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第1章
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家に帰ったリナは、ヨシキのことを考えていた。
一度自覚してしまったら他は考えられないくらいになっていたのだ。
「会いたいな……」
呟いてみるが、なかなか会えないのは分かってる。兄の友達。しかも5歳も年上なのだから相手なされる筈もないだろうし、彼女もいないわけない。
向こうは友達の妹としか見てないだろう。
そう思うとなんだか寂しく思った。
バタンっ。
玄関のドアが開き母親が帰ったきた。
「ただいまー」
疲れた様子の母親にリナは笑った。
「おかえりー。ママ、疲れた顔してるよ」
「リナ」
リナを抱きしめて「あぁ……落ち着く」と言った。
「いつもごめんね。家を空けること多くて」
母はリナにそう言う。リナはそんな母を見てふふっと笑った。
大人びてるリナだが、やっぱり母は大切で大好きな存在。
母が帰ってくると嬉しくて母から離れないのだ。そういうところはやっぱりまだまだ子供なのだ。
「ママ、あのね……」
中学に入ってからのことを話すリナ。だけど、襲われたことやヨシキたちに会ったことは何故か話せなかった。
◆◆◆◆◆
「じゃリナ。お母さん、行ってくるね」
次の日の朝、バタバタと母親は仕事に出かけていった。
いつも頑張ってる母親を見て、心配かけないようにしなきゃと思う。だがその反面、実際は寂しくて仕方ない。
母親の後ろ姿を見送ったリナはそのまま立ち尽くしていた。
「母さん、仕事行った?」
だらしない格好をしたシュンイチが、部屋から出て来た。
「今起きたの?」
「昨夜、ヨシキたちと遊んでから」
ふあぁぁ……と、大きなあくびをする。
ヨシキという名前を聞いたリナは、それだけで鼓動が早くなる。
自覚してしまったから、自分の気持ちを誤魔化すことが出来なかった。だけどその気持ちをどうすればいいのかは分からなかった。
冷蔵庫から麦茶を出して飲んでるシュンイチを見て、ため息を吐いた。
(いいなぁ……)
ヨシキと遊べる関係が羨ましい。リナは兄をジロッと見ていた。
「なんだよ、リナ」
言われてはっとする。
シュンイチを睨んだって仕方ない。ふたりは友達なんだからと、言い聞かせる。
「学校、行ってくる」
そう言って鞄を持ち家を出た。
自分の気持ちをどう向ければいいのか分からないリナは、ずっとモヤモヤした気持ちを抱えていた。
「思いきって会いに行っちゃえば?」
アキはリナにそう言う。
「え?」
思わずアキの顔を見るリナは、どう返答していいのか分からない。
「ほんと、こういうとこダメだねぇー」
アキは歳のわりに、考え方が大人だ。大人というより冷めてるところがある。それが同年代にとっては大人に見えてしまう。
「いつもどこにいるのさ」
「……たまり場か、繁華街の方だと思う」
リナ自身も詳しくはない。シュンイチに聞けばいいのだが、そんなことは聞けない。
「放課後、駅の方に行ってみる?」
見かねたアキはリナにそう言った。
一度自覚してしまったら他は考えられないくらいになっていたのだ。
「会いたいな……」
呟いてみるが、なかなか会えないのは分かってる。兄の友達。しかも5歳も年上なのだから相手なされる筈もないだろうし、彼女もいないわけない。
向こうは友達の妹としか見てないだろう。
そう思うとなんだか寂しく思った。
バタンっ。
玄関のドアが開き母親が帰ったきた。
「ただいまー」
疲れた様子の母親にリナは笑った。
「おかえりー。ママ、疲れた顔してるよ」
「リナ」
リナを抱きしめて「あぁ……落ち着く」と言った。
「いつもごめんね。家を空けること多くて」
母はリナにそう言う。リナはそんな母を見てふふっと笑った。
大人びてるリナだが、やっぱり母は大切で大好きな存在。
母が帰ってくると嬉しくて母から離れないのだ。そういうところはやっぱりまだまだ子供なのだ。
「ママ、あのね……」
中学に入ってからのことを話すリナ。だけど、襲われたことやヨシキたちに会ったことは何故か話せなかった。
◆◆◆◆◆
「じゃリナ。お母さん、行ってくるね」
次の日の朝、バタバタと母親は仕事に出かけていった。
いつも頑張ってる母親を見て、心配かけないようにしなきゃと思う。だがその反面、実際は寂しくて仕方ない。
母親の後ろ姿を見送ったリナはそのまま立ち尽くしていた。
「母さん、仕事行った?」
だらしない格好をしたシュンイチが、部屋から出て来た。
「今起きたの?」
「昨夜、ヨシキたちと遊んでから」
ふあぁぁ……と、大きなあくびをする。
ヨシキという名前を聞いたリナは、それだけで鼓動が早くなる。
自覚してしまったから、自分の気持ちを誤魔化すことが出来なかった。だけどその気持ちをどうすればいいのかは分からなかった。
冷蔵庫から麦茶を出して飲んでるシュンイチを見て、ため息を吐いた。
(いいなぁ……)
ヨシキと遊べる関係が羨ましい。リナは兄をジロッと見ていた。
「なんだよ、リナ」
言われてはっとする。
シュンイチを睨んだって仕方ない。ふたりは友達なんだからと、言い聞かせる。
「学校、行ってくる」
そう言って鞄を持ち家を出た。
自分の気持ちをどう向ければいいのか分からないリナは、ずっとモヤモヤした気持ちを抱えていた。
「思いきって会いに行っちゃえば?」
アキはリナにそう言う。
「え?」
思わずアキの顔を見るリナは、どう返答していいのか分からない。
「ほんと、こういうとこダメだねぇー」
アキは歳のわりに、考え方が大人だ。大人というより冷めてるところがある。それが同年代にとっては大人に見えてしまう。
「いつもどこにいるのさ」
「……たまり場か、繁華街の方だと思う」
リナ自身も詳しくはない。シュンイチに聞けばいいのだが、そんなことは聞けない。
「放課後、駅の方に行ってみる?」
見かねたアキはリナにそう言った。
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