディアの記憶を一度奪って情報を得ているから、誤解を解くことができるさ。勿論、ディアン公爵が生きているという情報も共有することができる」
「成程ね。あとは当面は国同士で協力する事と、東の国で情報収集することが鍵だね」
「そうだな。まあ警戒しながら創世についてもっと調べよう」
俺がそう言うと皆頷いていた。
「余は単独で調査をしようと思うが問題無いか?」
そう訊いて来たのはアヌビスだった。まあ元々単独行動していたもんな。
「ああ、大丈夫だぞ。適当なタイミングで様子を見に行くよ。できれば一週間に一回くらいは連絡ほしいけど」
「分かった。最低でもその頻度で連絡を入れる。メルム・ヴィジャ、お前も来るだろ?」
「勿論です。お供させて頂きます」
「ということだ。話はそれくらいで大丈夫か?」
アヌビスにそう言われたので俺は「ああ」と言葉を漏らした後、今回のこの情報整理は以上とした。とりあえずは、マーズベル、カーネル、オストロンの三カ国が集まっているから、この後は三人で会議をすることにした。
「情報ならある。全知全能についてはどのようなスキルか分からないが、天変地異は自然災害を起こすスキルと聞いたことがある。地震や津波も起こせるし、火山を噴火させることだって可能だ」
何かその話を聞いて凄く嫌な予感がした。とてつもなくスケールが大きい話じゃないか?――。
「もしかして、大陸ごと動かすことだってできるのか?」
「可能だろうな――ユニークスキルはスキルにもよるが、ある一定のレベルに到達すると覚醒するのだ。その覚醒はMPを消費することによって発動できる」
アードルハイム帝国を壊滅させたときの神罰空堕のような事か。確かに100kmの岩山を落とすなんてえげつないもんな。
「なあ――俺、ずっと疑問だったことがあるんだけど、アードルハイム帝国の王都を壊滅させたときに、MPがごっそり持っていかれたんだ――もしかして俺はユニークスキルが覚醒しているのか?」
「ほう――それは凄いな」
フーちゃんはそう言って俺の顔をマジマジと見ていた。
「そうだろうな。本来ユニークスキルでMPが消費されるなんて事はあり得ないから間違いない。何が厄介かというと覚醒しているかどうかは鑑定士で確認することが出来ないから、実際の戦闘で探るしかという点だ。あとは純粋に強力すぎる効果や規模という点だな」
「それまた随分と厄介だな」
「まあな。しかし、仮に大陸を動かすことができるのあれば相当なMP量だろう。青龍よ。今まで一番MPが多かった人物は誰だ?」
「黒龍だ」
「黒龍――確か名前はニゲル・クティオストルーデ。ある地域では破壊という意味で使われている名前だ」
「破壊?」
マカロフ卿がそう問いかけると、青龍さんが「ああ」と応えた。
「黒龍は破壊の象徴なのだ。元々四龍は様々な象徴とされていてな、余は再生の象徴。黒龍は破壊の象徴。白龍は平和の象徴。赤龍は生命の象徴とされている。黒龍を崇める地域もあるが、世界中の殆どが奴を恐れているのだ。そして、奴の名前そのものに破壊という意味を込めるようになった」
「成程な。じゃあミロクはその黒龍より強い可能性はあるのか?」
「正直未知数だな――しかし、東の国も2,000年前は酷い目にあっていたので、黒龍よりか弱かったのではないだろうか? どちらにせよ情報が少ないので何とも言えない」
青龍さんの言葉に皆が重い表情を浮かべていた。確かに、大陸を動かす程の力を持っているのであれば勝てる気が起きないだろう。まさに神の力と言うやつだ。それに森妖精である以上転移なども使えるだろうしな。
「仮にミロク様が動き出すのであれば、何故このタイミングなのでしょうか?」
アリシアの質問に対して俺は分からないという返答しかできなかった。勿論、青龍さんもアヌビスもフーちゃんも首を振っている。
「森妖精の歴史を辿れば何か分かると思いますか?」
メリーザが俺にそう質問をぶつけてきた。
「確かに分かるんじゃないかな? まあ無駄足になるかもしれないけど」
「それなら私がやります!」
そう手を挙げたのはメイだった。確かにメリーザには結界を張ってもらう重要な役割があるからな。
「まあいいだろう。一人じゃ探すの大変だろうから、レンさん達も手伝ってほしいんだけどいいか?」
「勿論や!」
「森妖精の楽園って呼ばれているところやろ? めちゃ行きたかったん」
「ピクニックに行く訳じゃないんだ。ちゃんと仕事しろよ?」
「良いところですよ! 皆で行きましょう!」
そうネオンちゃんが声をかけると、レンさん達は物凄く盛り上がっていた。テンションが高いので本当にピクニックのようだ。まあ、調査という面倒くさい仕事が楽しくできるならそれでいいか。
「呑気でいいな」
と、少し不貞腐れているのはアヌビスだ。まあ1人で色々と調査していたからそう言いたくなるのも分かる気がするけどな。
「これからの創世の動きはどうするんだい?」
そう質問を投げて来たのはルミエールだった。
「ギルドに任務を張って欲しいかな。森妖精にまつわる伝説や噂を片っ端から調査してほしい。方法は問わない」
「成程ね。マーズベルはどうするの?」
「とりあえずはQの事を調べて奴をおびき寄せることかな? それとサイスト・クローバーを殺害したのがスペード侯爵じゃないっていう事も証明する。方法については俺が、誤解している人々に記憶を共有して、ディアン公爵が殺害したという話を広めるだけだ」
「ん? Qがディアン公爵だって分かったけど、クローバー侯爵を殺害したという情報はあるんだっけ?」
「その情報はカルディアが入手している。そして、俺はカルディアの記憶を一度奪って情報を得ているから、誤解を解くことができるさ。勿論、ディアン公爵が生きているという情報も共有することができる」
「成程ね。あとは当面は国同士で協力する事と、東の国で情報収集することが鍵だね」
「そうだな。まあ警戒しながら創世についてもっと調べよう」
俺がそう言うと皆頷いていた。
「余は単独で調査をしようと思うが問題無いか?」
そう訊いて来たのはアヌビスだった。まあ元々単独行動していたもんな。
「ああ、大丈夫だぞ。適当なタイミングで様子を見に行くよ。できれば一週間に一回くらいは連絡ほしいけど」
「分かった。最低でもその頻度で連絡を入れる。メルム・ヴィジャ、お前も来るだろ?」
「勿論です。お供させて頂きます」
「ということだ。話はそれくらいで大丈夫か?」
アヌビスにそう言われたので俺は「ああ」と言葉を漏らした後、今回のこの情報整理は以上とした。とりあえずは、マーズベル、カーネル、オストロンの三カ国が集まっているから、この後は三人で会議をすることにした。
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